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コンパイラ言語とは?特徴・インタプリタ言語・スクリプト言語との違いを解説!

公開日:2024/09/14最終更新日:2024/09/14

「コンパイラ言語って何だろう?」

「スクリプト言語やインタプリタ言語も耳にするけれど、これらとコンパイラ言語の違いは何だろう?」


ITエンジニアを目指して学習していると、そんな疑問が浮かぶことがあるかもしれません。


この記事では、コンパイラ言語の特徴や仕組み、利用するメリットやデメリット、さらにスクリプト言語やインタプリタ言語との違いについて、ITエンジニア初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説します。

ぜひ参考にしてください。


1.コンパイラ言語とは?

コンパイラ言語は、ソースコードを一度に機械語に変換してから実行するプログラミング言語の一種です。

ここからは、コンパイル言語を理解するために、コンパイラ言語の仕組みと、コンパイルプロセスについて詳しく見ていきましょう。

コンパイラ言語の仕組み

コンパイラ言語は、ソースコードを機械語に変換する必要があります。

エンジニアが書いたソースコードは、人間が理解しやすい高水準言語で書かれていますが、コンピュータは機械語しか理解できないのです。


そこで、コンパイラというプログラムを使ってソースコードを解析し、最適化した後、機械語に変換する処理が必要です。

この変換プロセスをコンパイルと言い、コンパイルによって効率的に実行できるプログラムが出来上がります。

コンパイルプロセス

コンパイラの役割は、ソースコードから高性能で効率的なプログラムを生成することです。ここでは、コンパイラによるコンパイルプロセスを具体的に見てみましょう。


コンパイルは、次のプロセスで処理されます。

  1. 解析:ソースコードを字句解析した後、文法・構文解析を行います。解析することで、コードの構造を理解し、エラーを検出します。

  2. 最適化:解析されたコードを最適化し、効率的な機械語に変換します。最適化することで、不要なコードの削除や効率的なメモリ使用のための調整が行われます。

  3. コード生成:最適化された中間コードを機械語に変換し、実行ファイルを生成します。この実行ファイルは、コンパイラに適したハードウェア上で直接実行可能です。


コンパイルは開発プロセスの中で重要です。コンパイラが間違った処理をしてはなりませんし、利用したいときに利用できなければなりません。従って、コンパイラは、プロジェクトにおいて重要に管理しなければなりません。

2.コンパイラ言語を使うメリット

コンパイラ言語を利用するメリットとは何でしょうか?

ここからは、コンパイラ言語を使用する具体的なメリットについて解説しましょう。

パフォーマンスが高い

コンパイラ言語は、ソースコードを機械語に変換する際にコードの最適化を行います。この最適化により、プログラムはより効率的に実行される状態になり、処理速度が向上します。


最適化されたコードは実行時に無駄な処理を省き、必要なリソースを効率的に活用するため、高いパフォーマンスが発揮可能です。

メモリ管理が効率的で実行速度が速い

コンパイラ言語は、メモリの管理や割り当てを効率的に行うことができます。

コンパイラは、プログラムの実行中に必要なメモリを事前に確保し適切に管理しますので、メモリの使用効率が向上し、プログラムの実行速度が速くなります。


また、コンパイラは不要なメモリの解放も自動で行うため、メモリリークのリスクも減少します。

最適化のレベルが高い

コンパイラは、コードの最適化を通じて、プログラムのパフォーマンス最大化を実現します。最適化の手法には、ループの展開、定数畳み込み、不要なコードの削除などが含まれます。

最適化により、プログラムはより少ないリソースで効率的に実行され、パフォーマンスが向上するでしょう。最適化のレベルは、コンパイラの設定によって調整でき、開発者は必要に応じて最適化の度合いを選択することが可能です。

実行環境が独立している

コンパイラ言語で生成された実行ファイルは、特定のハードウェアやオペレーティングシステム上で直接実行が可能です。プログラムは独立した実行環境で動作し、他のプログラムや環境に依存しません。

この独立性は、セキュリティの向上や、特定のハードウェア向けの最適化を可能にします。実行ファイルは配布が簡単なので、ユーザーは特別な環境設定を必要とせずにプログラムを実行できます。

4.コンパイラ言語を使うデメリット

コンパイラ言語には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここからは、代表的なデメリットについて解説します。

考慮すべきことが多く開発が難しい

コンパイラ言語でプログラムを作成する際には、メモリ管理などシステム環境を考慮することが多いです。

経験が浅いエンジニアなどには、コンパイラ言語で開発することに難しさを感じるかもしれません。

例えば、C言語やC++のような言語では、メモリの割り当てと解放を手動で行わなければならず、これはメモリリークやバグの原因となることが考えられるのです。


コンパイラ言語を使うエンジニアには高度なプログラミング技術と知識が求められます。

デバッグが難しい

コンパイラ言語で書かれたプログラムのデバッグは、インタプリタ言語に比べて難しいです。

コンパイルされた実行ファイルは、人間が読解できない機械語に変換されるため、エラーの発見と修正が難しく感じる可能性があります。

また、コンパイルエラーが起こっても、複雑で理解しにくいメッセージの場合があります。経験が浅いエンジニアなどでは、デバッグのプロセスに時間を要し、開発効率が低下してしまう恐れがあります。

