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最終出社日には何をすべきか?仕事を辞める時、何と言えばいい?

公開日:2024/08/17最終更新日:2024/11/22

退職の決断が固まり、未来へ向けた新たな一歩への準備が整いつつある最終出社日は、新たな門出への出発点とも言えるでしょう。現実に多くのケースで、この特別な日が退職の正式な区切りとなります。


自身のキャリアを高めるために、転職などで自分から退職を切り出す場合、最終出社日は「解放の日」として捉えられることもあるでしょう。しかしながら、退職の終着点としての最終出社日こそ、忘れてはならない確認事項や心温まる挨拶が待っています。


後日、「何かを忘れてきてしまった!」という状況を避けるためにも、最終出社日に慌てず挨拶を済ませておくことが肝心です。バタバタと忙しい中などの理由で挨拶を怠ると、自身の評価やプロフェッショナルな印象に傷がつく可能性もあることをしっかりと意識しておくべきです。


円満に退職を遂行するためには、最終出社日に実行すべきタスクや手続きを正確に理解し、事前に計画を立てておくことが大切です。これによって、あなたのキャリアの新たな章へのスムーズな移行が可能になるでしょう。

1.最終出社日までに準備すべきことは?

それでは、最終出社日当日に慌ただしくならないよう、出勤前に準備しておくポイントを見ていきましょう。

大きな袋や紙袋を用意する

最終出社日には、大きめのバッグや紙袋を持参していくことをおすすめします。


この日には同僚や後輩、上司から花束や様々な退職祝いのプレゼントを受けることが予想されます。通常使用しているビジネスバッグだと収容しきれない可能性があるため、当日に持ち帰ることが難しいことがあります。そのようなトラブルを避けるため、最終出社日当日には大きめのバッグや紙袋を持って出勤することをおすすめします

少し早めに出勤し、身の回りの整理整頓をする

最終出社日には、通常よりも約1時間早く出勤して、自分のデスクやロッカー周りを整理することをおすすめします。


最終出社日であっても、仕事はまだ続いている場合があり、その最終出社日にしか整理できないものもあるかもしれません。仕事の時間中に整理をすると、ゴミや物品が出てくる可能性があるため、周囲の人に迷惑をかけてしまうかもしれません。そのため、早めに出社して、他の人の作業に影響を与えないように気をつけましょう。

2.最終出社日に渡すお菓子の選び方

最終出社日に渡すお菓子の選び方について迷うこともあるかもしれませんが、安心してください。大切なのは感謝の気持ちです。高価なものでなくても問題ありません。


以下のポイントに気を付けて選びましょう。

  • 配りやすさ

  • オフィスで食べられるものであること

  • 持ち運びしやすいものであること(帰宅用にも)

これらの要点に注目して選ぶと良いでしょう。

人気のお菓子は?

通常「小分けにされていて分けやすいもの」「オフィス内で気軽に食べられるもの」「持ち帰りが便利なもの」が好まれる傾向があります。個々に包装されたお菓子や、作業中でも片手で手軽に食べられるタイプのものは、喜ばれることが多いでしょう。

人気のないお菓子は?

「生もの」や「切り分けが必要なケーキや羊羹など」、「手間がかかるもの」、「強い匂いがするもの」などは避けたほうがいいです。また、ボロボロと崩れやすかったり、粉が舞いやすいもの、匂いがきついものも避けるべきです。

予算は?

お菓子の予算について、一般的には合計で2,000円から3,000円程度が適しています。あまり高価すぎると、逆に気を使わせてしまうことがあるため、10人くらいの場合でも、前述の範囲内で予算を設定することが良いでしょう。


もし部署が数十人以上、または、多くの人に挨拶をする場合は、一人あたり50円から300円くらいの予算で計算すると、適切なお菓子の予算を見積もることができます。

渡す範囲は?

お菓子を渡すかどうかの基準としては、「お世話になった人」と「自分が贈りたい人」です。まず、同じ部署の仲間と日常的に一緒に働いてきた人々には、基本的に全員にお菓子を配ることがおすすめです。その上で、他の部署でお世話になった個人的な関係を考慮しても良いでしょう。ただし、これは一般的な基準であり、会社の規模によって調整が必要です。


例えば、社員数が少ない(約20人まで)会社や支社の場合、社内の全員に配ることが良いでしょう。何人かにしか渡さないと、誤解を生む可能性もあるため、全員分のお菓子を用意するのが良いでしょう。


一方、30人や40人を超えるような大きな会社では、前述した同じ部署の人々に加えて「+α」の要素を考慮すると良いです。この「+α」には、仕事で協力してくれた人や以前の上司、同期といったカテゴリが含まれます。自分で状況を判断して、プライベートや仕事の関係性を考慮してみてください。


もし「大きな会社で働いており、他部署でもお世話になった人が多い」という場合、基本的には自分の所属部署の人に配ることを重視し、他の部署への配りは挨拶で済ませるという方法でも問題ありません。

渡す順番は?

