「セキュリティの分野で活躍したい」「サイバー攻撃による被害を減らしたい」とお考えであれば、情報処理安全確保支援士試験の合格を目指してみてはいかがでしょうか。
現代においては国内外からのサイバー攻撃の脅威は依然として増えており、セキュリティ人材の確保は国としても急務、すなわちセキュリティ人材は国家的に必要とされることからも、セキュリティのスペシャリストを目指すのは非常に有意義です。
今回は情報処理安全確保支援士試験に関する基礎知識や詳細情報、情報処理安全確保支援士試験の資格取得のメリット・デメリット、情報処理安全確保支援士試験合格のための参考書の選び方や対策法についてお話しします。
目次
1.情報処理安全確保支援士試験に関する基礎知識
はじめに情報処理安全確保支援士試験に関する基礎知識について解説します。
情報処理安全確保支援士試験とは
情報処理安全確保支援士試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施するサイバーセキュリティ対策の知識やスキルが問われる国家試験です。昨今では国内外問わず、サイバー攻撃による被害、セキュリティインシデントなどのニュースが目に入るようになりました。
そのため、情報処理安全確保支援士試験に合格できるようなセキュリティの専門家は非常に重要視されており、企業や組織の情報資産、顧客の個人情報などを守るために必要とされる人材と言えます。
情報処理安全確保支援士試験に合格した人は、所定の手続きを行うことで、国家資格である「情報処理安全確保支援士」を取得できるようになり、登録セキュリティスペシャリストとして、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のデータベースに掲載されます。情報処理関連の資格においては国家試験の合格という証明はあるものの、国家資格として登録されるのは情報処理安全確保支援士のみであり、キャリアアップやキャリアチェンジの強みになると言えるでしょう。
情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)制度の概要
情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)の国家試験が誕生した理由は、日々増えゆく国内外からのサイバー攻撃による被害を防ぐためです。日本国内におけるセキュリティスペシャリストの人材育成を行い、サイバーセキュリティ対策を強化することができる人材の確保が必要になったことが背景にあると言えます。
企業や組織の経営者や責任者は、情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)に登録されている人材にアプローチすることで、国家資格を有するサイバーセキュリティ対策のスペシャリストと繋がれるようになるのです。
情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)に登録された人は制度における定期的な講習を受けることができるようになり、最新のサイバー攻撃やセキュリティ技術に関する情報のアップデートをすることができます。
情報セキュリティマネジメント試験(SG)との違い
情報セキュリティマネジメント試験とは、情報セキュリティマネジメントに関する基本的な知識やスキルを問われる検定試験です。情報処理安全確保支援士試験と同様に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する検定試験であり、ITパスポート試験や基本情報技術者試験に近しい難易度と言えるでしょう。
情報処理安全確保支援士試験は高度情報処理技術者試験に分類されることからも、情報セキュリティマネジメント試験よりも難易度が高く、試験範囲が広いことが違いと言えるでしょう。そのため、情報処理技術に関する基本的な知識やスキルが備わっていない場合、まずは情報セキュリティマネジメント試験の合格を目指し、セキュリティに関する基礎を学んだ上で情報処理安全確保支援士試験に挑むのが資格取得の着実な道と言えます。
「情報処理安全確保支援士試験 意味ない」と言われる理由
情報処理安全確保支援士試験について情報収集をしていると、「情報処理安全確保支援士試験_意味ない」というサジェストキーワードが目に入ることがあるでしょう。理由としては、国家資格ではあるものの、医師免許や弁護士資格などのように、取得することで特定の業務、すなわち独占業務ができるという資格ではないという部分にあります。
サイバーセキュリティ対策は国家レベルで取り組むべき課題であること、セキュリティ人材の育成とセキュリティに興味を持つ人の成長を促す試験であることを考えると、意味がないということはまずないでしょう。
昨今のニュースを見ていてもサイバー攻撃による被害は甚大です。
情報流出などが起これば、自身や家族、友人、知人など広範囲の被害に合う可能性も考えられます。情報処理安全確保支援士試験によってセキュリティ人材が増えていくこと、自分自身がセキュリティ人材になることは世の中のためにも非常に大切であるのは間違いありません。
