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C# Splitメソッド完全ガイド|複数区切り文字・正規表現・空白削除・最初や最後の要素を取得する方法まで

公開日:2025/04/24最終更新日:2025/04/24

C#でプログラミングをしていると、文字列(string)の操作を行うことがよくあります。ログファイルやCSVファイル、設定ファイルといった特定の区切り文字で区切られたデータを扱うことも多く、文字列を適切に分割する技術が不可欠です。


C#では、Stringクラスが持つSplitメソッドを使用することで効率的に文字列を分割できます。Splitメソッドを使いこなすことで、複雑な文字列データの解析や整形を効率的かつ正確に行えるようになり、コードの可読性や保守性の向上にも繋がります。


この記事では、C#のSplitメソッドの基本的な使い方から、複数の区切り文字を使う方法や区切り文字自体も結果に残す方法、最初や最後の要素だけ取得する方法といった応用テクニックまで、具体的な例を交えて詳しく解説します。

1.C#のSplitメソッドとは?

C#のSplitメソッドは、文字列を指定した区切り文字で分割して、その結果を文字列配列として返す機能を持っています。System.Stringクラスに実装されているため、文字列インスタンスから直接呼び出せます。


この章ではC#のSplitメソッドの基本構文や用途、メリットを紹介します。

Splitメソッドの基本構文

Splitメソッドの基本的な構文は以下のようになります。

string[] splitted = 文字列.Split(separator, count, options);

各パラメータの意味は以下の通りです。

  • separator: 区切り文字または区切り文字列を指定します

  • count: 分割する最大数を指定します(任意)

  • options: 分割時のオプションを指定します(任意)

例えば、カンマで区切られた文字列を分割する例は以下のとおりです。

string text = "red,green,yellow";

string[] fruits = text.Split(',');

// 結果: fruits[0] = "red", fruits[1] = "green", fruits[2] = "yellow"

この例では、カンマを区切り文字として指定し、文字列を3つの部分に分割しています。

Splitメソッドの用途とメリット

Splitメソッドは、さまざまな場面で活用できます。


主な用途は以下のとおりです。

  • CSVデータの解析: カンマ区切りのデータを分割して配列に格納する

  • ログファイルの処理: 改行や特定の文字でログを分割し、データを抽出する

  • 設定ファイルや構成データの読み込み: キーと値が特定の記号(例: =)で区切られている行から、キーと値を分離する

  • URLパスやクエリパラメータの分解: /や&、=といった記号でパスの要素やパラメータを分割する。

  • ユーザー入力の処理:ユーザーが入力したデータを適切に分割する

Splitメソッドを使うことで、複雑なループや条件分岐を書かなくても、シンプルな一行のコードで文字列を分割できます。明確なルールに基づいて分割するため、データ抽出の精度やコードの可読性、保守性が向上するといったメリットがあります。

2.C# Splitのさまざまな使い方

Splitメソッドは、基本的な単一文字での分割以外にも、さまざまな柔軟性を持っています。

この章ではC#のSplitメソッドのさまざまな使い方を紹介します。

  • 区切り文字がない場合の動作

  • 複数の区切り文字を指定する方法

  • 文字列を区切り文字にする方法

  • 区切り文字を残したまま分割する方法

区切り文字がない場合の動作

Splitメソッドを使用するときに、対象となる文字列に区切り文字が一つも含まれていない場合の動作を紹介します。Splitメソッドは対象となる文字列に区切り文字がない場合でも例外を発生させず、元の文字列を含む要素数1の配列が返されます。


具体的な例は以下のとおりです。

// 文字列 text にはカンマが含まれていない

string text = "helloworld";


string[] words = text.Split(',');

// 結果: words[0] = "helloworld"

分割後の配列の要素数をチェックすることで、実際に分割が行われたかどうかを判断できます。分割後の配列の要素数が1の場合は分割が行われていないと判断してください。

複数の区切り文字を指定する方法

Splitメソッドでは、複数の区切り文字を指定することも可能です。これは、カンマ(,)だけでなく、スペース(' ')やタブ(\t)など、複数の異なる文字を同時に区切り文字として扱いたい場合に使えます。

string data = "apple,banana orange\tgrape";

// 区切り文字としてカンマ、スペース、タブを指定

char[] separators = { ',', ' ', '\t' };


