CCNPに興味があるものの、どのような資格なのかよく分からず、受験をためらっているという方も多いのではないでしょうか。
CCNPはネットワークエンジニアやシステムエンジニアとしてキャリアアップしたい方におすすめの資格です。
本記事ではCCNPとは何かについて詳しく解説します。
CCNPのメリット・デメリットや試験範囲、難易度などについてまとめました。
本記事を読むことでCCNPがどういった資格なのかが分かります。
CCNPに興味がある方はぜひお読みください。
目次
1.CCNPとは
CCNPはシスコシステムズ社が提供するシスコ技術者認定の1種です。
シスコ技術者認定は次の4つのレベルに分かれています。
エキスパート:CCIE
プロフェッショナル:CCNP
アソシエイト:CCNA
エントリー:CCT
CCNPはプロフェッショナルレベルということで、CCNAよりも難易度が高くなっています。
シスコ技術者認定では、シスコ製品の基本操作やネットワークに関する幅広い知識を学べます。
その中でもCCNPは、ネットワークの設計・構築といった高度なスキルを身につけることが可能です。
CCNPには次の5つの試験コースが用意されています。
CCNP Collaboration
CCNP Data Center
CCNP Enterprise
CCNP Security
CCNP Service Provider
CCNPを受験する際は、5つのコースからどれを受験するか決める必要があります。
コースによって身につけられるスキルが異なるので、自分のキャリアプランに沿って決めましょう。
2.CCNP試験
CCNPがどういった試験なのかについてまとめました。
次の項目について順番に解説していきます。
CCNPの詳細
CCNPの出題範囲
CCNPの受験者数・合格率・難易度
CCNPの申し込み手順
CCNPの有効期限
CCNPの勉強時間
本記事で解説する情報はシスコ認定の公式サイトを参考にしています
CCNPの詳細
CCNPの詳細についてまとめました。
試験名 | CCNP |
---|---|
試験会場 | 全国のピアソンVUEテストセンターあるいはオンライン試験 |
試験日時 | 試験予約時に選択 |
試験方法 | CBT試験 |
試験時間 | コア試験:120分 コンセントレーション試験:90分 |
出題形式 | 出題形式:選択問題やコマンド入力問題など 言語:日本語・英語 |
出題数 | 非公開 |
合格基準 | 非公開 スコアは300~1000ポイントで評価される |
受検料 | コア試験:$400 コンセントレーション試験:$300 |
受験資格 | 前提条件はなし。 ただし3〜5年のエンタープライズネットワーキングューションの実装経験を持つことを推奨 |
試験結果 | シスコ技術者認定トラッキングシステムから確認可能 |
CCNPの各コースに合格するには、コア試験とコンセントレーション試験の両方を受験する必要があります。
コンセントレーション試験では、複数ある科目から1つ選択して受験します。
CCNPの出題範囲
CCNPの各試験コースの出題範囲についてまとめました。
・CCNP Enterprise
CCNP Enterpriseのコア試験の出題範囲は次のとおりです。
・デュアルスタック (IPv4 および IPv6)アーキテクチャ
・仮想化
・インフラストラクチャ
・ネットワークアシュアランス
・セキュリティ
・自動化
引用:Implementing Cisco Enterprise Network Core Technologies (350-401 ENCOR)
詳しい出題範囲についてはCCNP Enterpriseを参考にしてください。
・CCNP Collaboration
CCNP Collaborationのコア試験の出題範囲は次のとおりです。
・インフラストラクチャーおよびデザイン
・プロトコル、コーデック、および エンドポイント
・Cisco IOS XE ゲートウェイとメディア リソース
・コール コントロール
・QoS
・コラボレーション アプリケーション
引用:Implementing Cisco Collaboration Core Technologies (350-801 CLCOR)
詳しい出題範囲についてはCCNP Collaborationを参考にしてください。
・CCNP Data Center
CCNP Data Centerのコア試験の出題範囲は次のとおりです。
・ネットワーク
・コンピューティング
・ストレージ ネットワーク
・自動化
・セキュリティ
引用:Implementing Cisco Data Center Core Technologies (350-601 DCCOR)
