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React入門|難しすぎるReactの基本から導入、将来性などわかりやすく解説!

公開日:2024/11/28最終更新日:2024/11/30

Reactは、フロントエンド開発の世界で非常に人気のあるJavaScriptライブラリです。Reactとは、UI(ユーザーインターフェース)を効率的に作成するためのツールであり、そのシンプルさと柔軟性が多くの開発者に支持されています。特に、Reactを使うことで、コンポーネントベースの開発が可能となり、複雑なユーザーインターフェースを扱いやすくなります。


本記事では、Reactとは一体何なのか、そしてどのようにReactを使ってフロントエンド開発を効率化できるのかについて詳しく解説します。初心者から経験豊富なエンジニアまで、Reactを使いこなすために必要な情報を提供し、Reactをプロジェクトに取り入れるための手順も紹介します。

1.Reactとは?

Reactは、コンポーネントという単位でUIを構築します。コンポーネントとはUIの部品として機能し、再利用性や保守性を高めるために設計されています。

Reactの最も大きな特徴は、コンポーネント間でデータをPropsというプロパティを使って渡し、Stateという状態管理で動的なUIを実現する点です。


また、仮想DOM技術という仕組みを使って、DOMの更新効率を改善します。これによってUIの更新が高速になり、パフォーマンスの向上が図られます。

Reactは特に動的でインタラクティブなUIを必要とするSNSやECサイト、ビジネスチャットアプリなどのアプリケーションに適しています。

Reactの基本定義

Reactとは、Meta社(旧Facebook)が開発したオープンソースのJavaScriptライブラリで、主にWebアプリケーションやモバイルアプリケーションのユーザーインターフェース(UI)を構築するために使用されます。Reactを使うことで、複雑なUIを効率的に作成し、管理することができます。


Reactの中心的なアイデアは、「コンポーネントベースの開発」にあります。コンポーネントとは、UIの一部を独立して扱える部品のようなもので、UIを小さな部品に分割することで、再利用可能で管理しやすいコードを作成できます。

Reactの特徴

Reactの特徴は3つあります。それぞれの特徴を下記の表にまとめました。

特徴

説明

コンポーネントベース

UIを小さなコンポーネントで分けて開発する。コンポーネントごとに開発・テストでき、再利用性が高まる

仮想DOM

Reactは仮想DOMの仕組みを使ってUIの更新を効率化している。実際のDOMへの変更は仮想DOMでの変更と比較して最小限に抑えられるためパフォーマンスが向上

宣言的UI

UIの状態を宣言的に表現する。状態が変わるたびに自動的にUIが更新されるため、より直感的な開発が可能

このようにReactは再利用性とパフォーマンスを向上し、より直感的な開発が可能になるライブラリです。

Reactが選ばれる理由

Reactが多くの開発者に選ばれる理由は、以下のポイントにあります。

  • パフォーマンス: Reactは仮想DOMを使って、UIの更新を効率的に行います。これにより、ページのパフォーマンスが向上し、大規模なアプリケーションでもスムーズに動作します。

  • 再利用可能なコンポーネント: Reactでは、UIを小さなコンポーネントに分割して開発します。このコンポーネントは他の部分でも再利用できるため、コードが効率的で保守性が高くなります。

  • 活発なコミュニティと豊富なリソース: Reactは非常に人気が高いため、活発な開発者コミュニティが存在し、チュートリアルやライブラリが豊富に提供されています。

Reactは難しい?

Reactは、コンポーネント指向の概念を理解する必要があるため難しいと思うこともあるでしょう。コンポーネントはクラスコンポーネントと関数コンポーネントの2つのタイプが存在します。


それぞれ、使いこなすことによって効率的な処理を実装できますが、一定の経験が必要になるでしょう。


また、JavaScriptの基本的な知識が必須です。変数宣言やクラス、モジュールなどの構文を理解していないとReactでの実装はできないため、JavaScriptの基本から学習することが求められます。


これらのことからReactは難しいと言われています。しかし、公式サイトではチュートリアルも充実しているため、学習に困ることはないでしょう。

2.Reactの基本概念

Reactの基本概念について解説します。Reactを扱うようになるためには、コンポーネントや状態(State)とプロパティ(Props)などの概念を理解する必要があります。