2.情報処理安全確保支援士試験試験の詳細情報
次に情報処理安全確保支援士試験試験の詳細情報について解説します。
情報処理安全確保支援士試験の詳細
試験名 | 情報処理安全確保支援士試験(SC) | ||
---|---|---|---|
試験会場 試験日程 試験結果 | 春期 ・申込期間:1月頃 ・試験日程:4月頃 ・試験結果:7月下旬 秋期 ・申込期間:7月頃 ・試験日程:10月頃 ・試験結果:12月下旬 | ||
受験方法 | PBT(Paper_Based_Testing)方式 | ||
時間区分 | 午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後 |
試験時間 | 50分 | 40分 | 150分 |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) | 多肢選択式 (四肢択一) | 記述式 |
出題数 解答数 | 30問 30問 | 25問 25問 | 4問 2問 |
合格基準点 | 100点満点中60点 ※午前試験Ⅰ、Ⅱの得点がそれぞれ基準点以上に達しないと午後試験の採点を行わず不合格 | ||
受検料 | 7,500円 | ||
前提資格 | 特になし |
参考元:令和6年度秋期情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験案内書
上記が情報処理安全確保支援士試験の詳細です。試験は春期と秋期の年2回、申し込み期間はそれぞれ試験日程の3ヶ月前前後なので、IPAの公式ホームページを見てこまめにチェックしておきましょう。ペーパーテストであり、受験申し込みのタイミングで選択した地域の指定された試験会場に行かなければならないということも覚えておきましょう。
また、午前と午後の1日になる長丁場な検定試験でもあるため、自分自身の予定をきちんとチェックしておき、時間を空けておくことも忘れてはなりません。オンラインで受験できるCBT方式ではないという点にも注意が必要です。随時開催ではなく、年2回であることから、合格に向けて念入りに勉強時間の計画を考えていきましょう。
情報処理安全確保支援士試験の出題範囲・難易度
科目A試験の出題範囲
テクノロジ系 | マネジメント系 | ストラテジ系 |
---|---|---|
基礎理論 アルゴリズムとプログラミング コンピュータ構成要素 システム構成要素 ソフトウェア ハードウェア ユーザーインターフェース 情報メディア データベース ネットワーク セキュリティ システム開発技術 ソフトウェア開発管理技術 | プロジェクトマネジメント サービスマネジメント システム監査 | システム戦略 システム企画 経営戦略マネジメント 技術戦略マネジメント 企業活動 法務 |
参考:試験要綱Ver.5.3
上記が情報処理安全確保支援士試験の科目A試験の出題範囲です。午前Ⅰの試験については、その他の高度試験と共通の出題範囲となっており、午前Ⅱは専門知識が問われる出題範囲になっています。
他の高度試験と同等の難易度であり、特にセキュリティについては技術レベル4の難易度の問題が含まれるため、事前にしっかりとした学習が必要になるでしょう。また、午前のⅠ、Ⅱの両方の合格基準点を満たさないと午後の試験が採点されないということを忘れてはなりません。
参考書や過去問題などをしっかりと読み解いて、ケアレスミスなどで減点が増えないように注意しましょう。
科目B試験の出題範囲
1.情報セキュリティマネジメントの推進又は支援に関すること | 2.情報システムの企画・設計・開発・運用におけるセキュリティ確保の推進又は支援に関すること | 3.情報及び情報システムの利用におけるセキュリティ対策の適用の推進又は支援に関すること | 4.情報セキュリティインシデント管理の推進又は支援に関すること |
---|---|---|---|
情報セキュリティ方針の策定,情報セキュリティリスクアセスメント(リスクの特定・分析・評価ほか),情報セキュリティリスク対応(リスク対応計画の策定ほか),情報セキュリティ諸規程(事業継続計画に関する規程を含む組織内諸規程)の策定,情報セキュリティ監査,情報セキュリティに関する動向・事例の収集と分析,関係者とのコミュニケーションなど | 企画・要件定義(セキュリティの観点),製品・サービスのセキュアな導入,アーキテクチャの設計(セキュリティの観点),セキュリティ機能の設計・実装,セキュアプログラミング,セキュリティテスト(ファジング,脆弱性診断,ぺネトレーションテストほか),運用・保守(セキュリティの観点),開発環境のセキュリティ確保など | 暗号利用及び鍵管理,マルウェア対策,バックアップ,セキュリティ監視並びにログの取得及び分析,ネットワーク及び機器(利用者エンドポイント機器ほか)のセキュリティ管理,脆弱性への対応,物理的セキュリティ管理(入退管理ほか),アカウント管理及びアクセス管理,人的管理(情報セキュリティの教育・訓練,内部不正の防止ほか),サプライチェーンの情報セキュリティの推進,コンプライアンス管理(個人情報保護法,不正競争防止法などの法令,契約ほかの遵守)など | 情報セキュリティインシデントの管理体制の構築,情報セキュリティ事象の評価(検知・連絡受付,初動対応,事象をインシデントとするかの判断,対応の優先順位の判断ほか),情報セキュリティインシデントへの対応(原因の特定,復旧,報告・情報発信,再発の防止ほか),証拠の収集及び分析(デジタルフォレンジックスほか)など |
