JavaScript改行処理完全ガイド|コード内・HTMLへの反映から判定・置換など基本から実践まで解説のカバー画像

JavaScript改行処理完全ガイド|コード内・HTMLへの反映から判定・置換など基本から実践まで解説

公開日:2025/02/21最終更新日:2025/02/24

JavaScriptはWeb開発でよく使われるプログラミング言語です。特に文字列操作は、動的なコンテンツ生成やユーザーインターフェース構築のためによく使われます。そして、文字列を改行することでテキストの可読性を向上させたり、ユーザーインターフェースを改善したりできます。


ただ、JavaScriptにおける改行処理はHTMLの反映方法やコード内での扱いなどが特殊であり、初心者にとっては混乱しやすいポイントも存在します。


この記事では、JavaScriptにおける改行処理について、基本的な概念から具体的な実装方法、応用テクニックまでを網羅的に解説します。


プログラミング初心者の方からWebアプリケーション開発に携わるエンジニアの方までを対象にしているので、JavaScriptの改行処理に関する知識を深めて日々の開発に活用しましょう。

1.JavaScriptにおける改行の基本

JavaScriptで改行を扱うときは、まずその基本的な概念を理解することが重要です。

この章では、改行とは何か、なぜ必要なのかについて解説します。

改行とは

改行とは、文章やコード内で文字列を区切るための制御文字であり、表示されるテキストを複数行に分割する役割を持っています。


JavaScriptでも、改行を適切に利用することでソースコードの可読性が向上するとともに、ユーザーインターフェース上でのテキスト表示を整えられます。なお、改行を表す主要な制御文字としては「\n」や「\r\n」が挙げられ、用途に合わせて使い分けられます。

改行の必要性とは

改行は、テキスト表示の整形やUI/UXの向上に欠かせません。また、コード内でも適切な改行を入れることで、保守性と可読性が大幅に向上します。


たとえば、長大なコードや複雑な文字列操作が求められるシーンでは、適切な場所で改行を挿入することでエラーの早期発見やコードの可読性向上につながります。また、ユーザーが実際に閲覧するWebページにおいても、適切に改行を入れて読みやすいテキストにすることでユーザーエクスペリエンスが向上します。


JavaScriptにおける改行は、コードの可読性やUIの向上のために必要だと覚えておきましょう。


関連記事

【初心者向け】JavaScript入門完全ガイド|基本構文や勉強方法(入門本や学習サイト)など解説

2.JavaScriptでの改行処理の実装方法

JavaScriptでは、エスケープシーケンスやテンプレートリテラルなどを使って簡単に改行を実装できます。

この章では、それぞれの方法について具体的なコード例とともに改行の実装方法を解説します。

エスケープシーケンス「\n」を使った改行

エスケープシーケンス 「\n」 は、文字列内で改行を意味する特殊な文字です。シングルクォート 「'」 またはダブルクォート 「"」 で囲まれた文字列内でも「\n」 を記述することで改行を表現できます。


たとえば、以下のように「\n」を文字列に組み込むことで、コンソール出力やダイアログボックス内で改行表示が可能です。

console.log("これは1行目です。\nこれは2行目です。");

なお、HTML要素に\nをそのまま出力しても改行として表示されない場合があることに注意が必要です。これは、HTMLが改行コードを空白として扱うためです。HTMLでの改行方法についてはこのあとの章で解説します。

テンプレートリテラルを使った改行

ES6(ECMAScript 2015)で導入されたテンプレートリテラル(バッククォート ` で囲まれた文字列)を使用すると、文字列内で直接改行を記述できます。変数や式を埋め込むこともできるため、より柔軟な文字列操作が可能です。


テンプレートリテラルを活用すると、エスケープシーケンスを明示的に記述することなく視覚的に分かりやすい形で改行を含む文字列を作成できます。


テンプレートリテラルを使った改行の実装例は以下のとおりです。

const name = "John";

const message = `Hello, ${name}!

How are you?`;

console.log(message);

上記のコードを実行すると以下のように変数や改行が反映された文字列が表示されます。

Hello, John!

How are you?

テンプレートリテラルを適切に利用することでコードの可読性が向上し保守性の高い実装が実現されるため、JavaScriptの開発現場でも使われることが多い技術です。

3.JavaScriptでHTMLに改行を反映させる方法

JavaScriptで生成した文字列をHTMLに表示したときに、意図したとおりに改行されないことがあります。これは、HTMLが改行コードをそのまま解釈しないことが原因です。


Webページ上でテキストを適切に表示するためには、HTMLの特性を理解して適切な方法で改行を実装する必要があります。


この章ではJavaScriptで生成した文字列をHTMLに表示するときに、改行を正しく反映させるための方法を解説します。

innerHTMLは<br>タグを使用する

HTML要素に改行を反映させる最も一般的な方法は、innerHTMLプロパティに文字列とともに<br>タグを挿入することです。


コードの実装例は以下のとおりです。

let content = "これは1行目です。<br>これは2行目です。";

document.getElementById("output").innerHTML = content;

上記のように文字列内に<br>タグを埋め込むことで、ブラウザ上では改行が正しく反映されます。なお、<br>タグはHTMLタグであるため、innerHTMLプロパティを利用しない場合はテキストとして表示される点に注意しましょう。

ダイアログボックスは\nで改行する

JavaScriptのalert、confirm、promptなどのダイアログボックスでは、HTMLタグは解釈されずにテキストとして処理されます。そのため、改行を表現する場合はエスケープシーケンス「\n」を使用します。


