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クローリングとスクレイピングとの違いは?現場で使える活用術や取り扱い時の注意点など徹底解説!

公開日:2024/08/06最終更新日:2024/08/06

クローリングとスクレイピングは、ともにインターネット上で情報を収集する仕組みですが、その違いがよくわからないという方もいるのではないでしょうか。


主にクローリングはSEO対策で用いられる手法の1つですが、スクレイピングは蓄積されたデータベースから故意に必要な情報のみをコードで抜き取ります。

どちらもシステム構築する際に、Pythonなどのプログラミング言語でコーディングする場合もあり、用途や目的に応じた設計をしなければなりません。


しかし、クローリングとスクレイピングで週出されたデータは著作権に触れる恐れがあるため、非公開とされている情報を勝手に抜き取ることは避けましょう。


本記事では、クローリングとスクレイピングとの違いやメリット・デメリット、取り扱い時の注意点などについて解説しています。

また、実戦での活用方法とその事例、コーディングも紹介しています。

ぜひ、最後までご覧ください。

目次

1.クローリングとスクレイピングとの違い

働き方改革が社会的にも注目され、業務効率の改善が課題になっている昨今ですが、スクレイピングやクローリングなどの技術を応用して情報収集する動きが活発化しています。


情報社会といわれる現代において、データ収集に必要な業務の効率化を図ることが必須といえます。

まずは、クローリングとスクレイピングの仕組みとその違いについて詳しくみていきましょう。

クローリングの仕組み

プログラムがインターネット上のWebサイトを巡回することをクローリングといいます。

泳ぎ方のクロールからきているといわれており、クローリングを使うことでインターネット上の情報を簡単に収集できます。


一般的には、新しく制作したサイトなどを認識する場合や検索エンジン上に数多く存在するWebサイトを巡回する場合などに活用されています。

つまり、スパイダー(ボット)がクロールするプログラムの仕組みがクローリングだということです。

スクレイピングの仕組み

スクレイピングとは、不必要な情報を取り除き重要な情報を取得する技術のことをいいます。

スクレイピングという英単語(scraping)は、こする・削り取るという意味があります。


基本的には、Webサイトの情報があるHTMLテキストから記事のタイトルや見出しなどの内容を抜き取り、情報を分析するために活用されています。

クローリングで収集した情報のなかから重要な情報だけを抜き取るところが特徴的です。

2.クローリングとスクレイピングの違いからみたメリット・デメリット

クローリングとスクレイピングのそれぞれの概要を理解していてもメリット・デメリットがよく分からないと感じる方もいるのではないでしょうか。

メリット・デメリットを理解することで、クローリングもスクレイピングも活用しやすくなるでしょう。


ここでは、クローリングとスクレイピングのメリットとデメリットについて、概要を下表にまとめました。

メリット

デメリット

クローリング

大量のデータを収集可能

Webサイトに負荷がかかる

スクレイピング

業務効率の改善を見込める

著作権法に触れる可能性がある


それぞれのメリット、デメリットについて詳しくみていきましょう。

メリット

クローリングとスクレイピングにおけるメリットは主に2つあります。


1つ目は大量のデータを収集できることです。

クローリングやスクレイピングを活用すれば、少ない工数でビッグデータを取得することが可能となるでしょう。

Web上にはさまざまな情報があるため、収集し分析することで世の中の需要を深く知ることができます。

また、さまざまなビジネスに繋げることも可能なため活用しやすいでしょう。


そして2つ目は、業務効率の改善を見込めることです。

Webサイトから情報収集などの業務を人間が行うと莫大な時間を費やすことになります。

そのため、クローリングやスクレイピングを活用するのが最適です。

