ITエンジニアはあらゆる業界で需要があり、人手不足も相まって多くの人材が必要とされています。そんな人手不足の状況を補うために、社内エンジニアだけでなく、フリーランスエンジニアをプロジェクトに参加させる企業もあります。エンジニアとして高いスキル・経験があれば、50代でもフリーランスとして仕事を受注できるでしょう。
しかし、50代から独立して働き方を変える場合、さまざまな不安がつきまとうでしょう。「安定した収入で生活ができるのか」「年齢を理由に使えないと思われないか」など、悩みが先行して具体的な行動に移れないこともありかもしれません。
そこで本記事では、50代でもフリーランスエンジニアとして生活ができるのか、セカンドキャリアとしてゆるく働くことができるのかなどについて解説します。50代からフリーランスになって新しい働き方を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
目次
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1.50代でもフリーランスエンジニアとして働ける?
50代という年齢を考えると、「今からフリーランスエンジニアとして働けるのか?」と不安になる人もいるでしょう。以下では、50代からフリーランスエンジニアとして実際に働けるのか解説します。
50代のフリーランスエンジニア向けの案件・求人はある
フリーランスエンジニア向けの案件・求人のなかには、50代でも問題なく対応できるものがあります。実際に「フリーランスボード」で「年齢不問」のキーワードで検索をかけると、2,894件の案件・求人がヒットします。年齢よりもスキルや経験を重視する企業は、決して少なくないと言えるでしょう。
また、レバテック株式会社が2019年に行った「50代以上のフリーランスエンジニアの意識調査」によると、レバテックフリーランスで契約する50代のフリーランスエンジニアの数は、2年で1.6倍にまで上昇しています。同調査では、50歳を過ぎてからフリーランスへ転向するエンジニアが27.9%いることもわかっています。
これらのデータから50代になっても、フリーランスエンジニアとして独立して働けるでしょう。
50代のフリーランスエンジニアはどれくらいいる?
フリーランス協会の「フリーランス白書2024」によると、フリーランスの年齢の調査では50代が24.4%であることがわかります。
また、同調査の「主な収入源となる職種」では、エンジニア・技術開発系の割合は18.0%です。クリエイティブ・Web・フォト系に次ぐ2番目に多い数値になっています。
エンジニア・技術開発系の仕事で稼いでいるフリーランスが比較的多いことから、企業も委託先への外注をあらかじめ考慮したプロジェクトの実施やフリーランスエンジニアを活用した人手不足の解消を計画していることが予想できます。
その結果、50代のフリーランスエンジニアは今後も、仕事を獲得するチャンスがあると考えられます。企業がどのようなフリーランス人材を求めているのか調査し、ニーズを満たせるエンジニアを目指すのが、50代から活躍するための1つのポイントになり得るでしょう。
50代のフリーランスエンジニアはゆるく働くことができる?
50代になると若い頃のようにバリバリと働くのではなく、セカンドライフを意識したゆったりとした仕事のやり方を考える人もいるでしょう。しかし、50代のフリーランスエンジニアが、必ずしもゆるく働くことができるとは限りません。
先の解説通り、フリーランスエンジニア向けの案件・求人のなかには年齢不問のものもありますが、そのうえである程度の年齢を指定しているケースもあります。例えば「年齢不問ですが、20代~40代の方を希望いたします」といった要件を提示している案件・求人もあるのです。
そのため50代で年齢不問の案件・求人を獲得するには、高い能力と学習意欲があることを示し、自分を採用するメリットをクライアントにアピールしなければなりません。フリーランスエンジニアになってからの生活を成り立たせるには、プライベートを重視したゆるい働き方は、難しい可能性があります。
2.50代からフリーランスエンジニアになるメリット
50代からフリーランスエンジニアになることには、多くのメリットがあります。
以下では、50代のフリーランスエンジニアがどのようなメリットを得られるのか解説します。
柔軟に仕事ができる
50代からフリーランスエンジニアになることで、会社員時代よりも柔軟に仕事ができるようになるメリットがあります。1日の労働時間や休日のタイミング、仕事をする時間帯などはある程度自分で決められるため、より働きやすい環境を構築できるでしょう。それはモチベーションや生産性を高めるなど、仕事に対するメリットにもつながっていきます。
