アドビ認定プロフェッショナル試験の資格を取得したい、もしくは合格を目指して勉強しているが本当に必要かどうかでお悩みではありませんか。
アドビ認定プロフェッショナルの必要性を理解し、資格取得に向けてモチベーションを上げるためにも、基礎知識や具体的な情報、メリット・デメリット、対策方法などを把握しておくと良いでしょう。
今回はアドビ認定プロフェッショナルに関する基礎知識、アドビ認定プロフェッショナルの資格取得のメリット・デメリット、アドビ認定プロフェッショナル合格のためのおすすめの参考書や対策法についてお話しします。
目次
1.アドビ認定プロフェッショナルに関する基礎知識
はじめにアドビ認定プロフェッショナルに関する基礎知識について解説します。
アドビ認定プロフェッショナルとは
アドビ認定プロフェッショナル(Adobe Certified Professional)とは、アドビ(Adobe)から公式認定を受けた「株式会社オデッセイコミュニケーションズ」が提供する試験制度であり、合格することでアドビ製品に関するスキルがあることを明示できる資格です。
PhotoshopとIllustrator、Premiere Proの3つのソフトウェアに対応しており、それぞれ、2021、2022、2023の3つのバージョンに対する試験が用意されています。
PhotoshopとIllustratorの2科目を合格することで「Adobe Certified Professional in VisualDesign」、もしくはPhotoshopとPremiere Proの2科目の合格で「Adobe Certified Professional in VideoDesign」として認定されるため、合格して自信を持ちたい、資格を強くアピールしたいお考えの方は複数科目の合格も目指してみると良いでしょう。
アドビ認定プロフェッショナル試験に必要なもの
パソコンやタブレットとインターネット環境
申し込む試験に応じたAdobeのソフトウェア製品
ハードウェアやソフトウェアを使いこなすためのIT知識
公式のテキストや問題集
学習する時間や心の余裕
上記がアドビ認定プロフェッショナル試験に必要なものの一例です。前提としてソフトウェアを使うためのハードウェア、ソフトウェアを利用するための課金、ハードウェアとソフトウェアを円滑に使うための知識が必要になります。
その上で勉強するための教材、勉強するための時間が必要になるため、しっかりと計画を練ることが大切です。例えば、就職や転職に向けてアピールするために合格したいと考えているのであれば期限が限られるということを忘れず、心の余裕をストレスを溜めずに試験に挑めるように注力しましょう。
アドビ認定プロフェッショナルは「意味ない」のか
アドビ認定プロフェッショナルについて情報収集をしていると、意味ないというネガティブなキーワードが検索のサジェストに現れることがあります。試験に合格するために学習し、スキルを身につけることが意味ないということはないものの、取得したもののプラスとなる材料になれなかったと感じている方がいらっしゃるのが理由です。
その他にもすでにデザインの業界でプロとして活躍されている方が、アドビ認定プロフェッショナルの資格に合格しなくても仕事ができていることも理由と言えるでしょう。運転免許証のような形の資格ではないことが、必須ではない=意味ないという形で伝えられてはいますが、実際には学んだことは絶対に無駄にならないということは覚えておいてください。
2.アドビ認定プロフェッショナル試験
次にアドビ認定プロフェッショナル試験の具体的な情報について解説します。
アドビ認定プロフェッショナルの詳細
まずはアドビ認定プロフェッショナルの詳細な情報を表でチェックしましょう。
試験名 | アドビ認定プロフェッショナル (Adobe Certified Professional) |
---|---|
試験会場 | 東京・千葉・神奈川・京都・福岡 上記のCBT形式に対応した試験会場 |
試験日時 | 試験会場のスケジュールに準ずるとのこと ※お近くの会場を探す場合はこちらから検索 |
試験時間 | 50分 |
試験形態 | CBT(Computer Based Testing)形式 |
出題形式 | 選択形式、ドロップダウンリスト形式、クリック形式、ドラッグ&ドロップ形式、操作問題 ※実際にアプリケーションを操作 |
出題数 | 30問前後 |
合格基準 | 公式発表はないが70%以上程度とのこと |
受検料 | 一般価格:10,780円(税込) 学割価格:8,580円(税込)※学生証の持参必須 |
受験資格 | 特になし ※未成年の受験のみ保護者の同意が必要 |
試験結果 | 受験可能後に同じパソコン上で結果表示 |
再受験に関するルール | ””同じ試験科目を何度も受験することができます。ただし、同じ試験科目を2回目に受験する場合、『再受験に関するルール』により、前回の受験から1日(24時間)待つ必要があります。3回目以降の受験は、前回の受験から5日間(120時間)待つ必要があります。”” |