業務を自動化することが可能なため、相当な業務改善に繋がります。


より重要な仕事に多くの時間を割けるようになるため、効率よく仕事をしやすくなります。

また、プログラムが自動で行うため、ヒューマンエラーのリスクが軽減されるところは大きなメリットといえるでしょう。

デメリット

次に、クローリングとスクレイピングのデメリットについてみていきましょう。


1つ目は、Webサイトに負荷がかかることです。

情報を収集して、必要な情報を得るには、対象のサイトにアクセスをするため、サーバーに負荷がかかります。サーバーがダウンしてしまうこともあるため注意しましょう。

過去には、クローリングで情報収集する際にサーバーに負荷がかかり、サーバーに障害が発生した事例もありました。


その際にクローラーを作成した人に対して施設が被害届を提出し、結果的に逮捕されたケースがあります。

クローラーを作成した人に悪意があったわけではありませんが、結果として逮捕されることになったため、誰でも同じように逮捕される可能性があることに留意しましょう。


2つ目は、著作権法に触れる可能性があることです。

さまざまなWebサイトのなかには、情報を活用することを禁止している内容もあります。

規約で禁止されていることを知らずに抜き出した情報を利用してしまうと、訴えられる場合もあるため注意しましょう。

3.クローリングとスクレイピングの活用方法とその事例

クローリングとスクレイピングをどう活用すればよいのか知りたい人もいるでしょう。

クローリングとスクレイピングのメリットとデメリットを理解したところで、次にクローリングとスクレイピングの活用方法とその事例について解説していきます。

クローリングとスクレイピングの活用方法

クローリングとスクレイピングの活用方法はいくつかありますので、その主な内容を下記にまとめました。

  • 競合調査

  • 新規事業開始する際の市場調査

  • 営業リストの作成

  • 検索エンジンの作成


それぞれの活用事例について詳しくみていきましょう。

・競合調査

複数の競合企業を調査したり、競合製品が数多く掲載されているECサイトからデータを取得したい場合に有効です。

また、動向を追うために定期的にWebサイトをチェックする場合にも、クローリングやスクレイピングは有効活用できます。


競合企業のちょっとした変化を見逃さないためには、人間ではなくクローリングやスクレイピングで自動化させ、継続的に情報収集できる仕組みを構築するのがよいでしょう。

・新規事業開始する際の市場調査

新規事業を立ち上げる場合は、市場調査が必要不可欠です。

Webサイト上のオープンデータは膨大なため、それぞれのデータ全てをチェックしてデータをコピペするのは相当大変です。


クローリングとスクレイピングを活用することで、設定したWebサイトから必要な情報だけをすべて抽出することができるようになるでしょう。

人間が行うと大変な作業をクローリングとスクレイピングで自動化すれば、効率的な市場調査が可能となります。

・営業リストの作成

営業活動に欠かせない営業リストの作成にクローリングとスクレイピングを使い、Webサイト上のデータを活用するのが効果的でしょう。

さまざまな企業情報が掲載されている記事があればデータを一括で収集し、営業リストを自動で作成できるため、その場合はクローリングとスクレイピングを活用することをおすすめします。

・検索エンジンの作成

クローリングとスクレイピングは、検索エンジンの作成にも活用することができます。

公開されているWebサイトをすべて巡回することで、検索エンジンの素となるデータを得ることが可能です。

Google検索エンジンなどの作成は厳しいですが、クローリングとスクレイピングを上手く組み合わせることでポータルサイトも作成可能なため、活用するとよいでしょう。

クローラーとSEO

SEO(Search Engine Optimization)とは検索エンジン最適化という意味であり、Yahoo! JAPAN・Google、Bingなどの検索エンジンでWebサイトが上位検索されるように対策をすることをいいます。