// 複数の区切り文字で分割

string[] fruits = data.Split(separators);

// 結果: fruits[0] = "apple", fruits[1] = "banana", fruits[2] = "orange", fruits[3] = "grape"

この例では、separators配列にカンマ、スペース、タブ文字を格納し、Splitメソッドの引数に渡しています。これにより、data文字列内に存在するこれらのいずれかの文字で文字列が分割されます。

文字列で分割する方法

Splitメソッドでは、単一の文字だけでなく、文字列を区切り文字として使用することもできます。これは、特定の単語やフレーズで文字列を分割したい場合に便利です。


文字列を区切り文字として使用したいときは、Split メソッドの形式 Split(string[] separator, StringSplitOptions options) や Split(string[] separator, int count, StringSplitOptions options) を利用します。


各パラメータの意味は以下のとおりです。

  • separator: 区切り文字としたい文字列を格納した string 配列を渡します。

  • count: 分割する最大数を指定します(任意)

  • StringSplitOptions: None(特に何もしない)または RemoveEmptyEntries(空の要素を結果から除外する)を指定します

具体的な例は以下のとおりです。

string text = "This is a test. This is only a test.";

string[] sentences = text.Split(new string[] { ". " }, StringSplitOptions.None);

// 結果: sentences[0] = "This is a test", sentences[1] = "This is only a test."

この例では、ピリオドとスペースの組み合わせを区切り文字として指定しています。文字列の配列を区切り文字として渡すことで、複数の文字からなる区切りパターンを指定できます。

分割後に区切り文字を残す方法

通常、Splitメソッドは区切り文字を削除しますが、正規表現を使用することで区切り文字を残したまま分割することができます。


具体的な例は以下のとおりです。

using System.Text.RegularExpressions;


string input = "apple,orange,banana";

string[] result = Regex.Split(input, @"(?=,)");

// 結果: result[0] = “apple”, result[1] = “,orange”, result[2] = “,banana”

このコードでは、正規表現の(?=,)を使用して、区切り文字(カンマ)を含めた分割を実現しています。正規表現を活用することで、複雑な分割条件にも対応可能です。


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3.C# Splitメソッドの応用テクニック

C#のSplitメソッドにはさまざまな使い方があります。基本的な使い方に加えてSplitメソッドや関連機能を活用することで、より高度な文字列分割処理を実現できます。


ここでは、以下の応用テクニックを紹介します。

  • 正規表現を使用して分割する方法

  • 最初の区切り文字のみで分割する方法

  • 空白を削除するSplitの使い方

  • 分割後の最後の要素を取得する方法

正規表現を使用して分割する方法

正規表現を使用すると、Splitメソッドでは対応できない複雑なパターンで文字列を分割できます。


System.Text.RegularExpressions名前空間のRegex.Splitメソッドを使用すると、正規表現を使用した複雑なパターンで分割可能です。usingディレクティブでSystem.Text.RegularExpressionsを追加する必要があります。


Regex.Split は、正規表現パターンにマッチする箇所を区切りとして文字列を分割します。


例えば、改行や任意のスペースを無視した分割が必要な場合の例は以下のとおりです。

using System.Text.RegularExpressions;

string input = "apple\norange\nbanana";

string[] result = Regex.Split(input, @"\n");

// 結果: result[0] = “apple”, result[1] = “orange”, result[2] = “banana”

Regex.Split を使うことで、String.Split では難しい「複数の種類の区切り文字」「2つ以上の連続したハイフンなどの出現回数を指定した区切り文字」「かっこの外にあるカンマなどの条件を指定した区切り文字」といった複雑なケースにも対応できます。


正規表現を覚える必要はありますが、使いこなせれば文字列処理の幅が広がります。

区切り文字の最初だけ分割する方法

文字列を最後まで分割するのではなく、最初に現れた区切り文字だけで分割し、残りの部分は一つの要素として扱いたい場合があります。例えば、設定ファイルで key=value のような形式の行を読み取り、最初の = だけでキーと値に分けたい場合などです。


この場合は、String.Split メソッドの count パラメータを使用します。count パラメータは、分割によって生成される部分文字列の最大数を指定します。最初の区切り文字のみで分割する場合、count=2を指定します。


