「Rubyでエンジニアの第一歩を始めたい」「Rubyに関する実力を証明したい」とお考えであれば、Ruby技術者認定試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。
Ruby技術者認定試験の合格に向けて勉強していくことで、Rubyに関する知識がスキルが身につき、資格の取得が実力の証明につながるので非常におすすめです。
今回はRuby技術者認定試験に関する基礎知識や詳細情報、Ruby技術者認定試験の資格取得のメリット・デメリット、Ruby技術者認定試験合格のための勉強方法についてお話しします。
目次
1.Ruby技術者認定試験に関する基礎知識
はじめにRuby技術者認定試験に関する基礎知識について解説します。
Ruby技術者認定試験とは
Ruby技術者認定試験とは、一般財団法人Rubyアソシエーションが実施するRubyに関する知識やスキルが評価される検定試験です。SilverとGoldの2つのレベルがあり、体系的かつ段階的にRubyに関する知識やスキルを身につけたい場合に役立ちます。
また、実務経験はあるものの具体的な実績が証明しにくい方、もしくは実力の証明によってキャリアアップやキャリアチェンジに役立てたい方のアピールポイントにもなることから、エンジニアとしてさらなる年収アップと成長を考えている方にも非常におすすめの検定試験です。
RubyとRuby on Railsの違い
RubyとRuby on Railsの違いとして、Rubyはプログラミング言語、Ruby on Railsはフレームワークということが挙げられます。そのため、実務の現場においてRubyのエンジニアは、Ruby on Railsを扱えると認識されるケースが多いことを知っておいてください。
Ruby技術者認定試験では直接的にRuby on Railsを扱うことはないものの、プログラミング言語としてのRubyを基軸とした問題が出題されるということは覚えておく必要があります。また、Rubyのエンジニアとしてのキャリアを形成したいのであれば、Ruby on Railsの習得は欠かせないスキルです。
そのため、Ruby技術者認定試験と並行して、Ruby on Railsについても学んでおき、ポートフォリオの作成を目指しながら、少しずつ扱えるようにすることをおすすめします。
Ruby技術者認定試験の合格で目指せるキャリア
上記がRuby技術者認定試験の合格で目指せるキャリアの一例です。主にRuby(Ruby on Rails)はWebアプリケーション開発の領域に強いプログラミング言語であるため、関連する技術領域のキャリアを目指すことができるようになります。
また、Webアプリケーション開発に関するプロジェクトや実務経験を経て、その他の技術領域に興味関心を持ち、学んで吸収していくことができれば、異なるエンジニア領域でも活躍できる可能性が高まるでしょう。
2.Ruby技術者認定試験の詳細情報
次にRuby技術者認定試験の詳細情報について解説します。
Ruby技術者認定試験の詳細及び有効期限
試験名 | ・Ruby技術者認定試験認定試験 Silver ・Ruby技術者認定試験 Gold |
---|---|
試験会場 | 全国160ヶ所以上 ※試験会場の検索はこちら |
試験日時 | 通年開催(祝日・年末年始休業を除く) |
試験時間 | 90分 |
出題形式 | CBT(Computer Based Test)方式 ・四肢択一 |
出題数 | 50問 |
合格基準 | 75%以上の正答で合格 |
受検料 | 一般価格:16,500円 ガク割適用価格:8250円 ※学生割引制度についてはこちらを参照 |
前提資格 認定条件 | どちらも前提資格はないが、Goldとして認定されるにはGold及びSilver試験の合格が必要 |
対応言語 | 英語・日本語 |
試験結果 | 試験終了後に試験結果が画面に表示 |
参考元:https://www.prometric-jp.com/examinee/test_list/archives/10
上記がRuby技術者認定試験の詳細です。CBT方式の試験に対応した会場での受験となっており、通年開催なので勉強計画が立てやすくなってます。ただし、前もって大まかな受験日を想定しておくことが大切です。
Ruby技術者認定試験の有効期限は設定されておりません。公式サイトにも有効期限の記載、または更新制度などは記載されていないため、一度合格することで将来的に履歴書への記載が可能となります。
ただし、Rubyのバージョンアップに対応した試験が配信されることがあるため、Rubyのバージョンアップが行われたタイミングで、新しい試験が実施されていれば受験し、最新のRubyに対応できるエンジニアとして自分自身のアップデートも行いましょう。
