「サービスマネジメントについて学びたい」「サービスマネジメントの実力を証明したい」とお考えであれば、ITサービスマネージャ試験に挑戦するのが非常におすすめです。
ITサービスマネージャ試験はIPAの実施する国家試験の中でも難易度の高い資格であり、合格することで希少性の高い人材として評価されることは間違いありません。
今回はITサービスマネージャ試験に関する基礎知識や詳細情報、ITサービスマネージャ試験の資格取得のメリット・デメリット、ITサービスマネージャ試験合格のための学習及び対策方法についてお話しします。
目次
1.ITサービスマネージャ試験に関する基礎知識
はじめにITサービスマネージャ試験に関する基礎知識について解説します。
ITサービスマネージャ試験とは
ITサービスマネージャ試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験です。サービスマネジメントとはサービスを提供する企業や組織において、顧客の要望を満たすサービスを高品質で構築と維持運営を行い、顧客満足度の向上と効率的な組織運営を行うための取り組みや考え方を指します。
ITサービスマネージャとは
そして、ITサービスマネージャとはIT技術によって開発および運営されているサービスにおいて、システムやサービスの開発から導入、運用や改善を担うことが主な役割です。
ITサービスマネージャはオンラインのサービスだけでなく、ファシリティマネジメントを意識して顧客やユーザーの状況を把握しつつ、改善を行うことも求められます。顧客にとって何が必要か、顧客が何を必要としているかを把握しつつ、改善のための解決策を提案すること、そしてビジネスのパートナーとして継続的に良好な関係を築くためにも必要な人材と言えるでしょう。
ITサービスマネジメントが必要となった背景
ITサービスマネジメントが必要となった背景として、かつては買い切りでインストールするタイプのソフトウェアが主流でしたが、現代は、システムやソフトウェアはオンラインのサービスに置き換わりつつあること、同時にオンラインとオンプレミス、マルチデバイス、マルチプラットフォームなどIT技術の複雑化による管理の難しさが挙げられます。
顧客が継続的に利用するインセンティブを提供、もしくは費用対効果が高いと感じてもらえなければ、競合他社のサービスに乗り換えられてしまうリスクが伴うのです。また、ビジネス全体がITサービスに大きく依存し始めており、サービスの停止や不具合、もしくは安定しなかったり、動作が遅かったりすることで利用する企業や組織において業務への支障が発生し、場合によっては直接的な被害も発生してしまうことも理由と言えるでしょう。
そのため、導入後の保守運用、顧客の要望を叶える改善、何よりも顧客満足度の向上が重視されるようになり、ITサービスマネジメントに関する知識やスキルを有している人の需要が高まっているのです。ITサービスマネージャとしてサービスに対する深い理解、より高品質にするための改善、顧客や従業員との円滑なコミュニケーション、そしてリーダーシップや様々な変化に対応できる能力に期待が集まっていると言えます。
ITサービスマネージャ試験の合格で目指せるキャリア
ITサービスマネージャー
システム運用部門の責任者
最高情報責任者(CIO:Chief Information Officer)
最高戦略責任者(CSO:Chief Strategy Officer)
最高技術責任者(CTO:Chief Technology Officer)
上記がITサービスマネージャ試験の合格で目指せるキャリアの一例です。
実務経験や実績の積み上げ方次第で経営層に近いポジションも狙えるのが特徴と言えます。ITサービスマネージャ試験は企業や組織の外部と内部に対して活用できる知識やスキルであることから、サービスを提供する側としてだけでなく、自社における状況の改善を担う役割も狙えるということです。
また、サービスマネジメントのスキルや考え方はIT以外の分野でも汎用性が高いことも特徴と言えます。オンラインのサービスだけでなく、オフラインのサービスを提供する事業活動においても重視すべき取り組みであることから、幅広い業界や業種で活躍することも期待できるようになるでしょう。
2.ITサービスマネージャ試験の詳細情報
次にITサービスマネージャ試験の詳細情報について解説します。
ITサービスマネージャ試験の詳細や試験日
試験名 | ITサービスマネージャ試験(SM) | |||
---|---|---|---|---|
英語名称 | Information Technology Service Manager Examination | |||
