XaaSはクラウドサービスを使って、アプリケーションやインフラなどを提供するクラウドサービスの総称です。SaaSやIaaS、PaaSなど非常に多くのサービスがあります。
上手く利用できれば、業務効率化が大きく進む可能性があります。しかし、やみくもに導入をしても思った効果が得られず、投資したコストや時間が無駄となってしまう場合もあり、注意しなければなりません。
この記事ではXaaSの特徴や導入時の注意点、さまざまあるサービスの種類や代表例を詳しく解説します。これからXaaSを導入したいと考えている方にとって有益な記事となっています。
ぜひ最後までご覧いただき、新規ビジネスの立ち上げや業務効率化を成功させてください。
目次
1.XaaSとは?
XaaS(ザース)とは、クラウドによって提供されるサービスの総称で、「X as a service」の略称です。インターネットを経由してクラウドサービスと接続し、利用する分のみサービス費用を支払う形態です。
X部分にはさまざまなアルファベットがあてはめられ、PaaSやSaaSなど多くの種類があります。
従来では自社でハードウェアやソフトウェアを用意し、維持、管理しなければなりませんでした。ハードウェアが壊れたら交換手配したり、ソフトウェアのアップデートを行ったりと、IT管理者の負担がかかっていました。
XaaSはインターネットを経由し、利用料を支払うだけでサービスを受けられます。ハードが故障しても自社で対応する必要がないため、IT管理者の負担が軽減されます。
2.XaaSが注目されている理由
XaaSが注目されている主な理由は、全世界でクラウドサービス市場が拡大しているためです。2023年に総務省が発表したデータによると、クラウドサービスがビジネス上必要不可欠となっているため、2017年から2024年までのクラウドサービス市場が右肩上がりとなっているという結果が出ています。
(出典:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd218200.html?utm_source=chatgpt.com)
クラウドサービス市場が拡大している主な理由は、働き方改革です。従来では出社して、業務アプリケーションを使うのが主流でした。しかし、リモートワークや在宅勤務などで働く場所が会社でなくなっているため、出社しなくても快適にアプリケーションが使えなければなりません。
会社内にアプリケーションが動作するサーバを置いていると、リモート先からでは動作が遅いと感じやすくなります。そこで、インターネットを経由したクラウドサービスを使うことで、会社にいる時とさほど変わらないレスポンスで業務を行えます。
こうした理由からクラウドサービス市場が拡大しているといえるとともに、XaaSが注目されるともいえます。
3.XaaS(クラウドサービス)のメリット
XaaSは便利なサービスですが、どのようなメリットがあるかわからないと本当に便利かわかりませんよね。初めてXaaSを聞いたという方でもわかりやすいように特徴を解説します。主な特徴は以下の5つです。
メンテナンス不要
好きな場所で利用できる
初期導入コスト抑えられる
すぐに利用開始できる
リソースを変更しやすい
メンテナンス運用が不要
XaaSはメンテナンス運用が不要のため、IT管理者の負荷を軽減できます。
メンテナンスはサービス提供者側で実施します。たとえば、サービスを提供しているハードウェアが故障した場合でもサービス提供者側が対応するため、IT管理者が行うことは基本的にありません。
ソフトウェアのアップデートも自動的に行われるため、最新の機能が使えるようになったり、脆弱性対策を行ってくれたりなどの利用者には嬉しいサービスが提供されます。
好きな場所で利用できる
インターネット接続ができればXaaSは利用できるため、自分が業務を行いたい場所で使えるのが特徴の1つです。
従来では業務を行うためには会社に行く必要がありました。昨今では働き方改革が進み、リモートワークや在宅勤務などの自由な働き方が求められています。
インターネット環境があれば、自宅のパソコンからでも外出先のスマートフォンからでもアクセスできるため、好きな時に好きな場所で仕事がしやすくなる効果がXaaSにはあります。
初期導入コスト抑えられる
XaaSを使うことで、従来では準備が必要であったハードウェアを用意する必要がなくなるため、初期コストを抑えやすいのが特徴です。
従来のシステム構築には、ハードウェアだけでなく、実際にシステムを作り上げるエンジニアの費用が必要となるなど初期費用がかかっていました。しかし、XaaSはすでに構築されているシステムを利用するため、初期費用がかかりにくくなります。
パソコンやサーバー、ネットワーク機器などのデバイスやソフトウェア資産を持たないことで費用を抑えられるため、他の業務に費用をかけることも可能です。効率よく費用が使えるようになるため、XaaSの導入効果は大きいと言えるでしょう。
すぐに利用開始できる