Ruby技術者認定試験の出題範囲・難易度・勉強時間
・Silver
文法 | ・コメント ・リテラル (数値、真偽値、文字列、文字、配列、ハッシュ等) ・変数/定数とスコープ ・演算子 ・条件分岐 ・ループ ・例外処理 ・メソッド呼び出し ・ブロック ・メソッド定義 ・クラス定義 ・モジュール定義 ・キーワード引数 |
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組み込みライブラリ | ・よく使用されるクラス、モジュール (Object、数値クラス、String、Array、Hash、Kernel、Enumerable、Comparable等) |
オブジェクト指向 | ・ポリモルフィズム ・継承 ・mix-in |
参考元:https://www.ruby.or.jp/ja/certification/examination/
上記がRuby技術者認定試験 Silverの出題範囲です。Rubyに関する基礎的な文法やライブラリ、オブジェクト指向などが出題範囲になっており、じっくりと勉強に取り組むことでRubyを通じてプログラミング言語の基礎が理解できるようになるでしょう。
実務経験者の方であれば難易度は高くない内容と言えます。ただし、初心者の方、初めて資格試験に挑戦される方の場合は難易度は高く、プログラミングを学ぶ以前のWebやITに関する知識が欠けていると、理解をするのにかなり大変な思いをするかもしれません。
勉強時間については、おおよそですが実務経験のある方で50時間から150時間程度、初心者の方で100時間から200時間程度を見込んでおきましょう。
・Gold
実行環境 | ・組み込み変数/定数 |
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文法 | ・リテラル ・変数と定数 ・演算子 ・ブロック ・例外処理 ・大域脱出 ・キーワード引数 ・ナンバードパラメータ ・ラムダ式(->) ・パターンマッチ ・ヒアドキュメント |
オブジェクト指向 | ・メソッドの詳細 ・メソッドの可視性 ・クラスの詳細 ・クラスの継承 ・モジュールの詳細 ・Module#prepend ・Refinements |
メタプログラミング | ・eval、define_method、instance_variable_get等 |
組み込みライブラリ | ・よく使用されるクラス、モジュール (Object、Module、Kernel、Enumerable、Comparable等) ・数値 ・正規表現 ・Proc ・Enumerator |
標準添付ライブラリ | ・time、date、singleton、forwardable等 |
参考元:https://www.ruby.or.jp/ja/certification/examination/
上記がRuby技術者認定試験 Goldの出題範囲です。Silverよりも深いRubyに関する知識が求められるといえる出題範囲であり、初心者の方が直接受験するにはかなり難易度が高いと言えます。
また、Goldの受験自体は前提資格は必要ないものの、認定条件としてSilverの合格が求められることから、実務経験者の方でもまずはSilverの合格を目指す必要があることを留意しておきましょう。
勉強時間については、Silverに合格していることを前提として、おおよそですが100時間から200時間程度必要になることが推測されます。Ruby以外のプログラミング言語の経験がある場合は、オブジェクト指向の概念や標準ライブラリの使い方などをすばやく理解できる可能性がありますが、Ruby特有のメソッドや記法は確認しておくと良いでしょう。
ただし、難易度や勉強時間は受験される方の理解度によって大きく異なるということ、あくまでも目安であることを覚えておいてください。
Ruby技術者認定試験の受験者数・合格率
Ruby技術者認定試験の受験者数と合格率については、公式からの発表はありません。
受験者数について推測してみましょう。
海外のTIOBE Index for December 2024では、Rubyのランキングが18位です。エンジニアに人気なプログラミング言語としては、20以内には入るものの上位ではないことが伺えます。
日本国内においても同程度のランキングであるということを前提とした場合、受験される方は相対的に少ない可能性があることが推測できるでしょう。しかし、Ruby自体がWebアプリケーション開発を中心に根強い需要があることを考慮すると、絶対数として一定の受験者がいることは推測できます。
