Linux Mintは、UbuntuをベースとしたオープンソースOSの1つです。無料で扱え、推奨スペックも高くないため、人気があります。
この記事は、Linux Mintの特徴やインストール方法、推奨スペックなどを詳しく解説します。
これからLinux Mintを扱おうか悩んでいる方は必見の内容です。
ぜひ最後までお読みいただき、Linux Mintの理解を深めてください。
目次
1.Linux Mintとは
Linux Mintは、使いやすさと安定性を重視したLinuxディストリビューションの一つです。Ubuntuをベースに開発されており、デスクトップ環境に最適化されています。特に、Windowsからの移行を考えているユーザーや、シンプルで直感的な操作を求める開発者に向いているOSです。
また、Linux Mintは安定した動作と軽量な設計が特徴で、最新のハードウェアだけでなく、比較的スペックの低いPCでも快適に動作します。アップデートも慎重に管理されており、システムの安定性を保ちながら最新機能を利用できる点も魅力の一つです。
そのため、開発環境としても適しており、フリーランスエンジニアや個人事業主がコストパフォーマンスの高い作業環境を構築するのに適した側面を持ち合わせています。
2.Linux Mintの特徴4つ
Linux Mintの主な特徴は以下の4つです。一つずつ解説していきます。
直感的な操作ができる
高いスペックの必要がない
使いやすいソフトウェアが豊富にある
マルチメディアをサポートしている
直感的な操作ができる
Linux Mintは、シンプルでわかりやすいユーザーインターフェースを提供しています。Cinnamonをはじめとするデスクトップ環境は、Windowsのような操作感を持ち、これまでLinuxを使ったことがない人でもすぐに馴染める仕様です。
スタートメニューやタスクバーの配置も整理されており、視覚的にもスムーズな操作が可能です。加えて、アイコンやウィンドウのデザインを変更する機能が充実しており、カスタマイズ性が高い点も魅力です。利用者は、作業スタイルに合わせてデスクトップ環境を調整できるため、長時間の使用でもストレスを感じにくい環境を構築できます。
高いスペックの必要がない
Linux Mintは、動作が軽快で古いPCやスペックの限られた環境でも快適に使えるのが特徴の1つです。
特に、Xfceデスクトップ環境は軽量で、リソース消費を抑えながらスムーズな操作性を実現します。CinnamonやMATEも最適化が進められており、最新のハードウェアだけでなく、中古PCや低スペックのマシンでも十分なパフォーマンスを発揮できます。
不要なプロセスを抑える設計が施されているため、CPUやメモリの消費が少なく、開発作業や日常業務をスムーズにこなせるのもの特徴の一つです。こうした特性から、新しいマシンを購入する必要が少なくなり、コストを抑えながら効率的な作業環境を整えられます。
使いやすいソフトウェアが豊富にある
Linux Mintには、多くの実用的なアプリケーションが最初から導入されています。オフィスソフトのLibreOffice、ウェブブラウザのFirefox、メールクライアントのThunderbirdなどが標準搭載されており、インストール直後からさまざまな用途で利用できます。
さらに、ソフトウェアマネージャーを活用すれば、追加のアプリケーションを簡単に導入可能です。FlatpakやSnapにも対応しているため、開発ツールや最新のソフトウェアをスムーズにインストールできるのもポイントです。利便性の高い環境が整っており、初心者から経験豊富なエンジニアまで幅広く活用できます。
マルチメディアをサポートしている
Linux Mintは、オーディオやビデオの再生機能が充実しており、多くのファイル形式に対応しています。標準で必要なコーデックがインストールされているため、追加の設定なしにメディアファイルを再生可能です。
デフォルトで搭載されているVLCメディアプレーヤーを使えば、さまざまなフォーマットの動画や音楽をスムーズに楽しめます。
さらに、オーディオ編集や動画編集用のツールも利用しやすく、クリエイティブな作業を行う際にも役立ちます。ゲーム環境の整備も進んでおり、SteamやLutrisを導入することで、多くのPCゲームをLinux上で快適にプレイ可能です。Linux Mintはエンターテイメントと実務の両方に適したOSとして、多くのユーザーに支持されています。
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3.Linux Mintの推奨スペック
Linux Mintが動作する推奨スペックや最低スペックを以下の表にまとめました。環境構築する際の参考にしてみてください。
推奨スペック | 最低スペック | |
---|---|---|
メモリ | 4GB | 2GB RAM |
ストレージ | 100GB | 20GB |
解像度 | 1024×768 解像度 | 1024×768 より低い解像度では、ウィンドウが画面に収まらない場合、ALT キーを押してマウスでウィンドウをドラッグ。 |
参考:https://www.linuxmint.com/faq.php
なお、プロセッサの推奨要件は公式サイトでは公表されていませんでした。しかし、メモリやストレージを見る限りでは、高いスペックが必要となることはなさそうです。
4.Linux Mintの最新版は?
