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Pythonとは?何ができるかや入門用の基本的な書き方などわかりやすく解説

公開日:2024/11/03最終更新日:2024/11/03

Pythonは、1991年に登場したオープンソースのプログラミング言語で、これまでにさまざまな機能を向上させています。シンプルな文法で汎用性の高い言語として人気の言語です。


本記事では、Pythonの歴史や需要と人気の理由、Pyrhonで何ができるのかや基本的な使い方をわかりやすく解説します。


1.Pythonとは

Pythonはオープンソースのプログラミング言語で、AI開発で注目を浴びています。シンプルで読みやすいという特徴をもち、AI開発だけでなく数値計算からWebアプリケーション開発など幅広い用途があるのが魅力です。


ライブラリやフレームワークが豊富でさまざまな開発に活用できることや、大規模な開発者コミュニティがあることから初心者からベテランまでの広い層に人気です。


主な特徴は、インタプリタ言語であることです。インタプリタ言語とは、人が書いたプログラムを1行ずつ機械語に翻訳して実行することです。JavaやC言語の場合は、プログラムを機械が認識できるように変換するためのコンパイルを実行する必要がありますが、インタプリタ言語はコンパイル作業が不要になります。


変換作業とコンパイル作業を同時に行うため、実行速度は遅くなりがちですが、動作確認しながらコーディングできるためエラーの検知が迅速にできます。

Pythonの歴史

1991年にオランダ人のGuido van Rossum氏によって開発されました。2000年にPython 2.0がリリースされ、GoogleやInstagramなどの開発に採用されたことで一気に人気を集めました。


Python 2.0では、さまざまな機能が向上しています。具体的にはガベージコレクションのアルゴリズムの改良やUnicodeサポートの追加などです。ガベージコレクションは、プログラムが確保しているメモリ領域のうち、不要になったものを自動で解放する機能です。


ガベージコレクションが登場するまでは、メモリの確保と解放を開発者が明示的に処理する必要があり、処理を書き忘れることによってエラーが発生してしまう問題が起きていました。そのため、ガベージコレクションによってこの問題が解消されることは開発者にとって非常に便利な機能としてPython 2.0は多くの人に評価されました。


また、Unicodeサポートが追加されたことでマルチバイト文字の取り扱いが向上し、国際対応が進んでより多くのユーザーがPythonを利用できるようになりました。


2005年には、DjangoというWebアプリケーションフレームワークが誕生し、複雑なデータベース主体のWebサイト構築を簡略化できるようになりました。その後続々とフレームワークが追加されています。


現在主流とされているのは2008年に公開されたPython 3.0です。世界的なWebサービスの開発言語にも採用されながら、AI開発でも標準的に利用される言語へと成長しています。

Pythonの需要と人気

StackOverflowの2024年の調査によると、世界で最も人気のあるプログラミング言語3位にPythonがランクインしています。2023年の調査でも3位を獲得しており、高い人気を維持していることがわかります。


Pythonは統計やデータ分析に強さを発揮できる言語であるため、データサイエンスの分野で高い需要があります。Pythonにはデータ処理に優れたライブラリが用意されているため、データサイエンスの分野に応用しやすいというメリットがあります。


ビッグデータの活用がビジネスで注目されている今、データサイエンスの分野で活躍できるPythonは今後も需要が高まり続けるでしょう。


また、Pythonは機械学習やAI開発ができる言語です。5Gの普及によりAIを活用したIoTが活性化されるのが予測されており、AI分野でもPythonの需要が拡大するでしょう。

2.Pythonができること

需要と人気が高いPythonですが、具体的にできることは何があるのでしょうか。PythonはAIや機械学習開発・データ分析・Webアプリケーション開発・自動化・ブロックチェーン技術開発ができるプログラミング言語です。それぞれ詳しく解説します。

AIや機械学習開発

Pythonは、AIや機械学習の開発が可能です。これらの開発を可能とするライブラリが充実しており、シンプルなコードで高度な開発が実現できます。代表的なAI・機械学習開発のライブラリには、Numpy・SciPy・pandasなどがあります。


また、AIや機械学習開発へのPythonの活用例はネットショッピングにおけるおすすめ商品の提示などがあります。ユーザーごとの商品閲覧や購入履歴などのデータを収集し、関連性が高い商品をおすすめ表示することが可能です。


