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PHPとPythonの違いを徹底比較|特徴・将来性・Web開発/AI開発など得意な開発領域を解説

公開日:2025/02/14最終更新日:2025/02/17

プログラマーやシステムエンジニアなどのITエンジニアを目指す時の悩みの1つが「勉強するプログラミング言語の選び方」です。学ぶプログラミング言語によって、どのような分野にかかわることが多くなるかが変わってきます。そのため、それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。


本記事では複数あるプログラミング言語の中から、PHPとPythonに着目して特徴や用途を中心に紹介していきます。


1.PHPとは

PHPは「Hypertext Preprocessor」の略でプログラミング言語の1つです。主に動的なWebページやWebコンテンツの作成時に「サーバーサイド言語」として使用されます。また、PHPはコンピュータが理解しやすく変換する作業を必要としない「スクリプト言語」でもあるのです。


PHPの特徴は以下のようなものがあります。

  • コンパイルが不要

  • データベースとの連携が容易

  • Web系のシステムやサービスと相性抜群

それぞれ詳しく見ていきましょう。

コンパイルが不要

通常のプログラミング言語では実行する際にコンパイルを必要とします。コンパイルとは作成したプログラムをコンピュータが理解できる形式に変換する作業です。


しかし、PHPでは実行の際にコンパイルを必要とせず、記述後に動作確認をすぐに行えるため、開発スピードの向上が期待できます。また、修正や改修による変化の確認もすぐに行えるため、開発者にとって魅力的です。

データベースとの連携が容易

データベースとは、「決められた形式でデータの整理や管理を行う仕組み」を指します。例えば、社員や顧客の情報、履歴などのデータです。


PHPには、MySQLやPostgreSQLなどのデータベースと連携するためのライブラリ(特定の処理をまとめたもの)が存在します。そのため、データベースから情報の取得や情報の編集などが容易に実現可能です。

Web系のシステムやサービスと相性抜群

PHPは、操作に応じた表示内容の変化やポップアップの表示などの「動的なWebページ作成」に適してます。サイトへのログイン後に表示項目の変化やメッセージの表示などが対象です。それを実現するにはデータベースから情報を取得して表示する処理が必要になります。


PHPは前述にもあるようにデータベースとの連携も容易です。また、Webページを構成するHTML内にPHPの処理を埋め込むこともできるため、Web開発では重宝されています。


実際にPHPで作成されたサイトは以下の通りです。

  • 楽天市場

  • Wikipedia

  • X(旧Twitter)

  • Facebook

  • ぐるなび

上記からもわかる通り、「SNS」「ECサイト」「予約サイト」などのさまざまなWebサービスで活用されています。

2.Pythonとは

Pythonは無償で提供されるオープンソースのプログラミング言語です。Web開発も可能ですが、最近ではAI開発やデータ解析などの分野でも活躍しています。ちなみにPythonもスクリプト言語です。


Pythonの特徴は以下のようなものがあります。

  • 構文が簡単

  • 高い汎用性と豊富な動作環境

  • AIやデータ分析に最適

それぞれ詳しく見ていきましょう。

構文が簡単

Pythonは何と言っても「文法がシンプル」なのが強みです。

Javaと比較して文法の簡単さを確認してみましょう。

例)「Program」を表示する処理

Java

Python

public class Example {

public static void main(String[] args) {

System.out.println("Program");

}

}

print('Program')

Javaでは文字を出力するだけでもクラスとメソッドと呼ばれる枠を作成し、出力処理を記載するといった複数行を必要とします。しかし、Pythonの場合はその枠を必要とせず、1行で記載できるのです。


そのため、記述するコード量が少なく、シンプルな構成になっているため、初心者であっても理解するまでに多くの時間を必要としません。

高い汎用性と豊富な動作環境

前述にもあるようにPythonはWeb開発以外にもAIやデータ解析、アプリなどのさまざまな開発に使用可能です。

その理由の1つが豊富な動作環境にあります。Windows、Mac、LinuxなどのさまざまなOSをサポートしているため、開発者が慣れた環境やプロジェクトに合った環境での作業も可能です。