アドビ認定プロフェッショナルの出題範囲
アドビ認定プロフェッショナルの出題範囲はそれぞれのソフトウェアごとに3つのバージョンがあり、参考として2023の項目を引用してご紹介します。
詳しくは引用元の下記URLリンクのページをご覧ください。
Visual Design using Adobe Photoshop 2023
大項目 | 小項目 |
---|---|
1.0 デザイン業界で働く | 1.1 画像作成の目的、対象者、対象者のニーズを特定する 1.2 デザインプランについて同僚や顧客とコミュニケーションをとる 1.3 特定の内容を使用するために必要な著作権、許可、ライセンスの種類を特定する など |
2.0 プロジェクト環境の設定とインターフェイス | 2.1 ウェブ用、印刷用、動画用ドキュメントを、適切な設定で作成する 2.2 アプリケーションのワークスペースを切替える、整理する、カスタマイズする 2.3 印刷されないデザインツールを画面に表示して、デザインや作業を行いやすくする など |
3.0 ドキュメントの整理 | 3.1 レイヤーを使用してデザイン要素を管理する 3.2 不透明度、描画モード、マスクを使用してレイヤー表示を変更する 3.3 デザイン要件を満たすために、破壊的編集方法と非破壊的編集方法の違いを識別し、それぞれの方法で編集を行う |
4.0 視覚的要素の作成と変更 | 4.1 主要なツールや機能を使用してビジュアル要素を作成する 4.2 適切なタイボグラフィの設定を使用してテキストを追加する、操作する 4.3 選択範囲を作成する、管理する、操作する 4.4 デジタル画像やメディアを変換する
|
5.0 デジタルメディアの公開 | 5.1 ウェブ用、印刷用、動画用の画像を準備する 5.2 デジタル画像をさまざまなファイル形式に書き出し、保存する |
引用元:試験概要:Photoshop 2021 | Adobe Certified Professional
Graphic Design & Illustration using Adobe Illustrator 2023
大項目 | 小項目 |
---|---|
1.0 デザイン業界で働く | 1.1 デザインやアートワークの目的、対象者、対象者のニーズを特定する 1.2 デザインプランについて同僚や顧客とコミュニケーションをとる 1.3 特定の内容を使用するために必要な著作権、許可、ライセンスの種類を特定する など |
2.0 プロジェクト環境の設定とインターフェイス | 2.1 モバイル端末用、ウェブ用、印刷用、フィルムや動画用、アートやイラスト用にドキュメントを適切な設定で作成する 2.2 アプリケーションのワークスペースを切替える、整理する、カスタマイズする 2.3 印刷されないデザインツールを画面に表示して、デザインや作業を行いやすくする など |
3.0 ドキュメントの整理 | 3.1 レイヤーを使用してデザイン要素を管理する 3.2 不透明度、マスクを使用してレイヤー表示を変更する |
4.0 視覚的要素の作成と変更 | 4.1 主要なツールや機能を使用してビジュアル要素を作成する 4.2 適切なタイポグラフィの設定を使用してテキストを追加する、操作する 4.3 選択範囲を作成する、管理する、操作する など |
5.0 デジタルメディアの公開 | 5.1 ウェブ用、印刷用、動画用の画像を準備する 5.2 デジタル画像をさまざまなファイル形式に書き出し、保存する |
引用元:試験概要:Illustrator 2021 | Adobe Certified Professional
Digital Video using Adobe Premiere Pro 2023
大項目 | 小項目 |
---|---|
1.0 映像業界で働く | 1.1 映像編集プロジェクトの目的、対象者、対象者のニーズを特定する 1.2 デザインプランについて同僚や顧客とコミュニケーションをとる 1.3 コンテンツの利用に必要な知的財産権、許可、ライセンスの種類を特定する など |
2.0 プロジェクトの環境設定とインターフェース | 2.1 プロジェクトとシーケンスを作成する 2.2 アプリケーションのワークスペースを切り替える、整理する、カスタマイズする 2.3 表示されないデザインツールを画面に表示して、動画編集作業を行いやすくする など |
3.0 ビデオプロジェクトを整える | 3.1 トラックとシーケンスを管理する 3.2 トラックの出力を有効化/無効化する |
4.0 視覚的要素の作成と変更 | 4.1 主要なツールや機能を使用して音声や動画を編集する 4.2 タイトルを追加してアニメーションを適用し、プロパティを変更する 4.3 シーケンスに使用する映像を変換する など |
5.0 デジタルメディアの公開 | 5.1 ウェブ、スクリーン、その他デジタルデバイスに公開する動画・音声シーケンスを準備する 5.2 動画・音声シーケンスを書き出し、アーカイブする |
引用元:試験概要:Premiere Pro 2021 | Adobe Certified Professional