改行を含むダイアログボックスの実装例は以下のとおりです。

alert("これはテストです。\n改行のテストです。\nよろしいですか?");

このようにメッセージ内に「\n」を記載することで、ダイアログボックスに複数行のテキストを表示できます。

textContentは\nや<br>で改行されない点に注意

textContentプロパティは、純粋なテキストとして要素の内容を扱います。このため「\n」や<br>タグを設定してもHTMLとして解釈されない点に注意が必要です。textContentプロパティに「\n」を設定すると空白として表示され、<br>タグを設定すると<br>タグが文字列としてそのまま表示されます。


HTMLとして改行を反映させたい場合は、innerHTMLに置き換えるかCSSのwhite-spaceプロパティを使用しましょう。


CSSのwhite-spaceプロパティを使用する例

HTML

<!DOCTYPE html>

<html>

<head>

  <title>textContentと改行コード、white-space: pre-lineの例</title>

  <style>

    #myDiv {

      white-space: pre-line;

    }

  </style>

</head>

<body>

  <div id="myDiv"></div>

</body>

</html>

JavaScript

const myDiv = document.getElementById("myDiv");

const message = "Hello\nWorld!";

myDiv.textContent = message;

CSSのwhite-spaceプロパティで「pre-line」を設定すると、HTMLコード内の改行はそのまま反映されます。このため、ブラウザでの表示は以下のようになります。

Hello

World!


関連記事

JavaScriptのalert完全ガイド|自動で閉じる方法や非推奨理由、alert以外の方法を紹介

4.JavaScriptにおける改行のテクニック

この章では、JavaScriptにおける改行処理のテクニックを紹介します。


今回紹介する内容は以下のとおりです。

  • 長いコード内で改行する方法

  • 改行を含む文字列か判定する方法

  • 改行コードを置換する方法

JavaScriptの改行処理に関する実践的なテクニックを学んで、実際の開発で活用してみましょう。

長いコード内で改行する方法

JavaScriptコードが長くなる場合、適切な位置で改行を挿入することで可読性や保守性を高められます。適切な箇所で改行することで可読性を高められます。


以下のように演算子やカンマの後などで改行するのが一般的です。

const result = calculate(

  value1,

  value2,

  option1,

  option2

);

また、コードフォーマッター(例: Prettier)やリンター(例:ESLint)を活用することで、統一された改行スタイルを保ちながらコードを記述できます。

改行を含む文字列か判定する方法

ユーザー入力や外部から取り込んだテキストに改行が含まれるかを判定するには、正規表現や文字列のindexOfメソッドを使用します。


JavaScriptでの改行コードは環境によって異なります。以下の3パターンの可能性があるため、これらの改行コードすべてを判定できるような条件を指定しましょう。

  • LFの場合: \n

  • CRの場合: \r

  • CRLFの場合: \r\n

正規表現を使って改行コードが含まれているか判定する例は以下のとおりです。

function hasNewline(text) {

  return /\r\n|\r|\n/.test(text);

}

改行コードを置換する方法

replaceメソッドを使うと、文字列内の改行コードを別の文字列に置換できます。


例えば「\n」を<br>タグに置換する処理の実装例は以下のとおりです。

const text = "Hello\nWorld!";

const newText = text.replace("\n", "<br>");

console.log(newText); // Hello<br>World!

テキスト内のすべての改行を置換したい場合は、末尾にgフラグを付けて文字列全体でマッチするすべての部分を置換対象にしましょう。

text.replace(/\r\n|\r|\n/g, "<br>")


関連記事

JavaScriptの正規表現|フォーマットチェックやmatchなど実務で使える正規表現一覧

5.まとめ

JavaScriptにおける改行処理は、文字列の整形やコードの可読性・保守性の向上、さらにWebアプリケーションのユーザビリティ向上に欠かせない技術です。


本記事では、JavaScriptにおける改行の基本概念から、実際の実装方法、さらにはHTMLやコード内における改行の反映方法やテクニックまで、幅広く解説しました。


JavaScriptでの改行処理の実装方法としては、エスケープシーケンス「\n」を利用した手法や、テンプレートリテラルを用いてコード上の改行をそのまま反映させる方法があります。HTMLで改行が意図したとおりに反映されないことがあるため、正しい改行の反映方法を知ることが重要です。


さらに、JavaScriptでは改行コードとして複数の文字列が存在するため、改行を含む文字列か判定したり置換したりするときはすべての改行コードに対応した条件を指定する必要があります。


今回紹介した内容を参考に、JavaScriptの改行処理を理解してWebアプリケーション開発でテキストをより効果的に扱えるようになりましょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

無料で登録したらスカウトを待つだけ フリーランスの新しい仕事探しを始めよう

フルリモート案件を 無料登録した方限定で配信中

目次

1.JavaScriptにおける改行の基本

改行とは

改行の必要性とは

2.JavaScriptでの改行処理の実装方法

エスケープシーケンス「\n」を使った改行

テンプレートリテラルを使った改行

3.JavaScriptでHTMLに改行を反映させる方法

innerHTMLは<br>タグを使用する

ダイアログボックスは\nで改行する

textContentは\nや<br>で改行されない点に注意

4.JavaScriptにおける改行のテクニック

長いコード内で改行する方法

改行を含む文字列か判定する方法

改行コードを置換する方法

5.まとめ