合格率については50問で75%以上の正答率であること、レベルごとの出題範囲を前提とした場合、特にコーディングなどの実務が含まれないことからも、難易度は高いものの合格率が低いことは考えにくいでしょう。
なおある程度の合格率であっても受験者数が少ないことが想定されることから、試験に合格することで希少性の高いエンジニアとしてアピールできることも忘れてはなりません。特にプログラミング言語の領域においては、流行り廃りだけではなく、長期的な保守運用も含めて人材を確保することもあるため、希少なRubyエンジニアとしてのキャリアを形成する価値は十分にあると言えます。
Ruby技術者認定試験の申し込み手順
試験会場を検索する
試験の専用ページでプロメトリックIDを作成する
受験を希望する日時と試験会場を選んで予約する
受験料の支払い
希望した日時・場所で受験する
上記がRuby技術者認定試験の申し込み手順です。受験料の支払いはクレジットカード、コンビニエンスストア、Pay-easyのいずれかになります。団体での受験になる場合は受験チケットによる支払いも可能とのことですので、対応する講座やコースなどで学んでいる場合は事務局などに問い合わせしてみてください。
受験日の当日には運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、住民基本台帳カード、在留カード、特別永住者証明書、運転経歴証明書のいずれかの身分証明書が必要となるので必ず持参しましょう。
3.Ruby技術者認定試験の資格取得のメリット
次にRuby技術者認定試験の資格取得のメリットについて解説します。
Rubyについて体系的かつ段階的に学ぶことができる
Ruby技術者認定試験の資格取得のメリットとして、Rubyについて体系的かつ段階的に学ぶことができることが挙げられます。SilverとGoldの2つのレベルに順々に挑戦していくことで、基礎から応用の知識が身につくようになるのが理由です。
初心者の方の場合はプログラミングがどのようなものかを理解する足がかりにもなります。実務経験者の方の場合は実力の証明になるだけでなく、学び直すことでRubyエンジニアとしての成長の材料にもなるでしょう。
Rubyを使えるエンジニアとしての第一歩につながる
Ruby技術者認定試験の資格取得のメリットとして、Rubyを使えるエンジニアとしての第一歩につながることが挙げられます。エンジニアは技術職であることから、技術的な知識やスキルがないとなかなか業界に挑戦することはできません。そのため、Ruby技術者認定試験に合格するために勉強することで、エンジニアとしての一歩が踏み出せるようになるのです。
Ruby技術者認定試験の合格だけでは採用は難しい可能性はあるものの、Rubyを学ぶことで関連する技術なども視野に入るようになり、様々な技術に興味関心を持てるようになるのもメリットと言えます。エンジニアとして必要な学ぶ姿勢とともに、得意とする分野を発見できる可能性が高まるのも大きな利点と言えるでしょう。
Ruby技術者としての実力をアピールしやすくなる
Ruby技術者認定試験の資格取得のメリットとして、Ruby技術者としての実力をアピールしやすくなることが挙げられます。特に実務経験者の方の場合、アピールするポイントが増やせることで、キャリアアップによる年収のアップ、もしくは上位のポジションを狙いたいという場合にも良い材料になるということです。
Rubyはまだまだ廃れるような技術ではありません。そのため、Rubyのスペシャリストとしてのアピールの一つとして証明できるようになれば、何よりも受験された方の自信にもつながります。募集や案件に応募する際においても、実務経験とともに技術的な話題でコミュニケーションできるようになるのもメリットと言えるでしょう。
4.Ruby技術者認定試験の資格取得のデメリット
次にRuby技術者認定試験の資格取得のデメリットについて解説します。
資格取得のために勉強時間や費用のコストが必要になる
Ruby技術者認定試験の資格取得のデメリットとして、資格取得のために勉強時間や費用のコストが必要になることが挙げられます。2つのレベルを学ぶための参考書やリファレンスで勉強するための時間、及び参考書を購入する費用や受験料などが発生するのが理由です。
ただし、資格を取得するためのコストについては、リターンになることも忘れてはなりません。むしろ、合格することでエンジニアとしての第一歩を踏み出せるようになったり、新しいキャリアへの道が広がることを考えると、積極的にコストを投資しながら、自分自身の成長と市場価値の向上を目指すことが大切です。
Rubyの資格だけでは他のエンジニアと差別化しにくい
