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JavaScriptとは?初心者にもわかりやすく何ができるかや歴史、基本的な文法を解説

公開日:2024/11/02最終更新日:2024/11/02

JavaScriptとは、Webサイトに動きをつけるためのスクリプト言語で、世界中で人気の言語です。普段、パソコンやスマートフォンで目にしているWebサイトのほとんどはJavaScriptが使用されています。


では、JavaScriptにはどのような役割やメリットがあるのでしょうか。本記事では、JavaScriptの概要や役割、メリット・デメリット・優秀なフレームワークやライブラリについてわかりやすく解説します。


1.JavaScriptとは

JavaScriptとは、Webブラウザに動きをつけるためのスクリプト言語です。具体的には、リアルタイムでのコンテンツの更新や操作可能な地図の表示、2D/3Dのアニメーションなどです。


Webサイトは基本的にHTMLとCSSで構築されていますが、そこにJavaScriptでの実装を加えることで、よりWebサイトごとに独自性をもつことができます。HTML/CSS、JavaScriptの簡単な役割は下記の通りです。

言語

役割

HTML

マークアップ言語でWebサイトの構造を作成します。段落や見出し、表を定義したり、画像や動画を挿入できます。

CSS

HTMLに適用するスタイリングを指示する言語です。Webサイトの背景やフォントの色を設定したり、コンテンツのレイアウトを整えます。

JavaScript

スクリプト言語で、動的に更新するコンテンツを作成します。画像をアニメーションさせたり、マルチメディアを制御したりします。

JavaScriptの歴史

JavaScriptは1995年にブレンダン・アイク氏によって開発されました。もともとLiveScriptという名前でしたが、当時Javaが流行していたため、その流行にあやかってJavaScriptに改名されて市場に出されました。


JavaScriptが導入される前のWebサイトではHTMLしか使われておらず、静的で固定された内容しか表示できませんでした。そこで「ユーザーが操作すると反応するWebサイトの機能を提供する」という目的が生まれ、JavaScriptが開発されます。


これによって一気にWebサイトの幅が広がりました。その後のJavaScriptの進化は表にまとめました。

項目

概要

2005年

Ajaxの導入

非同期通信が可能に。これによりWebページをリロードすることなくサーバーと通信をしてデータを更新できるようになる。

2006年

jQueryの登場

JavaScriptのライブラリ。DOM操作が楽になったことや異なるブラウザ間でのJavaScriptの互換性問題を解消。

2009年

Node.jsの登場

JavaScriptコードを実行するためのプラットフォーム。フロントエンドとサーバーサイドの開発をJavaScriptで一貫して実装できるように。

2012年

TypeScriptの登場

JavaScriptの拡張版となるプログラミング言語。大規模なアプリケーション開発を可能とする。

また、2010年以降は新しいライブラリやフレームワークが登場しています。具体的にはAngularやReact、Vue.jsなどです。これらのライブラリやフレームワークによって、より高速でより複雑なアプリケーションを効率的に構築できるようになりました。


このような進化を遂げて、現在では身近なところでJavaScriptが多く利用されています。

2.JavaScriptの役割

JavaScriptの役割は簡潔に言うと、Webサイトに動きをつけることです。この役割は現在のWeb開発には必要不可欠です。ここでは、JavaScriptの役割を具体的に解説します。

サーバー側で動きをつける

Node.jsの登場によって、JavaScriptでサーバー側に動きをつけることができるようになりました。サーバー側で動きをつけるためのプログラミング言語はPHPやRubyなどが代表的ですが、フロントエンドとサーバーサイドを一貫して開発できるJavaScriptは、開発効率も向上させることができ、非常に魅力的です。


データベースにアクセスしてデータの取得・更新・削除はもちろん、リアルタイムで更新が必要なチャットやライブ配信アプリケーションの開発が可能です。

DOM要素を取得してWebサイトに動きをつける

JavaScriptを使用してWebサイトに動きをつける際に、必要な処理がDOM要素の取得です。DOM要素とは、簡単に言うとHTML要素のことです。DOM要素を取得することによって、Webサイトに構築された下記のようなテキストや画像などの要素をJavaScriptで制御できるようになります。

  • ポップアップウィンドウの表示

  • 文字や画像のアニメーション

  • スライドショー

  • 検索・ソート機能

  • アコーディオンの設定

Ajaxによる非同期通信

Ajaxの導入によって、JavaScriptは任意のタイミングでサーバーと通信を行い、必要なデータを取得してWebサイトに表示できます。Ajaxは非同期通信を行う技術で、サーバーと通信中であっても別の処理を引き続き行えるのが特徴です。