コンパイル時間が長い

コンパイラ言語では、ソースコードを実行する前にコンパイルが必要です。このコンパイルプロセスは、大規模なプログラムや複雑なコードの場合、時間を要することがあります。

コンパイルが終わるまで、デバッグもできませんし、コンパイルエラーが出る恐れもあります。

コンパイラ言語以外と比べると、開発・テスト中の生産性が低いことが考えられますので、開発期間などに考慮が必要です。

5.コンパイラ言語とインタプリタ言語との違い

プログラミング言語にはさまざまな種類があり、その中でもコンパイラ言語とインタプリタ言語はよく比較されます。どちらにも独自の特徴と利点があり、用途に応じて使い分けが必要です。

ここからは、インタプリタ言語の特徴と、コンパイラ言語との違いについて解説しましょう。

インタプリタ言語とは?

インタプリタ言語は、ソースコードを一行ずつ逐次実行するプログラミング言語です。

コンパイラ言語とは異なり、事前にコード全体を機械語に変換することなく、インタプリタがリアルタイムでコードを解釈し実行します。コードの修正やデバッグが容易で、開発の初期段階で迅速なフィードバックを得られるのが大きな特徴です。

コンパイラ言語とインタプリタ言語の比較

  • 実行速度:コンパイラ言語は、事前にコード全体を機械語に変換するため、実行時のパフォーマンスが高いです。一方、インタプリタ言語はコードを逐次実行するため、実行速度が遅くなることがあります。

  • 開発効率:インタプリタ言語は、コードの修正と実行が迅速に行えるため、開発の初期段階で高い効率を発揮します。コンパイラ言語は、コンパイルのプロセスが必要なので、開発のスピードが遅くなることがあります。

  • 用途の違い:コンパイラ言語は、高いパフォーマンスが求められるシステムプログラムや大規模なアプリケーションに適しています。対して、インタプリタ言語は、迅速な開発とデバッグが重要なプロジェクトやスクリプト作成に向いています。

6.コンパイラ言語とスクリプト言語との違い

スクリプト言語もインタプリタ言語と同様に、コンパイラ言語と比較されることがあります。

ここからは、スクリプト言語の特徴と、コンパイラ言語との違いについて解説しましょう。

スクリプト言語とは?

スクリプト言語は、特定のタスクや処理を簡単に実行するために設計されたプログラミング言語です。特に、ウェブ開発や自動化スクリプト、データ処理など、幅広い分野で利用されています。

コンパイル不要で直接コードを実行することができるので、エンジニアはコードを書いてすぐに実行し、結果を確認することが可能です。


スクリプト言語は、比較的簡単な記述とシンプルな構文を特徴としていて、短いコードで多くの機能を実現できます。また、データの型を意識しなくても良い動的型付けや、柔軟な構造を持つため、初心者でも習得しやすいプログラミング言語です。

コンパイラ言語とスクリプト言語の比較

  • 実行速度:コンパイラ言語は、事前にコードを機械語に変換するため、実行速度が速くなります。対して、スクリプト言語はインタプリタによって実行されるため、実行速度は遅くなることがあります。

  • 開発効率:スクリプト言語は、即時実行とデバッグの容易さから、開発プロセスが迅速で柔軟です。コンパイラ言語は、コンパイルとデバッグの手間がかかるため、開発に時間を要することがあります。

  • 用途の違い:コンパイラ言語は、高パフォーマンスが必要なアプリケーションやシステムプログラムに適しています。一方、スクリプト言語は、迅速なプロトタイピングや自動化タスクに適しています。

7.代表的なコンパイラ言語の例

コンパイラ言語には多くの種類があり、それぞれに独自の特徴と使用例があります。ここからは、代表的なコンパイラ言語について解説しましょう。

COBOL

COBOLは1959年に開発され、長い歴史を持っています。英語に近い文法を持ち、読みやすさに重点が置かれているため、ビジネスロジックの記述に適しているのが大きな特徴です。

大規模なデータ処理やトランザクション処理に優れており、主に金融・行政などの分野で広く利用されています。


COBOLで書かれたソースコードは、コンパイラを通じて機械語に変換され、効率的に実行されます。特に、メインフレーム上で動作する大規模なシステムでは、信頼性とパフォーマンスの観点から、COBOLが今もなお重要な役割を果たしています。最新のシステムでも、既存のCOBOLコードを活用しつつ、新しい技術と統合することが一般的です。


