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jQueryとは?初心者エンジニア向けに基礎から実践での使用可能なコードまでわかりやすく解説

公開日:2024/11/29最終更新日:2024/11/29

Web開発を始めたばかりのエンジニアや、既存のWebサイトに動的な要素を追加したいと考えているデザイナーやコーダーにとって、jQueryとは何かという疑問を持っている人は少なくないでしょう。この記事では、jQueryの基本的な概要から、実践的な使用方法までを詳しく解説します。


特に、JavaScriptの初心者や、効率的にWeb開発を進めたいと考えている方にとって、jQueryは非常に強力で便利なツールです。動的なWebページを作成したいけれど、JavaScriptのコードが複雑であると感じる方には、jQueryが持つシンプルで短い記法が大きな助けになるでしょう。

1.jQueryとは?

jQueryは、JavaScriptのライブラリでWeb開発においてさまざまな処理を簡単に実装できるようにしたものです。そのため、プログラミング初心者や簡単にWebサイトを動的にしたいと考えているデザイナーなどにおすすめのライブラリです。


ここでは、jQueryの定義や登場した背景、基本的な特徴などを解説します。

jQueryの定義と登場した背景

jQueryとは、JavaScriptを基盤にした軽量なライブラリで、Web開発におけるさまざまな処理を簡単に実装できるようにしたものです。


具体的には、DOM操作、イベント管理、アニメーション、Ajax通信などを簡素化するためのツールです。2006年にJohn Resigによって作成され、以来、多くのWeb開発者に愛用されてきました。


当時、ブラウザ間でJavaScriptの動作が異なるため、Web開発者はコードの互換性を保つために多くの手間をかけていました。そこでjQueryは、JavaScriptのコードを短く、かつブラウザ間で互換性を保ちながら書けるようにするためのライブラリとして登場しました。

jQueryの基本的な特徴

jQueryの基本的な特徴について解説します。

特徴

説明

簡潔なコード

短いコードで強力な機能を実現でき、Web開発の効率が大幅に向上。例えば、JavaScriptでのDOM操作やイベント処理をjQueryを使用することで数行のコードで記述可能

クロスブラウザ対応

主要なWebブラウザ間の互換性問題を解決する。異なるブラウザに対応するため、記述を気にすることなく開発を進行可能

豊富な機能

DOM操作の他に、アニメーション機能や非同期通信(Ajax)の機能が豊富。動的なWebページを作成するための作業が簡単に可能

プラグインの活用

豊富なプラグインが提供されている。必要な機能をプラグインとして導入するだけで複雑な機能をすぐに実装可能。

例)カルーセル、モーダルウィンドウ、フォームのバリデーションなど

このような特徴をもつjQueryを活用することで、快適で効率的なWeb開発が可能です。

jQueryの主な使用例

jQueryの主な使用例を解説します。

使用例

説明

DOM操作

HTMLの要素に対して簡単にアクセスし、変更を加えることが可能。例)テキスト変更、CSSを動的に適用するなど

イベント管理

クリックやホバーなど、ユーザーの操作に対して反応するイベント処理が簡単に記述可能

アニメーション

Webページにアニメーション効果を加えることができ、動きのあるインターフェースを作成可能

非同期通信(Ajax)

非同期でサーバーとデータをやり取りすることで、ページをリロードせずにデータを更新したり、新しいコンテンツを読み込んだりすることができる

jQueryはこのような機能を備えており、JavaScriptでの開発を豊かにします。


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2.jQueryのインストール方法と基本的な使い方

jQueryを使い始めるには、まずインストール方法を理解しておく必要があります。jQueryは、CDNを使用して簡単に読み込むことができ、ローカルにファイルをダウンロードして利用することも可能です。ここでは3つの方法を紹介します。

CDNを使ったインストール方法

最も簡単な方法は、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)を利用することです。GoogleやMicrosoftなど、信頼性の高いCDNからjQueryを読み込むことができます。

<!-- Google CDNを利用 -->

<script src="https://ajax.googleapis.com/ajax/libs/jquery/3.7.1/jquery.min.js"></script>

CDNを利用することで、jQueryの読み込みが高速化され、特に初回読み込み時に効果的です。さらにユーザーがすでに同じCDNからjQueryを読み込んでいれば、再度ダウンロードする必要がないため、パフォーマンス向上にも繋がります。

ローカルにインストールする方法

jQueryをローカルで利用したい場合、公式サイトから最新版のjQueryをダウンロードし、HTMLファイルに読み込むことができます。

<!-- ローカルファイルを読み込む場合 -->

<script src="js/jquery-3.7.1.min.js"></script>

ローカルでの利用は、インターネット接続がない環境での開発や、CDNを利用できない場合に有効です。

HTMLにjQueryを組み込む方法

jQueryをHTMLに組み込む際、通常は<head>タグ内または<body>タグの終了タグ直前に<script>タグを追加します。

<!DOCTYPE html>

<html lang="ja">

<head>

  <meta charset="UTF-8">

  <title>jQueryの基本</title>

  <script src="https://ajax.googleapis.com/ajax/libs/jquery/3.7.1/jquery.min.js"></script>