アドビ認定プロフェッショナルの受験者数・合格率・難易度
アドビ認定プロフェッショナルの受験者数・合格率については、公式に発表されていないため正確な数字は分かりません。
公式的には初心者向けの資格試験であるということを踏まえて、同様な種類の民間資格のCGクリエイター検定(ベーシック)の合格率は約60%ということを考えると、それに近しい合格率と推測できます。
またCGクリエイター検定(エキスパート)の合格率が基本情報技術者試験の合格率が45%程度、ITパスポートが約50%程度であることから、これらの試験と比べれば難易度は低いということも判断できます。
ただし、ハードウェアやソフトウェアを使いこなすためのITに関する基礎知識の有無、デジタル技術に関する知見などによって大きく難易度が異なるということも忘れてはなりません。
アドビ認定プロフェッショナルの申し込み手順
試験のお申込み
受験者IDの登録
試験当日
試験結果
上記がアドビ認定プロフェッショナルの申し込み手順の大まかな流れです。スムーズに試験の時間に到着できる会場を検索して申し込み、受験者IDの登録、そして当日に試験を受ければ結果がすぐに表示されるという流れになっています。
詳しい申し込み手順はこちらをご参照ください。
アドビ認定プロフェッショナルの有効期限
取得された資格アドビ認定プロフェッショナルの有効期限に有効期限はありません。
一度合格することで合格した粘土の資格が失効することはないとのことです。ただし、説明の通りに3年の経過、すなわちソフトウェア自体のバージョンアップが行われることで、操作や機能に差が出るために旧バージョンとして扱われることは理解しておきましょう。
アドビ認定プロフェッショナルの勉強時間
アドビ認定プロフェッショナルの勉強時間については、今までAdobeの製品を使ったことがあるのか、IT技術やデジタルに関してどれくらい知識があるのかによって大きく異なります。例えば、パソコンの使い方を覚えるところからとなれば、アドビ認定プロフェッショナルに関する勉強を始める時間も必然的に増えていくと考えるべきです。
デジタルハリウッドでは、基礎動画教材が46時間、動画の閲覧1ヶ月、課題作成2ヶ月といったような形のカリキュラムが用意されておりました。これらを参考にして、パソコンの操作に過不足がない場合、1ヶ月に30時間程度勉強できるなら、3ヶ月ほど集中すれば合格ラインに到達できると考えて良いでしょう。
3.アドビ認定プロフェッショナルの資格取得のメリット
次にアドビ認定プロフェッショナルの資格取得のメリットについて解説します。
デザインやイラストレーターとしての道が開ける
アドビ認定プロフェッショナルの資格取得のために勉強することで、デザインやイラストレーターとしての道が開けるというメリットがあります。デザイン分野においては欠かせないツールでもあるため、まずは道具を使いこなすこと、使いこなした上で作品や成果物を作ることができるようになるのが理由です。
試験の内容においても、実際にソフトウェアを利用した上で合否の判断がなされることから、試験内容に応じた操作を熟知していなければ合格はできません。言い換えれば、試験範囲の内容の操作を過不足なく利用できるよう使い込むことで、合格は近づくということです。
じっくりと時間をかけて操作をしていくことが重要と言えるでしょう。
アドビ関連のツールやシステムについて詳しくなれる
アドビ認定プロフェッショナルの資格取得のために勉強することで、アドビ関連のツールやシステムについて詳しくなれるのも大きなメリットと言えるでしょう。大手ベンダーにおいては、提供するツールやソフトウェアのUIが統一されていることもあり、1つのソフトウェアを覚えることで他のソフトウェアを使う時も悩まずに使えるようになるのが理由です。
アドビの製品は数多く存在しており、それぞれのソフトウェアを使い始める敷居が下がることで、可能性が多く広がっていくということでもあります。デザイナーやイラストレーターになりたいという場合、ソフトウェアを使いこなせることが前提となるため、自分自身のスキルのレベルアップになるという点においても有利な資格と言えるでしょう。
就職や転職に有利かつ資格手当による収入のアップ
企業によってはアドビ認定プロフェッショナルの資格を持っていることで就職や面接時のプラス評価につながったり、資格を所持していることで資格手当による収入アップというのも大きなメリットと言えるでしょう。
4.アドビ認定プロフェッショナルの資格取得のデメリット
次にアドビ認定プロフェッショナルの資格取得のデメリットについて解説します。
勉強及び練習するためのソフトやハードウェアのコスト
アドビ認定プロフェッショナルの資格取得のためのデメリットとして、ソフトやハードウェアのコストが必要になることが挙げられます。具体的には環境が整わなければ勉強ができず、操作そのものを覚えられなければ受験することもできないということです。