まず、役職者(部長→課長)に渡し、次に座っているデスクの順番に渡すのが良いです。年次の上位やお世話になった人から始めるアプローチも考えられるかもしれませんが、それでは時間のロスが生じてしまい、挨拶にかかる時間が長くなりすぎるになる可能性があります。また、順に渡すことで受け取る側も予測しやすくなります。そのため、双方にとって最も効率的なのは「デスク順」です。


また、「渡そうと思った人が席を外していたり、休暇中だったりする」というケースも考えられます。そのような場合、お菓子にメッセージと名前を書いた付箋を貼っておくと良いでしょう。

3.最終出社日の朝にすること

それでは、最終出社日に朝に出勤したら行うべきことを見ていきましょう。

引継ぎの最終チェック

もし後任が決まっている場合、業務の引継ぎを最終確認しましょう。ただし、急にお願いしても相手が忙しいかもしれないので、あらかじめスケジュールを調整しておく必要があります。


後任が未定の場合は、データや書類を分かりやすくまとめて引継ぎ内容を作成し、上司などに保管場所を伝えておくことが重要です。特にトラブルが発生している案件や急いで対応が必要な案件があれば、その詳細を伝えておくべきです。


引継ぎ内容が十分に理解されないまま退職すると、後から連絡が来る可能性があるため、しっかりと情報を伝えておくことが大切です。

退職メッセージを送る

業務引継ぎが終わった後、新たな仕事がない場合は、お世話になった方々に退職のお知らせメールを送りましょう。特に直接会えない距離にいる人や都合が合わない人に向けて送ることが一般的です。最終出社日の前に既に退職のお知らせメールを送っている場合は、再度送る必要はありません。


詳細は後述します。

4.最終日の午後にすべきこと

それでは、最終出社日の午後に行うべきことを見ていきましょう。

返却書類と受領書類のチェック

最終出社日には、会社から提供された社員証やカードキーなどを返却し、年金手帳や離職票などの会社からの書類を受け取る必要があります。会社の備品を返却し忘れると、退職後に郵送する必要が生じたり、受け取りを忘れると再び会社に連絡を取る必要が出てきます。


退職後のスムーズな手続きを確保するために、返却すべき物品と受け取るべき書類を忘れないように注意しましょう。

挨拶周り

午前中は一般的に仕事に集中する時間であり、また忙しい時間帯でもあるため、その間に挨拶に行くと他の人に迷惑をかけることになりかねません。そのため、退職の挨拶は午後の時間帯が良いでしょう。例えば、17時や18時までの就業時間の会社であれば、15時ごろから挨拶を始めるのが適切です。


挨拶をする際には以下の点に留意しましょう。

  • 仕事に対する不満やネガティブな発言は避けること。

  • 相手も仕事中なので、簡潔に感謝の意を伝える。

挨拶する順番は相手のスケジュールに合わせて柔軟に調整しますが、できるだけ直属の上司から始めると良いでしょう。

5.有給休暇は退職時にまとめて使えますか?

有給休暇の取得は労働者の権利であり、会社は原則として労働者からの有給休暇申請を断ることはできません。したがって、退職前にまとめて有給休暇を申請することも可能です。


ただし、後任者の引継ぎがまだ進んでいないなど、業務に支障をきたす可能性がある場合、有給休暇を取得するのは望ましくありません。円満な退職を目指すためにも、会社や上司と相談しながら計画的に有給休暇を取得することが大切です。有給休暇を退職時に使う際、最終出勤日の前に取るか、後に取るかでそれぞれ利点が異なります。状況に合わせてどのタイミングで取得すべきかを考えましょう。

最終出勤日(最終出勤日=退職日)までに有給休暇を取得した場合

退職日前に有給休暇を使う場合、もちろん有給休暇明けも退職日まで出勤する必要があります。ただし、有給休暇明けも出社するからといって、引継ぎを後回しにするのは避けるべきです。通常、有給休暇を取る前にすべての業務を引き継いでおくことが推奨されます。退職日の最終出社日には、デスク整理や掃除、引き継いだ業務のチェックを行うために時間を使うことが良いでしょう。また、社内で多くの人に挨拶をするために1日を割くことも利点です。加えて、退職手続きも最終出社日に済ませることができ、健康保険証などの返却も郵送せずに済みます。