2025年3月12日時点でのLinux Mintの最新安定版は、2025年1月16日にリリースされた「Linux Mint 22.1 'Xia'」です。 このバージョンは、Cinnamon、MATE、Xfceの各エディションが提供されており、ユーザーの好みに合わせて選択可能です。
Cinnamonエディション:洗練されたデザインと最新の機能を備えたデスクトップ環境を提供し、人気があります。
MATEエディション:クラシックで伝統的なデスクトップ環境を好むユーザーに適しています。
Xfceエディション:軽量でリソース効率の高い環境を求めるユーザーに最適です。
なお、これらのエディションはすべて、公式ダウンロードページから入手可能です。
5.Linux Mintのインストール方法
実際にLinux Mintをインストールする方法を解説していきます。主な流れは、以下の7つです。それぞれを見ていきましょう。
必要なものを揃える
ISOのダウンロード
インストールUSBの作成
データのバックアップ
Linux Mintのインストール
Linux Mint22の日本語入力の設定
ディレクトリ名の英語表記化
必要なものを揃える
Linux Mintのインストールに必要なものは以下の3点です。必ず必要となるため、準備しましょう。
USBメモリ: 容量4GB以上のものが推奨。
インターネット接続: ISOファイルのダウンロードや必要なパッケージの取得に使用。
パソコン: インストールを行う対象のPC。
ISOのダウンロード
実際の画面を用いて解説していきます。
公式サイトにアクセスし、「Download」を選択します。なお、英語表記となっているため、使いづらいと感じる方は、ブラウザ機能の日本語に翻訳を利用するのがおすすめです。
Edition選択画面に移動します。インストールしたいエディションのDownloadを選択してください。今回はCinamon Editionを選択します。
続いて、ダウンロードするミラーを選択します。スクロールして日本国内か日本の近くの国もミラーを選択するのがおすすめです。今回は、日本の「repo.jing.rocks」を選びました。
自動的にダウンロードが始まるので、終わるまで待機します。ファイルが3GB程度あるため、環境によってはダウンロード完了までに時間がかかります。
ダウンロードが終わり、保存場所にファイルがあれば次の手順に進みます。
インストールUSBの作成
ダウンロードしたISOファイルを使用して、ブート可能なUSBメモリを作成します。Windows環境では「Rufus」などのツールを使用すると簡単です。
まず「Rufus」をダウンロードするため、公式サイトを選択します。
画面を下にスクロールするとダウンロードファイルの一覧が表示されます。自身の環境に合ったリンクを選択してください。
ダウンロードが完了したら、パソコンにUSBメモリを接続します。その後、Rufusを起動し、以下の設定を行ってください。
デバイス:接続したUSBメモリを指定
ブートの種類:ダウンロードしたLinux MintのISOファイルを選択
パーティション構成:利用するパソコン環境に合わせて選択(通常はMBR)
ターゲットシステム:自動設定される
これらの設定が完了したら、「スタート」を選択し、USBメモリに書き込みます。何度かポップアップが表示される場合は、「OK」や「はい」を選択してください。
以下のように表示されたら、完了です。次の手順に進んでください。
データのバックアップ
Linuxディストリビューションをインストールすると、それまでパソコンに保存されていたデータは全て無くなってしまいます。必要なデータはインストール前にバックアップを取ってください。
主なバックアップ方法は以下のとおりです。
Googleドライブなどのクラウドストレージに保存する
外付けHDDなどのストレージに保存する
ご自身の環境やバックアップする容量に応じて、選択してください。バックアップが完了したら、次の手順に進みます。
Linux Mintのインストール
LinuxMintをパソコンにインストールしていきます。
まずは、電源を切ったパソコンに作成したインストールUSBをPCに挿入し、パソコンを立ち上げます。Linux Mintのライブ環境が起動したら、デスクトップ上の「Install Linux Mint」アイコンをダブルクリックします。
インストーラーの指示に従い、使用する言語を選択します。画面左を下までスクロールし、日本語を選択し「続ける」をクリックしてください。
キーボードレイアウトは左右両方のメニューで「Japanese」を選択し、「続ける」を選んでください。
マルチメディアコーデックの選択画面が開きます。「マルチメディアコーデックをインストール」にチェックを入れて、「続ける」を選択してください。
インストールの種類を聞かれるので、「ディスクを削除してLinux Mintをインストール」にチェックを入れて、「インストール」ボタンを選択してください。
「ディスクに変更を書き込みますか?」と聞かれたら、「続ける」を選択してください。