試験会場 | 全国のIPAのPBT試験(筆記)に対応した会場 ※CBT及びオンライン試験ではない点に注意 | |||
試験時期 | 年1回、春期試験時期:4月中旬 令和7年度は4月20日(日曜日) | |||
試験区分 | 午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ |
試験時間 | 9:30~10:20 (50分) | 10:50~11:30 (40分) | 12:30~14:00 (90分) | 14:30~16:30 (120分) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 記述式 | 論述式 | |
出題数 | 出題数:30問 解答数:30問 | 出題数:25問 解答数:25問 | 出題数:3問 解答数:2問 | 出題数:2問 解答数:1問 |
合格基準 | 100点満点中 60点以上 | 100点満点中 60点以上 | ランクA(合格水準にある)評価 詳細:試験要綱 | |
受検料 | 7,500円(税込) | |||
受験資格 | 特になし | |||
試験結果 | 約3ヶ月後 (令和6年度の場合、試験日が4月21日、合格発表日が7月19日) |
参考元:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sm.html
上記がITサービスマネージャ試験の詳細です。年1回の開催であること、そしてCBT方式ではなく、筆記試験であるということをまずは覚えておきましょう。
応用情報技術者、もしくはその他のIPAの実施する高度試験な試験に合格、または午前Ⅰで基準点以上を獲得している場合は、約2年間の間午前Ⅰ試験の免除を申請することができます。
ITサービスマネージャ試験は全ての試験区分において合格基準を満たす必要があることから、免除が可能な方は忘れずに免除制度を利用しましょう。
ITサービスマネージャ試験の出題範囲
次にIPAの試験要項を参考にITサービスマネージャ試験の出題範囲を区分ごとに紹介します。
・午前Ⅰ
テクノロジ系 | マネジメント系 | ストラテジ系 |
---|---|---|
・基礎理論 ・アルゴリズムとプログラミング ・コンピュータ構成要素 ・システム構成要素 ・ソフトウェア ・ハードウェア ・ユーザーインタフェース ・情報メディア ・データベース ・ネットワーク ・セキュリティ ・システム開発技術 ・ソフトウェア開発管理技術 | ・プロジェクトマネジメント ・サービスマネジメント ・システム監査 | ・システム戦略 ・システム企画 ・経営戦略マネジメント ・技術戦略マネジメント ・ビジネスインダストリ ・企業活動 ・法務 |
上記がITサービスマネージャ試験の午前Ⅰの出題範囲です。午前Ⅰは応用情報技術者試験や高度な試験と共通の内容となっており、ITに関する全般的な技術や仕組み、考え方について出題されます。サービスマネジメントの領域だけ学べば合格できる試験ではないということを理解し、技術的な部分についてもしっかりと理解を深めておくことが大切です。
・午前Ⅱ
テクノロジ系 | マネジメント系 | ストラテジ系 |
---|---|---|
・コンピュータ構成要素 ・システム構成要素
・ネットワーク ・セキュリティ ・システム開発技術 | ・プロジェクトマネジメント ・サービスマネジメント ・システム監査 | ・法務 |
上記がITサービスマネージャ試験の午前Ⅱの出題範囲です。ITサービスマネジメントを基軸とした内容が出題されるようになり、項目的には同じでも難易度の高い問題が出題されるということを留意しておく必要があります。
午前の試験は両方とも多肢選択式であるものの、100点満点中60点以上が合格基準であるため、出題範囲の内容を理解するとともに、スピーディーに正解を選べるように、過去問や問題集などで模擬的な試験対策をしておくと良いでしょう。
・午後Ⅰ:午後Ⅱ
項目 | 説明 |
---|---|
1.サービスマネジメントに関すること | ・サービスマネジメント (サービスの要求事項、サービスマネジメントシステムリスク管理ほか)など |
2.サービスマネジメントシステムの計画及び運用に関すること | ・サービスマネジメントシステムの計画 ・サービスマネジメントシステムの支援 (文書化した情報、知識ほか) ・運用の計画及び管理 ・サービスポートフォリオ (サービスの提供、サービスの計画、サービスライフサイクルに関与する関係者の管理、サービスカタログ管理、資産管理、構成管理) ・関係及び合意 (事業関係管理、サービスレベル管理、供給者管理) ・供給及び需要 (サービスの予算業務及び会計業務、需要管理、容量・能力管理) ・サービスの設計・構築・移行 (変更管理、サービスの設計及び移行 リリース及び展開管理) ・解決及び実現 (インシデント管理、サービス要求管理、問題管理) ・サービス保証 (サービス可用性管理、サービス継続管理、情報セキュリティ管理)など |