詳しい出題範囲についてはCCNP Data Centerを参考にしてください。
・CCNP Security
CCNP Securityのコア試験の出題範囲は次のとおりです。
・ネットワークセキュリティ
・クラウドセキュリティ
・コンテンツ セキュリティ
・エンドポイントの保護および検出
・セキュアなネットワーク アクセス
・可視性、およびエンフォースメント
引用:Implementing and Operating Cisco Security Core Technologies (SCOR 350-701)
詳しい出題範囲についてはCCNP Securityを参考にしてください。
・CCNP Service Provider
CCNP Service Providerのコア試験の出題範囲は次のとおりです。
・コアアーキテクチャ
・サービス
・ネットワーキング
・自動化
・QoS
・セキュリティ
・ネットワーク アシュアランス
引用:Implementing and Operating Cisco Service Provider Network Core Technologies (350-501 SPCOR)
詳しい出題範囲についてはCCNP Service Providerを参考にしてください。
CCNPの受験者数・合格率・難易度
CCNPの受験者数や合格率は公開されていません。
CCNPの難易度に関しては高いことが予想されます。
どの程度の合格率であるのか考察してみましょう。
ITSSではCCNPはレベル3に位置付けられています。
CCNPと応用情報技術者試験は同じレベルとみなされています。
応用情報技術者試験の令和5年度春期の合格率は27.2%となっており、基本情報技術者試験よりもワンランク上の試験となっています。
また、CCNPは公式参考書が英語で書かれていたり過去問が公開されてないなど、過去問より対策できません。上記を考慮すると学習ハードルが高いため、実際の難易度は応用情報技術者試験よりも高く10%後半〜20%前半ほどであると思われます。
CCNPの申し込み手順
CCNPの申し込み手順について解説します。
CCNPには複数の申し込み方法があるので、やりやすい方法を選択しましょう。
・ホームページで申し込む方法
シスコにログイン
※アカウントない人はアカウント作成必須
左側「SCHEDULE」をクリックし、取得したい試験を検索
画面の指示に従って受験予約
※クレジットカード、プロモーションコードまたはバウチャーによる支払いが可能
「確認書」を印刷する
予約した会場もしくはオンラインで受験
・コールセンターで申し込む方法
コールセンター(0120-355-173)へ電話する
担当者の指示に従って受験予約
「確認書」のメールを受領する
予約した会場で受験
・ピアソン VUEテストセンターで申し込む方法
ピアソン VUEの各テストセンターに連絡する
担当者の指示に従って受験予約
※クレジットカード、プロモーションコード、またはバウチャーによる支払いが可能
※テストセンターによっては現金による支払い可能
「確認書」のメールを受領する
予約した会場で受験
CCNPの有効期限
CCNPに限らずシスコ社の全ての試験は有効期限が3年となっています。
有効期限を伸ばすには、再認定要件を満たす必要があります。
再認定要件が満たせば、認定の有効期限がその日から3年延長されます。
各試験の再認定要件はこちらから確認可能です。
CCNPの勉強時間
CCNP合格に必要な勉強時間はおよそ300時間です。
試験範囲が広いことや、日本語の公式テキストがある学習ハードルが高いことから、これぐらいの学習時間は必要であると予想されます。
また、CCNPには受験条件はなく誰でも受験は可能ですが、3〜5年の実務経験を持ったうえで受験することが推奨されています。
そのため実務経験が3年未満の場合、更に勉強時間が必要なことが予想されます。
実務経験が3年未満の場合、CCNPから挑戦するよりも、CCNAを選択することをおすすめします。
CCNAはネットワークエンジニアの入門資格とも言える資格であり、CCNPよりも難易度が低いです。
3.CCNPの資格取得のメリット
CCNPの資格取得のメリットは次の2つです。
ネットワーク関連のスキルを身につけられる
ITエンジニア職への転職が有利になる
1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。
ネットワーク関連のスキルを身につけられる
CCNPを受験することで、ネットワーク関連のスキルを身につけることが可能です。
