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JSTQB認定テスト技術者資格の難易度や基礎知識、メリット・デメリット、勉強方法について解説

公開日:2024/09/13最終更新日:2024/09/27

「ソフトウェアテストについて興味がある」「ソフトウェアテストについて体系的に学びたい」とお考えであればJSTQB認定テスト技術者資格の合格を目指すのが非常におすすめです。


また、JSTQB認定テスト技術者資格の合格のために勉強している場合、どのような資格なのかをしっかり理解し、モチベーションを高めていきましょう。


今回はJSTQB認定テスト技術者資格に関する基礎知識や詳細情報、JSTQB認定テスト技術者資格の資格取得のメリット・デメリット、JSTQB認定テスト技術者資格合格のためのおすすめの参考書や対策法についてお話します。

1.JSTQB認定テスト技術者資格に関する基礎知識

はじめにJSTQB認定テスト技術者資格に関する基礎知識について解説します。

JSTQB認定テスト技術者資格とは

JSTQBとはJapan Software Testing Qualifications Boardの略称です。そしてJSTQB認定テスト技術者資格は、特定非営利活動法人 ソフトウェアテスト技術振興協会が運営するソフトウェアテストに関する知識やスキルを評価することで得られる認定資格を指します。


ソフトウェアテストは、システムやソフトウェアを構築する上で品質を確保するために必要不可欠な工程です。バグや不具合の検証、そして修正を繰り返すことで品質の高いソフトウェアを作り出すことができます。


また、セキュリティ的に不具合が生じないかどうかも含めて検証するため、ソフトウェアの安全性を高めるためにも必要な知識・スキルと言えるでしょう。


そして、JSTQB認定テスト技術者資格に合格することで、ソフトウェアテストについて知識とスキルを持つ人材としての実力を示せるようになるのです。

ISTQBとは

ISTQBは、International Software Testing Qualifications Boardの略称であり、JSTQBが加盟する国際的なテスト技術者認定組織を意味します。そのため、ISTQBから認定を受けているJSTQB認定テスト技術者資格が国際的にも通用する認定資格ということです。


ISTQBが策定したシラバス、試験要項などをもとに、JSTQBが日本語で試験を実施するような形になっており、ISTQBによって順次、改訂されるシラバスに合わせて、ソフトウェアテストに関する最新の知識やスキルが評価されるようになっています。

JSTQB認定テスト技術者資格に実務経験は必要か

JSTQB認定テスト技術者資格にはFoundation LevelとAdvanced Levelの2つの分類があります。(JSTQB認定テスト技術者資格は2つの分類ですが、ISTQBではAdvanced Levelの上にExpert Levelが存在しています。)

Foundation Levelについては実務経験が問われないものの、Advanced LevelのテストアナリストはFoundation Levelの合格、Advanced LevelのテストマネージャはFoundation Levelの合格に合わせて、3年以上の実務経験が必須とされています。


Advanced Levelのテストマネージャは以下の4つの業務のいずれかもしくは以下の職種のいずれかにおいて、試験申し込み時点で通算で3年以上従事した経験が求められます。提出した経歴書に関して、連絡先や勤務先に確認されることもあります。


【業務】

  • ソフトウェアテストに関する業務

  • ソフトウェア開発に関する業務

  • ソフトウェア開発のプロセス改善を含む品質保証に関する業務

  • ソフトウェアの研究開発(R&D)に関する業務


【職種】

  • テスト担当者

  • テストアナリスト

  • テストエンジニア

  • テストコンサルタント

  • テストマネージャ

  • ユーザ受け入れテスト担当者

  • ソフトウェア開発者

2.JSTQB認定テスト技術者資格試験の詳細情報

次にJSTQB認定テスト技術者資格試験の詳細情報について解説します。

JSTQB認定テスト技術者資格の詳細

試験名

Foundation Level

Advanced Level

テストアナリスト(ALTA)

Advanced Level

テストマネージャ(ALTM)

試験会場

・Pearson VUEテストセンターまたはオンライン監督付きCBT試験

※Foundation Levelのみ一般財団法人日本科学技術連盟の運営する会場でのPBTにも対応

試験日時

年2回、2月・8月頃

年1回、2月・8月頃(不定期)

試験時間

60分

120分

180分

出題形式

多岐選択式

多岐選択式

多岐選択式

出題数

40問

40問

65問

合格基準

26点/40点

52点/80点

75点/115点

受検料

22,000円

受験資格

特になし

Foundation Levelの合格

・Foundation Levelの合格

・通算で3年以上の実務経験

試験結果

受験後3ヶ月以内に、JSTQB認定試験申し込みWebサイトにて発表


上記がJSTQB認定テスト技術者資格の詳細です。

  • テストマネージャ(Test Manager)