一般的なWebサイトやアプリケーションの多くに使用されている同期処理は、実行中の処理が終了してから次の処理に進むため、ユーザーは待ち時間が発生します。しかし、非同期処理が行われているWebサイトやアプリケーションでは、サーバーからデータを取得しながら画面上の操作を受け付けているため、ユーザーは待ち時間なくサービスを利用可能です。


ただし、全てのサービスが非同期処理であるべきではありません。データの不整合が発生してはいけない金融システムなどでは同期処理での実装が求められるでしょう。

イベント処理

イベント処理もJavaScriptの役割の1つです。Webサイトにはさまざまなイベント処理があります。例えば、ボタンをクリックした時の処理や画面をスクロールした時の処理などです。1つのWebサイトだけでもさまざまな種類のイベントが処理されています。


このようなイベントを制御するのもJavaScriptの役割です。

3.JavaScriptのメリット

20年以上の歴史をもち、これまで進化を遂げてきたJavaScriptは「優秀なフレームワークやライブラリが豊富」や「ユーザビリティが高いWebサイトを構築できる」「フロントサイドとサーバーサイド両方に対応可能」などのメリットがあります。それぞれ詳しく解説します。

優秀なフレームワークやライブラリが豊富

JavaScriptは、優秀なフレームワークやライブラリが豊富です。StackOverflow 2024の調査によるとWebフレームワークの使用率ランキングTOP3がNode.js・React・jQueryでした。これらは全てJavaScriptのフレームワークで、世界中で使用されている優秀なフレームワークであることが伺えます。


Web開発ではユーザーの要望やトレンドに従ってスピーディに改良することが強く求められます。そのため、フレームワークやライブラリによって開発が効率化できるのは開発者にとって魅力的なメリットです。

ユーザビリティが高いWebサイトを構築できる

JavaScriptでWebサイトに動きをつけることにより、ユーザビリティ向上の効果があります。ユーザビリティとは、ユーザーにとっての操作性の良さやユーザーの満足度を表す言葉です。ユーザビリティが向上することによって、Webサイトの評価や売り上げに直結するため、非常に重要な要素です。

フロントサイドとサーバーサイド両方に対応可能

JavaScriptはフロントエンドの実装に使われることがほとんどですが、Node.jsの環境を利用することでサーバーサイドの実装にも対応できます。そのため、Webアプリケーション開発にJavaScriptを採用することでフロントエンドとサーバーサイドで使用する言語を統一できます。


これは、開発者の学習コストの削減やコード管理の簡略化が実現でき、Webアプリケーション開発において大きなメリットです。

4.JavaScriptのデメリット

魅力的なメリットがあるJavaScriptですが、「ブラウザによって挙動に差が出る」や「他言語に比べて処理速度が遅い」「大規模開発には不向き」というデメリットもあります。それぞれ詳しく解説します。

ブラウザによって挙動に差が出る

JavaScriptは、ブラウザに組み込まれたエンジンによって動作する言語のため、デバイスやOSに関係なく動かすことができます。しかし、ブラウザには影響があります。例えば、機能によってGoogle ChromeとFireFoxで挙動が異なる場合があり、開発時には複数のブラウザで動作テストを実施する必要があります。

他言語に比べて処理速度が遅い

JavaScriptはインタプリタ言語であるため、他言語に比べて処理速度が遅いというデメリットがあります。インタプリタ言語は、プログラムで指示された行を1つずつ機械語に翻訳する言語です。そのため、一度に機械語に翻訳するコンパイル言語に比べると処理速度が遅くなってしまいます。


しかし、言い換えるとコンパイルが必要ないため実行結果を素早く確認できるというメリットもあります。処理速度がシビアに求められる開発には向いていませんが、開発効率を上げる必要があるWeb開発においてはJavaScriptが適しているでしょう。

5.JavaScriptのライブラリやフレームワークについて

ここまで、JavaScriptの歴史や役割、メリット・デメリットについて解説しました。JavaScriptが世界中で利用されている理由は、Webサイトに動きがつけられる言語であることはもちろんですが、優秀なライブラリやフレームワークが続々と登場しているのも1つです。ここでは、実装可能な機能ごとにライブラリやフレームワークを紹介します。

データの可視化

データの可視化は、管理画面やダッシュボード、パフォーマンス情報などのデータを明確に表示するために重要な機能です。データを地図やチャート・グラフで表示することで効果的に分析し、情報に基づいた意思決定の手助けをします。

主に、下記のようなライブラリが利用されています。

  • Chart.js

  • ApexCharts

  • Algolia Places

DOM操作

DOM操作によって、Webサイト上のコンテンツやスタイル、構造をJavaScriptで自由に変更することができます。主に利用されているライブラリは下記です。

フォーム機能

ほとんどのWebサイトではユーザーがWebサイト運営元に問い合わせの連絡をしたり、商品を注文したりするために、フォームが利用されています。JavaScriptライブラリは、フォームの検証やレイアウト、条件などのフォーム機能の簡素化が可能です。

