SAP認定コンサルタント資格に興味があるものの、挑戦すべきかどうか分からないという方も多いのではないかと思います。
SAP認定コンサルタント資格は難易度も高く、合格にはそれなりの勉強時間を有しますので、「資格を何に活かすのか」を事前に考えたうえで勉強を始めることをおすすめします。
本記事ではSAP認定コンサルタント資格について解説します。
SAP認定コンサルタント資格の出題範囲や難易度、申し込み手順、メリット・デメリットなどについてまとめました。
本記事を読むことでSAP認定コンサルタント資格を受験すべきか判断できるようになります。
SAP認定コンサルタント資格に興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
1.SAP認定コンサルタント資格とは
SAP認定コンサルタント資格はヨーロッパの最大手ソフトウェア会社のSAP社が提供する資格です。
SAP認定コンサルタント資格では、SAP社が提供する製品に関するスキルがあるかが問われます。
SAP社はERP(Enterprise Resource Planning)製品を提供しています。
ERPとは業務システム・基幹システムで扱うデータを一元管理するためのシステムのことです。
企業のシステムをリアルタイムで把握できるようにすることで、意思決定の速度を速めることができます。
SAP社はERPは世界中で使われており、日本でも導入している企業は多いです。
そのためSAP認定コンサルタント資格を取得することで、転職の幅を広げられる可能性もあります。
SAP認定コンサルタント資格の種類
2023年9月18日時点、SAP認定コンサルタント資格では134つの試験が用意されています。
SAP認定コンサルタントの試験は、難易度ごとに次の3つに分かれています。
アソシエイト認定資格
スペシャリスト認定資格
プロフェッショナル認定資格
アソシエイト認定資格は入門者向けという位置づけになっており、難易度はもっとも低いです。
一方で、プロフェッショナル認定資格は高難易度の試験になっている代わりに、取得することで高度なSAPスキルを持った専門家として認められます。
具体的に、どのような試験があるかについてはSAP公式サイトの認定試験一覧を参考にしてください。
2.SAP認定コンサルタント資格試験
SAP認定コンサルタント資格試験がどういった試験なのかについてまとめました。
次の項目について順番に解説していきます。
SAP認定コンサルタント資格の詳細
SAP認定コンサルタント資格の出題範囲
SAP認定コンサルタント資格の申し込み手順
SAP認定コンサルタント資格の有効期限
SAP認定コンサルタント資格の勉強時間
本記事で解説する情報はSAP認定コンサルタント資格の公式サイトを参考にしています。
SAP認定コンサルタント資格の詳細
SAP認定コンサルタント資格の詳細についてまとめました。
各試験の詳しい内容については、認定試験一覧に掲載されています。
試験名 | SAP認定コンサルタント資格 |
---|---|
試験会場 | オンライン |
試験日時 | 毎日24時間受験可能 |
試験時間 | 試験ごとに異なる 120分または180分 |
出題形式 | 非公開 |
出題数 | 80問程度 |
受験言語 | 日本語、英語、中国語など(試験によって異なる) |
合格基準 | 試験ごとに異なる おおよそ6割程度 |
受検料 | ・12か月間で1回受験:32,807円 ・12か月間で最大6回受験:82,021円 ※2023年9月時点での受験料 |
受験資格 | ・非公開 ・同一試験は3回まで受験可能 |
試験結果 | 受験後に「試験ダッシュボード」から確認可能 |
SAP認定コンサルタント資格の出題範囲
SAP認定コンサルタント資格には134つの試験があるため、全ての試験の出題範囲を紹介することはできません。
ここでは例として、「SAP Certified Associate - SAP Activate Project Manager」の出題範囲を記載します。
・アジャイルなプロジェクト計画 > 12%
・アジャイルなプロジェクトの実施 > 12%
・SAP Activate の概要 > 12%
・ワークストリームの概要 > 12%
・SAP Activate Methodology Foundation およびツール 8% - 12%
・移行パス「新規実装 SAP S/4HANA Cloud、パブリック エディション」 8% - 12%
・移行パス「オンプレミスの SAP S/4HANA の新規実装」 8% - 12%
・移行パス「システム変換」および「選択的データ移行」 8% - 12%
・移行パス プライベート クラウドとパブリック クラウド 8% - 12%
引用:C_ACTIVATE22 - SAP Certified Associate - SAP Activate Project Manager
SAP認定コンサルタント資格の受験者数・合格率・難易度
SAP認定コンサルタント資格の受験者数および合格率に関しては、明らかになっていません。
難易度に関しては、専門性が求められることもあり、高めであると推測できます。
実際にSAP関連のプロジェクトに携わった経験がある方でないと、合格は難しい可能性があります。
なお、公式サイトでは企業別の資格取得数・資格者数が公表されています。
こちらでは、合計10資格以上の企業が掲載されています。
各試験の出題範囲はこちらから
SAP認定コンサルタント資格の申し込み手順
SAP認定コンサルタント資格の申し込み手順は次のとおりです。
公式サイトからSAPアカウントを作成
各試験ページから受験チケットを購入
画面の説明に従って試験予約を行う
「認定試験を受ける」などを参考に受験環境を整える
指定日時にオンラインで受験
チケットを購入する際は、12か月間で1回受験できるものと、12か月間で最大6回受験できるものの2種類から選ぶことになります。