  • テストアナリスト(Test Analyst)

  • テクニカルテストアナリスト(Technical Test Analyst)

上記の3つの資格に合格するとすれば、Full Advanced Level Professional:テスト技術者資格Advanced Level 完全上級テスト技術者として認定されます。


ただし、テクニカルテストアナリスト(Technical Test Analyst)については、JSTQBで試験を行っていないため、ISTQBが運営する試験にて取得する必要があります。

JSTQB認定テスト技術者資格の出題範囲

・Foundation Level

  • テストの基礎

  • ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してのテスト

  • 静的テスト

  • テスト分析と設計

  • テスト活動のマネジメント

  • テストツール

参考元:テスト技術者資格制度 Foundation Level シラバス


上記がFoundation Levelのシラバスの目次の大項目です。Foundation Levelとは言っても、ソフトウェアテストに関する幅広い範囲の知識やスキルが評価されることがわかります。なぜソフトウェアテストが必要なのか、どのような手法があるのかなども含めて詳細までの理解が必要であることから、読み解くためのITやエンジニアとしての基礎的な勉強をしっかりとする必要があるでしょう。


・Advanced Level:テストアナリスト(ALTA)

  • テストプロセスにおけるテストアナリストのタスク

  • リスクベースドテストにおけるテストアナリストのタスク

  • テスト技法

  • ソフトウェア品質特性のテスト

  • レビュー

  • テストツールおよび自動化

参考元:テスト技術者資格制度 Advanced Level シラバス日本語版 テストアナリスト


上記がAdvanced Levelテストアナリスト(ALTA)のシラバスの目次の大項目です。Foundation Levelに関する基礎知識を理解した上で、実務で通用する項目においても網羅的に勉強する必要があります。具体的にどんなことをするのか、どんな役割なのかといったようなことから、ソフトウェアテストの重要性を理解しつつ、実効性のある業務や行動ができることが求められると言えるでしょう。


・Advanced Level:テストマネージャ(ALTM)

  • テストプロセス

  • テストマネジメント

  • レビュー

  • 欠陥マネジメント

  • テストプロセスの改善

  • テストツールおよび自動化

  • スタッフのスキル、チーム編成

参考元:テスト技術者資格制度 Advanced Level シラバス日本語版 テストマネージャ


上記がAdvanced Levelテストマネージャ(ALTM)のシラバスの目次の大項目です。Foundation Levelの基礎知識とともに、実務経験に裏打ちされた知識とスキルが必要となる難易度の試験と言えるでしょう。実際にソフトウェアテストを行った実績があるだけでなく、チームメンバーやプロジェクトメンバーの一員として、コミュニケーションを取りながらシステムやソフトウェア開発に携わった経験が必要と言えます。

JSTQB認定テスト技術者資格の受験者数・合格率・難易度

試験名

Foundation Level

テストアナリスト(ALTA)

テストマネージャ(ALTM)

受験者数・合格率(直近)

第32回FL試験

受験者数:948名

合格者数:490名

合格率:51.7%

第7回ALTA試験

受験者数:392名

合格者数:163名

合格率:41.6%

第11回ALTM試験

受験者数:320名

合格者数:107

合格率:33.4%

受験者数・合格者数(累計)

受験者数:36334名

合格者数:20579名

合格率:56.1%

受験者数:2540名

合格者数:548名

合格率:20.4%

受験者数:4047名

合格者数:717名

合格率:21.9%

参考元:JSTQB認定テスト技術者資格 Advanced Level試験 実施要項


上記がJSTQB認定テスト技術者資格の受験者数・合格率になります。Foundation Levelの難易度については平均的に50%程度の合格率となっており、ITパスポート試験の合格率と同程度、ソフトウェアテストという専門的な分野であることを考えると、基本情報技術者試験に近い難易度であることが推測できます。


テストアナリスト(ALTA)は直近最新の試験については41.6%と高いですが、平均すると20.42%、テストマネージャ(ALTM)についても、直近の試験では33.4%、累計での合格率では20%前後で推移していることから、応用情報技術者試験と同程度かそれ以上の難易度であることが推測できるでしょう。


ただし、難易度については個人差が生じることがあり、ITやテクノロジーに関するバックグラウンドの知識、エンジニアとしての経験がどの程度あるのかによって異なるということは留意しておいてください。