</head>

<body>

  <h1>jQueryを使ってみよう!</h1>

  <button id="myButton">クリックしてみて!</button>


  <script>

    $(document).ready(function() {

      $("#myButton").click(function() {

        alert("ボタンがクリックされました!");

      });

    });

  </script>

</body>

</html>

上記のコードでは、$(document).ready()でDOMの読み込み完了を待ち、ボタンがクリックされた時にアラートを表示する処理を記述しています。このように、jQueryを組み込むことで、動的な操作を簡単に追加できます。

3.jQueryの基本的なDOM操作

jQueryの強力な機能の一つは、DOM(Document Object Model)を操作することです。DOMは、WebページのHTML構造をツリー状に表現したもので、jQueryを使うと、HTML要素の操作が非常に簡単に行えます。

要素の選択

jQueryでは、セレクタを使って、HTML要素を簡単に選択できます。セレクタは、CSSのセレクタに似た形式で記述できるため、直感的に使うことができます。


IDセレクタ:#を使ってID属性を持つ要素を選択

$("#myElement") // IDが「myElement」の要素を選択

クラスセレクタ:.を使ってクラス属性を持つ要素を選択

$(".myClass") // クラスが「myClass」の要素を選択

タグセレクタ:タグ名を使って要素を選択

$("p") // すべての<p>タグを選択

要素の操作

jQueryでは、選択した要素に対して様々な操作を行うことができます。


テキストの変更

$("#myElement").text("新しいテキスト");

HTMLの変更

$("#myElement").html("<strong>新しいHTML</strong>");

CSSの変更

$("#myElement").css("color", "red");

要素の追加と削除

jQueryでは、要素の追加や削除も簡単に行えます。


要素の追加

$("#parentElement").append("<p>新しい要素</p>");

要素の削除

$("#myElement").remove();

4.jQueryでアニメーションとエフェクトを作成する

jQueryは、簡単にWebページにアニメーションやエフェクトを追加できる機能を提供しています。これにより、静的なページをよりインタラクティブで動的に見せることができます。ここではアニメーションの基本や作成方法、制御方法を解説します。

アニメーションの基本

jQueryでは、アニメーションを簡単に実装できるメソッドがいくつか用意されています。例えば、要素の表示/非表示や、スライドイン/スライドアウトのようなエフェクトが、わずかなコードで実現できます。


フェードイン/フェードアウト:.fadeIn() と .fadeOut() は、要素の透明度を変化させることでフェードインやフェードアウトを実現します。これにより、要素が徐々に現れたり、消えたりする効果が得られます。

// 要素をフェードイン

$("#myElement").fadeIn(1000);  // 1000ミリ秒(1秒)でフェードイン


// 要素をフェードアウト

$("#myElement").fadeOut(1000);  // 1000ミリ秒でフェードアウト

スライドイン/スライドアウト:.slideUp() や .slideDown() は、要素を上下にスライドさせるエフェクトを実現します。例えば、メニューの開閉や、コンテンツの表示/非表示に使えます。

// 要素をスライドダウン(表示)

$("#myElement").slideDown(1000);


// 要素をスライドアップ(非表示)

$("#myElement").slideUp(1000);

カスタムアニメーションの作成

.animate() メソッドを使えば、より細かいアニメーションのカスタマイズが可能です。このメソッドは、CSSのプロパティをアニメーションで変更するために使用します。

例えば、要素の位置やサイズをアニメーションで変更したい場合、次のように記述します。

// 要素を右に100px移動させ、幅を200pxに変更

$("#myElement").animate({

  left: "100px",

  width: "200px"

}, 1000);  // 1000ミリ秒でアニメーション

上記のコードでは、要素が100px右に移動し、幅が200pxに変更されるアニメーションが実行されます。animate() では、複数のCSSプロパティを同時に変更できます。

アニメーションの制御

アニメーションは、queue() と dequeue() メソッドを利用することで、複数のアニメーションを連鎖させたり、順序を制御したりできます。また、アニメーションが終了した後に実行する処理は、コールバック関数で指定できます。

$("#myElement").fadeOut(500).fadeIn(500).queue(function() {

  alert("アニメーションが完了しました!");

  $(this).dequeue();

});

このコードでは、要素がフェードアウトした後、フェードインし、その後でアラートが表示されます。queue() と dequeue() を使うことで、複数のアニメーションを順番に実行できます。