XaaSは、ハードウェアやソフトウェアを購入する必要がないため、すぐに利用できる特徴があります。
ハードウェアやソフトウェアを購入すると、選定や契約、納品などに時間がかかっていました。さらには、ものが納品されてもそこからシステム開発を行うため、実際に利用できるまでには多大な時間を要していました。
しかし、XaaSでは、すでにあるシステムを利用するため、すぐに利用開始できます。早いものでは数分で利用可能なため、導入までが非常にスピーディーです。
リソースを変更しやすい
Webサイト上の設定で、利用プランやデータ容量、オプションなどを自由に変更できるため、リソース変更に柔軟な対応ができるのはXaaSの特徴です。
たとえば、社員の増加に伴いデータ容量を増やしたい場合、従来の自社でサーバ管理している環境下では、ストレージを新たに購入し、サーバと連携しなければならないため、時間と作業の手間がかかっていました。しかし、XaaSであれば、Webサイト上でクリックするだけで、リソースの変更ができます。
4.XaaS(クラウドサービス)の注意点
XaaSは便利だからと言って、安易に導入するのは危険です。XaaS導入には気をつけなければならないポイントがいくつかあります。導入後に後悔することがないように事前に把握しておきましょう。
インターネット接続が生命線
クラウド障害に備える必要がある
エンドポイントでのセキュリティ制御が必要
利用には継続した費用がかかる
インターネット接続が生命線
XaaSを利用するにはインターネット接続が必要です。そのため、インターネット回線でトラブルがあると使えなくなってしまいます。
利用できなくなる可能性としては主に以下の2点です。
帯域やトラフィック量が増大
インターネット回線事業者側でのトラブル
個人でも企業でもプロバイダーの契約帯域によって、一人一人が利用できるインターネットの帯域には制限があります。XaaSが便利だからむやみに使いだし、使えるインターネット帯域を超えてしまうと、レスポンスが遅くなったり、そもそも使えなくなったりします。
XaaSを使う際は、どれぐらいのインターネット帯域を消費し、現状の値に追加しても問題なく使えるか確認しましょう。必要があれば、導入前にインターネット回線を増強するなどの対策を講じる必要があります。
また、場合によりインターネット回線事業者側のトラブルでインターネット接続ができないケースもあります。直近では、2022年7月2日にKDDIで通信障害が発生しました。この際は、約61時間もKDDI回線が使えなくなり、多くの企業や個人に影響が出ました。
インターネット回線事業者側によりトラブルが発生する頻度はあまり高くないですが、ないとは言えません。対策としては、回線事業者を複数契約することです。
このようにインターネット回線でのトラブルはXaaS利用にとって致命的です。事前に対策を講じてXaaSを安定して使えるようにしましょう。
クラウド障害に備える必要がある
インターネット回線だけでなく、クラウド障害に備える必要があります。
XaaSはクラウドサービスを使ってサービスが提供されています。主なクラウドサービスは以下のとおりです。
Microsoft Azure
Amazon Web Service
Google Cloud Platform
これらのクラウドサービス内でトラブルが発生すると、提供されるサービスが使えなくなる恐れがあります。
実際に2024年7月31日にMicrosoft Azureでトラブルが発生し、約9時間も世界中でAzureやMicrosoft 365などのサービスが利用できない事態が発生しました。
クラウドサービス側でトラブルが発生すると、復旧を待つ以外に方法がありません。障害発生時も業務が維持できるように、すべてXaaSを利用するのではなく、一部の業務は社内に残すなどの方法を用意して、対策を講じましょう。
エンドポイントでのセキュリティ制御が必要
パソコンやスマートフォンが直接インターネット接続してXaaSを使うため、端末側でセキュリティ対策を行わなければなりません。
企業経由でインターネット接続する場合は、FirewallやUTMなどのセキュリティ機器経由の通信となるため、セキュリティは担保されていました。しかし、自宅や外出先から直接インターネット接続してしまうと、セキュリティ機器での担保は難しくなります。
XaaSを使う場合は、端末側でのセキュリティ対策が必要です。機密情報を漏らさないためにも、誰が、どこからどんなアクセスをしているのかなどの通信情報を整理できるような仕組みと体制を作ることが重要です。
利用には継続した費用がかかる
従来は買い切りのシステムを導入したら、初期費用を払うだけで月額費用はあまりかかりませんでした。しかし、XaaSでは利用するサービスごとに料金が発生するため、継続した支払いが発生します。
利用するサービスが増えると、紐づかれる費用も増えるため管理が煩雑になりやすくなります。一つのサービスごとできちんと管理しましょう。
