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GitHub使い方ガイド|何がすごい?危険性は?機能やアカウント作成手順、活用事例を解説

公開日:2025/02/02最終更新日:2025/02/06

企業の中には、「チーム開発をもっと効率的に進めたい」という悩みを持つ担当者もいます。そこで、チーム開発に活用したいサービスが「GitHub」です。


GitHubは世界中で多くのエンジニアが利用しています。複数人の開発やナレッジ共有など幅広い用途に使われています。


そこで本記事は、GitHubの基本知識や導入の前準備、アカウント作成の手順、メリット・デメリット、活用事例などを解説します。


目次

1.GitHubとは?わかりやすく解説!

GitHubは、GitHub社が2008年に提供を始めたソフトウェア開発向けのサービスです。オンライン上でプログラムのソースコードを保存し、公開することができます。

GitHubの読み方や意味

GitHubは日本語で「ギットハブ」と読みます。意味としては「Git」がオープンソースの分散型バージョン管理システムを指し、「hub」が日本語で「拠点」や「中核」を意味する単語です。


つまり、この2つの意味を合わせて、Gitのような管理機能をオンラインで使えるようにした中核サービスがGitHubです。ちなみに、Gitの語源は「馬鹿・間抜け」といった意味がもととなっています。あえて開発者が自虐的にこの名称を名付けたのです。

Gitとの違い

Gitは、GitHubの略称ではなく、上記の通り「バージョン管理システム」の一種です。バージョン管理システムとは、保存・変更した情報を時系列に記録し、履歴を確認してバージョン(版)を管理できるシステムのことです。英語表記の「Version Control System」を略して、短く「VCS」と呼ぶこともあります。

Gitが分散型の理由

バージョン管理システムの方式には、「集中型」と「分散型」の2つがあります。Gitはその中でも「分散型」のシステムです。分散型のシステムにはGitともう1つ、有名な「Mercurial」というサービスが知られています。


方式の違いは、次の通りです。まず「集中型」はリポジトリを1つ用意して、そこにアクセスすることでデータを読み込みます。一方、分散型はそれぞれがOS上にリポジトリを持ち、ネットワークにアクセスすることで同期して共有できる方式です。


Gitが分散型の理由は、オンラインとオフラインのさまざまな環境下で変更や編集の履歴を記録することにあります。オフラインとオンラインを分けることで、個人とチームの作業を進めやすくし、個人の作業後は、スムーズな統合が可能です。

2.GitHubの使用前に押さえるべき知識や学習方法

プログラミング初心者にとっては、GitHubを何に使うのかピンとこない方もいます。そこで、初心者がGitHubの利用をスムーズに行えるように、基本知識や学習方法について解説します。

基本用語を押さえる

まずは基本的な知識として、よく使われる用語を押さえることです。そこで、以下によく使われる用語を確認します。

リポジトリ

GitHubでは、Gitと共通する「リポジトリ」が代表的な用語です。ファイルを階層構造でフォルダ保存する管理場所を指します。


システム開発では、コードの一元管理によく使われる用語です。しかし、プログラミング初心者の方には聞き慣れない用語となります。


IT開発の分野では、リポジトリの階層フォルダのことを「ディレクトリ」と呼びます。そして、履歴データの保管場所は「データベース」です。つまり、リポジトリは、ディレクトリを保存できるデータベースと言い換えられます。


リポジトリは主に、パソコン上にローカル保存する「ローカルリポジトリ」と、ネットワーク保存される「リモートリポジトリ」の2種類です。GitHubは「リモートリポジトリ」を使用できます。


先にGitをインストールすることで、Gitの「ローカルリポジトリ」とGitHubの「リモートリポジトリ」を両方使える環境が整うのです。Gitのインストール方法については後ほど解説します。

ブランチとマージ

「ブランチ」は分岐して別バージョンを増やすことです。一方、「マージ」は別々に作業したものを統合することです。GitHubには設定から自動でマージ(ファイル統合)できる機能もあります。

コミットとプッシュ

GitHubでよく使われる操作に「コミット」と「プッシュ」があります。「コミット」は記録する操作のことです。リポジトリから新たに追加する場合、コミットすることでブランチの1つを変更保存して記録できます。通常、コミットする場合は「add(アド)」の一次保存するためのコマンド操作が必要です。