また、オープンソースなこともあって、企業や個人などが作成した複数のライブラリがあります。用途に合わせて選定する必要はありますが、しっかり活用することで効率的な開発の一助となるでしょう。

AIやデータ分析に最適

AIやデータ分析の処理を実現するためには、データの特徴を解析して、予測や分類などを行う「統計学」や「機械学習」などの複雑な手法を必要とします。


Pythonではその複雑な手法をシンプルかつ少ないコード量での実装が可能です。また、専用のライブラリもあり、効率よい開発も期待できます。そのことから、AIエンジニアやデータサイエンティストには非常に重要視されているプログラミング言語になっています。


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JavaとPythonの違いとは?文法比較などエンジニア初心者から現役開発者向けに解説

3.PHPとPythonを比較

PHPとPythonの人気度

人気度といっても、開発の分野やエンジニアによって異なるでしょう。そのため、プログラミング言語の人気度を評価し発表している「TIOBE index」のデータを確認したところ、2025年1月時点で「Pythonは1位」で「PHPは13位」でした。


Pythonが高評価なのは、AI技術やデータサイエンスといったPythonと相性が良い分野の著しい発展が大きな要因です。身近なものでは顔認識システムや自動運転システム、検索エンジンやECサイトなどでのおすすめ機能など、さまざまな分野に活用されている分野のため、この人気度も頷けます。


今後の発展も注目の開発言語です。


一方、PHPですが、2024年1月の7位から順位は下がっております。その背景としては、Web開発においては依然需要はあるものの、RubyやPHPからの派生言語「Hack」などの代替として利用可能な開発言語の登場が影響していることが考えられます。

今後のWeb開発における需要に関しては少し不安が残るでしょう。

PHPとPythonのコンセプト

PHPとPythonではプログラミング言語としてのコンセプトが違います。


PHPのコンセプトは「HTMLを取り込み、迅速なWeb開発を行うこと」です。動的なWebページを素早く開発できるようにHTMLやデータベースとの連携を容易にする仕組みになっています。


一方、Pythonのコンセプトは「コードの読みやすさ」で、誰でも理解しやすいシンプルな文法が重視されているのが特徴です。そのため、チーム開発やAIやデータ分析などの複雑な開発にも適しています。

PHPとPythonの汎用性

これに関してはPythonの方が高いと言えるでしょう。PHPはWeb開発に特化した言語なのに対して、PythonはWeb開発以外にもAIやデータサイエンスの分野と多岐にわたっています。

PHPとPythonの学習難易度

基礎学習の段階ではどちらもコードの理解が容易で、コード量が少ないという特性から同程度です。


問題は実務レベルの学習ではどうかということになります。

PHPは前述の通り、「HTML/CSS」「JavaScript」「データベース」などのWeb開発で使用される他の要素の学習が必要です。


Pythonは現場によるとしか言えません。AI技術やデータサイエンス関連の高度な技術では機械学習や統計学などの学習難度の高い専門的な知識が必要です。


このように比較すると実務レベルにおいて、専門知識を必要とする場合はPythonの方が難易度が高いと言えるでしょう。

PHPとPythonの正社員求人・案件数

次は求人数での比較をしていきます。

PHPとPythonそれぞれの正社員での求人数は以下の通りです。

正社員求人・案件数

PHP

Python

  • マイナビ転職:1,347件

  • indeed:175,168件

  • duda:9,221件

  • 求人ボックス:89,907件

以上のことからもわかる通り、Pythonが圧倒的に多いことがわかります。

しかし、PythonはAIやデータ分析、Web開発などの様々な分野を含む求人数なのに対し、PHPはWeb開発の分野のみの求人数と考えると需要がないわけではないでしょう。


これらの結果から単純な求人数で考えれば、転職や就職という面ではPythonの方がおすすめです。

PHPとPythonのフリーランス求人・案件数

PHPとPythonそれぞれのフリーランス求人・案件数についても比較してみました。


PHP

Python

求人数に比べて案件数においてはPHPの圧勝という結果です。PyhonはAIなどの最新技術は多くの企業内でノウハウを中期的に蓄積したいなどの理由により外部などへの委託は少ないため、Web開発という委託しやすい分野中心のPHPの方が多くなっていると言えます。