参考:試験要綱Ver.5.3
上記が情報処理安全確保支援士試験の科目B試験の出題範囲です。セキュリティに関するほとんどの領域が出題範囲と言えるほど広く、より深い知識の理解が求められることがわかります。
令和5年春期の過去問題をチェックしたところ、午前Ⅰは共通問題として各種高度試験との共通問題であり、基本情報技術者試験以上の難易度、午前Ⅱは情報処理安全確保支援士試験専用の問題となっており、各種高度試験と同等の難易度の問題です。
令和5年春期の午後Ⅰの過去問題をチェックしたところ、具体的なプログラムやソースコードの理解、ネットワークやIPアドレス、リクエストやレスポンスなどにおいてもかなり高度な理解が求められる問題が多くありました。また、午後Ⅱの過去問題においては、企業における具体的な例を想定して問題が出されており、状況を理解し、問題を把握した上でどのように解決すべきかというかなり難易度の高い記述式の問題もあります。
午後Ⅰ、Ⅱともに多肢選択式問題も含まれていますが、しっかりと理解をしていないと回答を選ぶことすら難しく、単に暗記をすれば偶然、合格できるというような試験ではないということが推測されます。
しっかりとした勉強計画を練る必要があると理解しておくと良いでしょう。
情報処理安全確保支援士試験の受験者数・合格率
試験区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
情報処理安全確保支援士試験 | 12,146 | 2,394 | 19.7% |
情報セキュリティマネジメント試験 | 36,362 | 26,398 | 72.6% |
情報セキュリティ管理士認定試験 | N/A | N/A | 42.3% |
上表は令和5年度の情報セキュリティ関連の受験者数と合格率をまとめた表です。
情報処理安全確保支援士試験は他の情報セキュリティ関連試験と比較して低く難易度が高いことと同時により高度な知識と技術が要求される試験であることが分かります。
また、受験者数について、随時実施(CBT方式のため)されている情報セキュリティマネジメント試験の方が情報処理安全確保支援士試験の受験者数と比較すると年間受験者数は多いですが、情報処理安全確保支援士試験は年2回(令和5年度は1回のみ実施)のみの試験であるため、上記を考慮すると試験毎の受験者数は多いと言えるでしょう。
情報処理安全確保支援士検索サービスにおいて、2024年8月現在で登録されている情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)は約2万2500人です。合格した上で情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)に登録すれば、先述した通り他の合格者とのアドバンテージにも繋がっていくでしょう。
情報処理安全確保支援士試験の申し込み手順
ホームページより受験申込みをクリック
利用者ID(マイページアカウント)の作成
マイページから受験申込み
クレジットカード、ペイジー、コンビニのいずれかで支払い
受験票の発送と受け取り
試験日に指定された会場で受験
参考:令和6年度_春期情報処理技術者試験_情報処理安全確保支援士_試験案内書
上記が情報処理安全確保支援士試験の申し込み手順と試験までの大まかな流れです。インターネットからの申し込みのみとなっており、願書郵送申し込みなどはないので注意しましょう。
情報処理安全確保支援士試験の有効期限
情報処理安全確保支援士試験の有効期限はありません。ただし、情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)として登録する場合は有効期限が3年となり、3年ごとに実践の講習、もしくは特定の講習を受講する必要があります。
3年ごとの講習に費用は不要のため、知識やスキルのアップデートとして講習を受けられる機会が得られる利点であるため、合格して情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)に登録する場合は定期的な講習を受けられないように注意しましょう。
情報処理安全確保支援士試験の勉強時間