最終出勤日以降に有給休暇を取得した場合(最終出勤日≠退職日)

退職時に有給休暇をまとめて使う場合、一般的な方法は最終出社日の後に有給休暇を取得し、有給休暇が終了するタイミングで退職日を迎えるというパターンです。このアプローチの利点は、有給休暇を使い終わった後に出社する必要がないため、新しい仕事先にスムーズに移行できるという点です。これにより、リフレッシュした状態で新しい職場でスタートできるでしょう。この方法では、有給休暇中も契約上はまだ退職先に在籍していることになるため、健康保険証などもそのまま利用できます。ただし、退職日を迎えたら速やかに返却物を郵送する必要があることに留意しましょう。

6.退職の挨拶メール

仕事の引き継ぎも終わり、あとは退職日を待つだけですね。会社を去る際には、挨拶が大切です。どんなメールを送るべきか、迷ってしまうこともあるでしょう。この章で説明します。

退職挨拶メールの目的

退職挨拶のメールを送るのには、感謝の気持ちを先輩や同僚、後輩に伝えるだけでなく、印象を良く保つための目的もあります。将来、どこかで再び関わることもあるかもしれない。また、取引先として交流することもあるでしょう。その際、最後の印象は重要です。特にメールは残るもの。受け手が後で読んでも恥ずかしくない内容にするため、じっくり考えましょう。

最終出社日に社内メールを送る

退職が確定したら、適切なタイミングで挨拶メールを送ることについて疑問に思う方もいるでしょう。社内と社外では異なる考え方が必要ですので、注意が必要です。まず社内の場合、挨拶メールは「最後の挨拶」に近いものです。そのため、退職が公に知られてすぐに送るのではなく、自身の最終出勤日に送るのが適切です。ただし、社内における慣習がある場合はそれに従うべきです。一般的には、業務に影響を与えない時間帯が好ましいです。例えば、午前9時から午後4時までは仕事に集中する時間帯ですので、その間に送るのは避けた方が良いです。もし最終日に有給を取得している場合は、あらかじめ挨拶メールを送っておくのも良いアイデアです。

社外メールは退職日の2~3週間前に送る。

社外に向けて挨拶メールを送る場合、なるべく早めに送ることが良いです。一般的な目安としては、最終出社日から2~3週間前が最適です。その理由は、後任者がスムーズに引き継ぎ作業を進めるための時間を確保できることと、取引先に「計画的に業務を進めることができる人」という印象を与えることができるからです。


今後も人脈は大切になります。現在の職場を離れても、長い間つながっていく可能性があることを考慮し、良好な印象を残すことが重要です。無理なく、飛び立つ鳥に恥じないように、今後の仕事の展望も意識しながらメールを送ることが大切です。

同時にメールを送るのは決して失礼ではない

挨拶メールの相手は、これまでお世話になった方々です。同じ部署の同僚や社外の取引先、親しい上司などが含まれます。こうした方々にメールを一斉送信しても大丈夫なのか、という疑問が生じるかもしれません。しかし、一般的には一斉送信は失礼なことではありません。適切な文面で感謝の意を表現すれば、相手にきちんと伝わるでしょう。


一斉送信を行う場合、宛先の設定に注意が必要です。必ず送りたい相手を「bcc」に入れて、自分のアドレスを「To」に入れるのが重要です。これは他人同士のアドレスを守るための配慮です。また、個々のお世話になった方には、個別のメールを送ることが理想的です。これにより、退職後も良好な関係を保つことができます。


もちろん、最良の方法はメールではなく、直接会ってお礼を述べることです。退職する前に対面で感謝の気持ちを伝える機会がある場合、積極的に利用しましょう。

社内での一斉送信メールは、シンプルさが大切

それでは、最も迷いがちな「内容」についてお話ししましょう。しかし、要点を抑えておけば、決して難しいものではありません。以下では、ポイントを考慮したアドバイスを紹介しますので、参考にしてください。まずは社内向けの挨拶メールについてです。


ポイント1:件名は「退職の挨拶」と明確にする。

メールがスルーされてしまうことを避けるために、件名を明快なものにしましょう。例えば「退職のご挨拶(○○)」のように、名前を含めてシンプルに記載すると良いです。


ポイント2:詳細な退職理由は控える。

ついつい詳細に退職の理由を述べてしまいたくなるかもしれませんが、ビジネスの礼儀として詳細な説明は避けましょう。「一身上の都合」と簡潔に伝えることを心がけましょう。


ポイント3:連絡先の共有は検討可。

今後も社内での連絡を続けたい人もいるでしょう。社内向けの場合、連絡先をメールに記載しても問題ありません。「今後の連絡先が必要な際は、以下にご連絡ください」と記載し、簡潔な署名(名前と所属)を添えるのがポイントです。

