JCLのフリーランス案件・求人

■JCLとは JCLとは、Job Control Languageの略で、IBM メインフレーム（z/OSなど）上でバッチジョブを制御するための言語です。JCLは、ジョブの実行に必要なリソース（プログラム、データセット、デバイスなど）を指定し、ジョブステップの実行順序や条件を記述するために使用されます。 JCLの特徴として、80桁のカード形式で記述されること、JOB文、EXEC文、DD文の3種類のステートメントで構成されること、ジョブの実行条件や優先度を指定できること、プログラムに渡すパラメータを指定できること、入力データと出力データのファイルを定義できること、ジョブステップ間でデータを受け渡せること、条件付きでステップをスキップできること、ジョブ終了時の処理を指定できること、プロシージャを使って定型処理を共通化できることなどが挙げられます。 JCLができる開発は、メインフレームシステムにおけるバッチ処理の自動化、帳票出力、データ更新、バックアップ、システム運用など、定期的または大量のデータ処理が必要な業務に利用されています。特に、銀行、保険、公共、運輸などの業界の基幹システムでは、JCLを使った夜間バッチ処理が今でも重要な役割を果たしています。 JCLを活用している世界的サービスやプロダクトは、IBM メインフレームを使っている大企業や政府機関のシステムに数多く存在します。例えば、銀行の勘定系システム、クレジットカードの請求処理システム、航空会社の予約システム、年金の支給処理システムなどでJCLが使われています。メインフレームの運用自動化ツールであるJESやTWS、JCLを生成するツールであるJCL Generatorなども、JCLと密接に関係しています。メインフレームシステムの現場では、COBOL、PL/I、DB2などと並んでJCLのスキルが必要とされており、レガシーシステムの運用と保守に欠かせない技術となっています。 ■JCLを活用するメリット この章ではJCLを活用するメリットについて説明します。 JCLを習得することにより、具体的に以下のようなメリットがあります。 ・メインフレームの基本的なジョブ制御言語としてスキルの市場価値が高い ・ジョブのステップ実行や条件付き実行などバッチ処理の流れを制御できる ・ファイルの割り当てやユーティリティの呼び出しなどシステムリソースの制御が可能 ・OPERATORコマンドによる操作員コンソールへの通知など統合運用管理との連携が取れる ・COBOL、PLI、FORTRANなどのプログラムとの連携が容易に行える ・メインフレームシステムの運用管理に不可欠な知識として長く重宝される ・メインフレームエンジニア不足の中で習得者への旺盛な需要が見込める JCLはメインフレームシステム管理の根幹をなすジョブ制御言語として基幹システム運用の現場を支えてきた技術です。上記活用する上でのメリットを踏まえて、習得可否を検討することをおすすめします。 ■JCLを活用するデメリット この章ではJCLを活用するデメリットについて説明します。 JCLを習得することにより、具体的に以下のようなデメリットがあります。 ・非構造的でモジュール化しにくい言語体系であるためプログラムの保守性に乏しい ・マルチステップジョブにおける状態引継ぎの設計が複雑になりがち ・ジョブ制御に特化した言語のため、汎用的なプログラミングスキルとしての応用が利きにくい ・オープンシステムへの移行などによりメインフレームの利用機会が減りつつある JCLはメリットがJCLはメリットが多いですが、言語仕様の古さや応用範囲の狭さなど注意すべき点がいくつかあることを理解しておきましょう。 JCL習得を今後検討しているフリーランスエンジニアはJCLを活用するメリットデメリットを比較した上で決めると後悔が少ないでしょう。