5.jQueryを使った非同期通信(Ajax)の活用

非同期通信(Ajax)は、ページを再読み込みすることなく、サーバーと非同期でデータをやり取りできる技術です。これにより、ユーザーがページ遷移を感じることなく、新しいデータを動的に取得・表示できます。


jQueryでは、Ajax通信を簡単に実装するためのメソッドが用意されています。これを使うことで、JavaScriptでのAjax通信がシンプルに記述できます。

jQueryでの基本的なAjaxの使い方

jQueryには、いくつかのAjaxメソッドが用意されています。代表的なものは、$.ajax()、$.get()、$.post() です。


$.ajax()メソッド:$.ajax()は、最も汎用的で強力なAjaxメソッドで、リクエストの詳細な設定が可能です。例えば、サーバーにデータを送信し、レスポンスを受け取る処理を簡単に行えます。

$.ajax({

  url: "data.php",         // リクエスト先のURL

  method: "GET",             // リクエストの種類(GET、POSTなど)

  dataType: "json",        // レスポンスのデータ形式

  success: function(data) {

    // 成功した場合の処理

    console.log(data);

  },

  error: function(xhr, status, error) {

    // エラーが発生した場合の処理

    alert("エラーが発生しました: " + error);

  }

});

上記のコードでは、data.phpにGETリクエストを送り、レスポンスとしてJSONデータを受け取ります。成功時とエラー時の処理をsuccess と error に記述しています。


$.get() と $.post() メソッド:$.get()と$.post()は、GETリクエストとPOSTリクエストを簡単に送るためのメソッドです。これらは、$.ajax()よりもシンプルに使用できます。

// GETリクエストでデータを取得

$.get("data.php", function(data) {

  console.log(data);

});


// POSTリクエストでデータを送信

$.post("data.php", { name: "John", age: 30 }, function(response) {

  console.log(response);

});

これらのメソッドは、簡単なデータ送信や取得に非常に便利です。

サーバーからデータを取得し動的にページを更新

実際に、Ajaxを使ってサーバーからデータを取得し、そのデータを基にWebページを動的に更新する例を見てみましょう。

// ボタンをクリックしたらAjaxでデータを取得し、ページを更新

$("#loadDataButton").click(function() {

  $.get("data.php", function(data) {

    // サーバーからのデータをHTMLとして挿入

    $("#dataContainer").html(data);

  });

});

この例では、ボタンがクリックされたときに、data.phpからデータをGETリクエストで取得し、取得したデータを#dataContainerというIDを持つ要素に挿入しています。

6.jQueryって終わった?将来性は?

SNSやサイトでは、jQueryは終わったという意見もよく目にします。JavaScript自体が進化しておりjQueryを使う必要がないという理由が大半です。また、Web標準に対してjQueryの対応が遅れるということもあったため、jQueryは終わったという意見が飛び交っているようです。


しかし、現状のjQueryのシェア率は圧倒的です。W3Techsの調査では2024年11月時点、全てのWebサイトの中で75.6%の使用率です。しかし、2023年から2024年までの結果をみてみると、2023年11月は77.4%、2024年11月では75.6%とシェア率が減少していることがわかります。


この結果から、高いシェア率を誇るjQueryであるため、保守案件や改修案件は今後も多く掲載されることが予想できます。しかし、5年や10年など長い目で見るとjQueryの新規案件は終わらないものの、減少していくことが予想できます。


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7.まとめ

この記事では、jQueryの基本的な概念から、実際に使用するための方法までを詳細に解説しました。初心者エンジニアやデザイナー、コーダーが直面するであろう課題に対して、jQueryをどのように活用できるかを理解する手助けができていれば幸いです。


jQueryは、簡潔なコードで強力な機能を提供し、特にDOM操作やイベント処理、アニメーションを効率的に行うことができます。Ajax通信を使えば、Webページをリロードせずにサーバーとのデータのやり取りが可能となり、よりスムーズなユーザー体験を提供できます。


JavaScriptが進化しているとはいえ、jQueryは今なお多くの場面で便利であり、特に簡単に動的な要素を加えたい場合に非常に有用です。

これらを踏まえて、プロジェクトでぜひjQueryを活用し、より効率的にWeb開発を進めてください。

本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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目次

1.jQueryとは?

jQueryの定義と登場した背景

jQueryの基本的な特徴

jQueryの主な使用例

2.jQueryのインストール方法と基本的な使い方

CDNを使ったインストール方法

ローカルにインストールする方法

HTMLにjQueryを組み込む方法

3.jQueryの基本的なDOM操作

要素の選択

要素の操作

要素の追加と削除

4.jQueryでアニメーションとエフェクトを作成する

アニメーションの基本

カスタムアニメーションの作成

アニメーションの制御

5.jQueryを使った非同期通信(Ajax)の活用

jQueryでの基本的なAjaxの使い方

サーバーからデータを取得し動的にページを更新

6.jQueryって終わった?将来性は?

7.まとめ