5.XaaSの将来性
クラウドサービス市場は世界中で右肩上がりに成長しているため、XaaSの将来性は非常に高いといえます。
従来、新しいビジネスを立ち上げようとした場合、サーバーやデータベースなど自分たちで用意する必要がありました。しかし昨今ではXaaSの登場により、インターネット接続と必要なサービスを契約するだけで必要なものを用意でき、すばやくビジネスを立ち上げられるようになりました。特にスタートアップや中小企業は、大きなビジネスチャンスをつかみやすくなるといえるでしょう。
また、XaaSの種類は日々増加しています。特定の用途に特化したサービスが登場することで、独自にカスタマイズしているシステムをXaaSに移行しやすくなり、自分たちで管理する必要がなくなります。
XaaSの利用にはセキュリティ対策などの課題もありますが、利用者側のメリットが大きく、需要は今後も増えていくため、将来性は高いと言っても過言ではありません。
6.XaaSの種類一覧と代表サービス例
XaaSの種類と代表例を紹介します。非常に多くの種類があり一度では覚えきれないかもしれません。まずは気になるものだけでも読むのがおすすめです。
SaaS
PaaS
IaaS(HaaS)
DaaS
BaaS
MaaS
RaaS
AaaS
FaaS
iPaaS
CaaS
STaaS
DBaaS
TaaS
SaaS
SaaS(サースあるいはサーズ)は、「Software as a Service」の略称であり、ソフトウェアをクラウドで提供するサービスです。XaaSの中でも知名度が高いサービスのため、耳にしただけでなく実際に利用している方は多いでしょう。
SaaS導入のメリットは以下のとおりです。
導入コストが低い
自社の環境に依存せず短期間で利用開始可能
メンテナンスやアップデートが不要
代表サービスは以下のとおりです。
Google Workspace
Microsoft 365
Chatwork
SAP Business One
Dropbox
Salesforce
PaaS
PaaS(パース)は、「Platform as a Service」の略称で、アプリケーションが動作するプラットフォームをクラウドで提供するサービスです。
PaaS導入のメリットは以下のとおりです。
開発環境の構築が不要
スケーラビリティが高い
開発時間・コストを削減
アプリケーションの動作に必要なハードウェアやミドルウェア、開発環境、OS、データベースなどの基盤が整っているため、準備に時間がかからないのが主なメリットです。
PaaSの代表例として、以下のサービスがあります。
SAP Cloud Platform
Oracle Cloud Infrastructure Platform as a Service
Salesforce Platform
kintone
IaaS(HaaS)
IaaS(イアースやアイアース)は「Infrastructure as a Service」の略称で、仮想サーバー、ストレージ、ネットワークなどITインフラをクラウド上で提供するサービスをさします。HaaSは「Hardware as a Service」の略称で、IaaSと同じ意味で使われます。
IaaS導入のメリットは以下のとおりです。
初期投資が抑えられる
リソースの柔軟なスケールアップ/ダウン
運用管理コストの削減
物理機器の購入が不要なため、初期費用が抑えられるだけでなく、リソースも柔軟に変更できるのがIaaS導入のメリットです。
IaaSの代表サービスとしては以下があります。
Amazon Web Service(AWS)
Azure IaaS
Google Cloud IaaS
DaaS
DaaS(ダース)は、「Desktop as a Service」の略称で、仮想デスクトップ技術をクラウドで提供するサービスです。
DaaS導入のメリットは以下のとおりです。
端末に依存せずデスクトップ環境を利用可能
セキュリティ強化
運用管理の一元化
セキュリティパッチ適用やアップデートを一斉に行えるため、デバイスの安全性を確保できるだけでなく、セキュリティ対応をすぐに行えます。
DaaSの代表的なサービスは以下のとおりです。
Amazon WorkSpaces
Azure Virtual Desktop
NEC Cloud DaaS
BaaS
BaaSには以下4つの意味があります。それぞれを解説していきます。
Backend as a Service
Backup as a Service
Blockchain as a Service
Banking as a Service
Backend as a Service
モバイルデバイスのバックエンド機能をクラウド上で提供しているサービスです。プッシュ通信機能やユーザ管理機能を搭載し、効率よくアプリケーション開発ができるメリットがあります。
Backend as a Serviceが有している主な機能は以下のとおりです。
アカウント管理機能
データストア機能