JSTQB認定テスト技術者資格の申し込み手順

  1. JSTQB認定試験申し込みWebサイトでアカウントの登録

    ※パスワードは「ログイン画面パスワードの設定はこちら」よりパスワードの設定が必要

  2. 一般財団法人日本科学技術連盟Pearson VUEテストセンターで申し込み

    ※アカウント登録後「個人情報確認」「受験資格情報登録」を行わないと試験予約はできません。

  3. 申し込み完了メールの確認

  4. 申し込み手続きに沿って「テストセンターの場所と日時」の選択と受験料の支払い

  5. 受験登録完了メールの確認

  6. 試験当日に受験

  7. メールもしくはJSTQB認定試験申し込みWebサイトで合否確認

上記がJSTQB認定テスト技術者資格の申し込みの大まかな流れです。随時開催されている試験ではないため、申し込みの不備で受験できないようにしっかりと確認しながら手続きを進めましょう。


本人確認書類などの提出も必要なので事前に準備しておいてください。また、テストマネージャ(ALTM)の場合は業務経歴書の提出も必須となります。


予約変更やキャンセルは予約した受験日時の24時間前までに予約変更やキャンセル手続きが可能です。

JSTQB認定テスト技術者資格の有効期限

JSTQB認定テスト技術者資格の有効期限は特に設定されていません。ただし、ISTQBによって、シラバスは改訂されていくことから、定期的にJSTQBの公式ホームページをチェックし、最新の知識にアップデートしていくことをおすすめします。

JSTQB認定テスト技術者資格の勉強時間

JSTQB認定テスト技術者資格の勉強時間については、受験される方のエンジニアとしての知識やスキルによって大きく異なります。


Foundation Levelのシラバスをチェックしたところ、ITパスポートレベルの知識を有していないと、内容を読み解くことも難しいことから、ITに関する最低限の基礎、専門用語やキーワードを理解するための時間として20時間から50時間ほど必要となることが推測できます。範囲的には基本情報技術者試験、もしくは基本情報技術者の高度試験に近しい用語も出てくるため、合格率は約50%であるものの決して簡単な試験とは言えないかもしれません。


Advanced Levelについては、ソフトウェアテストに関する実務経験があるかどうかで大きく異なってくるでしょう。開発者としての実績も通算の3年に含めることはできるため、実務でソフトウェアテストを行ったことがないという方であれば、おおよそ50時間から100時間ほど勉強する必要があります。


実務でソフトウェアテストを行ったことがある方でも、体系的に学ぶための時間として30時間から80時間ほどは必要となるでしょう。シラバスの範囲的には、基本情報技術者の高度試験のような形で難しい用語なども含まれており、しっかりとした基礎を身につけた上で、応用的に考えられる力も必要となります。


※勉強時間についてはあくまでも個人差があるということに留意してください。

3.JSTQB認定テスト技術者資格の資格取得のメリット

次にJSTQB認定テスト技術者資格の資格取得のメリットについて解説します。

ソフトウェアテスト技術を体系的かつ段階的に理解できる

JSTQB認定テスト技術者資格の資格取得のメリットとして、ソフトウェアテスト技術を体系的かつ段階的に理解できることが挙げられます。ソフトウェアテストという専門的な技術領域において、実務で通用する知識やスキルを得られるのは非常に有意義です。


ソフトウェアの品質向上、安全性の確保など開発と比べると地味なように見える分野に思われがちですが、実際にはソフトウェアテストがなければバグや不具合が発見できず、将来的に脆弱性やセキュリティホールによってインシデントが発生する可能性があります。そのため、ソフトウェアテストについて学ぶことで、ソフトウェア開発やシステム開発の実績を積み上げやすくなるのもメリットと言えるでしょう。

ソフトウェアテストを理解しているエンジニアとしてアピールしやすい

JSTQB認定テスト技術者資格の資格取得のメリットとして、ソフトウェアテストを理解しているエンジニアとしてアピールしやすいことが挙げられます。ソフトウェアテストはソフトウェアをリリースする前、もしくはアップデートする前に行う工程であることから、安全性と高い品質を維持したい企業や組織にアピールしやすくなるということです。


同様に他のエンジニア領域での知識やスキルがある場合、キャリアアップやキャリアチェンジも視野に入ります。キャリアを積み上げることで、チームリーダーやプロジェクトマネージャーとしての役割なども担えるようになるため、エンジニアとしての成長を続けたい方にもおすすめの資格です。