コンポーネント

Reactの基本的な単位は「コンポーネント」です。コンポーネントとは、アプリケーションのUIを構成する小さな部品であり、状態(State)やプロパティ(Props)を持つことができます。コンポーネントは、UIの一部を表現するもので、他のコンポーネントと組み合わせることで、複雑なUIを構築できます。


コンポーネントには、下記の2種類があります。

種類

説明

関数コンポーネント

React 16.8以降、関数コンポーネントが主流になりつつある。関数コンポーネントはシンプルで、状態管理や副作用を処理するために「Hook」を利用する

クラスコンポーネント

Reactの初期から存在していた形式で、状態管理やライフサイクルメソッドをクラス内で定義

JSX(JavaScript XML)

Reactは、JSX記法を使用しています。JSX記法は、JavaScriptのコード内にHTMLのような記述を行うことです。JSX記法は、UIを宣言的に定義するため、HTMLとJavaScriptの両方の長所を活かせます。

// RenderListコンポーネントの作成

const RenderList = (props) => {

  return (<ul className="fruits">

    {props.items.map((item) => <li>{item}</li>)}

  </ul>);

}


// RenderListコンポーネントの利用

const items = ['リンゴ', 'バナナ', 'パイナップル'];

function App() {

  return <RenderList items={items} />;

}

上記のコードは、配列の値をリスト表示する簡単なコンポーネントの作成とその利用です。<li>や<ul>はHTMLで使用する記述ですが、その中に変数や関数の計算結果を出力するために波括弧({})を記述します。


このようなJSX記法はReactが解釈して通常のJavaScriptにコンパイルされます。

状態(State)とプロパティ(Props)

Reactのコンポーネントがデータを受け渡ししたり表示したりするための主要な方法として、状態(State)とプロパティ(Props)があります。この2つの概念を理解することは、Reactを効率的に利用するために重要です。

項目

説明

状態(State)

コンポーネント内部で管理される情報。Stateは、ユーザーの操作やイベントによって変更されることがある。Stateが変更されると、Reactは自動的にUIを更新する

プロパティ(Props)

親コンポーネントから子コンポーネントに渡される情報。Propsは読み取り専用で、コンポーネント間でデータを受け渡すために使用

3.React入門|導入方法

Reactを使い始めるために、導入と基本的な使い方を解説します。

  • Node.jsのインストール

  • Create React Appを使用したReactアプリケーション作成

Node.jsのインストール

まず、Node.jsをインストールしましょう。Node.jsは、サーバーサイドでJavaScriptを動作させるためのツールですが、最近ではWebpackなどフロントエンドを便利に開発するためのツールとしても使用されるようになっています。Reactの使用においても、Node.jsを利用するのが便利です。


Node.jsの公式ページからNode.jsをダウンロードし、ダウンロードしたパッケージを解凍することでインストールが始まります。インストールが完了すれば、Node.jsとnpmのバージョンを確認します。


npmはNode.jsをインストールすると一緒にインストールされるパッケージマネージャーです。

// Node.jsのバージョン確認

node --version


// npmのバージョン確認

npm -v

どちらもインストールされているバージョンが表示されていれば、インストールは成功しています。

Create React Appを使用したReactアプリケーション作成

次に、Create React Appを使用してReactアプリケーションを作成しましょう。Create React Appは、Reactプロジェクトのための環境をセットアップするための公式サポートツールで、WebpackやBabelなどの設定を自動的に行ってくれます。


下記のコマンドを実行すると、myappというReactアプリケーションを作成できます。

npx create-react-app myapp

次に、myappディレクトリに移動して開発サーバーを起動します。

cd myapp

npm start

ブラウザが自動的に開かれ、localhost:3000でアプリケーションが表示されます。

4.Reactでできることやメリット

Reactは、ユーザーインターフェース(UI)の構築を簡単にし、高速で効率的なウェブアプリケーションを開発できるライブラリです。Reactを使用することで、開発者は以下のようなメリットを享受できます。