プッシュ通知機能
サーバサイド処理実装機能
分析機能
どれもアプリケーション開発に集中しやすい仕組みとなっているため、スピーディーにモバイルアプリ開発が可能となります。
Backup as a Service
データのバックアップ機能をクラウド上で提供しているサービスです。サイバー攻撃や災害に備えてデータのバックアップを行えます。必要なリソースを利用できるため、不要な費用が発生しにくいのがメリットです。
Blockchain as a Service
ブロックチェーンシステムの開発をクラウド上で提供するサービスです。開発環境構築には時間がかかることが多いため、BaaSを使うことで、アプリケーション開発に集中できるメリットがあります。
また、ブロックチェーンは機密性が高い情報を扱うため、取り扱いには注意しなければなりません。重要なデータをBaaS内で暗号化してくれるため、外部の攻撃から守ることも可能です。
Banking as a Service
銀行が提供してきた為替・預金・融資機能をクラウド上で利用可能にするサービスです。BaaSを利用することで、どんな事業者でもキャッシュレスや後払い決済の導入が容易になりました。
フィンテックやキャッシュレスの流れからBaaSの注目度が高くなっており、ファッション通販大手のZOZOTOWNで展開している「ツケ払い」はBaaSの一種です。
IDaaS
IDaaS(アイダース)は「IDentity as a Service」の略称で、クラウド上でID管理ができるサービスです。
IDaaS導入には以下のメリットがあります。
セキュリティ強化
利便性の向上
アクセス履歴を記録できる
多要素認証や複数のサービスに対して1つのID・パスワードでログインができるシングルサインオン(SSO)の利用が可能になるため、利用者の利便性が上がります。また、アクセス履歴を記録できるため、セキュリティ強化にもつながるのがIDaaS導入のメリットです。
IDaaSの代表サービスは以下のとおりです。
Azure Active Directory
Google Cloud Identity
Oracle Identity Cloud Service
SAP Cloud Identity Access Governance
Okta Identity Cloud
Trust Login
MaaS
MaaS(マース)とは、交通手段の予約や決済などの機能をクラウド上で提供する統合サービスです。「Mobility as a Service」の略称です。
MaaS導入には以下のメリットがあります。
移動の利便性向上
効率的な交通インフラ活用
サステナビリティ向上
さまざまある交通機関を一つのサービスに統合できるため、予約や支払いを一元化したり、複数の交通機関を使ったルート検索ができます。バスや電車以外にもシェアサイクルやカーシェアサービスもMaaSの対象です。
MaaSの代表サービスは以下のとおりです。
EMot
my route
setowa
PassRu
RaaS
RaaS(ラース)は、「Retail as a Service」の略称で、小売業のサービス化をさします。
RaaS導入のメリットは以下のとおりです。
初期コストの削減
迅速な市場参入
データ活用
RaaSを利用することで、小売業の運営に必要なテクノロジーや物流、在庫管理、決済システムなどをすぐに使用できます。効率よく小売業を始められるのがメリットです。
代表例は以下のとおりです。
Amazon Go
Just Walk Out
Shopify
AaaS
AaaS(アース)は、「Analytics as a Service」の略称であり、解析・分析ツールをクラウド上で提供するサービスをさします。
AaaS導入のメリットは以下のとおりです。
高度なデータ分析が可能
初期投資が低い
専門知識が不要
ビッグデータの解析や分析を高速化できるだけでなく、高度なデータ分析を最小限の費用で始められるメリットがあります。
AaaSの代表サービスは以下のとおりです。
Google Analytics
IBM Watson Analytics
Microsoft Azure Data Lake Analytics
FaaS
FaaS(ファース)には以下2つの意味があります。それぞれを解説していきます。
Framework as a Service
Function as a Service
Framework as a Service
アプリケーション開発に必要なフレームワークやライブラリをクラウド上で提供するサービスです。Framework as a Serviceを利用することで、開発者は環境構築やライブラリのインストールに時間をかけることなく、すぐに開発を開始できます。AWS AmplifyやGoogle Firebase、Microsoft Azure SDKが主なサービスです。
Function as a Service
