INSTANTROOM株式会社はフリーランスエンジニアとして稼働する560名に対し、フリーランスエンジニアの実態調査を実施しました。
本調査では、フリーランスエンジニアでの専業・複業比率から案件獲得経路、年収分布、将来への不安要素まで幅広い調査を行いました。
フリーランスエンジニアとして独立を検討中の方や、すでに稼働している方、フリーランス事業を支援する人事担当者などに役立つ情報でございますので、ぜひご参考ください。
■調査概要 調査期間:2025年3月5日(水)~3月7日(金) 調査対象者:フリーランスエンジニア 調査人数:560人 調査手法:インターネット調査 調査主体:INSTANTROOM株式会社 注意事項:引用・クレジットの記載 「出典元:フリーランスボード」の明示 調査記事(https://freelance-board.com/journals/detail/616)へのリンク設置 |
目次
1.調査サマリー
専業フリーランスエンジニアが76.8%、複業フリーランスエンジニアが23.2%である
週5日・1日8時間前後の稼働が最も多く、リモートワーク中心の働き方が64.3%である
85.8%がフリーランス独立後に収入が増加し、年収1000万円以上の高収入層も25.1%存在する
案件獲得は「フリーランスエージェント」が75.0%と最も多く、次いで「求人検索サイト」が46.4%である
案件を探す際に重視されるポイントは「リモートワーク可否」「報酬金額」「スキルマッチ度合い」である
67.8%が将来に対して何らかの課題を感じており、特に「案件を継続して獲得すること」や「報酬をより上げること」を考えている
フリーランス継続意向は89.3%であり、その内21.4%が起業や法人化も検討している
フリーランスエンジニアになる前の準備すべきことは「一定期間の生活費の確保」である
2.回答者属性
3.フリーランスエンジニアの働き方・稼働状況
フリーランスエンジニアの働き方
フリーランスエンジニアの働き方は、76.8%が「専業フリーランスエンジニア」として活動しており、23.2%が「複業フリーランスエンジニア」として活動しています。
週の稼働日数
フリーランスエンジニアの76.8%が週5日稼働であり、会社員と同様の働き方が多くを占めています。次いで8.9%が週3日、7.1%が週7日となっており、稼働を抑えた働き方や休日がない働き方も一定数存在しています。
1日あたりの稼働時間
フリーランスエンジニアの1日あたりの稼働時間は、42.9%が「8時間以上10時間未満」、同じく42.9%が「5時間以上8時間未満」となっています。フリーランスエンジニアの85.8%は正社員の勤務時間と同程度か少し短い稼働時間であることがわかります。
現在同時に進めている案件数
フリーランスエンジニアの39.3%が「1件」の案件が最も多いです。多くのフリーランスエンジニアは集中して1つの案件に取り組む傾向があり、複数案件を同時進行する働き方は少数であることがわかります。
リモートワークと出社の配分
フリーランスエンジニアの働き方は、48.2%が「ほぼフルリモート」で最も多く、次いで16.1%が「リモート中心だが必要に応じて出社あり」となっています。両方を合わせると64.3%となり、リモートワーク中心の働き方を実施していることがわかります。
4.フリーランスエンジニアになる理由や直面した課題
フリーランスエンジニアとして働いている主な理由
フリーランスエンジニアとして働く主な理由は、「収入アップを目指したかった」が46.4%で最も多く、次いで「専門的な技術・知識を活かすことができる」が41.1%、「やりたい案件やプロジェクトを選びたかった」が39.3%となっています。
また、「年齢に関係なく働くことができる」が33.9%、「自分の好きな仕事をできる」が32.1%と続き、収入面と自由度の高さが重視されていることがわかります。
フリーランスエンジニアになる際に直面した課題
フリーランスエンジニアになる際に直面した課題は、「収入が不安定になるリスクへの懸念があった」が46.4%で最も多く、次いで「税務知識や法務知識(契約書含む)が不足していた」が41.1%、「スキルや実績のアピール方法に悩んだ」が37.5%となっています。
経済面での不安や税務・法務知識が課題と感じている方が多い傾向です。
5.フリーランスエンジニアの年収
フリーランスエンジニアの現在の年収
フリーランスエンジニアの年収分布は幅広く、最も多いのは「1200万円以上」の16.1%です。次いで「500万円以上600万円未満」と「400万円以上500万円未満」がともに12.5%となっています。年収1000万円以上のハイクラス層が全体の21.5%を占めている一方、400万円未満も一定数存在しています。