COBOLスキルを持つエンジニアは今でも需要が高く、特にレガシーシステムの保守や移行プロジェクトで重宝されています。

COBOL案件はこちらから確認できます。

Java

Javaは、オブジェクト指向プログラミング言語として広く知られています。Javaの特徴は、プラットフォームに依存しないことです。

Javaプログラムは、コンパイルされた実行ファイルがJava仮想マシン上で実行されます。この仕組みにより、同じ実行ファイルを異なるプラットフォーム上で実行することが可能です。


Javaは、Webアプリケーション、モバイルアプリケーション、企業システムなど、さまざまな分野で利用されています。


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C言語

C言語は、低レベルのハードウェア操作が可能であり、効率的なメモリ管理や高いパフォーマンスが実現可能です。

オペレーティングシステムやデバイスドライバ、リアルタイムシステムなど、パフォーマンスが求められる分野で多く採用されています。


また、C言語には、構造化プログラミングの概念を取り入れており、制御構造や関数を用いたプログラムの分割が可能です。コードの可読性や保守性が高く、複雑なシステム開発にも適しています。


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C++

C++は、C言語を基盤にして1980年代に開発されたオブジェクト指向プログラミング言語です。C言語の特徴を継承しながら、オブジェクト指向の概念を導入することで、複雑なソフトウェア開発をより簡単にできるよう設計されました。


C言語と互換性があるのに加えて、C言語よりも複雑な機能を実装できるなど、多くのメリットがあるので人気がある言語の1つです。


また、多重継承やテンプレートがC++の特徴で、再利用性・汎用性の高いプログラム開発ができます。


さらに、処理速度が速いため、パフォーマンスが重要視される分野で広く使用されています。特に、多くのゲームがC++で開発されており、ゲーム業界で活躍したいエンジニアにとっては習得しておきたい言語でしょう。


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Go言語

Go言語は、Go言語ogleが開発したシステムプログラミング言語です。Go言語の特徴は、シンプルな構文と高速なコンパイル速度、強力な並行処理サポートです。

Webサーバやクラウドサービス、ネットワークプログラミングなど、スケーラビリティが求められるアプリケーションに最適です。


さらに、ガベージコレクション機能を備えており、メモリ管理の負担を軽減します。Go言語の簡潔で明快な文法は、プログラミング初心者にも理解しやすいでしょう。

Go言語案件はこちらから確認できます。

8.コンパイラ言語の学習方法

コンパイラ言語を効果的に学ぶためには、どのようにすればよいでしょうか?

まずは基本的な概念を理解し、次に実際のコードを書いてみることが重要です。

ここからは、初心者でも理解しやすく、実践的なスキルを身につけるための学習方法を紹介しましょう。

コンパイラ言語初心者へおすすめの学習方法その1:書籍

手っ取り早く、しかも余り費用をかけず、コンパイラ言語を学習するために、書籍がおすすめです。

コンパイラ言語の基本概念から、高度な技術まで体系的に学ぶことができる書籍が多く販売されています。ぜひ書店やネットショップで探してみてください。


特に実際のコード例が豊富に含まれている書籍は、実践的なスキルを身につけるのに役立ちます。

ただし、疑問点や質問点を解消するのが難しいため、プログラミング経験が全く無い人にはおすすめできません。

コンパイラ言語初心者へおすすめの学習方法その2:オンライン教材

オンライン教材は、自分のペースで学習を進められるため、多忙な人にも最適です。動画形式で解説されることが多く、視覚的に学べるため理解が深まりやすいです。

初心者向けから上級者向けまで幅広いコースが提供されています。コースによっては、実際のプロジェクトを通じて学べるものもあり、実践的なスキルを身につけることができます。


書籍と比べると費用が高いです。ただ、その分、質問を受け付けてくれるオンライン教材もあるため、プログラミング未経験の方や経験が浅い人にはおすすめです。

コンパイラ言語初心者へおすすめの学習方法その3:実際の開発現場

実際の開発プロジェクトに参加することでも、コンパイラ言語を学べるでしょう。最も実践的な学習方法と言えます。

実際の開発現場では、コードのレビューやチームでの協力を通じて多くの学びを得ることができます。プロジェクトに参加することで、理論だけでなく実践的な経験を積むことができるため、スキルの定着が早まるでしょう。


他の言語の経験がある人、エンジニア経験が長い人などにおすすめです。インターンシップやアルバイト、オープンソースプロジェクトへの参加なども可能性がありますので、求人情報やSNSを活用しましょう。


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9.まとめ

この記事では、コンパイラ言語について詳しく解説しました。

コンパイラ言語とは何か、その仕組みや特徴、インタプリタ言語やスクリプト言語との違い、メリットやデメリット、そして代表的なコンパイラ言語について触れましたが、理解が進んだでしょうか?


また、効果的な学習方法についても紹介しました。

これからコンパイラ言語を学ぼうとしている方はもちろん、ITエンジニア初心者やこれからITエンジニアを目指す方など、本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。