サーバレスでのアプリ開発やセットアップを実現するクラウドサービスです。開発者はインフラ管理を意識することなく、特定のタスクや関数だけをデプロイして実行できるのが特徴です。サービスの代表例として、AWS Lambda、Google Cloud Functions、Microsoft Azure Functionsがあります。
iPaaS
iPaaS(アイパース)は、様々なクラウドや多種多様なシステムやデータを統合し、自動化するための機能を提供するクラウドサービスです。
iPaaS導入のメリットは以下のとおりです。
異なるシステムの統合が容易
業務効率向上
柔軟なデータ連携
オンプレミスとSaaSサービスを連携するためには、専門的な知識とリソースがなくてはなりません。しかし、iPaaSを使えば容易にシステム連携ができ、業務効率化をすばやく行えるようになります。
iPaaSの代表サービスは以下のとおりです。
MuleSoft
Power Automate
Zapier
CaaS
CaaS(カース)は、コンテナオーケストレーションをクラウド上で提供するサービスです。コンテナオーケストレーションとは、コンテナ化されたアプリケーションのデプロイやクラスタ管理、スケーリング、障害対応などコンテナ管理に関することを自動で行う仕組みです。
従来ではエンジニアがコンテナオーケストレーションの設定を行っていたため、導入まで時間がかかっていましたが、CaaSを使うことで短時間で導入が可能になりました。
CaaSは、アプリケーションの開発環境を提供しているため、PaaSに分類されることもあります。
主なサービスは、以下のとおりです。
Docker
Kubernetes
AWS Fargate
STaaS
STaaS(スタース)は、ストレージをクラウド上で提供するサービスで「Storage as a Service」の略称です。
STaaSの導入メリットは以下です。
スケーラビリティの柔軟性が高い
コスト効率がよい
データ保護
STaaSはデータ容量を自由に変えられるメリットがあります。従来のオンプレミスではデータの増加に対応するためには、追加ストレージを購入し物理的に接続する必要があり、手間と時間がかかっていました。STaaSはストレージの増減をクラウド上でできるため、必要なデータ容量をすぐに確保できます。
STaaSの代表サービス例は以下のとおりです。
Amazon S3(Simple Storage Service)
Google Cloud Storage
Microsoft Azure Blob Storage
DBaaS
DBaaS(ディービーアース)は「Database as a Service」の略称であり、データベースをクラウド上で管理するサービスです。
DBaaS導入のメリットは以下のとおりです。
運用管理の負担軽減
高可用性
コスト削減
柔軟なスケーリング
データベースを増設するために新たに機器を用意すると費用がかかり、高額となる場合もあります。さらには、将来を見越して用意したが、使わなかったということもあり、かけた費用が無駄になることもあります。
DBaaSを使うことで、必要な時に必要なリソースを使えます。将来性を見込んで投資する必要がないため、費用を効率的に使えるのが大きなメリットの1つです。
DBaaSの代表サービス例は以下です。
Amazon RDS for MySQL
Google Cloud SQL for MySQL
Microsoft Azure Database for MySQL
TaaS
TaaS(タース)は「Testing as a Service」の略称で、アプリケーションやシステムテストの環境をクラウド上で提供するサービスです。
TaaS導入のメリットは以下のとおりです。
コスト削減
迅速なテスト
専門知識不要
多様なテスト
基本的にシステムテストを行う際は、テスト環境を構築して検証を行うため、物理的な機器が必要になったり、本番環境とは異なる機器を新たに用意したりする場合があります。費用だけでなく、用意する時間やコストもかかってしまうと言う課題がありました。
TaaSを使うことで、テスト環境をクラウド上で用意でき、負荷テストや機能テスト、セキュリティテストなどさまざまなテストをすぐに実施できます。時間もコストも効率よく使いテストができるのはTaaSのメリットです。
TaaSの代表サービス例は以下のとおりです。
BrowserStack
Sauce Labs
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7.まとめ
今回はXaaSの特徴から導入時の注意点、さまざまある種類や代表的なサービスをお話ししました。
XaaSはさまざまな使い方があり、使いこなせると業務効率化を促進できる効果が期待できます。しかし、注意点を考慮し、対策を講じなければ、導入後に後悔する可能性が高くなってしまいます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。