合格した場合、デジタルバッチ発行の案内メールが送付されます。
オンライン受験の際、試験監督とのコミュニケーションはすべて英語です。
また、本人確認のためパスポートかクレジットカードをWebカメラに提示する必要があります。
SAP認定コンサルタント資格の有効期限
SAP認定コンサルタント資格は、試験によっては有効期限が存在します。
また、有効期限の長さも試験によって異なります。
有効期限を延長させるには、SAPから評価を受ける必要があります。
合格した試験の有効期限はマイページから確認できます。
また、評価を受けることも同じくマイページから可能です。
評価が正常に完了すると、SAP認定資格の有効期限が延長されます。
詳しくは「SAP認定資格を維持する方法」を参考にしてください。
SAP認定コンサルタント資格の勉強時間
SAP認定コンサルタント資格は高難易度の試験であり、最低でも3ヶ月以上の勉強時間が必要です。
SAPプロジェクトに関わったことがない方の場合、さらに勉強時間が必要な可能性もあります。
試験対策期間が長くなるため、学習計画をしっかり立ててから始めることが大切です。
3.SAP認定コンサルタント資格の資格取得のメリット
SAP認定コンサルタント資格の資格取得のメリットは次の2つです。
SAPスキルを身につけることができる
転職やキャリアアップに役立つ
1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。
SAPスキルを身につけることができる
SAP認定コンサルタント資格によってSAPスキルを体系的に身につけることが可能です。
SAP製品の運用方法やモジュールに関することなどの知識を得たいと思っても、何から勉強すれば良いのか分からない方は多いかと思います。
資格合格という明確な目標を持った方が、学習する内容に迷わなくて済みます。
また、SAP認定コンサルタント資格は試験が細かく分かれているため、自分が身につけたい分野に絞ってスキルを身につけることができます。
加えて、難易度ごとにも分かれているため、着実にスキルアップしていくことが可能です。
転職やキャリアアップに役立つ
SAP認定コンサルタント資格は、転職やキャリアアップにも役立ちます。
SAPのERP製品を導入することは、業務の効率化や売上アップに大きく繋がる可能性もあります。
そのため、SAPスキルを保有した人材を雇い、SAP製品をフル活用したいと考える企業は多いでしょう。
SAP認定コンサルタント資格に合格することで、具体的にどのようなスキルを保有しているのか分かりやすく示すことができます。
難易度が高い資格である分、他の求職者と差をつけられるのもメリットです。
4.SAP認定コンサルタント資格の資格取得のデメリット
SAP認定コンサルタント資格の資格取得のデメリットは次の1つです。
難易度が高いため多くの勉強時間が必要
難易度が高いため多くの勉強時間が必要
SAP認定コンサルタント資格は難易度が高いため、少し勉強するだけでは合格できないことが多いです。
合格するには、勉強期間をしっかり設けなくてはいけないため、仕事が忙しい方だと大変かもしれません。
SAP認定コンサルタント資格に挑む方は、「資格を何に活かすか?」と資格を取得する目的を明確にすることが大切です。
「何かの役に立ちそうだからとりあえず受験する」という感じだと、せっかく時間をかけて試験に合格したのに、資格を活かせず無駄にしてしまう恐れがあります。
5.SAP認定コンサルタント資格合格のためのおすすめの参考書や対策法
最後に、SAP認定コンサルタント資格合格のためのおすすめの参考書や対策法についてまとめました。
おすすめの参考書や対策法は次の3つです。
世界一わかりやすいSAPの教科書 入門編
図解入門 よくわかる最新SAPの導入と運用
SAP認定コンサル道場
SAP認定コンサルタント資格は公式の試験対策本が存在しないため、試験対策を行う場合、非公式の参考書やサイトで勉強する必要があります。
1つ1つの参考書や対策法について詳しく解説していきます。
世界一わかりやすいSAPの教科書 入門編
世界一わかりやすいSAPの教科書 入門編は入門者向けにSAPの基礎を分かりやすく解説した参考書です。
入門者がつまずきがちな箇所を重点的に解説しているので、初めに選ぶ1冊として最適でしょう。
基幹システムと会社業務について、宅配ピザ屋を例に出してイメージしやすいように解説しているのも特徴です。
図解入門 よくわかる最新SAPの導入と運用
図解入門 よくわかる最新SAPの導入と運用はSAPの導入・運用に関して基礎から解説している参考書です。
SAPの基礎知識をまず説明した後に、SAPのモジュールの概要やSAP導入や構築のフローを解説しています。
図も多用して分かりやすく解説しており、SAPの全体像を掴むのに最適な1冊です。
SAP認定コンサル道場
SAP認定コンサル道場は有志の方が運営している試験対策用のサイトです。
SAP認定コンサルタント資格の試験対策問題が多く掲載されています。
また、回答には細かい解説が付け加えられています。
上記の2冊でSAPの基礎知識を得たら、SAP認定コンサル道場で試験対策を行うのが良いでしょう。
6.まとめ
本記事ではSAP認定コンサルタント資格について解説しました。
SAP認定コンサルタント資格はどのような資格であるのか、お分かりいだたけたかと思います。
SAP認定コンサルタント資格は難易度が高めですので、しっかり勉強時間を確保する必要があります。
その分、合格することでSAPスキルを持った人材と認められ、転職・スキルアップで有利になれます。
「今後SAPプロジェクトに関わっていきたい」というキャリアプランがあるなら、受験をおすすめします。
SAPのERP製品は多くの企業で使われていますので、苦労して取得するだけの価値はあると言えます。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。