コンポーネントベースの開発

Reactでは、UIを小さな「コンポーネント」に分割して開発します。これにより、コードの再利用性が高まり、管理やテストがしやすくなります。コンポーネント単位で開発を進められるため、大規模なアプリケーションでも一貫性を保ちながら開発が可能です。

仮想DOMによる高速レンダリング

Reactは仮想DOMを使用して、実際のDOMと仮想DOMを比較し、変更があった部分のみを効率的に再描画します。これにより、UIの更新が非常に速く、パフォーマンスが向上します。特に複雑なインタラクションを持つアプリケーションでは、ユーザー体験が格段に改善されます。

状態管理が簡単

Reactの「状態(state)」管理は直感的であり、UIの状態とアプリケーションの状態を密接に結びつけることができます。さらに、状態管理ライブラリ(例:ReduxやReact Context)を使用することで、アプリケーション全体の状態管理を一元化し、より効率的にデータフローを管理することができます。

JSXによる宣言的UI

JSXは、HTMLに似た構文でUIを定義できるため、直感的で読みやすいコードが書けます。また、JSXはコンパイルされてReactのコードとして解釈されるため、パフォーマンスの向上にも寄与します。

エコシステムと豊富なライブラリ

Reactは非常に活発なコミュニティに支えられており、多くのサードパーティ製ライブラリやツールが利用できます。React Router(ルーティング管理)や、状態管理のためのRedux、フォーム処理のためのFormikなど、開発を加速させるためのライブラリが豊富です。また、React Nativeを使えば、同じReactの知識でモバイルアプリ(iOS/Android)も開発できます。

優れた開発者ツール

Reactは、開発者向けに豊富なツールを提供しています。React Developer Toolsなどのブラウザ拡張機能を使うと、コンポーネントツリーの確認や状態のデバッグが容易に行え、効率的な開発をサポートします。

大規模アプリケーションのサポート

Reactは、大規模なシングルページアプリケーション(SPA)の開発にも適しています。コンポーネントを階層的に管理できるため、複雑なUIを効果的に構築できます。また、Reactはライフサイクルメソッドやフックを活用して、UIとデータの管理を柔軟に行うことができます。

SEO対策

Reactはクライアントサイドでレンダリングを行うため、初期表示が遅いというデメリットがありますが、サーバーサイドレンダリング(SSR)や静的サイト生成(SSG)をサポートするNext.jsなどのフレームワークを使用することで、SEOの問題を解決できます。

5.Reactでできないことやデメリット

Reactはできることとメリットが多く非常に強力なライブラリですが、いくつかのデメリットもあります。

日本語のドキュメントが少ない

Reactの公式ドキュメントは英語で書かれており、日本語のドキュメントがやや少ないのが現状です。そのため、日本語の情報を集める開発者は情報収集に苦労する場合があります。


しかし、最近ではReactの公式サイトチュートリアルが日本語で翻訳されたものを公開しており、徐々にこの問題は解決されつつあります。

国内企業で採用されているケースが少ない

Reactは世界的に広く使用されている一方で、国内企業での採用事例はまだ少ない傾向にあります。

State of JavaScript 2023」の調査結果によるとフロントエンドフレームワークの世界の利用率は8年連続でReactが1位です。国内でReactがどのくらい需要があるのかを調べるために、フリーランスボードに掲載されている求人数を見てみます。


比較の対象には、「State of JavaScript 2023」の調査で2位のVueと3位のAngularを挙げます。

フロントエンドフレームワーク

求人数(2024年11月時点)

React

15,445件

Vue

6,390件

Angular

1,170件

こうしてみてみると、Reactの求人数が最も多く、国内企業でもReactを使用したWebアプリケーション開発に力を入れようとしている動きが伺えます。そのため、これから国内でのReactの採用事例が増加していくことが予想されます。

メモリ消費量が多い

Reactは仮想DOMを使用して効率的にレンダリングを行いますが、メモリ消費が多いことがあります。特に大規模なアプリケーションや頻繁に状態が変わる場合、メモリ使用量が増加し、パフォーマンスに影響を与えることがあります。


この点は、特にモバイルアプリケーション開発において注意が必要です。

環境構築が難しい

Reactの開発環境構築は、初心者には難しいと感じる場合があります。React自体は簡単にインストール可能ですが、WebpackやBabelなどの他のツールとの連携や設定が必要な場合も多く、最初の学習コストが高く感じることがあります。