具体的な例は以下のとおりです。

string data = "key1=value1;key2=value2;key3=value3";

string[] parts = data.Split(new[] { ';' }, 2);

// 結果: ["key1=value1", "key2=value2;key3=value3"]

count に 2 を指定すると、文字列は最大でも2つの要素にしか分割されません。つまり、最初に現れた区切り文字で分割が行われます。それ以降に同じ区切り文字が存在しても無視されて、残りの文字列全体が2番目の要素となります。

空白削除するSplitの使い方

Splitメソッドを使用すると、区切り文字が連続していたり、文字列の先頭や末尾に区切り文字があったりするときに、結果の配列に空の文字列要素("")が含まれることがあります。


これらの空要素が不要な場合は、Splitメソッドの引数にStringSplitOptions.RemoveEmptyEntriesを指定します。これにより、空の要素を削除可能です。


具体的な例は以下のとおりです。

string input = "apple,,orange,,banana";

string[] fruits = input.Split(

    new[] { ',' }, 

    StringSplitOptions.RemoveEmptyEntries

);

// 結果: ["apple", "orange", "banana"]

分割後の最後の要素を取得する方法

Split メソッドで文字列を分割した後、生成された配列の最後の要素だけが必要になることがあります。例えば、ファイルパスを / や \ で分割してファイル名だけを取得したい場合などです。


最後の要素を取得するには、いくつかの方法があります。


簡単なのは配列のLengthプロパティを使って要素数を取得し、最後の要素のインデックス(Length - 1)を指定してアクセスする方法です。

また、C# 8.0以降では^演算子を使用してインデックスを末尾から指定できます(例:pathParts[^1])。

string filePath = "/Users/project/data/report.csv";

char separator = '/';


string[] pathParts = filePath.Split(separator, StringSplitOptions.RemoveEmptyEntries); // 空要素を削除


// 配列が空でないことを確認してからアクセス

if (pathParts.Length > 0) {

    string lastElement = pathParts[pathParts.Length - 1];

    // 結果: report.csv

 }

この方法は、追加のライブラリ参照が不要で、どのバージョンのC# でも利用できます。ただし、配列が空の場合にIndexOutOfRangeExceptionが発生する可能性があるため、Lengthのチェックが必要です。


他にも、LINQのLast()メソッドを使用する方法もあります。

string filePath = "/Users/project/data/report.csv";

char separator = '/';


string[] pathParts = filePath.Split(separator, StringSplitOptions.RemoveEmptyEntries); // 空要素を削除


// 配列が空でないことを確認 (Last()は空のシーケンスで例外をスローするため)

if (pathParts.Any()) { // または pathParts.Length > 0

    string lastElement = pathParts.Last();

    // 結果: report.csv

}

Last() メソッドはコードが短くなり可読性が向上しますが、System.Linqの参照が必要です。また、Last() は元の配列が空の場合に InvalidOperationException をスローするため、事前に Any() メソッドなどで空でないことを確認するか、空の場合にデフォルト値を返す LastOrDefault() を使用するのが安全です。


どちらの方法を選択するかは、プロジェクトの規約や個人の好みによりますが、LINQが利用可能な環境であれば Last()またはLastOrDefault()を使うのがおすすめです。


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4.まとめ

この記事では、C#の文字列分割で使われるSplitメソッドについて紹介しました。


Splitメソッドは、単一の区切り文字だけでなく、複数の区切り文字や特定の文字列を区切りとして指定できます。また、正規表現による複雑なパターンの分割をしたり、countパラメータを指定して最初の区切り文字のみで分割することも可能です。


これらの機能を適切に使い分けることで、ログ解析やCSV処理、ユーザー入力の整形など、さまざまな業務シーンでの文字列処理を効率的に行えます。コードの可読性や保守性の向上にも繋がり、結果として開発全体の生産性の向上も見込めます。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。


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目次

1.C#のSplitメソッドとは?

Splitメソッドの基本構文

Splitメソッドの用途とメリット

2.C# Splitのさまざまな使い方

区切り文字がない場合の動作

複数の区切り文字を指定する方法

文字列で分割する方法

分割後に区切り文字を残す方法

3.C# Splitメソッドの応用テクニック

正規表現を使用して分割する方法

区切り文字の最初だけ分割する方法

空白削除するSplitの使い方

分割後の最後の要素を取得する方法

4.まとめ