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.NET Frameworkとは?バージョン確認から.NETの違い、インストール、よくあるエラー解決策まで解説

公開日:2025/04/12最終更新日:2025/04/13

.NET Frameworkは、Microsoftが開発したWindows上でアプリケーションを構築・実行するためのソフトウェア開発プラットフォームです。C#、F#、Visual Basicなどのプログラミング言語をサポートし、Webサイト、サービス、デスクトップアプリなど様々な種類のアプリケーションを開発できます。


この記事では、.NET Frameworkの基礎知識から、バージョン確認方法、インストール手順、エラー発生時の対処法といった実用的な情報まで、網羅的に解説します。

1. .NET Frameworkとは?基本概念と特徴を解説

.NET Framework(ドットネット フレームワーク)とは、Windowsプラットフォーム向けのアプリケーションを開発・実行するための基盤となるソフトウェアです。

Microsoft社によって開発され、Windows OS上で動作するWindowsアプリケーションや各種サービスが.NET Framework上で動作しています。


.NET Frameworkは主に、共通言語ランタイム(CLR)と.NET Frameworkクラスライブラリから構成されています。CLRはアプリケーションの実行環境を提供し、メモリ管理やセキュリティ、例外処理などの重要な機能を担当します。一方、クラスライブラリは開発に必要な再利用可能なコードの集合体であり、ファイル操作・データベースアクセス・ネットワーク通信などの機能を提供します。


この章では、.NET Frameworkの特徴や.NETとの違いについて紹介します。

.NET Frameworkの主な特徴

.NET Frameworkには以下のような特徴があります。

  • C#、Visual Basic、F#など複数のプログラミング言語をサポートしている

  • Visual Studioとの連携により、コード補完・デバッグ・テストなどの開発プロセスを効率化できる

  • 豊富なクラスライブラリや開発ツールを利用できる

  • 共通言語ランタイムによる厳格な型チェックやセキュリティ機能が備わっている

.NET FrameworkはWindows OSの機能を最大限に活用できるように設計されており、Windows向けのアプリケーション開発を効率的に行えます。多くの企業システムやパッケージソフトウェアの開発基盤で.NET Frameworkが使われていることを覚えておきましょう。

.NET Frameworkと.NETの違い

近年、Microsoftは「.NET」(ドットネット)という名称で、新しい開発プラットフォームを提供しています。これは以前「.NET Core」と呼ばれていたものであり、従来の.NET Frameworkとはいくつかの違いがあります。


.NET Frameworkと.NETの違いは以下のとおりです。

特徴

.NET Framework

.NET

対象プラットフォーム

Windows のみ

クロスプラットフォーム(Windows, macOS, Linux など)

オープンソース

一部のみ

オープンソース

パフォーマンス

比較的重い

軽量

リリース形態

Windows Update経由、または個別インストール

独立したリリースサイクルが可能

主な用途

Windowsデスクトップアプリ、Webサービス

Windowsデスクトップアプリ、Webアプリ、マイクロサービス、モバイルネイティブアプリケーション

.NETは2016年に初版がリリースされた比較的新しいフレームワークで、クロスプラットフォーム対応や高いパフォーマンスが特徴です。一方、.NET Frameworkは2002年から提供されている歴史あるフレームワークで、Windows環境に特化しています。


なお、Microsoftは現在、新規開発では.NETの使用を推奨していますが、既存の.NET Frameworkアプリケーションも引き続きサポートしています。両者の違いを理解し、プロジェクトの要件に応じて適切な技術を選択することが重要です。

2. .NET Frameworkのバージョン確認方法

アプリケーションの開発や実行をするときに、インストールされている.NET Frameworkのバージョン確認が必要になることもあります。


この章では、Windows 10や11で簡単に.NET Frameworkのバージョンを確認する方法や、レジストリエディタを使って詳細なバージョンを確認する方法を紹介します。

Windows 10や11で.NET Frameworkバージョンを確認する方法

Windows 10や11で.NET Frameworkのバージョンを確認する方法は、コントロールパネルの「プログラムと機能」を参照することです。

コントロールパネルを使ってバージョンを確認する手順は以下の通りです。

  1. コントロールパネルを開きます

  2. プログラムを選択します

  3. プログラムと機能を選択します

  4. プログラムのアンインストールまたは変更の一覧からバージョンを確認します。

また、コントロールパネルではなくWindowsの設定からもバージョンを確認できます。

Windowsの設定からバージョンを確認する手順は以下のとおりです。

  1. Windowsの設定を開きます

  2. アプリを選択します

  3. インストールされているアプリを選択します

  4. インストールされているアプリの一覧からバージョンを確認します

なお、.NET Framework4.5以降の場合はインストールされているアプリの一覧に表示されません。

.NET Framework4.5以降のバージョンを確認する手順は以下になります。

  1. コントロールパネルを開きます

  2. プログラムを選択します

  3. Windowsの機能の有効化または無効化を選択します

  4. .NET Framework 4.x Advanced Services からバージョンを確認します

これらの方法を使用するとインストールされている.NET Frameworkの大まかなバージョンを確認できます。

レジストリエディタを使った詳細なバージョン確認方法

より詳細なバージョン情報を確認したい場合は、レジストリエディタを使用する方法があります。


レジストリエディタを使って.NET Frameworkの詳細なバージョンを確認する手順は以下のとおりです。

  1. Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開き、「regedit」と入力してEnterキーを押します。