また、「プッシュ」では、リモートリポジトリにアップロードする操作です。チーム開発の場合は、このプッシュまで完了して初めて共有されます。


最低限、これらの用語を覚えておくことで、基本的な操作説明で混乱せず、初心者でもスムーズに開発を進められるのです。

プルリクエスト

プルリクエストは、GitHubで最初に搭載された通知機能です。ブランチ(分岐の版)に変更を提案するための機能で、プロジェクトの作成者やエンジニアに通知で知らせることができます。プルリクエストで変更を提案した後、提出されたたソースコードをレビューしてからマージ(統合)します。


そのため、プルリクエストを行うことでバグが発生しにくく、必要に応じて変更点に議論を交わすなど、この機能には多数のメリットがあるのです。

機能を把握する

GitHubには、さまざまな機能があります。特にチーム開発機能の「リモートリポジトリ」はネットワーク保存が可能です。他にもリポジトリや開発に関連したさまざまな機能を搭載しています。


例えば、基本的な機能としてリポジトリの新規作成です。プライベートで作成を始めてソースコードを保存し、後から「このリポジトリに共同編集者を追加する(Add collaborators to this repository)」でチームメンバーを招待することもできます。


また、作成サポートの1つに、コーディングのAIを活用で補完する「GitHub Copilot」機能もあります。


コード作成以外の機能では、issueやプルリクエストのテンプレートテキスト挿入もチーム開発に役立つ機能の1つです。文章の統一感をあわせたり、無駄なコミュニケーションの時間を減らすことができます。


それから、ブランチ作成・編集に関連した「Diff機能」や、高度な検索が可能な「GitHub Grep機能」などもあります。チームや個人のプロジェクト作業を効率化するのに必要な機能を見極めて、開発に上手く取り入れることが大事です。

学習方法を選ぶ

GitHubはすでに多くの学習方法があり、自分にあったものをその中から選ぶことになります。主な学習方法は以下です。

  • 一般書籍(電子書籍)や学習用の教材テキスト

  • ネット上の解説サイトや動画

  • eラーニング講座

  • 専門学校で学ぶ

GitHubをプログラミング初心者が学ぶ場合、eラーニング講座がおすすめです。近年は動画やパワーポイント形式で空いた時間に自主学習できる方法が人気となっています。


費用をかけたくない方は、ネット上の解説サイトや動画でも学ぶことができます。ただし、雑多な情報が多いネット学習は学習効率が悪く、間違った情報を取得することもあるため、利用する際は注意が必要です。


したがって、eラーニング講座など、専門家の監修が入った学習教材を順序よく体系的に学べる方法が効率的でしょう。

3.GitHubを始めるときの手順は?アカウント作成解説

GitHub利用の前準備が整ったら、次に、サービスを使い始めるのに必要なアカウント作成の手順を解説します。

公式サイトからGitをインストール

GitHubを使うには、先に公式サイトでGitをインストールします。例えば、OSがWindowsの場合は、「Git for Windows」からインストールを開始します。


Macの場合は、標準搭載されているため、個別にインストールは不要です。最新版への更新が必要な場合のみ「Download for macOS」でアップデートします。

Gitを初期設定する

次に、インストールしたGitの初期設定を行います。このとき、ユーザー名(user.name=)とアドレス(user.email=)の登録が必要です。これらをコマンドの実行で行います。

GitHubのアカウントを作る

Gitを設定したら、ようやくGitHubのアカウント作成です。


日本からのアクセスで登録する場合は「GitHub Japan」のサービスサイトにアクセスして、「サインアップ」か「GitHubに登録する」のいずれかのボタンを押して、新規登録を開始します。


ページが遷移すると「Sign up to GitHub」という画面にアドレスやパスワード、ユーザーネームを登録する空欄のフォームが表示されます。


入力したら「Continue」ボタンを押して登録を進めます。認証用のメールアドレスで取得したコードを入力すると、管理画面が開きます。これがデフォルトのホーム画面です。

リモートリポジトリ作成

アカウント登録が完了したら、次にリモートリポジトリを作成する作業です。「Start writing code」の段落にある「Start a new repository」の「リポジトリ名(Repository name)」を入力し、作成を開始します。


その際、「公開(Public)/プライベート(Private)」の選択が可能です。後は作成(Create)のボタンを押して、管理画面に遷移します。

ローカルリポジトリ作成してコミット

リモートリポジトリの作成後は、ローカルリポジトリの作成です。コマンドで入力操作しますから、基本的なコマンドプロンプトのやり方を習得しておくことも必要です。


その上で、「git init」による初期化、「git add」と「git commit」の順にコマンド操作します。この手順でローカルリポジトリにコミットします。

リモートリポジトリにプッシュ

最後に、コミットしたローカルリポジトリをリモートリポジトリにプッシュします。プッシュの意味は、先述の通り、リポジトリにアップロードすることです。


コマンドは、「git remote add origin[url]」でネットワーク接続した後、「git push origin master」のコマンド操作でデータを反映して完了です。