しかし、Create React Appなどのツールを使うことで、簡単に開発環境を整えることができるようになっています。

6.Reactの高度な機能とその活用方法

ここでは、React RouterやReduxを使用して、Reactでの開発をさらに効率化するための方法を解説します。Reactの導入を考えており、高度に活用したいと考えている人はぜひ最後まで読んでみてください。

React Routerによるページ遷移

React Routerを使うことで、Reactアプリケーションにページ遷移を追加できます。React Routerをインストールして、以下のように使用します。

npm install react-router-dom

import { BrowserRouter as Router, Routes, Route } from 'react-router-dom';


const Home = () => <h1>ホームページ</h1>;

const About = () => <h1>アバウトページ</h1>;


const App = () => {

  return (

    <Router>

      <Routes>

        <Route path="/home" element={<Home />} />

        <Route path="/about" element={<About />} />

      </Routes>

    </Router>

  );

};

React Routerを使用することで、このように簡単にページ遷移を実装できます。

Reduxによる状態管理

Reduxは、Reactでの状態管理を効率化するライブラリです。状態が複雑になるアプリケーションでは、Reduxを使うことで状態を一元管理できます。

npm install redux react-redux

import { createStore } from 'redux';


const rootReducer = (state = { count: 0 }, action) => {

  switch (action.type) {

    case 'INCREMENT':

      return { count: state.count + 1 };

    default:

      return state;

  }

};


const store = createStore(rootReducer);

このようにReduxを活用することで、状態管理を効率化できます。

7.React入門のためのおすすめの本やサイト

Reactに入門するためにおすすめの本やサイトを紹介します。

React入門おすすめ本

React入門におすすめの本は下記の2つです。

どちらも入門者用に解説された書籍で、基礎的な文法を中心に解説しています。少し応用的な部分としてコンポーネント指向という実装設計を解説している箇所もあります。Reactの基礎を体系的に学習しながら、実際の現場に即した内容も解説されているのでおすすめです。

React入門おすすめサイト

React入門におすすめのサイトは下記の2つです。

最もおすすめなのは、React公式サイトでの学習です。公式サイトなので、情報の間違いがありません。チュートリアルも充実しており、気軽にコードを試せるオンラインエディタもあるため環境を用意する必要がありません。


Keicode.comは、Reactを利用する開発者の人が入門者向けとして情報をまとめているサイトです。開発環境のセットアップ方法やサンプルコードを丁寧に解説しています。目次を利用してリファレンスサイトとしての活用もおすすめです。

8.Reactの将来性

Reactの将来性は高いと考えられます。その理由は下記です。

  • Web開発の需要が増加していく

  • ReactがJavaScriptフレームワークの中で利用率1位

求人サイトのフリーランスボードでは、Reactの求人が2024年11月時点で15,965件掲載されており、Web開発の中でもReactの需要が高いことがわかります。


また、2023年のState of JavaScriptの結果では、JavaScriptフレームワークの中で利用率1位がReactです。State of JavaScriptは、世界の開発者を対象に調査しているアンケート結果を公開しているサイトで毎年フロントエンド技術の動向を分析しています。この結果は、Reactが開発者コミュニティで広く受け入れられていることがわかります。


さらにReactのGitHubリポジトリのスター数が増加していることやNext.js、React Native、ReduxなどReactの周辺ツールが普及していることはReactが大きい存在であることを証明しています。


これらのことから、Reactは一定の需要がありこれからも将来性が高いことが予測できます。


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9.まとめ

今回は、モダンなフロントエンド開発を学びたい初心者プログラマーやユーザーインターフェース設計の効率化を目指しているWebデザイナーや開発者、既存のプロジェクトにReactを導入しようと考えているエンジニアに向けてReactについて解説しました。


Reactとは、UIを効率的に構築するための強力なツールであり、コンポーネントベースの開発を通じて、再利用性や保守性を高めることができます。Reactを学ぶことで、フロントエンド開発のスキルが大幅に向上し、効率的でスケーラブルなアプリケーションを作成できるようになります。

本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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