AIや機械学習の分野は急速に進化と普及を遂げており、今後も飛躍し続けることが予想され、それに伴ってPythonが活用されるシーンも増加するでしょう。

データ分析

Pythonはデータ分析や可視化が得意な言語です。データ分析のライブラリやフレームワークを活用することにより、データ抽出や加工・分析の作業が容易になります。データ収集したデータを可視化するライブラリとして人気なものにMatplotlibがあります。


総務省の令和2年情報通信白書でデータ分析は、ビジネス改善の示唆を得るのに重要視されており、ここ数年でデータ分析による企業経営の高度化が進められています。


データ分析を含むデータサイエンスの分野で強みを発揮できるPythonは今後も活躍するでしょう。

Webアプリケーション開発

Pythonは、Webアプリケーション開発ができる言語です。PythonはDjangoやFlaskをはじめとしたWebアプリケーション開発向けのフレームワークが充実しています。これらのフレームワークはWebアプリケーション開発の迅速な処理や機能追加を対応可能にします。


世界的に有名なYouTubeやInstagramなどもPythonで開発されています。

自動化

Pythonの活用によって、事務作業などの自動化が可能です。これは専門的な知識がある開発者でなくても日常の業務に活用できます。日々繰り返し行っている定常業務の手順をPythonでプログラミングすることで自動化が可能となり、業務効率化を図ることが可能です。


具体的には、Webブラウザのログイン操作の自動化やWebサイトの情報を収集・加工するスクレイピングが実現できます。また、ExcelやWordファイルからデータ抽出して新しいファイルを新規作成するというようなことも可能です。


このような自動化にはopenpyxlやSeleniumなどのライブラリが活用されています。

ブロックチェーン技術開発

Pythonはブロックチェーン技術開発にも活用できるライブラリが用意されています。ブロックチェーン技術は、取引情報などのデータを暗号化して分散型の箱に格納する技術で、金融や医療などの業界で活用されています。


代表的なライブラリにはweb3.pyやhashibなどがあり、これらによってPythonでブロックチェーンアプリケーションを開発することが可能です。

3.Pythonで開発するメリット

Pythonが活用されているケースを含めて、Pythonでできることは多岐に渡ります。しかし、なぜPythonが選ばれるのでしょうか。ここでは、Pythonで開発するメリットについて解説します。

文法がシンプルで初心者でも習得しやすい

Pythonの大きな特徴の1つは、文法がシンプルということです。これは、プログラミング初心者にとって習得のハードルが下がり、覚えやすいメリットです。


文法がシンプルであることは、誰が見てもプログラムが読みやすく、他人が書いたコードを修正する場合もコードの複雑さでバグを発生させてしまうというケースを少なくする効果があります。


シンプルにしている理由の1つは、オフサイドルールが適用されていることです。プログラミングにおけるオフサイドルールとは、処理のまとまりをブロックごとに字下げすることで処理の範囲を指定することです。


これは処理の始まりと終わりがわかりやすくなる効果があり、誰が見てもわかりやすいコードになります。

機械学習やWebアプリケーション開発のライブラリが充実している

Pythonは前章でも解説した通り、機械学習やWebアプリケーション開発のライブラリが充実しています。あらゆる分野で活躍できることはPythonの強みでありメリットです。下記は、Pythonライブラリとカテゴリ、特徴をまとめた表です。

ライブラリ

カテゴリ

特徴

Polars

データ操作

高速処理、高いメモリ効率、大規模データ効率化

Vaex

データ操作

大規模データセット処理、高いメモリ効率

Plotly Express

データ可視化

デフォルトデザインの美しさ、インタラクティブなグラフ作成

Matplotlib

データ可視化

多種多様なグラフ作成、高い互換性

Numpy

機械学習

高速な数値計算、大量のデータ処理

PyCaret

機械学習

AutoML、実験管理、機械学習ワークフロー自動化

Pandas

データ分析

柔軟なデータ構造、高速処理、データ可視化ライブラリとの連携

Apache Spark

データサイエンス

ビッグデータの高速処理


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4.Pythonで開発するデメリット

メリットと合わせて、デメリットについても解説します。

実行速度が遅い

Pythonはインタプリタ言語であるため、実行速度が遅いというデメリットがあります。さらに、動的型付き言語であるため他のインタプリタ言語と比較しても実行速度が遅くなりがちです。そのため、基幹システムや大規模システム、ゲーム開発などの処理速度が重要なシステムには不向きです。

