転職や就職で最終面接に進んだ方の中には、最初面接に関する情報収集をしてネガティブな情報が目に入りお悩みになったことがあるかもしれません。
インターネット上のネガティブな情報だけを鵜呑みにせず、転職や就職時の最終面接がどのようなものか理解し、しっかりと自分自身のことをアピールできるようにしておくことが大切です。
今回は転職や就職時の最終面接の目的、転職や就職時の最終面接の流れ大まかな内容、転職や就職時の最終面接でよく聞かれる質問と返答時の対応策、転職や就職時の最終面接の合格ポイントについてお話しします。
目次
1.転職や就職時の最終面接の目的
はじめに転職や就職時の最終面接の目的について解説します。
最終的な決定権を持つ人が直接人材を見るのが目的
最終面接は採用の決定権を持つ人、もしくは実際に一緒に働く現場の人が直接人材を見るのが目的です。書類審査や一次面接、二次面接で応募者とコミュニケーションを行い、能力や適性を判断した上で最終面接に至ることを考えると、企業や組織側としても真剣に審査していることは理解しておきましょう。
実際に雇用する段階になれば、簡単には退職させることもできませんし、当然のことながら雇うための人件費も支払い続けなければなりません。長く勤めて欲しいからこそ、採用のミスマッチを防ぎたいという気持ちがあることも覚えておくべきと言えます。
そのため、応募する側としても企業や組織に求められる人材として、必要とされる人材として評価される必要があるのです。
総合的な判断としてはほぼ合格(決まっている)と考えても良い
最終面接に至った時点で、総合的な判断としてはほぼ合格(決まっている)と考えても良いのは間違いありません。能力的な部分や性格も含めて、雇用する方向で話が進んでいるということでもあります。
同時に最終面接に至るまでの時間や労力を含めた採用コストのことを考えると、コストに見合うだけの価値があると評価されていると見て間違いないでしょう。
だからこそ、油断してはいけないというタイミングでもあるため、過度な緊張は必要ありませんが、気を緩めすぎないことに注意が必要と言えます。なるべくこういったタイミングでボロが出ないようにするためにも、面接だからと取り繕うことなく、普段と同様にフラットな形で話せるようにしておくと良いでしょう。
また、企業や組織側からすれば、新しい人材が入ってくることは好ましいことではあるものの、ミスマッチな人材が来てしまうことで職場環境が乱れてしまったり、周囲との人間関係が悪化してしまったりするようなことは避けたいという点にも注意をしておきましょう。
採用する人数と応募してきた人数によっては落ちる場合もあり得る
最終面接は最終的な決定権を持つ人が直接人材を見るのが目的と最初にお伝えしました。そのため、最終面接に他の方も進んでいた場合、どちらかしか雇用しないということも可能性として存在することを忘れないようにしましょう。
能力や適性的にどちらも変わらない場合は、コミュニケーションの差によって選ばれるかどうかが決まってしまうということです。面接の場でのコミュニケーション能力は、一緒に働く同僚や顧客及びクライアントに対する接し方とほぼ同じになります。
コミュニケーションの中から一緒にやっていけるかどうか、自社の雰囲気にあった人材かどうか、自社を盛り上げるために役立ってくれるかどうかなども判断されるのです。同様に能力や適性だけでなく、人柄や雰囲気を重視する場合もあります。
業務や作業の内容は教えることはできますが、性格やコミュニケーションの部分についてはなかなか変えることができないのが理由です。一緒に働きたいと考えてもらえるようなコミュニケーションを心掛けると良いでしょう。
転職や就職時の最終面接の通過率
最終面接の通過率について、不確定要素が多いため、どれぐらいの割合で通過していると一概に数値にしてお伝えすることは難しいです。
また、リクナビNEXTが2013年「技術職の最終面接を経験した面接官400人」にアンケートを実施した結果では自社の最終面接を通過する技術職の割合は20%未満が42%となっています。
つまり42%の企業が、5人に1人も内定を出していない結果となり、最終面接の通過は難しいことであるとわかるでしょう。最終面接で何を見られているかといえば、コミュニケーション(一緒に働ける人かどうか)です。
スキルや能力、実績については履歴書が職務経歴書で確認できます。コミュニケーションは数値化や言語化がしにくい部分であると同時に、職場の雰囲気を大きく左右する要素であるのが理由です。
実際に高い能力があり、様々なスキルがあったとしても、性格的に問題があったり、コミュニケーションに難があったりすると、最終面接は通りにくいと覚えておきましょう。
同様に能力やスキルが少し物足りないとしても、しっかりとしたコミュニケーションや受け答えができることで最終面接に通過する可能性が高まるということも覚えておいてください。
2.転職や就職時の最終面接の流れや大まかな内容
次に転職や就職時の最終面接の流れや大まかな内容について解説します。
一般的には面接官が数人、30分から1時間前後
最終面接は一般的に面接官が数人で30分から1時間前後とされています。面接官は経営陣や重役、役職のある管理者に加えて、配属先になる可能性の高い部門や部署の管理職が担当する可能性が高いです。