試験を受ける予定のアドビ製品の動くパソコンのスペックを理解し、ストレスなく動くデバイスを準備、その上でクラウドのソフトウェアなどにサブスクリプションで課金するとなれば、それなりの投資になります。もちろん、将来的にデザインやイラストレーターの道を行くとなれば必要となる投資ではありますが、気軽にポンと出せる金額ではないというのも事実です。
受験料や定期的な更新のためのコスト
アドビ認定プロフェッショナルの受験料、そして3年で旧バージョンの資格として扱われてしまうことを考えると更新のためのコストもデメリットと言えます。もちろん、一度取得してしまえば初歩的な部分は十分に理解していることは伝わりますが、アップデートにしっかりと対応するために定期的に受験するとなれば小さな投資とは言えません。
ただし、資格を取得して就職や転職した後であれば、資格取得のために企業側が受験料などを支払ってくれるケースもあります。そのため、必ずしも個人が全て蓋をしなくてはならないということもあるので心配しすぎないようにしましょう。
実績が作れる状況であれば時間的なコストの負担
アドビ認定プロフェッショナルの資格は所有していなければ何かができないと言ったような公的な資格ではありません。そのため、他のツールでデザインやイラストの仕事ができたり、実績を作れたりする状況であれば資格するための時間的なコストが大きな負担になるというデメリットが生まれます。
同じく仕事をしていた方が稼げる、実務の現場で頑張ってる方がスキルアップにつながるという場合において、基礎的なものを学ぶために時間を割くというのはメリットに繋がらないと考えてしまうこともあるでしょう。
ただし、時間に余裕がある場合、もしくはアップデートについてしっかりと学んでおきたい場合など、自分の実力のベースアップをしたいという場合には効果的でもありますので、状況に応じて学ぶことも大切だということも覚えておいてください。
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5.アドビ認定プロフェッショナル合格のためのおすすめの参考書や対策法
次にアドビ認定プロフェッショナル合格のためのおすすめの参考書や対策法について解説します。
まずはアドビのソフトウェアに課金することが重要
アドビ認定プロフェッショナルの合格のためには、まずはアドビのソフトウェアに課金することが重要と言えます。参考書の購入やオンラインスクールや通信講座の情報収集をする前に必ず課金して自分に挑戦できるかチェックしましょう。
特にパソコンが苦手と言ったような方の場合は購入の段階でつまずくこともあります。その場合はまずパソコンに関する基礎知識を学ぶことから始めてみてください。
パソコンに慣れていて、ソフトウェアへの課金も可能であり、実際に操作自体はできるということであれば、試験への挑戦はまず問題ないので、後述する公式認定の参考書の購入、模擬テストなども視野に入れて独学を開始しましょう。
アドビ公式認定の参考書を購入して学ぶ
アドビ認定プロフェッショナル合格のために、アドビ公式認定の参考書を購入して学ぶことがあげられます。試験内容に応じた内容がしっかりと組み込まれていることから、参考書に沿って学んでいくことで合格できる可能性を高めることにつながるでしょう。
もし書店やオンラインショップなどで気になる書籍がある場合においても、なるべく公式認定の参考書を読み解き、物足りない場合に購入するというような流れにすることをおすすめします。
アドビ公式認定のWeb模擬テストもおすすめ
アドビ公式認定のWeb模擬テストが受けられる教材もあるため、非常におすすめです。いきなり本番での作業で慌てないようになりますし、具体的な試験内容を体感できることができれば、合格する可能性を高めることにつながるでしょう。
演習問題もセットになっていることから、新しい試験内容でも戸惑うことなく、しっかりと対応できるようになるのも魅力です。アドビ認定プロフェッショナルの場合は勉強して覚えることだけでなく、手を動かすことも大事だと覚えておいてください。
オンラインスクールや通信講座も視野に入れよう
独学で学び続けるのが難しい、もしくは参考書があるけれどよくわからない場合は、オンラインスクールや通信講座を利用することも視野に入れましょう。また、お住まいの地域によっては通って学べる講座が存在する可能性もあります。
公式サイトのリンクで検索し、通える対策講座実施校がないかチェックしてみましょう。通うのが難しい場合は質問などができるコースのあるオンラインスクールや通信講座の情報収集をすると良いでしょう。
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6.まとめ
今回はアドビ認定プロフェッショナルに関する基礎知識、アドビ認定プロフェッショナルの資格取得のメリット・デメリット、アドビ認定プロフェッショナル合格のためのおすすめの参考書や対策法についてお話ししました。
アドビ認定プロフェッショナルの試験に挑戦し、合格するために勉強することはデザイン関連の職種に就職及び転職したい場合に非常に有利になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。