3.パフォーマンス評価及び改善に関すること | ・パフォーマンス評価 (監視・測定・分析・評価、内部監査、マネジメントレビュー、サービスの報告) ・改善 (不適合及び是正処置、継続的改善)など |
4.サービスの運用に関すること | ・システム運用管理 (運用管理、障害管理、障害時運用方式ほか) ・運用オペレーション (システムの監視と操作、稼働状況管理、ジョブスケジューリング、バックアップほか) ・サービスデスクなど |
5.ファシリティマネジメントに関すること | ・ハードウェア・ソフトウェアの基礎テクノロジ ・システム保守管理 ・データセンター施設のファシリティマネジメント ・設備管理 など |
上記がITサービスマネージャ試験の午後Ⅰと午後Ⅱの出題範囲です。記述式と論述式の試験であることから、勉強したことを言語化する能力、そして具体的な文章にする能力が必要になります。
また、問題文の説明にある状況を頭の中で整理整頓し、現実世界に落とし込んで課題や問題の解決ができるように考えられるようにすることも重要です。過去問の採点講評などをじっくりと読み解き、出題者がどのような答え方を求めているのか、またはどうすれば具体的かつ明確に伝えられるようになるのかを訓練するようにしましょう。
ITサービスマネージャ試験の受験者数・合格率
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
令和元年度秋期 | 3,388名 | 497名 | 14.7% |
令和3年度春期 | 2,018名 | 303名 | 15.0% |
令和4年度春期 | 1,954名 | 289名 | 14.8% |
令和5年度春期 | 1,936名 | 294名 | 15.2% |
令和6年度春期 | 2,000名 | 300名 | 15.0% |
上記がITサービスマネージャ試験の受験者数、合格者数、合格率です。過去5回の開催の間、約15%の合格率で推移しており、難易度が高く、合格者の希少性も高いことを示していることが分かります。
そのため、初めて資格試験に挑戦する方、もしくはIT技術に関する知識が乏しく、実務経験がない方ですと合格が難しい可能性が高いことを留意しておかなくてはなりません。
まずは基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の合格を目指し、IT技術に関する知識の基礎固めをすることから始めて、マネジメント領域をじっくりと学んだ上でITサービスマネージャ試験に挑戦するという考え方も持っておくと良いでしょう。
ITサービスマネージャ試験の申し込み手順
IPAの公式サイトで申込受付ページで申し込み
マイページでより「ITサービスマネージャ試験」を選択
入力事項を全て記載して情報を送信
クレジットカード、コンビニ、ペイジーのいずれかで支払い
申し込み後に郵送される受験票を保管
選択した試験日及び試験会場で受験
上記がITサービスマネージャ試験の申し込み手順です。2024年12月末の段階では、申し込みのURLが有効化されていないため、受験する方は申込受付期間にアクセスすることを忘れないようにしてください。
ITサービスマネージャ試験の有効期限
ITサービスマネージャ試験の有効期限は特に設定されておりません。
一度合格することで将来的に履歴書への記載が可能となります。ただし、IT技術やマネジメントに関する手法や仕組み、考え方については時系列の計画とともに変化していくことから、合格後もご自身の実力を証明するためにも、情報収集を行って知識のアップデートを行っていくことは重要です。
また、IPAの実施する試験においては、一定の期間及び定期的に内容が更新されることもあり、試験自体が廃止や新しいものに置き換わることもあるため、関連する試験においての情報収集も行って、積極的に受験と勉強を繰り返すことで、アップデートと成長を維持していくことをおすすめします。
ITサービスマネージャ試験の難易度・勉強時間
ITサービスマネージャ試験の難易度については、IPAの実施するその他の国家試験と比べても高難易度であるのは間違いありません。午前の多肢選択式の試験は一般的な受験対策と同様なペーパーテスト方式の勉強で通過できる可能性はあるものの、午後の記述式と論述式については簡単に合格できないと考えておく必要があります。