クローラーとSEOは密接な関係があり、SEO対策において重要な役割を果たします。


それでは、Webサイトは基本的にどのようにして検索エンジンで表示されているのでしょうか。

その大まかな流れをを下記にまとめました。

  1. 検索エンジンのクローラーがWebサイトを巡り各記事の情報を収集する

  2. 収集した記事の情報をデータベースに保管・整理する

  3. 検索エンジンのアルゴリズムに沿って、記事の内容を確認して評価する

  4. 記事の情報が検索エンジンの評価基準をクリアしている場合のみ、検索結果にWebサイトを表示させる


これらの一連の流れでWebサイトが検索エンジンにクローリングされ、検索結果に表示されます。

クローラーを活用しSEO対策をしっかり行い、検索画面の上位に表示されるようになればさまざまなユーザーにみてもらえるようになるでしょう。


Webサイトは数多くの企業や個人が何かしらの目的を持って作成しているため、それぞれの目的を達成するためにもまずは検索エンジンに認知・評価され、検索結果に表示される必要があります。

そのためにも、Googleの検索アルゴリズムに対応することが重要となるため留意しましょう。


検索エンジンでのアルゴリズムとは、評価基準を設け計算をし、表示の可否や順位を決めるためのプログラムです。

実践で役立つ活用事例

クローリングとスクレイピングの活用方法を知っても、実際に活用できなければ意味がありません。

ここでは、実践で役立つ活用事例について、下記の内容で紹介しています。

  • 不動産調査

  • 広告価格のチェック

  • ビジネスの自動化

  • ブランドモニタリング


上記は主な活用事例ですが、他にも活用事例はあります。活用事例を知ることで、実践する際に役立てることが可能なため重要といえるでしょう。

・不動産調査

日常業務にWebスクレイピングによるデータ分析を取り入れることで、仲介業者などは不動産投資を始めたいユーザーや、不動産を購入したいユーザーに対して要望に合致した最適な物件を提案することができます。

価格改定があった物件や新着物件の情報を、リアルタイムでユーザーに届けることができるため重要です。

・広告価格のチェック

クローリングとスクレイピングを使えば、商品価格をリアルタイムで確認できます。

出品者として商品広告を出稿する際、価格設定は広告のコンバージョン率やクリック率に影響します。

ECサイトには多種多様な出品者が存在するなかで、手動で価格を監視することは不可能です。


また、勘や経験だけで価格設定を設定するのは効率がよくありません。

そのため、ECサイト事業者にとってデータ活用は重要であり必要不可欠といえるでしょう。

・ビジネスの自動化

クローリングやスクレイピングは、ビジネスプロセスの自動化に活用できます。

人間が定期的なレポート作成を行い、その都度Webサイトにアクセスしてデータを抽出するのは手間がかかり効率がよくありません。


スクレイパーを作成して、定期実行を行うように設定すれば、自動的にデータが抽出されるようになります。

抽出されたデータをスプレッドシートなどにエクスポートするところまで自動化できれば、レポート作成に必要な時間は大幅に短縮されるため、効率化を図ることが可能です。

・ブランドモニタリング

近年、市場は競争の激しくなっており、インターネット上での評判を守り続けることが重要な課題となっています。

スクレイピングによるブランド監視は、オンラインで人々が製品をどのように認識しているかを知りたい場合や厳しい価格方針がある場合などに役立つでしょう。

4.クローリングとスクレイピングの設計におすすめのプログラミング言語

クローリングとスクレイピングの設計を行う際に、どのプログラミング言語を使えばよいのか知りたい方、もしくはプログラミング言語自体を知らない方もいるのではないでしょうか。