企業や組織を牽引する立場の人が、直接的に応募者を見るということでもあります。様々な経験や知見から採用するかの判断をするため、取り繕っているようなコミュニケーションは見抜かれてしまうと考えて間違いないでしょう。
ただし、企業や組織の中の偉い人と直接話す機会でもあるため、とても緊張する可能性が高いです。現実的には取り繕うどころか普段の自分自身を出すことが難しい可能性も高いため、落ち着いて話すことをまずは心がけましょう。
ポイントとしては面接は落とすためにあるのではなく、採用するためにあるということを忘れないことです。
最終面接まで企業側が採用コストを支払い、良い人材を手に入れたいと考えていることを理解し、良い人材として評価してもらえるようコミュニケーションすることをおすすめします。
選考の情報をより精査する質問が来る可能性が高い
最終面接の対話の流れとして、一次面接や二次面接で応募者が話した内容を精査する質問が来る可能性が高いです。例えば、御社の役に立ちたいと言ったような抽象的な表現な部分を、さらに具体的に説明しなければならないということでもあります。
自分自身が最終面接に至るまでどのようなコミュニケーションをしたのか覚えておくこと、可能であればメモを残しておくことで退職を練っておくと良いでしょう。また、緊張などによって何を言ったか覚えていないということもあるかもしれません。
同様に対話の中で自然と出てしまった言葉もあるでしょう。明らかに自分の考えと違ったことを言ってしまったような場合は、素直に訂正することも重要だと覚えておいてください。同様にどのような解釈であったのか、実際にどういう風に考えてるのかしっかりと伝えることで、最終面接で新しい評価を得られるということも言っておくと良いでしょう。
緊張して挙動不審にならないことが最も重要
最終面接に関して情報収集をしているということは、コミュニケーションに不安があるか、最終面接に挑む現時点においてすでに緊張している状態である可能性が高いです。しかし、人間は緊張すると自分自身の本来の力を発揮できませんし、自然なコミュニケーションも難しくなります。
もちろん、適度な緊張によって丁寧なコミュニケーションができることもあるため、気を緩めすぎるよりは少し緊張するくらいは良いと考えておくのがベストです。
特に緊張して挙動不審な状態になってしまうと、同じことを職場や現場の同僚にしてしまうのではないか、顧客やクライアントにしてしまうのではないかという風に見られてしまいます。最終面接という大切なタイミングで挙動不審になるようであれば、もっと大切なタイミングで挙動不審になると判断されてしまうのは仕方がないということです。
面接官がどんなに偉い人であっても同じ人間だということをまず忘れないようにしましょう。同様にまだ雇用関係にはないということも忘れず、あくまでも上下関係はなく対等な立場であるということも意識しておくことをおすすめします。
3.転職や就職時の最終面接でよく聞かれる質問と返答時の対応策
次に転職や就職時の最終面接でよく聞かれる質問と返答時の対応策について解説します。
志望動機、自己PR、これまでの経験、今後のキャリア
志望動機や自己PR、これまでの経験や今後のキャリアについては今までの面接と同様に聞かれる可能性があります。より情報を深掘りするような形で質問されることを前提としておき、どのように答えるべきかある程度は考えておくと良いでしょう。
ただし、実際には思ってもいないことや実際にはなかったことを話すようなことは絶対に避けて、今の自分でできること、未来の自分でやりたいことを素直に表現することが大切です。
また、志望動機やその会社を選んだ理由については、極端なこと言えばお金を稼ぐためといったようなことを言いたくなる可能性もあります。実際に転職や就職で悩まれているような場合ですと、いくつもの会社を受けてやっと最終面接に至ったということもあるでしょう。
そのため、自分自身の焦りが生まれてしまう可能性もあり、下手に出てしまうようなことがあるかもしれません。最終面接の時点ではあくまでも対等な関係であることを忘れず、人間として評価してもらうという気持ちを忘れないようにしてください。
抽象的で曖昧ではなく、具体的で実行できることをアピールすべき
抽象的で曖昧な表現は、コミュニケーションする中で自然に出てしまう可能性があります。例えば、「御社のために一生懸命頑張ります!」といったような言葉は、言う方も気持ちが良いですし、耳障りの良い言葉であるのは間違いありません。
しかし、具体性にかけていることから評価を評価を下げてしまう可能性があります。なるべく抽象的で曖昧な表現、精神論でコミュニケーションをするのは避けて、具体的で実行できること、今の自分にできることを伝えるよう意識しましょう。
特に何らかのスキルや経験を評価されて最終面接に至ったような方の場合、スキルで何ができるのか具体的にアピールすること、同時に現時点ではできないことであっても、経験や学習によって実行できるようにするという姿勢を伝えることも大切です。
最終面接を通過するためではなく一緒に働くためという意識を持つ
最終面接は通過するためにあると考えてしまいがちですが、実際には一緒に働くためという意識を持つことが最も重要と言えます。言い方を変えれば、最終面接の面接官の方と一緒に働く可能性もありますし、経営陣や重役の方であってもコミュニケーションする機会があるということです。