情報処理安全確保支援士試験の勉強時間については、受験される方の知識やスキル、経験によって大きく異なります。合格率や試験範囲から推測すると、初めて情報技術関連の資格試験に挑戦される方が、直接、情報処理安全確保支援士試験に挑戦する場合は300時間から500時間程度、1年から2年程度を見込んでおく必要があるでしょう。
理由としては、ITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験などの範囲を含めて、基礎から学ぶ必要があるためです。
すでにITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験などを受験し、合格しているような方の場合は200時間から300時間、おおよそ半年から1年半程度、応用情報技術者試験、もしくは各種高度試験に合格しているような方の場合、100時間から200時間、数ヶ月から半年程度の勉強時間及び勉強期間を見込んでおくと余裕を持って試験に挑むことができます。
勉強時間や勉強期間についてはあくまでも目安であり、1時間ごとの勉強効率や勉強速度、理解度、日々に捻出できる時間によって大きく異なるため、参考書や過去問題などをチェックし、自分自身の理解度を精査した上で、余裕を持って計画することが大切です。
3.情報処理安全確保支援士試験の資格取得のメリット
次に情報処理安全確保支援士試験の資格取得のメリットについて解説します。
国に認められたサイバーセキュリティ対策の専門家としてアピールできる
情報処理安全確保支援士試験の資格取得のメリットとして、国に認められたサイバーセキュリティ対策の専門家としてアピールできることが挙げられます。情報セキュリティ分野には、様々な民間資格はありますが国家資格は情報処理安全確保支援士のみであり、高い知識とスキルを有していることがアピールできるということです。
もちろん、情報処理安全確保支援士の資格単体だけではアピールがしきれないこともありますので、その他の資格やスキルの習得、実務で経験を積んでいくこと、実績を作り上げていくことも忘れないようにしましょう。
常に最新のサイバー攻撃やセキュリティインシデント、電子的な詐欺などの情報などを収集し、どのように攻撃されたのか、どのように対策されたのか、どのような被害があったのかなどを情報収集を行い、未知の脅威にも対応できるよう学んでいく姿勢を持つことが大切です。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のデータベースに掲載される
情報処理安全確保支援士試験の資格取得のメリットとして、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のデータベースに掲載されることが挙げられます。データベースは誰でも閲覧できるようになっており、高度なセキュリティ人材を必要とする企業や組織からのオファーが期待できるということです。
また、自分自身が国家資格に合格したということを着実にアピールできるということでもあり、働いてみたい企業や組織に応募する場合においても確実な証明となるのも利点と言えるでしょう。同様に企業や組織側としても、データベースに登録されているセキュリティ人材がいるというアピールにもなるため、採用される可能性が高まるという点にも期待できます。
情報セキュリティ監査の知識がつく
情報処理安全確保支援士試験の資格取得のメリットとして、情報セキュリティ監査の知識がつくことが挙げられます。
この試験では、サイバー攻撃の防御だけでなく、情報システムの脆弱性評価やセキュリティ対策の有効性を検証するための知識が問われます。特に、組織のセキュリティポリシーの適合性を評価したり、リスクマネジメントの観点から改善提案を行ったりする際に役立つスキルを身につけることができます。
情報処理安全確保支援士試験を取得することで、監査スキルを磨くことができ、情報セキュリティ分野でのキャリアの幅が広がりやすいです。
4.情報処理安全確保支援士試験の資格取得のデメリット
次に情報処理安全確保支援士試験の資格取得のデメリットについて解説します。
難易度が高く、合格までに多くの勉強時間が必要
情報処理安全確保支援士試験の資格取得のデメリットとして、難易度が高く、合格までに多くの勉強時間が必要なことが挙げられます。高度試験の共通問題、セキュリティの専門分野の問題、その他にもITに関する基礎を着実に理解し、正解を答えられなければ合格できないのが理由です。
特に基礎が身についていないような場合ですと、かなり膨大な時間を要する可能性があるため、焦らず基礎を学べる資格試験の取得から目指すことも検討しましょう。情報処理安全確保支援士試験は前提となる資格は必要はないものの、合格するために前提となる基礎的な知識が非常に膨大であるということを覚えておいてください。
スキルの保証及び実績や実務経験の代替にはならない点にも注意
情報処理安全確保支援士試験の資格取得のデメリットとして、スキルの保証及び実績や実務経験の代替にはならないことが挙げられます。もちろん、合格に向けて知識やスキルを身につけることはとても大切ですが、セキュリティ人材としての実務経験を積んでいる方と比べた場合、必ずしも資格だけで優位に立てるとは限らないということです。