ここでは、クローリングとスクレイピングの設計におすすめのプログラミング言語のうち「Python」「Ruby」について解説しています。


それでは、詳しくみていきましょう。

Python

Pythonは、世界中で人気急上昇中の言語であり、主にAI(人工知能)開発やIoT分野で用いられています。

クローリングとスクレイピングの設計においては、特に適しているプログラミング言語といえ、開発を効率化するライブラリが豊富に揃っているところが主な特徴です。


ライブラリをカスタマイズして使えることから、最初にコードを記述する必要がなく、効率的にスクレイピングプログラムを構築することが可能です。

また、Web上の情報やスクレイピング関連の書籍も充実しているため、初心者でも学習しやすい言語といえるでしょう。

Ruby

Rubyは、日本人のエンジニアまつもとゆきひろ氏によって開発されたプログラミング言語です。

日本では、Web系企業を中心に人気を集めています。

Rubyは、Ruby on Railsといったフレームワークがあり、開発の効率化を図ることができるのは特徴的といえるでしょう。


また、Webアプリケーション開発以外にもスクレイピングが可能で、Pythonと比べて軽量なライブラリで実装できます。

Rubyでスクレイピングをする際にNokogiriという便利なライブラリがあります。


これによって動的にHTMLを作成できたり、HTML上の任意の箇所から文字列を抜き出したりすることが可能となりました。

Pythonや他のライブラリに比べて扱いやすいプログラミング言語といえます。

5.クローリングとスクレイピングの基本サンプルコード例

クローリングとスクレイピングはともにインターネット上で情報収集する際の技術ということは理解できたでしょう。

仕組みを理解できれば、実際に「Python」「Ruby」を活用してシステムを構築してみてはいかがでしょうか。


ここでは、Pythonを用いたクローリングとスクレイピングのサンプルコードを作成しています。

詳しくみていきましょう。

Pythonでクローリングをコーディング

インターネット上を巡回(クローリング)させて、フリーランススタートのTOPページからHTMLのタグで定義されている情報を収集するPythonのサンプルコードを、下記に記述しました。

import requests

import re

import time

import random


# フリーランススタートのTOPページURLからクローリングする

start_url = "https://freelance-start.com/"


# 管理者が確認できるようにメールアドレスをgestに格納する

headers = { 

'gest': 'foo-Bot/1.0 (xxx-xxxx@mailxx.co.jp)'

}


# 初期値はクローリングを開始するURL/アクセスURL

url = start_url


# HTMLが格納される

html_list = []


for i in range(5):

print(f'{i + 1}記事目がクローリングされました。')


# ターゲット記事のURLとヘッダー情報をテキストベースで収集する

html = requests.get(url, headers=headers).text


# 取得したHTMLを格納する

html_list.append(html)


# 記事内で定義されたaタグ内のURLをランダムに格納する

url = random.choice(re.findall('<a.+?href="(https://.+?)".*?>', html))


# 次回ループまでの待機時間を1秒以上に設定

time.sleep(2)


# 収集したHTML情報を表示する

for i, html in enumerate(html_list):

print(f'{i + 1}記事で収集できた情報')

print(html)


Pythonで構築したクローラーが独自にHTMLの情報を収集しながら、記事URLを取得できる仕組みとなっています。

実際にコードを実行すると無事、下記のようなHTMLが抽出されました。

1記事で収集できた情報

<!DOCTYPE html>

<html lang=”ja” class”no-js” prefix=”og: http://ogp.me/ns#”

<head>

<!-- Google Tag Manager -->

<script>(function************************)※記事URLに関連するHTML情報


Pythonでクローリングできる仕組みを設計すれば、抽出したい情報を意図的に収集できます。

Pythonでスクレイピングをコーディング

フリーランススタートのお役立ち情報カテゴリから、最新の記事タイトルを抽出するためのサンプルコードをPythonで記述しました。

下記のプログラムコードは、Pythonでスクレイピングするコーディングのサンプルです。

import requests

import re


# 今回PythonでスクレイピングするURL

target_url = "https://freelance-start.com/"


# 管理者が確認できるようにメールアドレスをgestに格納する

headers = {

'gest': 'foo-Bot/1.0 (xxx-xxxx@mailxx.co.jp)'

}


# ターゲット記事のURLとヘッダー情報をテキストベースで収集する

html = requests.get(target_url, headers=headers).text


# ターゲット記事の最新タイトルを抽出する

reg = 'article-title.+?>(.+?)<'

first_article_title = re.search(reg, html).group(1)


# ターゲット記事のタイトルを表示する

print(first_article_title)


実際にコードを実行すると無事、下記のように最新のタイトルが抽出されました。

>>> print(first_article_title)

シングルページアプリケーション(SPA) とは?仕組みやメリット・導入の方法などを解説!