50代になると共に暮らす家族などの影響を受けて、ライフスタイルが大きく変わることもあるでしょう。会社員のように毎日決まった時間に働くのが難しくなる可能性もあるため、フリーランスエンジニアになることがプライベートとの両立を図る方法の1つになり得ます。
フルリモートで働ける案件・求人もあるため、出退勤にかかる時間を削減できるのも、50代からフリーランスエンジニアになるメリットです。会社と自宅の往復が体力的に辛くなっているのなら、フリーランスになって在宅での仕事を中心に請け負うのもおすすめです。
また、単価の高い案件・求人を受注できれば、休みの日を増やしたり、1日の労働時間を減らしたりすることも考えられます。収入を維持しつつ、家族との時間やプライベートを重視するセカンドキャリアを築ける可能性もある点はメリットになるでしょう。
これまでの経験を活かして働ける
50代になるまでに経験してきたことを活かして仕事ができる点も、フリーランスエンジニアになるメリットだと言えるでしょう。会社員として働く場合、必ずしも希望する仕事ができるとは限りません。過去の実績や経験を活用して挑戦したい分野や働き方があっても、会社の都合で断念せざるを得ないケースもあるでしょう。
その点、フリーランスエンジニアであれば、自分で働き方や仕事内容を選べます。新たなキャリアを構築するきっかけにもなるため、やりたいことがあるのならフリーランスエンジニアとして独立するのも1つの方法です。
独立前と比較して年収アップする可能性がある
50代からフリーランスエンジニアになることで、年収がアップする可能性もあります。50代で役職やリーダーポジションに就いてしまうと、そこからさらなる昇進は難しくなるでしょう。そのため年収が満足のいく水準でない場合、新しい働き方を模索する必要が出てきます。
そこでフリーランスエンジニアとして独立し、年収アップを目指す方法が考えられるでしょう。高単価の案件・求人を獲得できるスキルがあれば、これまでと同じ時間働いていても、年収アップが実現できる可能性があります。まずは自分が対応できるフリーランスエンジニア向けの案件・求人探し、どのくらいの年収を想定できるのかチェックしてみると良いでしょう。
3.50代のフリーランスエンジニアが生活できない可能性は?
50代からフリーランスエンジニアを目指す際には、万が一生活できない可能性についても考慮しておく必要があります。以下では、50代からフリーランスエンジニアが生活できなくなるパターンについて解説します。
健康問題で働けなくなる可能性がある
50代になると、さまざまな健康問題に悩まされる可能性が出てきます。体力が低下して徹夜での仕事ができなくなるなど、働き方を変えなければならないケースも考えられるでしょう。身体の状態を鑑みずに無理をしてしまうと、健康を害することもあり得ます。
会社員とは違い、フリーランスエンジニアは働けなくなると、基本的にその間の収入はゼロになります。仕事のための努力が、結果的に生活の安定性を揺るがすことにつながることも懸念されるのです。50代からフリーランスエンジニアを目指す際には、自分の体力の限界を考慮したうえで、余裕のあるスケジュールを構築するように心がけましょう。
精神的な負担が原因で仕事に支障が出ることも
50代から働き方を変える際には、肉体だけでなく精神的な負担についても考えておく必要があります。例えばこれまで会社で多くの人と直接触れ合いながら仕事をしていた人が、いきなりフルリモートでの在宅勤務になると、孤独感に悩まされる可能性があるでしょう。
1人で仕事をすることに慣れていない場合、集中できずに仕事の進行に支障が出ることも懸念されます。精神的な負担が増大する形でも、働けなくなって生活できないリスクを背負うことになる点は把握しておきましょう。
スキル不足で収入が低下するケースも懸念される
50代のフリーランスエンジニアに対して、クライアントは高度な知識・技術を求めることがあります。クライアントの求める水準のスキルや、ニーズに応えられるだけの対応力が不足している場合には、フリーランスエンジニアとしての独立後に収入が低下する可能性があるでしょう。
50代のフリーランスエンジニアには、プロフェッショナルとしての能力はもちろん、現場を引っ張るリーダーシップや、専門分野で活用できるスキルなどが求められるケースもあります。独立前にスキルの棚卸しを行い、フリーランスエンジニアとして高い評価を得られるか客観的に分析することも大切です。
4.50代のフリーランスエンジニアが使えない・うざいと言われる理由とは?