ただし、誰しも最初は実務経験はありません。資格を取得したことで実務経験が積めるようになる可能性があることを忘れず、資格を取得したことがセキュリティ分野におけるスタートラインであるという考え方を持ちポジティブに勉強しましょう。
各種OSやソフトウェアなどに関する専門的な知識の習得も必要
情報処理安全確保支援士試験の資格取得のデメリットとして、各種OSやソフトウェアなどに関する専門的な知識の習得も必要なことが挙げられます。情報処理安全確保支援士試験の知識やスキルだけでは実務の現場では通用しにくい、知識やスキルを活用しきれないのが理由です。
例えば、サイバー攻撃に関するニュースを見た時にどのような手法で攻撃されているのか、名称や用語だけはしていたとしても具体的にどのような方法で攻撃しているのかわからなければ、対策方法を知っていたとしても実務では対応できません。その他にもOSやソフトウェアなどについての理解がないと、セキュリティインシデントの原因やサイバー攻撃の進入経路なども発見することができなくなってしまいます。
ペーパーテストとして合格すれば良いと考えるのではなく、実際にOSやソフトウェアを触ってみること、様々なオンラインサービスを体験しておくことをおすすめします。
5.情報処理安全確保支援士試験合格のための参考書の選び方や対策法
次に情報処理安全確保支援士試験合格のための参考書の選び方や対策法について解説します。
情報処理安全確保支援士試験合格のための参考書の選び方
情報処理安全確保支援士試験合格のための参考書の選び方として、いきなり最新の参考書を定価で買うのも良いですが、まずは古本や電子書籍の無料で見れる参考書などを閲覧して、自分と相性の良い著者や作家を探すことから始めましょう。例えば、図や表が多く、理解が深まりやすい、難しい用語を分かりやすく解説してくれるなどがポイントです。
相性の良い著者を見つけたら、その方の最新の参考書を購入することでコストを抑えることができます。その上で物足りなければ参考書を買い足したり、オンラインでの情報収集を行ったりすると良いでしょう。ただし、オンラインの情報収集をする際は最新の情報であるのか、信頼できる情報源があるのかを精査することを忘れないようにしてください。
知識やスキルの勉強とともにOSやプログラムを動かしてみる
情報処理安全確保支援士試験合格のためにも、知識やスキルの勉強とともにOSやプログラムを動かしてみることも試してみましょう。パソコンを全く使ったことがない状態でも合格できる可能性はありますが、難易度が上がってしまうだけであまりおすすめできません。同時に、たとえ合格したとしても知識やスキルだけでは、実務の際に困ってしまうことも考えられます。
可能であればLinuxなどのOSを利用して、簡易的なサーバーを設置してみたり、コマンドラインを触ってみたりするなど、サーバーやOS、ソフトウェアが実際に動いているのを体験してみることが大切です。もちろん、直接的に合格に影響すると断言はできませんが、サイバー攻撃がどのような形で行われるのか、そしてそれを検知するにはどのような仕組みがあるのかの根本を知っておくのは大切なことだと覚えておいてください。
情報処理安全確保支援士試験合格に向けて勉強計画を練ることも大事
情報処理安全確保支援士試験合格のためにも、余裕を持って着実に進められる勉強計画を練ることも大事です。自分自身の勉強のペースを理解した上で、毎日少しずつ、もしくは休みの日に集中して勉強するなど、無理をしない計画を考えましょう。
また、資格試験の勉強が初めての場合、いきなり情報処理安全確保支援士試験合格を目指すのではなく、ITパスポートや基本情報技術者などの資格を取得することから始めて、勉強の仕方は学ぶことから始めても良いかもしれません。何よりも基礎が身につきますし、合格するコツがつかめるようになります。
情報処理安全確保支援士試験だけでなく他の資格にも言えることですが、暗記をして合格するのではなく、きちんと理解をして合格するという考え方を持つことが大切です。
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6.まとめ
今回は情報処理安全確保支援士試験に関する基礎知識や詳細情報、情報処理安全確保支援士試験の資格取得のメリット・デメリット、情報処理安全確保支援士試験合格のための参考書の選び方や対策法についてお話ししました。
情報処理安全確保支援士試験は難易度の高い試験ではありますが、国家資格であり、これからの時代に必須の人材として考えると合格に向けて勉強することは決して無駄になりません。セキュリティのスペシャリストとして活躍したい、もしくは安心安全なシステムやサービスを提供したいとお考えであれば、前向きな気持ちで勉強を頑張っていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。