4.GitHubを利用するメリット

エンジニアやプログラミング学習者にとって、GitHubには次のようなメリットがあります。

メリット1.開発業務の効率が向上する

メリットの1つ目は、開発の業務フロー全体で効率が高まることです。GitHubには、プロジェクト進行の際に作成したソースコードを共有できる仕組みがあります。そのバージョン管理を通して保存記録の履歴をオンラインから確認できます。


特にブランチで別々に作業して、それらを統合できるなど、同時進行も可能です。そのため、無駄な情報共有や確認の作業を省くことができます。例えば、変更があった場合にチーム全体に通知して共有され、変更点の連絡作業や個別の確認が不要となる機能もあるのです。

メリット2.作成をサポートする保存や非公開機能が使える

2つ目のメリットは、作成途中や作業完了後のソースコードを公開・非公開の設定で保存できることです。


チームに共有しているソースコードは、公開を基本として共有ができますし、逆に個人作成でフィードバック不要の場合は、非公開でバージョンごとのデータ保存先として使うことができます。


バージョン管理の機能をうまく活用することで公開・非公開に関係なく、作成業務をサポートする機能が多彩です。

メリット3.便利な検索ツールが使える

3つ目のメリットは、GitHub内に搭載された検索ツールを使用できることです。個別に保存しているファイルはもちろんのこと、GitHubに存在する公開ファイルの中から、ファイルの検索が可能です。自分が参考にできそうなファイルを探すこともできます。


検索して見つかる公開ファイルは、オンライン上で確認できるため、ダウンロードの必要もありません。エンジニアのナレッジ共有にも便利で、都度ダウンロードやファイル解凍を必要としないため、作業時間の短縮にもつながります。

メリット4.複数開発の機能をプロジェクトに活用できる

4つ目のメリットは、複数開発向けのさまざまな機能があり、それらを活用できることです。


GitHubは、リモートリポジトリの機能がメインです。そのため、オンライン上で複数人いる開発者の変更記録やリポジトリの共有が可能です。


また、必要に応じてリポジトリを分割するなど、機能ごとに開発する「スパイラル開発」や、パーツごとに工程の完成を目指す「アジャイル開発」にも活用できます。特にスパイラル開発では、短期間の開発に効果を発揮し、大手のベンダー会社でもGitHubが開発ツールに採用されています。

5.GitHubのデメリットは?危険性はある?

GitHubには、利用する際のデメリットがあります。企業が開発に使う場合の危険性なども踏まえて以下に解説します。

デメリット1.学習にかかる期間や費用が必要

GitHubを企業のエンジニアが活用する際に、学習に時間を取られることや研修コストがかかることはデメリットの1つです。


保存や共有などの使い方はシンプルですが、開発で使えるサービス内のツール機能が多く、GitHubに慣れている人でもすべては使いこなせていません。


プログラミング初心者は特に、必要な機能を見極めて、用語を覚えてそのツール機能をマスターするとなれば、それなりの時間を必要とするのです。また、GitHubのeラーニングやセミナー学習を利用して短期間で学ばせる場合も、研修費用がかかります。

デメリット2.少人数の開発における手順確認が煩雑になる

デメリットの2つ目は、少人数開発でプロジェクトにGitHubを導入する場合、管理や機能活用などを適切に行うための前準備が大変になることです。


開発の業務進行に加えて、GitHubの機能活用の方法、使用手順の確認、レビュー方法、設計全体の見直しが加わるため、その準備に時間が取られることになります。もちろん、GitHubを利用するメリットはそのままです。メリットとデメリットを天秤にかけてGitHubの使用を判断する必要があります。

デメリット3.セキュリティリスクが懸念される

デメリットの3つ目は、オンラインが基本のGitHubを使うことでセキュリティ上のリスクが起こり得ることです。


例えば、GitHubにアクセスして個人のパソコンにダウンロードし、ウイルス感染などで情報漏洩することがあります。GitHubでコードを共有する場合、社内の利用規則や参加するエンジニアのルール作りが必要です。


また、リモートリポジトリはオンラインをベースとしているため、GitHubのサイトが攻撃を受けたり、アカウント情報が盗まれたりした場合に、機密が外部に漏れてしまうことです。