「どこに住んでいますか?」と聞かれるので、「Tokyo」と表示されているのを確認して、「続ける」を選択します。
名前やコンピュータ名、パスワードの入力を行い、「続ける」を選択してください。
インストールが開始されます。少し時間がかかるため、放置するかLinux Mintの特徴を画面上で見て完了まで待ちます。
「インストールが完了しました」と表示されたら、「今すぐ再起動する」を選択してください。
Linux Mintが起動してきたら、USBメモリを抜いて「Enter」を押してください。
ログイン画面が表示されます。パスワードを入力し、「Enter」を押してください。
「Linux Mintにようこそ」が表示されます。起動ごとに表示したくない方は、画面右下の「起動時にこのダイアログを表示」のチェックを外して、右上の×で閉じてください。
これでLinux Mintのインストールは完了です。
Linux Mint22の日本語入力の設定
Linux Mintのインストール中にキーボードで日本語を選択しましたが、それだけでは日本語入力ができません。有効にするために以下の手順を行います。
画面右下の「メニュー」→「設定」→「入力方式」の順で選択します。
左メニューから「日本語」→「インストール」を選択してください。
「インストール済み」となったら、画面上部の入力方式フレームワークで「Fcitx」を選択し、右上の「×」で閉じます。
画面左下のメニューから「ログアウト」ボタンを選択し、再度ログインを行います。
ログイン出来たら、画面右下の「キーボードアイコン」を右クリックし、「設定」を選択します。
入力メソッド上で「Mozc」が表示されていれば、完了です。
ディレクトリ名の英語表記化
日本語環境でインストールすると、ホームディレクトリ内のフォルダ名が日本語になります。日本語のままだと、ディレクト名を指定する際に、日本語入力に切り替える必要があるため、手間となってしまいます。ディレクトリ名は英語表記がおすすめです。その方法を解説していきます。
ターミナルを開き、以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update |
ウィンドウが立ち上がってくるので、「Don't ask me this again」→「Update Names」の順で選択していきます。
これでディレクトリ名の英語表記化は完了です。
6.Linux Mintでよくある3つの質問
Linux Mintを扱う上でよくある質問として以下の3つを解説していきます。
Ubuntuとの違いは?
普段使いにおすすめな理由は?
サポート期限は?
Ubuntuとの違いは?
Linux Mintは、Ubuntuをベースに開発されていますが、以下の点で独自の特徴を持っています。
デスクトップ環境: Linux Mintは、Cinnamon、MATE、Xfceなど、ユーザーの好みに合わせたデスクトップ環境を提供。特にCinnamonは、Windowsに似た使いやすいインターフェースが特徴です。
ソフトウェア管理: Linux Mintは独自のソフトウェアマネージャーを備え、ユーザーが必要なアプリケーションを簡単にインストールできる。
マルチメディアサポート: 初期状態で多くのコーデックがインストールされており、追加の設定なしで音楽や動画の再生が可能。
普段使いにおすすめな理由は?
Linux Mintが普段使いに適している理由は以下のとおりです。
直感的な操作性: Windowsに似たデスクトップ環境により、初めてLinuxを使用するユーザーでも違和感なく操作しやすい。
軽快な動作: 比較的低スペックのハードウェアでもスムーズに動作し、古いPCの再利用にも適している。
豊富なソフトウェア: オフィススイートやメディアプレーヤーなど、日常的に使用するアプリケーションが標準でインストールされている。
高い安定性: 長期サポート(LTS)バージョンが提供されており、安定した環境での使用が可能。
サポート期限は?
Linux Mintの各バージョンには、サポート期限が設定されています。例えば、Linux Mint 20シリーズは2025年までサポートされ、最新のLinux Mint 22.1 "Xia"は、2029年までの長期サポートバージョンとして提供されています。
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7.まとめ
今回は、Linux Mintについて特徴やインストール方法、最新バージョンをお話ししました。
Linux Mintは、UbuntuをベースとしたOSです。推奨スペックが高くないため、初心者でも扱いやすいのが特徴です。
さらには、無料で利用できるため、コストパフォーマンスがよいOSともいえます。Linux Mintを上手く活用して、業務効率化を図りましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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