特に午後II(論述式)では、与えられたテーマやプロジェクト事例に沿って、論理的かつ実務的な知見を示す文章を書く力が求められます。
勉強時間については、午前の出題範囲を前提としておおよそですが100時間から200時間が必要となるでしょう。午後試験では実際のITサービス運用やプロジェクト管理を踏まえた事例問題が出題されるため、過去問演習に加えて問題文から出題者の意図を汲み取り、具体的に言語化するための訓練が必要です。
そのため、何時間勉強すれば勉強できると考えるよりも、過去問などの問題や解答例を見て、自分自身の言葉で実体験や知識をプロセスやサービス改善の視点で整理し、論点を論理的につなげて書けるきるように勉強していきましょう。
3.ITサービスマネージャ試験の資格取得のメリット
次にITサービスマネージャ試験の資格取得のメリットについて解説します。
ITサービスマネジメントの知識を学ぶことができる
ITサービスマネージャ試験の資格取得のメリットとして、ITサービスマネジメントの知識を学ぶことができることが挙げられます。午前と午後の2回ずつ、計4回の試験区分の出題範囲についてしっかりと勉強していくことで、ITサービスマネジメントに関する基礎と応用するための知識が得られるということです。
ITサービスマネージャ試験自体が一定の実力の証明となるということも大きなメリットであり、これから実務経験を積みたい方、もしくは今までの実務経験を対外的に証明したい方にも非常に役立つでしょう。ただし、その分難易度が高いということも忘れず、じっくりと取り組む必要があること、理論ベースの試験ではあるものの、実践に向けた理解を深める必要があるということも覚えておいてください。
キャリアチェンジやポジションアップが期待できる
ITサービスマネージャ試験の資格取得のメリットとして、キャリアチェンジやポジションアップが期待できることが挙げられます。ITサービスマネージャ試験の難易度が高く、試験の合格が希少価値が高いこと、また市場価値が高まるのが理由です。
今まではエンジニアとしてサービスの開発や運用に携わってきた方が、今度は運用や保守の領域で活躍したい、もしくは上位のポジションで自社のサービス展開をさらに拡大したい方に向いているという意味でもあります。
キャリアチェンジやポジションアップに伴って新しい実績を積むことができれば、キャリア形成にポジティブな影響になりますし、何よりも自分自身が成長し続けることでさらなる市場価値を高めることにもつながっていくでしょう。
業界や業種を問わず活躍できる可能性がある
ITサービスマネージャ試験の資格取得のメリットとして、業界や業種を問わず活躍できる可能性があることが挙げられます。ITサービスマネジメントを学ぶことで、サービスマネジメントそのものの知識やスキルも手に入るのが理由です。
オンラインサービスに限らず、オフラインや実店舗でのサービスを展開している場合でも有用なスキルであることから、サービス業全般の管理業務などでも活躍できる可能性が高いでしょう。また、ITサービスマネジメントも行えるということは非常に強いアピールポイントとなるため、今までの実務経験や職務経験を活かしながら、自分が働きやすい環境で実力を発揮できるのもメリットと言えます。
4.ITサービスマネージャ試験の資格取得のデメリット
次にITサービスマネージャ試験の資格取得のデメリットについて解説します。
資格の取得に勉強時間や費用のコストがかかる
ITサービスマネージャ試験の資格取得のデメリットとして、資格の取得に勉強時間や費用のコストがかかることが挙げられます。特に勉強時間については、単なる試験対策の勉強とは異なり、記述式と論述式に対応するための試行錯誤する時間が、受験される方の理解度によって大きく異なることに注意が必要です。
ただし、言語化や文章化が得意な方であれば、記憶と理解に集中できることから、勉強時間も大幅に低減することは考えられます。また言語化や文章化は、コツをつかめるかどうかで勉強時間が変わってくることや主観ではなく客観的に述べられるかどうかが鍵になりますので、苦手意識がある場合は早めに対策しておきましょう。
実務経験がゼロだとポジションアップは難しい
ITサービスマネージャ試験の資格取得のデメリットとして、実務経験がゼロだとポジションアップは難しいことが挙げられます。ITサービスマネージャ試験は実務経験を証明する必要がなく、前提条件として必要な資格がないのも理由と言えます。
例えば、IT業界での実務経験がゼロの状態で、ITサービスマネージャ試験の合格のみでポジションアップや上位のポジションを狙うのは難しいという意味です。そのため、ITサービスマネージャ試験の合格をきっかけとして、IT業界での実務経験を増やしていくこと、もしくは実績を積める現場に飛び込んでいくことを意識していきましょう。