それから、確認不足で起こるセキュリティリスクとして、内部の機密情報となるAPIをリポジトリ内に保存し、それを知らずに統合して公開することで、その他大勢のユーザーに機密が漏れるケースもあります。


開発者は以上のセキュリティリスクを知った上で、対策や公開前のチェックが必要です。

6.GitHubは何がすごい?使い道や活用事例

GitHubには、基本的な使い方以外にも、企業のさまざまな活用事例があります。

新たなプログラミング言語のオープンソース公開

1つ目は、新たなプログラミング言語をオープンソース化した際の公開場所として使う事例です。


Appleのプログラミング言語で有名な「Swift」は、GitHubで公開されています。自社のプログラミング言語をオープンソース化して、世界でメインに使われる開発言語を目指すための足がかりとした使い道です。

遠方や国境をまたぐプロジェクト開発

2つ目は、対面での話し合いを頻繁にすることが難しい、場所の離れたエンジニア個人や会社と共同開発する事例です。


例えば、コミュニケーションアプリで有名な「LINE」は、日本と本社のある韓国で開発が進められた経緯があります。GitHub内では、チーム開発の情報共有や、コミュニケーション、議論を可能とします。


そのため、相手が海外法人でも、距離や場所に関係なく、協力しながらオンライン上でコーディングや話し合いを進められるのです。

エンジニアの作業負担軽減

3つ目は、GitHubで企業内の知識やノウハウを共有し、大勢で開発する際のエンジニアの負担を減らせることです。


特にGitHubには、エンジニアのノウハウを共有できるリポジトリ関連の機能が充実しています。それらを活用して、世界に散らばるエンジニアに自社のノウハウを共有し、開発を効率化するのです。


例えば、企業事例として「GMOフィナンシャルホールディングス株式会社」では、GitHubを社内に採用しています。その中でも「GMOクリック証券」は共有リポジトリへコミットの競合を減らし、コードレビューの負担を軽減することに成功しています。

7.GitHubでよくある質問

ここでは、GitHubを開発に使用する場合によくある質問を挙げて回答します。

日本語でも利用できる?

GitHubはメインサービスが「英語のみ」です。日本法人のサイトでも文字表記は英語だけです。その影響で「リポジトリ名」は、日本語を使用することが原則できません。仕様に反して無理に日本語を使用すると、文字化けなどの問題が発生します。ただし、GitHubのヘルプページは日本語での利用が可能です。

プログラミング初心者でもGitHubは使える?

GitHubはプログラミング初心者でも利用することができます。ただし、基本的な用語を押さえて、導入に必要なコマンドプロンプト操作を使える必要があります。


また、リポジトリを作成して開発を進める場合は、バージョンの管理や保存・公開、レビューの効率化など、目的が合致することも大事です。しかし、初心者が実際にコーディングやプロジェクトに活用できるまで時間がかかります。

チームで使うファイルのダウンロード方法は?

チーム開発の際に、エンジニアはGitHubからファイルをダウンロードすることができます。具体的には、以下の3つの方法でダウンロードします。

  • zipファイルにする

  • パソコンにインストールしたgitのコマンドで「git clone url」を使う

  • SourcetreeでHTTPSのローカルパスを指定する

マウス操作に慣れたプログラミング初心者の場合は、コマンドやローカルパスよりもzipファイルでダウンロードするのが手軽で早いでしょう。

GitHubは無料?

GitHubは個人利用の場合無料です。しかし、チーム利用では機能や容量が不足するため、アップグレードが必要となります。その際、「Team」プランは年間48$(月4$)、企業向けにグレードの高い「Enterprise」プランは年間252$(月21$)の料金が発生します。


しかし、無料の場合と比べてチーム機能や企業向け機能が充実します。制限の多い「Free」プランにはない、複数人開発を前提とした大規模な開発にも対応することが可能です。


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8.まとめ

今回は、GitHubの概要や押さえるべき知識・機能、導入手順、活用事例などを解説しました。GitHubはネットワーク環境からリモートリポジトリを作成できるチーム開発に適したサービスです。


ソースコードを共有し、レビューの依頼やマージ(統合)も可能で、ネット上で公開することもできます。GitHubは機能を活用して、複数人が携わるプロジェクトの開発効率を高められます。


ただし、GitHubには多くの機能があり、プログラミング初心者には初出しの用語が満載のため、事前に学習や企業主導の場合は短期間の社員教育・研修が必要です。


以上を踏まえて、GitHubをシステム開発に参加するエンジニア向けに上手く活用しましょう。本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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