インデントが必要

前章で解説した通り、Pythonはオフサイドルールを適用しているため字下げによって処理のブロックを判断しています。そのため、インデントが必須です。


もし、インデントなしで記述したりインデントがずれたりすると正しい処理のまとまりを判断できないため、エラーの発生に繋がります。オフサイドルールには可読性を向上させるという利点はありますが、Pythonのコードを記述する際には空白の数に注意が必要です。

5.Pythonの基本的な使い方

ここでは、Pythonの基本的な使い方について解説します。メリットである文法がシンプルという点がわかりやすいように、他の言語との比較も行います。

出力

下記は、「Hello World」と出力するPythonのプログラムです。

print("Hello World")

Javaで同じような処理を記述すると下記のようになります。

public class Hello{

   public static void main(String[] args){

     System.out.println("Hello World");

   }

}

どちらも同じ実行結果となりますが、記述量に大きな違いがあり、Pythonが非常にシンプルであることがわかります。

変数

Pythonを使って変数を定義するためには下記のようなコードを記述します。

name = "John"

変数名に値を代入することで変数を作成可能です。

データ型

Pythonで使用される主なデータ型と定義の方法は下記の通りです。

num = 25   #整数型(int)

pi = 3.14   #浮動小数点型(float)

str_ = "りんご"   #文字列型(str)

is_bad = True   #ブール型(bool)

li = ['1', '2', '3']   #リスト型(list)

tup = ('apple', 'banana', 'cherry')   #タプル型(tuple)

dic = {'name': 'Tony', 'age': '26'}   #辞書型(dict)

条件分岐

条件分岐は、とある条件を満たした場合に処理を実行するプログラムです。以下のコードは変数ageが20以上か20以下で条件を分岐させ、20以上の場合は「あなたは20歳以上です」20以下の場合は「あなたは20歳以下です」と表示します。

age = 19


if age >= 20:

 print("あなたは20歳以上です")

else:

 print("あなたは20歳以下です")

繰り返し

繰り返し処理は、指定した数だけ同じ処理を行うプログラムです。for文とwhile文の2通りの書き方があります。for文は一定の回数や範囲内で繰り返し処理を行い、while文では条件が満たされている間繰り返し処理を行います。

# for文

colors = ['red', 'blue', 'green']

for color in colors:

    print(color)


# while文

count = 0

while count < 10:

    print(count)

    count += 1

6.Pythonの将来性は高い

Pythonは現在需要と人気が高いですが、将来性も高い言語です。飛躍的に進化しているAIや機械学習、データサイエンスの分野に適している言語であるためです。具体的にどのような理由で将来性が高いのかについて解説します。

Pythonは世界的に利用されている

Pythonは国内だけでなく海外でも多くの開発者に利用されているプログラミング言語です。StackOverflowの人気のプログラミング言語では3位にランクインしており、この順位は2年連続を維持しています。


また、Googleにおける言語チュートリアルの検索回数をランキング化しているPYPLの2024年10月の発表ではPythonが1位の結果になっています。


これらの結果から、Pythonは世界中で利用されており開発者からの関心も高い言語であることがわかります。

AI・機械学習開発に適している

PythonはAIや機械学習開発に適したライブラリやフレームワークが豊富にあります。これらの最先端技術はこれからも進化することが予想されており、それに伴ってPythonの活用シーンも増加するでしょう。


Pythonはさまざまな分野で活躍できる汎用性の高い言語ですが、その中でも特にAIや機械学習分野での需要は今後より一層高まっていくことが予想できます。


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7.まとめ

今回は、プログラミング初心者の方やデータ分析やAI開発に興味がありPythonを使いたいと考えている方、さらなるキャリアアップを目指している方に向けてPythonについて解説しました。


Pythonは需要が高い言語です。特にAIや機械学習、データサイエンスの分野で活躍しています。これからも需要は拡大することが予想されており、将来性も高い言語です。


人気の理由はシンプルな文法であることや、ライブラリやフレームワークが豊富であることが挙げられます。また、Webアプリケーション開発は自動化、ブロックチェーン技術開発もできる汎用性の高い言語であることも理由の1つです。


まずはPythonに触れてみることから始めてみるのも良いのではないでしょうか。

本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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