同じく経営陣や重役の方も、一緒に働く人材を求めていることを忘れず、何度もお伝えしていますが同じ人間であることを理解すること、自然な形でコミュニケーションすることが重要であることを理解しておいてください。
現実問題として面接を通過したいために下手に出てしまったり、相手を持ち上げたりするようなコミュニケーションばかりしてしまうと相手に見透かされてしまうということを知っておくべきです。同様に面接の時点で対等であると同時に、入社した後も上下の役職の差は出ると人間としては対等な関係であることも忘れてはなりません。
入社後に最終面接と同じ態度やコミュニケーションで対応するのか、不自然ではないのかということを意識しつつ、自然でフラットなコミュニケーションを心がけるようにしましょう。
4.転職や就職時の最終面接に合格するためのポイント
次に転職や就職時の最終面接に合格するためのポイントについて解説します。
企業に興味を持ち、理解を深めること
最終面接に合格するためのポイントとして、企業に興味を持ち理解を深めることが挙げられます。会社を選んだ理由や志望動機も含めて、企業に興味があるかどうか、企業理念が理解されているかどうかなどは文章やコミュニケーションで必ず伝わることを覚えておいてください。
現実問題としてお金を稼ぐためという気持ちがあるのももちろん、事実かもしれません。ただし、そうであってもわざわざ伝える必要はないということも知っておくべきです。同様にこれから長く働きたいと少しでも考えているのであれば、興味を持てない企業に応募すべきではないでしょう。
いわゆる採用のミスマッチが起きてしまうのは、応募する側の焦りや緊張によって生じてしまうということも忘れてはいけないのです。なんとか気に入られて採用されるためのコミュニケーションをしたものの、仕事や企業が好きになれず離職することになってしまえば、人生の大切な時間を無駄にしてしまうということを知っておいてください。
なぜ、働きたいかを具体的に話せるよう落とし込むこと
最終面接に合格するためのポイントとして、なぜ働きたいかを具体的に話せるように落とし込むこともあげられます。具体的に話すことで採用のミスマッチを防ぐためというのが一番の理由です。
時間や労力だけでなく、募集の広告などにも金銭的なコストを投資していることを考えると、応募者は良い人材を雇用するだけでなく、長く働いてくれる人が欲しいという意識が企業にあることを知っておきましょう。言い換えれば、この人なら長く働いてくれそうだと感じてもらうことができれば、すんなりと合格してしまう可能性もあるということです。
どのような企業や組織なのか、どのような商品やサービスがあるのか、実際に働くことをイメージしながら、コミュニケーションの中で選んでもらえるよう工夫すると良いでしょう。
自虐的だったり、自信過剰だったりしないこと
最終面接では緊張感のあまり、自分自身を保てなくなるようなこともあるかもしれません。
しかし自虐的なコミュニケーション、自信過剰な発言などをしてしまうのは逆効果です。
・自虐的なコミュニケーションの一例
「私はまだまだ未熟者で...」 「私は人見知りなところがあって…」 「私は作業を覚えるのが苦手でしかも遅く…」 |
・自信過剰な発言の一例
「私は売上は何倍にもすることができます」 「私は絶対にこの会社で成功して有名になります」 「私はすぐに出世して、役員になって会社を変えます」 |
上記は一例ですが、謙遜する気持ちやアピールしたい気持ちによって、言葉が出てしまうことがあるので十分に注意してください。
また、能力を評価されたタイミングで過度な謙遜をしないこと、同様に自分の能力やスキル以上のことを誇張しないことを重視すると良いでしょう。
もちろん、面接を受けるというタイミングはなかなか訪れないこともあり、自分の能力やスキル、コミュニケーション能力によらず緊張することもあります。面接のための自分を作らないようにすることを意識して、一番自分らしい態度、一番自分らしく話せる口調、何よりも落ち着いていられる雰囲気を自分自身で把握することが大切です。
面接を受けるという形で過度に緊張してしまうのではなく、普段の自分が友人や家族以外と話す時にどんな態度でいるのか、他人と話す自然な態度はどのようなものなのかということを客観的に把握することから始めてみてください。
5.まとめ
今回は転職や就職時の最終面接の目的、最終面接の通過率、転職や就職時の最終面接の流れ・大まかな内容、転職や就職時の最終面接でよく聞かれる質問と返答時の対応策、転職や就職時の最終面接の合格ポイントについてお話しました。
採用活動を行っている時点で、企業や組織側としても人材が欲しいという状況でもあります。そのため、最終面接に至るまで様々な形で労力や採用コストを支払っているということを前提としておきましょう。
最終面接を受ける資格を得た時点で、ある程度評価されていることを理解し、最終的に選ばれるということを意識しながら、面接官や一緒に現場で働くであろう従業員の方に、しっかりとアピールすることをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。