Ruby技術者認定試験の資格取得のデメリットとして、Rubyの資格だけでは他のエンジニアと差別化しにくいことが挙げられます。Ruby技術者認定試験の合格が意味ないということではなく、Ruby技術者認定試験の資格単体では、実務経験のある方やその他のスキルセットがある人と比べると見劣りしてしまうという意味です。
そのため、Ruby技術者認定試験の合格を目指すとともに、フレームワークであるRuby on Railsを扱えるように学んでおくこと、関連する技術領域についても興味を持って身につけていくことが必要になります。Webに関する基礎知識なども含めて、エンジニアとして最低限必要な技術的な基盤を把握し、アピールできるようにすると良いでしょう。
Rubyの応募や案件でないとミスマッチしやすい
Ruby技術者認定試験の資格取得のデメリットとして、Rubyの応募や案件でないとミスマッチしやすいことが挙げられます。例えば、プログラミングのことはよくわからないがRubyを学ぶのが良さそうだという流れで資格を取得したとしても、自分が目指すエンジニアのキャリアに挑戦できるとは限らないということです。
特に初心者の方の場合はどのプログラミング言語を学ぶべきかわからないこともあるため、まずは自分自身がエンジニア領域のどの部分で働きたいかを考えるようにしましょう。実務経験者の場合においても、Rubyのスペシャリストとして活躍したいのか、もしくはRubyの知識やスキルを基軸として、新しい領域や新しいポジションを狙いたいのかを明確にすることが大切です。
5.Ruby技術者認定試験合格のための勉強方法
次にRuby技術者認定試験合格のための勉強方法について解説します。
模擬問題に挑戦して自分の理解度を把握する
Ruby技術者認定試験合格に向けて、模擬問題に挑戦して自分の理解度を把握することから始めましょう。まずは模擬問題集(Silver試験用)に挑戦して、実務経験のある方は模擬問題集(Gold)にも目を通しておくことをおすすめします。
実務経験者の方はこの時点でどれくらい勉強時間が必要かをおおよそ考えるようにしましょう。初心者の方は問題文を見て、自分が何が分からないのかを把握することから始めてみてください。特にWebやIT、プログラミングの基礎がないと全くわからなくて困ってしまう可能性がありますので、必要に応じてIPAの実施しているITパスポートや基本情報技術者の参考書なども参考にすると良いでしょう。
Progateやドットインストールの無料部分で基本を学ぶ
Rubyから始めてプログラミング言語の習得に挑戦する場合、難しくて諦めてしまわないように、まずはProgateやドットインストールの無料部分で基本を学ぶことから始めるのもおすすめです。
実務経験者の方の場合、オンラインの無料で学べる部分で内容的に不要だと感じたら課金する必要はありませんが、初心者の方で楽しく学べるイメージが描けるようであれば、課金をして学び進めてみても良いでしょう。その場合は出題範囲に合わせてオンラインサービスで学べる内容を紐付けていくこと、時折模擬問題をチェックしながら理解ができるかを把握することが大切です。
公式で紹介されているリファレンスや書籍で勉強する
模擬問題やオンラインサービスでのRubyの勉強で手応えを感じた、もしくは実務経験者の方で基礎が身についているのであれば、次は公式ページで紹介されているリファレンスや書籍で勉強する段階に入りましょう。
リファレンスだけで勉強していくのは難しいこともあるため、出題範囲を参照しながら、関連する内容を重点的に学んでみてください。
公式以外でRubyに関する参考書や技術書を購入する場合、試験に対応したバージョンのRubyついての書籍かどうかを必ずチェックしましょう。その上で書籍の文章や図形にいる表現などが自分にとって分かりやすいかどうか、難しい内容をきちんと噛み砕いて理解できるかどうかをチェックし、気に入った著者を見つけて勉強に役立ててください。
特に相性の良い著者を見つけることは、受験勉強における知識の理解が進みやすいですし、途中で諦めないで済むので非常におすすめです。
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6.まとめ
今回はRuby技術者認定試験に関する基礎知識や詳細情報、Ruby技術者認定試験の資格取得のメリット・デメリット、Ruby技術者認定試験合格のための勉強方法についてお話ししました。
Ruby技術者認定試験に合格することで、Ruby技術者として希少性の高いエンジニアのスキルをアピールすることにつながります。これからエンジニアになりたい方の第一歩として、実務経験がある方の次なるキャリアアップやキャリアチェンジの材料として役立ちますので、ぜひともこの機会に合格に向けて勉強を頑張ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。