>>> 


Pythonでスクレイピングすれば、抽出したい情報を意図的に収集できます。

6.クローリングとスクレイピングに必要なテキストファイルと取り扱い時の注意点

クローリングとスクレイピングに必要なテキストファイルや取り扱い時の注意点などが分かりにくいと感じる方もいるでしょう。

ここでは、クローリングとスクレイピングに必要なテキストファイル「サイトマップ」「robots.txt」と取り扱い時の注意点についてまとめています。


それでは、詳しくみていきましょう。

サイトマップ

サイトマップとは、クローリング対象のWebサイトのURLが記載されたXMLファイルのことです。

サイトマップは、クローリング対象の記事があらかじめ指定されています。


そのため、サイトマップを活用することで、正確に対象の記事にクローリングを行えるようになります。

robots.txt

robots.txtとは、アクセス対象のWebサイトを記載したテキストのことです。

URLにアクセスを行うプログラムに対して指示を出しているため、アクセス不可のURLについても記載しています。


robots.txtには、アクセスしてはいけないパスを指定しているDisallow、実際にクローリングを行うプログラムを指定するgest、アクセス可能なパスを指定しているAllowなどが記載されているため注意しましょう。

取り扱い時の注意点

クローリング・スクレイピングを行う際にいくつか留意すべき注意点があります。

ここでは、取り扱い時の注意点について、下記のポイントでまとめました。

  • Webサイトへの負荷

  • 連絡先の明示

  • 著作権と利用規約

  • robots.txtによる指示

  • サイトマップ


それぞれの内容について、詳しくみていきましょう。

・Webサイトへの負荷

クローリングやスクレイピングを行う際、短時間で連続してURLからデータを取得したり、同時に複数のURLに接続してデータを取得したりできます。 

しかし、上記のようなやり方でWebサーバーにアクセスすると、Webサーバーに負荷をかける場合があります。


もし、Webサーバーに負荷をかけると他のユーザーがWebサイトを参照できず、最悪の場合はサーバーが落ちてしまう場合もあるため注意しましょう。

・連絡先の明示

クローラーを開発する際は、なるべく連絡先を明示したほうがよいでしょう。

万が一問題がある場合にサーバー管理者が連絡できるため、問題解決しやすくなります。


連絡先を明示する手段としては、クローラーのheadersに連絡先のメールアドレス・URLを記載することをおすすめします。

・著作権と利用規約

Webサイト上の情報に関連する著作権や利用規約を確認します。

インターネット上のWebサイトのなかには、記事の情報を抜き出して再利用することを利用規約で禁止している場合もあるため、確認する必要があります。


利用規約で禁止しているサイトの情報をクローリングもしくはスクレイピングで抜き出した場合、法的に訴えられるケースもあるため注意しましょう。

・robots.txtによる指示

robots.txtには、ロボットに対してどのURLにアクセスしてよいか・してはいけないかの指示が書いてあります。

そのため、指示に従う必要があるためしっかりと確認しましょう。

・サイトマップ

サイトマップは、闇雲にWebサイトを巡回(クローリング)するよりも、効率よくかつ正確にクロールできます。

サイトマップXMLの配置場所は、robots.txtで提示されます。

そのため、提示を確認する必要があるところは注意しましょう。

7.クローリングとスクレイピングでおすすめのWebツール

Webツールを活用すれば、0から開発しなくても必要な情報の収集をすることができます。

コーディングは不要で、アカウントを作成するだけですぐに利用できるツールも数多く存在します。

しかし、どのWebツールを活用すればよいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。


ここでは、クローリングとスクレイピングでおすすめのWebツール「Import.io」「Octoparse」についてまとめました。詳しくみていきましょう。

Import.io