CCNPに合格すれば、運用・保守だけでなくネットワーク設計・構築などの上流工程の仕事に関われるだけのスキルを得られます。
パフォーマンスを発揮でき、かつセキュリティ面も重視したインフラを構築できるようになります。
運用・保守の仕事をこなしているだけでは上流工程のスキルを得ることは難しいので、CCNPのような資格を通じて学習するのがおすすめです。
ITエンジニア職への転職が有利になる
CCNPに合格することで、ITエンジニア職への転職が有利になります。
ネットワークエンジニアへの転職はもちろんのこと、サーバエンジニアやセキュリティエンジニア、システムエンジニアなどに転職する際にも役立ちます。
CCNPは難易度が高い資格なので、合格することで他の求職者と差を付けることが可能です。
更に知名度もある資格であるため、採用担当者から注目もされやすいと言えます。
今よりも高年収の仕事に転職したい方にもCCNPはおすすめです。
4.CCNPの資格取得のデメリット
CCNPの資格取得のデメリットは次の2つです。
高難易度のため十分な学習が必要
受験料が若干高め
1つ1つのデメリットについて詳しく解説していきます。
高難易度のため十分な学習が必要
CCNPは応用情報技術者試験と同じかそれ以上の難易度ですので、合格するには十分な学習が必要です。
ネットワークエンジニアとして働いている方であっても、試験用の対策を取る必要があります。
CCNPは出題範囲が広く、普段の仕事で扱わないスキル・知識が問われる問題が出題される可能性もあります。
合格できるか不安な方は、CCNPの問題集を購入して解いてみることをおすすめします。
難しいようであれば、ワンランク下のCCNAから挑戦することをおすすめします。
受験料が若干高め
CCNPは受験料が若干高いこともデメリットです。
コア試験とコンセントレーション試験の両方で受験料がかかってしまいます。
コア試験は$400、コンセントレーション試験は$300となっています。
円安の影響もあり、どうしても受験料が高くなってしまいます。
5.CCNP合格のためのおすすめの参考書や対策法
最後に、CCNP合格のためのおすすめの参考書や対策法についてまとめました。
おすすめの参考書や対策法は次の3つです。
シスコ公式トレーニング
シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集
Ping-t
CCNPは難易度が高い資格ですので、効率的な学習方法を選択することが大切です。
シスコ公式トレーニング
シスコ公式トレーニングは公式で提供されている自己学習教材です。
公式の教材なので情報の精度が高く、試験範囲のみを重点的に学習できるのがメリットです。
ただし公式教材は英語で提供されており、英語が苦手な方は学習に苦労する可能性があります。
英語が得意な方であれば、公式教材をメインとして使うことをおすすめします。
シスコ技術者認定教科書 CCNP 完全合格テキスト&問題集
シスコ技術者認定教科書 CCNP 完全合格テキスト&問題集は日本語で書かれたCCNP対策本です。
試験科目ごとに本が販売されており、それぞれボリュームがあるのでおすすめです。
本書はIT技術専門スクールの講師陣によって作成されています。
講師陣が持つ合格メソッドが多く盛り込まれているのが特徴です。
更に、2回分の模擬試験をダウンロードできるのもメリットです。
本書の問題を繰り返し解くことで、着実に合格に近づくことができます。
Ping-t
Ping-tはIT資格の合格を目指す方を応援する学習サイトです。
Ping-tに登録することで、掲載されている試験対策問題を解くことができます。
問題数が非常に多いうえに、各問題の解説も詳しく掲載されているのが特徴です。
さらに、ユーザーの合格体験記も掲載されており、試験対策の参考にすることができます。
6.まとめ
本記事ではCCNPとは何かについて詳しく解説しました。
CCNPのメリット・デメリットや試験範囲、難易度などがお分かりいただけたかと思います。
ネットワークの運用・保守から設計・構築の仕事へキャリアアップすることで、年収アップできる可能性が高まります。
設計・構築を担当する場合より高度なスキル・知識が必要となるので、CCNPなどの資格を通じて身につけると良いでしょう。
CCNP合格に向けて勉強する場合は、シスコ公式トレーニングや市販のCCNPに特化した参考書、Ping-tなどを活用することをおすすめします。
難易度は高めですが、効率的な学習方法を選択しスケジュールに沿って積み重ねていけば合格は可能です。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。