  2. レジストリエディタで以下のパスに移動します
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\NET Framework Setup\NDP\v4\Full
    ※v4/Fullがない場合は、.NET Framework 4.5 以上はインストールされていません。

  3. 右側のペインで「Release」という値を確認します。この数値が.NET Frameworkのバージョンを示しています。

Releaseの値とバージョンの対応は以下の通りです。

.NET フレームワークのバージョン

Releaseの値

.NET フレームワーク 4.5

378389

.NET フレームワーク 4.5.1

378675

.NET フレームワーク 4.5.2

379893

.NET フレームワーク 4.6

393295

.NET フレームワーク 4.6.1

394254

.NET フレームワーク 4.6.2

394802

.NET フレームワーク 4.7

460798

.NET フレームワーク 4.7.1

461308

.NET フレームワーク 4.7.2

461808

.NET フレームワーク 4.8

528040

.NET フレームワーク 4.8.1

533320

最新の情報はMicrosoft公式ドキュメントを参照することをおすすめします。

3. Microsoft .NET Frameworkのインストール方法

特定のWindowsアプリケーションを実行しようとしたときに「Microsoft .NET Frameworkが必要です」といったメッセージが表示されたり、開発環境を整えるために特定のバージョンの.NET Frameworkが必要になったりする場合があります。


多くのWindows OSには比較的新しいバージョンの.NET Frameworkがプレインストールされていますが、古いアプリケーションや特定の要件を持つソフトウェアでは、それ以前のバージョンやより新しいアップデートが必要になることがあります。


この章では、必要な.NET FrameworkバージョンをMicrosoft公式サイトからインストールする方法を紹介します。

最新バージョンのインストール方法

.NET Framework 4.8/4.8.1といった最新バージョンの.NET Frameworkをインストールする方法を紹介します。


.NET FrameworkをMicrosoft公式サイトからインストールする手順は以下のとおりです。

  1. Microsoft公式の.NET Frameworkダウンロードページにアクセスします。

  2. ページ内で、インストールしたい.NET Frameworkのバージョンを探して選択します

  3. 目的のバージョンが見つかったら、推奨されるインストーラー(通常は「ランタイム」または「Runtime」と表記されています)をクリックします。

  4. インストーラーファイルをコンピューターにダウンロードし、実行します。

なお、インストーラーには以下の2種類があります。

  • Web インストーラー:インストールに必要なファイルのみをダウンロードするため、ファイルサイズは小さいですが、インストール時にインターネット接続が必要です。

  • オフライン インストーラー:インストールに必要な全てのファイルが含まれているため、ファイルサイズは大きいですが、インターネット接続がない環境でもインストールできます。

Microsoft .NET Frameworkをインストールする環境に合わせて適切なものを選びましょう。

.NET Framework 3.5のインストール方法

Windows 10/11では、.NET Framework 3.5は標準機能として含まれていますが、デフォルトでは無効になっています。


.NET Framework 3.5を有効化する手順は以下のとおりです。

  1. コントロールパネルを開きます

  2. プログラムを選択します

  3. Windowsの機能の有効化または無効化を選択します

  4. 「.NET Framework 3.5(.NET 2.0および3.0を含む)」チェックボックスを選択します

  5. 「OK」をクリックします

これにより、必要なファイルがダウンロードされ、.NET Framework 3.5が有効化されます。


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4. Microsoft .NET Frameworkエラーのトラブルシューティング

.NET Frameworkに関連するエラーは、インストールやアプリケーションの実行時に発生することがあります。

この章では、よくあるエラーとその解決策を紹介します。

.NET Frameworkのインストールができない場合の解決策

.NET Frameworkのインストールに失敗する場合、以下の解決策を試してみてください。

  • PCの再起動: 一時的なシステムの問題が原因である場合、PCを再起動するだけで解決することがあります。

  • Windows Updateの確認と実行: インストールしようとしている.NET Frameworkのバージョンが、特定のWindows Updateを前提としている場合があります。また、Windows Updateが保留中または実行中の場合、他のインストールが妨げられることがあります。Windows Updateを確認し、保留中の更新があれば全て適用してから再度インストールを試してください。

  • .NET Framework修復ツールの利用: Microsoftが提供する「.NET Framework修復ツール」を使用することで、多くの問題を自動的に検出・修復できます。