  • wForms

  • LiveValidation

  • Validanguage

  • qForms

数学とテキスト関数

何かしらの計算や日付・時刻・テキスト処理が多くのWebアプリケーション開発に求められます。これらの処理をわざわざサーバーに送ることなく、フロントエンドで処理できるのがJavaScriptです。下記は数学とテキスト関数の処理で利用されているライブラリです。

  • Date.js

  • Sylvester

  • JavaScript URL

レスポンシブ開発

レスポンシブとは、異なる画面サイズに適応させることを言います。PCやスマートフォンなどの画面サイズが異なるデバイスに、Webサイトを柔軟に対応させる制作手法です。下記のフレームワークを使用すれば、レスポンシブ開発が可能になります。

  • Bootstrap

  • Ember.js

Webアプリケーションとモバイルアプリケーション開発

Webアプリケーションやモバイルアプリケーションは、ユーザーの要望やトレンドに遅れを取らないためにスピーディな開発が求められます。そこで利用されるのが下記のようなフレームワークです。

サーバーサイド開発

サーバーサイド開発には、Node.jsが利用されています。Node.jsは高速で信頼性の高いサーバーサイドアプリケーションの構築が可能です。


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6.JavaScriptの基本的な文法

JavaScriptの役割や歴史について解説してきました。ここからは実際にJavaScriptに触れるために基本的な文法についてわかりやすく解説します。

出力

ここではコンソールに出力するコードとアラートを表示するコードを紹介します。

コンソールに出力するためには、console.log();を使用します。

console.log("コンソールに出力します");

アラートは、ユーザーがアラートを閉じるまで画面操作をブロックする機能です。alert();を使用すると表示できます。

alert("アラートを表示します");

文字列

文字列として認識させる場合は、出力したい文字列をダブルクォーテーション(")かシングルクォーテーション(')で囲います。

console.log("りんご");

数値

数値として認識させる場合は、文字列とは異なりダブルクォーテーション("")やシングルクォーテーション(')は必要ありません。下記を実行すると「101」と出力されます。

console.log(100 + 1);

変数

変数を定義する場合は「let」を使用します。他には「const」や「var」がありますが、ここでは一般的な「let」を使った例を紹介します。下記の出力結果は、111です。

let x = 1;

let y = 10;

let z = 100;


console.log(x + y + z);

条件分岐(if)

JavaScriptのif文は下記の通りです。

let fruit = "apple";


if(fruit == "apple"){

 console.log("購入する");

} else {

 console.log("購入しない");

}

変数fruitがりんごだった場合「購入する」を出力し、そうでなかった場合は「購入しない」を出力します。この場合、条件に当てはまるため「購入する」が出力されます。

コメントアウト

コメントアウトは、開発者がよく使用する機能です。JavaScriptのコードを一時的に無効にする場合に使用します。ここでは1行だけコメントアウトする場合と複数行コメントアウトする場合に分けて紹介します。1行だけの場合は、コードの冒頭に「//」を記述し、複数行の場合は「/*」「*/」でコメントアウトする行を囲います。

// console.log("1行だけコメントアウトします");


/*


console.log("複数行コメントアウトします");

console.log("複数行コメントアウトします");


*/


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7.まとめ

今回は、Web開発に興味を持つプログラミング初心者やフロントエンドエンジニアやWebデザイナーとしてのキャリアを目指している方に向けて、JavaScriptについて解説しました。


JavaScriptは世界中で人気の言語です。その理由は優秀なフレームワークとライブラリにあります。Node.jsを使用すればサーバーサイドの開発が可能になり、Bootstrapを使用すればレスポンシブ対応が可能です。


またJavaScriptの拡張版言語である、TypeScriptの登場によって大規模開発も可能になりました。ぜひ、JavaScriptに触れて動的なWebサイトを作る喜びを感じてみてください。

本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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目次

1.JavaScriptとは

JavaScriptの歴史

2.JavaScriptの役割

サーバー側で動きをつける

DOM要素を取得してWebサイトに動きをつける

Ajaxによる非同期通信

イベント処理

3.JavaScriptのメリット

優秀なフレームワークやライブラリが豊富

ユーザビリティが高いWebサイトを構築できる

フロントサイドとサーバーサイド両方に対応可能

4.JavaScriptのデメリット

ブラウザによって挙動に差が出る

他言語に比べて処理速度が遅い

5.JavaScriptのライブラリやフレームワークについて

データの可視化

DOM操作

フォーム機能

数学とテキスト関数

レスポンシブ開発

Webアプリケーションとモバイルアプリケーション開発

サーバーサイド開発

6.JavaScriptの基本的な文法

出力

文字列

数値

変数

条件分岐(if)

コメントアウト

7.まとめ