フリーランスや副業として行うにあたってはPHPの方が優れていると言えるでしょう。

PHPとPythonの将来性

どちらの言語も将来性が期待できます。


PHPはWeb開発では代替言語は登場しているものの、それらの言語に比べてノウハウやライブラリなどはまだ多いため、今後も需要はあるでしょう。また、最近ではWordPressなどのWebサイト制作に関する機能を持ったCMS(コンテンツ管理システム)での利用が増えてきております。


Web開発とCMSの需要がある限りは求められ続けるでしょう。


対して、PythonはAIやデータサイエンスでの高い需要以外にも「フィンテック(※1)」「ブロックチェーン(※2)」といった新しい分野での活躍が期待されています。AI技術での幅広い活用も、新たな技術への活用もオープンソースならではの豊富なライブラリやシンプルな構文が大きなポイントです。


以上の内容から将来性という面では新たな技術に次々と活用されているPythonの方が高いと言えるでしょう。


※1:フィンテックとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融と情報技術をかけ合わせた技術のことです。


※2:ブロックチェーンは、取引履歴を暗号化して時系列で管理する技術になります。取引履歴を「ブロック」という単位で管理し、それを時系列で鎖(チェーン)のように連結するため、このような名称なのです。

4.PHPとPythonの選び方

目的と用途

PHPとPyhonは目的や用途に違いがあります。それぞれの得意な分野を知り、選定することが重要です。


それぞれが活用される分野を見ていきましょう。


【PHP】

  • Webサイト作成

  • CMS開発

  • Webサービス開発

  • Webアプリケーション開発

【Python】

  • AIの開発(機械学習を用いた開発も含む)

  • データ分析

  • Webアプリケーション開発

  • 組み込みアプリケーション開発

以上の内容からもわかる通り、Web開発に携わりたいなら「PHP」、AIやデータサイエンスなどの最新技術にかかわりたいなら「Python」と認識していれば良いでしょう。

キャリア

キャリアにおけるPHPとPythonの選び方は簡単で「Web開発ならPHP」「AIなどの最新技術ならPython」です。


PHPは「Web開発」という分野に限れば、求人も案件も豊富にあります。

また、「HTML/CSS」「JavaScript」「データベース」の関連分野を学ぶことで、プログラミングがメインのプログラマから設計などの上流工程に関わるシステムエンジニアへのキャリアアップを目指すこともできるでしょう。


PyhonはAIやデータサイエンス以外にも、さまざまな最新技術に活用されることが期待されております。未経験の場合はPHPと同様のWeb開発から経験を積むことになる可能性もありますが、将来的に最新技術での活躍を目指すならPythonが最適です。


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5.PHPとPythonエンジニアが気になる質問

PHPとPythonって似ている?

どちらもバックエンド開発で活用される開発言語であり、文法が簡単という共通点はあります。そのため、似ていると感じるかもしれませんが、実用面では、PHPはWeb開発、PyhonはWebやAIなどの複数の分野と活用分野は異なるため、似ているとは言えないでしょう。

PHPとPythonって組み合わせて利用できる?

PHPとPythonって組み合わせは利用可能です。


PHPの「exec」「shell_exec」関数を使用し、システムコマンドを実行することでPythonスクリプトを呼び出せます。また、API(システム同士が通信を行うための仕組み)を利用して、PHPからAPI経由でPythonのシステムを実行、その逆も可能です。


Pythonには機械学習やデータ処理に適したライブラリが複数あるため、PHPのWebシステムとの連携が行われる場合もあります。

6.まとめ

本記事ではPHPとPythonを用途や特徴、将来性などのさまざまな要素で比較しました。


プログラミング言語を選ぶ基準は以下のことが大切です。

  • 開発したい分野

  • ニーズや将来性

  • 学習の難易度

紹介した内容以外も調べることで自分に合った選択をできるようにしましょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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