フリーランスエンジニア転身前後の収入増減状況
フリーランスエンジニア転身前後の収入変化では、85.8%が収入増加を経験しており、最も多いのは「+1円以上+100万円未満」の25.0%です。次いで「+100万円以上+300万円未満」が23.2%、「+300万円以上+500万円未満」が16.1%と続いており、全体として収入増加傾向です。
6.フリーランスエンジニアの案件獲得・重視ポイント
案件獲得経路
フリーランスエンジニアの案件獲得方法では、「フリーランスエージェント」が75.0%と最も多く、次いで「求人検索サイト」が46.4%、「人脈(友人・知人の紹介を含む)」が32.1%となっております。全体として、案件獲得方法はエージェントや求人サイトが多い傾向です。
案件選定での重視しているポイント
フリーランスエンジニアが案件を探す際に重視するポイントでは、「リモートワーク可否」が69.6%と最も多く、次いで「報酬金額の高さ」が53.6%、「スキルマッチ度合い」が50.0%と続いています。リモートワーク可否と収入、スキルの活用機会を重視していることがわかります。
7.フリーランスエンジニアの将来の展望や不安
将来のキャリアの不安有無
フリーランスエンジニアの将来のキャリアに対する不安は、「やや不安を感じる」が42.9%で最も多く、「とても不安を感じる」も25.0%となっており、67.9%のフリーランスエンジニアが何らかの不安を抱えていることがわかります。
具体的な不安要素
フリーランスエンジニアが感じる具体的な不安は、「仕事や案件を安定的に獲得できるか分からない」が69.8%と最も多く、次いで「報酬が上がりにくい」が34.9%、「自身の市場価値が分からない」と「健康・体力面への不安がある」がともに32.6%となっています。
なお、約70%のフリーランスエンジニアはすでに案件の獲得ができており、報酬面でも上昇している方が85%以上であることから、スキルや経験を磨くことでさらなる成長と安定を得られる可能性が大いにあるでしょう。
今後の働き方意向
フリーランスエンジニアの今後の働き方の意向は、「今後もフリーランスエンジニアを続けたい」が67.9%と最も多く、次いで「フリーランスエンジニアを続けながら起業・法人化も検討している」が21.4%となっています。両者を合わせると89.3%がフリーランスエンジニアの働き方を継続したいと考えていることがわかります。
8.フリーランスエンジニアの準備・アドバイス
フリーランスエンジニアになる前に必要な準備事項
フリーランスエンジニアになる前の準備として「一定期間の生活費を蓄えておく」が67.9%と最も多く、経済的基盤が重要視されていることがわかります。
また、「税務・法務に関する知識(契約書・確定申告など)を身につける」が35.7%、「ポートフォリオ・実績紹介資料を整備する」が33.9%、「人脈づくり・SNSなどで情報発信をする」が32.1%と続いています。資金面の安全確保が重要である一方、契約・税務知識や自己アピール手段の準備も重要であることがわかります。
9.まとめ
INSTANTROOM株式会社はフリーランスエンジニアとして活動する560名に対し、フリーランスエンジニアの実態調査を実施しました。
フリーランスエンジニアの多く(76.8%)は専業で活動し、週5日・1日8時間前後の稼働が主流です。一方、約4分の1は複業であり、週3日稼働や週7日稼働など多様な働き方も一定数あることがわかります。
収入は400万円未満から1200万円超まで幅広く、フリーランスエンジニア転身後は85.8%が収入増を実感しています。また、フリーランスエンジニアは将来に対して報酬をより上げることなどを考えている傾向があります。
案件獲得はエージェントや求人検索サイトが主流で、リモートワーク可否や報酬額を重視する傾向が見られます。さらに、リモートワークを中心とした働き方が64.3%であり、場所を選ばない柔軟な稼働形態が浸透していることも本調査で明らかになっています。
フリーランスエンジニアになる理由として、収入アップや専門性の活用が主に挙げられています。今後89.3%がフリーランス継続を望む一方、フリーランスエンジニアにとって、生活費の蓄えや税務・法務知識の習得、実績を示すポートフォリオ準備などが重要であると考えられています。
今後フリーランスエンジニアへの転身や活動を検討している方、既にフリーランスエンジニアとして活躍されている方、またフリーランス事業に携わる企業や担当者の皆様が、本調査結果を活用し、さらなるキャリア形成や事業発展に繋げていただけましたら幸いです。