  • ディスク空き容量の確認: インストールに必要なディスク容量が不足している可能性があります。Cドライブなどのシステムドライブの空き容量を確認し、不要なファイルを削除するなどして容量を確保してください。

  • OSバージョンの確認: インストールしようとしている.NET Frameworkのバージョンが、現在使用しているWindows OS バージョンに対応しているか確認してください。

  • エラーコードの確認: インストール失敗時に表示されるエラーコードを記録してMicrosoftのサポートページで検索すると、特定のエラーに対する解決策が見つかることがあります。

「Microsoft .NET Frameworkが必要です」と表示された場合の対処方法

特定のアプリケーションを起動しようとした際に、「Microsoft .NET Frameworkが必要です」や「このアプリケーションを実行するには、まず以下のバージョンの.NET Frameworkをインストールする必要があります」といったメッセージが表示されることがあります。


これらのエラーメッセージが表示される原因は以下の通りです。

  • 必要なバージョンの.NET Frameworkがインストールされていない

  • インストールされている.NET Frameworkが破損している

通常、エラーメッセージには .NET Frameworkのバージョンが記載されています。確認したバージョンのインストーラーをMicrosoft公式サイトからダウンロードしてインストールしてください。


なお、必要なバージョンが既にインストールされているはずなのにメッセージが表示される場合は、インストール済みファイルが破損している可能性があります。この場合は、Microsoftが提供している「.NET Framework修復ツール」を実行して、問題が修正されるか試してください。


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5. .NET Frameworkのサポート期限

.NET Frameworkはバージョンごとにサポート期限があり、セキュリティ更新プログラムやバグ修正の提供期間が決まっています。サポート終了後は、セキュリティリスクが高まる可能性があるため注意が必要です。


Microsoftは「ライフサイクル ポリシー」を公開しており、各製品のサポート期間を定めています。

主要バージョンのサポート状況は以下のとおりです。

Version

開始日

終了日

.NET Framework 4.8.1

2022年8月9日

.NET Framework 4.8

2019年4月18日

.NET Framework 4.7.2

2018年4月30日

.NET Framework 4.7.1

2017年10月17日

.NET Framework 4.7

2017年4月11日

.NET Framework 4.6.2

2016年8月2日

2027年1月12日

.NET Framework 4.6.1

2015年11月30日

2022年4月26日

.NET Framework 4.6

2015年7月29日

2022年4月26日

.NET Framework 4.5.2

2014年5月5日

2022年4月26日

.NET Framework 4.5.1

2014年1月15日

2016年1月12日

.NET Framework 4.5

2012年10月9日

2016年1月12日

.NET Framework 4.0

2010年4月12日

2016年1月12日

.NET Framework 3.5 Service Pack 1

2007年11月19日

2029年1月9日

.NET Framework 3.0

2006年11月21日

2011年7月12日

.NET Framework 2.0

2006年2月17日

2011年7月12日

サポートが終了した、または終了が近いバージョンを利用している場合は、サポートされているより新しい.NET Frameworkのバージョンへの移行計画を検討しましょう。また、Windowsに依存しないクロスプラットフォーム対応やパフォーマンス向上といったメリットがある、最新の「.NET」への移行を検討することも有効な選択肢です。


安定したシステム運用とセキュリティ確保のために、.NET Frameworkのサポート期限を意識して計画的にシステムをアップデートしていきましょう。

6.まとめ

.NET Frameworkは、Windowsアプリケーション開発のための統合環境として広く普及してきました。


本記事では、.NET Frameworkの基本概念や「.NET」との違い、そして実務で重要なバージョン確認方法・インストール手順・エラー発生時のトラブルシューティング・サポート期限について幅広く解説しました。


.NET Frameworkは今後も多くの企業システムやアプリケーションの基盤として使用され続けると予測されます。ただ、Microsoft公式ではクロスプラットフォームに対応した.NETの使用を推奨するケースもあり、新規開発の場合は.NETを使用するプロジェクトも増えています。自社のシステム要件や将来計画に基づいて、適切なフレームワークを選択しましょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。


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目次

1. .NET Frameworkとは?基本概念と特徴を解説

.NET Frameworkの主な特徴

.NET Frameworkと.NETの違い

2. .NET Frameworkのバージョン確認方法

Windows 10や11で.NET Frameworkバージョンを確認する方法

レジストリエディタを使った詳細なバージョン確認方法

3. Microsoft .NET Frameworkのインストール方法

最新バージョンのインストール方法

.NET Framework 3.5のインストール方法

4. Microsoft .NET Frameworkエラーのトラブルシューティング

.NET Frameworkのインストールができない場合の解決策

「Microsoft .NET Frameworkが必要です」と表示された場合の対処方法

5. .NET Frameworkのサポート期限

6.まとめ