国際的な認定資格であり、国内外での求人・案件に挑戦できる

JSTQB認定テスト技術者資格の資格取得のメリットとして、国際的な認定資格であり、国内外での求人・案件に挑戦できることが挙げられます。特に昨今では日本国内においても海外企業の進出が盛んであることから、海外の企業や組織で活躍したいという場合に非常に役立つのです。


英語が得意な方であれば、ISTQBのテクニカルテストアナリスト(Technical Test Analyst)の資格に合格し、Full Advanced Level Professional:テスト技術者資格Advanced Level 完全上級テスト技術者としての認定も試合に入ります。結果として、国内外問わず、エンジニアとして高い年収も期待できるようになると言えるでしょう。

4.JSTQB認定テスト技術者資格の資格取得のデメリット

次にJSTQB認定テスト技術者資格の資格取得のデメリットについて解説します。

国際的な資格だがエンジニアとして必須の資格ではない

JSTQB認定テスト技術者資格の資格取得のデメリットとして、国際的な資格だがエンジニアとして必須の資格ではないことが挙げられます。エンジニアの資格全般に言えることですが、認可や許可のための資格ではなく、資格を取得しなくてもソフトウェア開発やソフトウェアテストはできるということです。


ただし、ソフトウェアテストに深い知見を持つエンジニアとして評価されるというメリットの方が上回ることもあり、認可や許可の可否が必ずしもデメリットではないということも覚えておく必要があるでしょう。

勉強時間の確保や受験及び学習のための金銭的コストが必要

JSTQB認定テスト技術者資格の資格取得のデメリットとして、勉強時間の確保や受験及び学習のための金銭的コストが必要なことが挙げられます。JSTQB認定テスト技術者資格は受験料だけでなく、認定のトレーニングなどを受けようとすればそれなりの費用になるのが理由です。


勉強時間についても、ITやエンジニアとしての基礎から学ぼうとする場合、それなりに時間が必要になります。ただし、すでにエンジニアとしての基礎があり、実務に携わっているような場合においては、知識の深掘りとスキルアップに繋がるため、それぞれのコストに見合ったリターンがあることは明確です。

5.JSTQB認定テスト技術者資格合格のためのおすすめの参考書や対策法

次にJSTQB認定テスト技術者資格合格のためのおすすめの参考書や対策法について解説します。

ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第5版 シラバス2023対応

JSTQB認定テスト技術者資格合格のためのおすすめの参考書として、JSTQBの公式認定の参考書であるソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第5版 シラバス2023対応をおすすめします。


Foundation Levelは入門者用のレベルとはいえ、ソフトウェアテストに関する範囲と深い知識が必要となることを考えると、公式認定の参考書を使うのは無難と言えます。もし、用語の一つ一つが理解できない場合はITパスポートや基本情報技術者試験の参考書も合わせて購入すると良いでしょう。

JSTQB公認のソフトウェアテスト技術者 Foundation Levelトレーニングコース

JSTQB公認のソフトウェアテスト技術者 Foundation Levelはトレーニングコースライブ配信のビデオ会議によるFoundation Levelのトレーニングコースであり、独学では学びきれないとお悩みの方に非常におすすめです。


ただし、一般の参加費で121,000円、開催期間が指定されていることから、しっかりと検討した上で受講するかどうか精査するようにしてください。前述した公式認定の参考書を読み解けるようになってから挑戦してみても良いでしょう。

JSTQB公認のAdvanced Level テストマネージャ(AL TM) 試験対策講座

JSTQB公認のAdvanced Level テストマネージャ(AL TM) 試験対策講座は受講料が39,800円、受験目安時間が480分の試験対策講座になっています。例題集や理解度チェック、模擬試験なども用意されていることから、実務経験があり、独学しているものの合格率をさらに高めたい方におすすめです。


特にテストマネージャについては、通算で3年以上の実務経験が必要であり、業務経歴書の提出をしなければならないこともあり、ソフトウェアテストの試験の中でも難易度が高い試験であるため、準備万端の状態で挑みたい場合は対策講座を受けてみてください。


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6.まとめ

今回はJSTQB認定テスト技術者資格に関する基礎知識や詳細情報、JSTQB認定テスト技術者資格の資格取得のメリット・デメリット、JSTQB認定テスト技術者資格合格のためのおすすめの参考書や対策法についてお話ししました。


JSTQB認定テスト技術者資格を学ぶことでソフトウェアテストについて理解が深まり、エンジニアとして様々なキャリアチェンジも実現できるようになります。これからソフトウェアテストについて学びたい、キャリアアップをしたいとお考えであれば、是非ともJSTQB認定テスト技術者資格に挑戦してみてください。


最後までお読みいただきありがとうございました。

本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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