50代のフリーランスエンジニアに対して、「使えない」「うざい」といったネガティブな言葉が使われることがあります。以下では、なぜ50代のフリーランスエンジニアが使えない・うざいと言われることがあるのか、その理由について解説します。
新しい職場環境や働き方に馴染めない
50代から職場や働き方を変えることは、決して簡単ではありません。慣れ親しんだ環境とは異なるルールや風習に翻弄されて、スムーズに仕事が進められない可能性もあるでしょう。新しい職場環境にいつまでも慣れることができなかったり、昔の仕事のやり方に固執したりする人に対して、「使えない」「うざい」といった印象がつくと考えられます。
50代からフリーランスエンジニアを目指すのなら、柔軟な思考と対応を心がけて、新しい環境にも積極的に馴染めるように努力するのがポイントです。なるべく早くフリーランスエンジニアの仕事環境に馴染むには、こまめにクライアントとコミュニケーションを取ったり、仕事内容についてこちらから質問をしたりといった、歩み寄る意識も重要です。
ジェネレーションギャップでコミュニケーションが困難になる
20〜30代のエンジニアが多い職場の場合、ジェネレーションギャップによってスムーズなコミュニケーションが取れないケースも想定されます。相手の気持ちや興味を無視して、自分のことだけを話すようなコミュニケーション方法だと、「うざい」といった感情を持たれてしまう可能性があるでしょう。
コミュニケーション不足が露骨になると、連携して仕事がしづらくなり、「使えない」人材と判断されてしまうケースもあります。ジェネレーションギャップを克服するには、まず相手の話を聞き、理解しようと努力することが大切です。50代のフリーランスエンジニアに対して、クライアント側が気を遣うことも考えられるため、なるべくフランクに接するのも1つの方法です。
最新の知識・技術の習得ができていない
IT関係の最新の知識・技術を学んでいない場合、「使えない」と言われてしまう可能性は高まるでしょう。ITの知識・技術はどんどん進化していて、トレンドも常に変化を続けています。ITエンジニアとして働いてきた過去の実績や経験が役立つこともありますが、それだけに頼って最新技術・知識に疎いままだと、スキル不足に悩まされるでしょう。
最悪の場合、能力不足や学習意欲の低さを理由に、契約が切られることも懸念されます。クライアントからの信頼を得るために、50代になっても積極的に新しいIT知識・技術を習得するように意識しましょう。
5.50代からフリーランスエンジニアとして独立する際の注意点
50代からフリーランスエンジニアになる場合、事前に注意しておくべきポイントがあります。独立してから後悔することのないように、以下で50代のフリーランスエンジニアが注意すべきポイントを確認しておきましょう。
貯金で将来の生活に備える
50代からフリーランスエンジニアになる際には、ある程度貯金をして将来の生活に備えることが大切です。どれだけ高いスキルを持っていても、すぐに優良な案件・求人を見つけられるとは限りません。どのタイミングで良い案件に出会えるのかは運もあるため、万が一を想定してなるべく長く生活を維持できるだけの貯金を確保しておくのがおすすめです。
貯金が少ないと精神的な余裕がなくなり、条件の良くない案件・求人で妥協せざるを得なくなる可能性もあります。理想のフリーランスエンジニア生活を実現できない期間が長引いたとしても、お金の面で苦労しないように、可能な限り貯金をしておくのがおすすめです。
健康を維持する習慣を身につけておく
先の解説通り、50代のフリーランスエンジニアにとって健康は大きな課題になります。フリーランスエンジニアになってからではなく、独立する前に運動や食事などの生活習慣を見直して、健康を維持するための方法を模索することが重要です。
フリーランスエンジニアとしての仕事が始まってしまうと、なかなか健康管理について考える時間が取れない可能性もあります。そのため事前に習慣化を行い、日常的に健康を維持する行動を取れるように備えるのがポイントです。
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6.まとめ
50代からでも、フリーランスエンジニアとして新しい働き方を実現することは可能です。年齢を問わないフリーランスエンジニア向けの案件・求人は多数あるため、仕事の探し方を知っていれば自由な働き方の実現や収入アップを実現できるでしょう。この機会に50代のフリーランスエンジニアの案件・求人情報をチェックし、具体的に独立する計画を立ててみてはいかがでしょうか。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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