小規模な企業だと資格を活用しにくい
ITサービスマネージャ試験の資格取得のデメリットとして、小規模な企業だと資格を活用しにくいことが挙げられます。例えば、MicrosoftのオフィスやGoogleのサービスのみで完結するような規模の場合、より複雑なITシステムを導入する必要はありませんし、改善のためのコストが見合わないのが理由です。
ITサービスマネージャがエンジニア職の上位ポジションであるということ、すなわち技術職であるということからも、ある程度の規模の企業や組織、もしくは複数のシステムやサービスを必要とする場合に向いているということでもあるため、資格の合格でキャリアチェンジを狙ってみたり、異なる業種へ調整してみたりすることも検討してみてください。
5.ITサービスマネージャ試験合格のための学習及び対策方法
次にITサービスマネージャ試験合格のための学習及び対策方法について解説します。
過去問に挑戦して自分の理解度を把握する
ITサービスマネージャ試験の受験に向けて、まずは過去問に挑戦して自分の理解度を把握することから始めましょう。明らかに問題文の用語や意味がわからない、もしくは難しすぎると感じた場合はIPAのITパスポート試験や基本情報技術者試験、もしくは応用情報技術者試験の参考書や問題集から挑戦することをおすすめします。
ITサービスマネージャ試験は、全ての試験区分で基準点以上、必要な評価を得る必要があります。午前の共通試験においても応用情報技術者と同程度の内容であり、同じく午後の専用の試験についてもさらに難易度が高い問題が出題されることから、ギリギリの合格を狙うというよりも、しっかりと基礎を固めた上で、難しい問題を解けるようにする勉強をすると良いでしょう。
出題範囲に合わせた参考書や技術書を読み解く
ITサービスマネージャ試験の合格に向けて、出題範囲に合わせた参考書や技術書を読み解くことも重要です。試験区分ごとに出題範囲をチェックし、受験される方自身が読みやすい、分かりやすいと感じられる参考書を購入するのがおすすめです。
特に参考書や技術書においては、執筆している著書との相性が理解度の進捗にポジティブな影響となりますので、必要な内容が記述されているかどうかとともに、誰が書いているのかを意識しておきましょう。
気に入った著者がその他の参考書や技術書を執筆している場合、対応している範囲であれば積極的に購入して知識を蓄積していくことで、関連する技術や仕組み、考え方についても吸収しやすくなります。そのため、参考書や技術書を選ぶ時は何冊かチェックすることやの参考書を手に取るということも忘れないようにしてください。
午後の記述式や論述式に向けて言語化や文章力を磨く
ITサービスマネージャ試験の午後試験(記述式や論述式)に向けて、言語化や文章力を磨くことも大切です。午前の選択式の問題については、どれか1つは答えであるため記憶と理解で合格基準を満たされる可能性はあるものの、午後の試験は具体的かつ明確な回答、文章の表現次第で評価が変わります。
言語化や文章力を磨く時に難しいのが、自分が書いた文章が正しいのかを自分自身では評価しにくいことがあります。そのため、文書生成AIのチャットなどをたたき台にしながら、具体的で明確な文章になっているかを確認していくと良いでしょう。同時に、複数のAIチャットを利用するようにして、どのような評価になっているかを違う視点からもチェックすることで、精度をあげられる可能性があることも覚えておいてください。
関連記事
システム監査技術者試験とは?基本情報やメリット・デメリット、参考書の選び方や対策方法について解説
ITストラテジスト試験とは?難易度や合格率、試験内容や勉強時間など対策方法を解説
6.まとめ
今回はITサービスマネージャ試験に関する基礎知識や詳細情報、ITサービスマネージャ試験の資格取得のメリット・デメリット、ITサービスマネージャ試験合格のための学習及び対策方法についてお話ししました。
ITサービスマネージャ試験は難易度の高い試験であり、合格することでITサービスマネジメントに関する実力を証明できるのは間違いありません。また、実務経験を積み重ねるための第一歩として、キャリアアップやポジションアップの際にアピールする時にも必ず役立つでしょう。
将来的に技術分野における高いポジションのキャリアを狙いたいとお考えであれば、合格に向けてモチベーションを高めて勉強を頑張ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。