Import.ioとは、Webサイト内の半構造化情報から構造化データへ変換する際に活用可能なWebスクレイピングプラットフォームです。

他のプラットフォームやアプリケーションなどとの統合・ビジネス上の意思決定の推進まで、あらゆる用途に活用可能です。


テクノロジー・ストレージはすべてクラウドシステムに基づき、Webブラウザ拡張機能を追加するだけでツールを使うことができます。

また、シンプルな操作スタイルで、データフィールドとページを簡単に選択可能なことも特徴の1つです。

Octoparse

Octoparseとは、Webサイトからデータを抽出する場合に使用される豊富な機能を備えたWebスクレイピングツールのことです。

コーディングを行わずに、簡単なポイントアンドクリック操作をして、Webサイトからすべてのデータを収集できます。


Webページ自動認識の機能を備え取得先のURLを入力すると、データが自動的に検出されほぼハンズフリーでデータを抽出できます。

また、取得したデータはHTML・Excelのような構造化フォーマットで、ドキュメント・音声・画像・動画のダウンロードが可能です。

8.クローリングとスクレイピングに関するQ&A

クローリングとスクレイピングについて疑問点や不明な点があり困っている方もいるでしょう。

ここでは、クローリングとスクレイピングに関するQ&Aを、下記の要点で紹介しています。

  • インスタはスクレイピングを禁止していますか?

  • メルカリのスクレイピングは違法ですか?

  • Webクローラーは独自に構築しても問題ありませんか?


詳しくみていきましょう。

Q1)インスタはスクレイピングを禁止していますか?

インスタは表向きはスクレイピングを禁止にすると公表していませんが「不正な方法を用いて、アカウントの作成・情報へのアクセス、または情報の取得を試みることは禁止されています。」と明言しています。

そのため、インスタがスクレイピングを不正な方法と判断するかどうかはグレーですが、暗にスクレイピングを禁止しているように受け取ることもできます。

Q2)メルカリのスクレイピングは違法ですか?

情報社会の現代において、個人や企業だけでなく国もスクレイピングを行っています。

結論からいえば、スクレイピング自体は違法ではありません。

そのため、メルカリのスクレイピングも違法とは認められにくいでしょう。


しかし、メルカリではサービス規約でスクレイピングにあたる関連行為を違反であると記載されていることからメルカリ内でスクレイピングを行うと規約違反になる可能性があり、アカウント停止・削除されるかもしれません。


さらには、個人情報絡みの問題にもなりかねません。

違法ではありませんがリスクがあるため、メルカリでスクレイピングを積極的に行わないほうがよいでしょう。

Q3)Webクローラーは独自に構築しても問題ありませんか?

Webクローラーは、独自に構築しても基本的には問題はありません。

近年、Webクローラーはインターネットの情報を収集・保存・分析に役立つため、独自に構築したいなどのニーズが高まっています。


独自に構築しても問題ありませんが、クロールしたWebサイトへの著作権の配慮が必要なため、その点については留意する必要があります。

9.まとめ

今回は、クローリングとスクレイピングとの違いやメリット・デメリット、Python・Rubyのプログラミング設計とサンプルコードについて解説してきました。

また、SEOとクローラーとの関係性やスクレイピング構築時の注意点などについてもまとめました。


Webツールを導入すれば、比較的簡単にクローリングやスクレイピングが可能でしょう。

しかし、導入に際して実際にPython・Rubyなどのプログラミング言語でコーディングすることも検討しながら進めていくことで、結果としてコスト削減に繋がりやすいです。


クローリングとスクレイピングのメリット・デメリットを理解し、特徴を活かしながら目的と用途に応じて開発することをおすすめします。

また、無作為に抽出されたデータのなかには著作権に違反している情報も含まれている可能性もあるため、しっかりと精査することが重要です。


ビッグデータから的確な情報を抜き取れるクローリングとスクレイピングですが、非公開とされている情報の取り扱いには十分注意しましょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。