上司に挨拶メールを送るときは、「お礼」を多めに書くように

一斉送信の他に、個別にお礼を述べたい相手がいるかもしれません。上司に対して挨拶メールを送る場合、基本的なガイドラインは「社内向け」と同じです。ただし、不満や不平にならないような配慮が必要です。もし可能であれば、より詳細な内容でも良いでしょう。仕事に関連するエピソードや思い出、得た教訓などを加えることで、より強い印象を残すことができるはずです。

社外への挨拶は安心してもらえるように

取引先に対するメールの内容も、基本的には社内向けと大きく変わりません。ただし、明確に異なる点が3つありますので、以下で説明します。


ポイント1:退職日をはっきり明記する。

取引先がメールを受け取った際、返信や連絡があるかもしれません。その際、「連絡しようとしたら、すでに退職していた」という状況は避けたいですね。ですから、退社する日付をしっかりと記載しましょう。


ポイント2:後任者の紹介を行う。

引き継ぎが必要な場合は、必ず後任者の名前を明示するようにしましょう。できれば、退職前に直接ご紹介するのが最善ですが、そうできない場合でもメール内に一言添えると良いです。


ポイント3:退職後の連絡先は明示しない。

退職後の連絡先を書いてしまうと、後にビジネス関係が継続する場合、新しい会社での活動が古い会社に関わるものと誤解されかねません。どうしても必要な場合は、上司などに相談することをおすすめします。

7.最終出社日の挨拶

最終出社日には、退職挨拶のスピーチを行う場面がよくあります。これは最後の挨拶となるため、成功するためのスピーチのポイントを確認しましょう。

スピーチに盛り込むべき3つの要素

退職挨拶のスピーチには、以下の3つのポイントを含めることが重要です。

  • 退職の報告

  • 感謝の表現と具体的なエピソード

  • 今後の成功を応援する言葉

これらの要素をバランスよく組み合わせることで、適切な長さのスピーチを作成できます。

会社への批判は入れない

退職の挨拶の中では、会社や同僚に対して批判的な言葉やネガティブな内容を避けることが大切です。自分の気持ちはすっきりするかもしれませんが、その会社で今後も働いていく人々が受け取る言葉です。逆の立場で考えると、それは気分を害する可能性があります。


今後のことも考えつつ、ネガティブな要素をできるだけ避けて話すようにしましょう。

お世話になった人の顔を見て話す

人前で話す際には、緊張してしまい、目が下を向いてしまうことがあります。しかし、退職挨拶は全員の顔を見ることができる最後の機会でもあります。大切な方々の顔を見つつ、感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。

8.円満退社のために最終出社日までにやっておくこと

円満な退職を実現するためには、辞職後に上司や同僚に迷惑をかけないように事前に準備しておくことが重要です。最終出社日の過ごし方も重要ですが、それより前に行うべきことにも目を向けましょう。

最終出社日の1ヶ月前

退職の意向が上司に承認されたら、退職願を提出しましょう。後任者が確定している場合は、引継ぎ資料を準備し始めて、いつまでに終えるかを後任者と調整することが重要です。

最終出勤日の2~3週間前

お世話になった取引先に挨拶をしておくことが大切です。後任がいる場合は、引継ぎの意味も込めて一緒に訪問し、退職の意向を伝えます。直接訪問が難しい場合は、退職の挨拶メールを送ることも検討しましょう。

9.まとめ

円滑な退職を遂げるためには、退職の際に行う「挨拶」と「事務手続き」という二つの要素が極めて重要です。

「最終出社日」という特別な日には、未処理の業務や忘れ物のリスクを避けるために、注意深さが求められます。


上司や同僚への退職の挨拶は勿論のこと、返却すべき名刺や社員証などの貸与アイテム、受け取るべき雇用保険被保険者証や年金手帳など、さまざまな文書や品物の整理も忘れずに行いましょう。


退職日は、あなたにとっては最終出社日かもしれませんが、他の人にとっては通常の仕事日です。自分だけの利益だけでなく、周囲の業務にも注意を払い、最後まで丁寧に仕事を遂行することが重要です。余裕がある場合は、他の人の手助けも提供することで、協力の姿勢を示すことができます。


個別の挨拶は、控えめな声で行い、周囲の人々の集中力を乱さないように気を付けることも肝要です。


退職する場合であっても、会社に対するマナーやプロフェッショナリズムを守り、最後まで良い印象を築くよう心がけましょう。その際に、自身の行動や態度が自らの価値観や職業人としての誠実さを反映するものと認識することが大切です。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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