AIエンジニアとして活躍中の方の中には、リモートワークに興味がある方もいるはずです。リモートワークには、時間の面でも精神的な面でも幅広いメリットがあります。しかし実際にリモートワークを検討するにあたって、「AIエンジニアはリモーワークできるものなの?」と心配になっている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、AIエンジニアのリモートワークに関する需要やメリット、注意点、求められるスキル、案件の獲得方法などについて解説します。
特に以下の方には、この記事をご一読いただきたいです。
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目次
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1.AIエンジニアのリモートワークの需要はある?
AIエンジニアのリモートワークには、近年十分に高い需要があると考えられます。
AIエンジニアのリモートワークに高い需要があると言える理由は、主に以下の通りです。
働き方改革の推進
AIに対する需要の増加
働き方改革を日本中の企業が推進していく中で、リモートワークを実施する企業が多くなっています。クラウド技術の発達や各種ツールの登場により、場所の制約を受けない働き方の実現が可能となりました。エンジニアの業界も例外ではなく、AIエンジニアの業務をリモートで行える環境が整ってきています。
またAIそのものに対する需要が増えていることも、AIエンジニアのリモートワーク需要があると言える要因になっています。エンジニア人材は慢性的に不足している状態であり、幅広い働き方を認めることで優秀な人材を確保しようと考えることは企業にとって自然でしょう。
近年では出社とリモートワーク・在宅を混合した「ハイブリッドワーク」も増加傾向にあり、リモートワークを取り入れている求人・案件は今後も一定程度存在し続けると考えられます。
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2.AIエンジニアがリモートワークをするメリット
この章では、AIエンジニアがリモートワークをするメリットとして以下の3点を紹介します。
柔軟な働き方ができる
人間関係のストレスを感じにくい
時間的な余裕が生まれやすい
柔軟な働き方ができる
AIエンジニアがリモートワークを実施するメリットとしてまず挙げられるのが、柔軟な働き方ができる点です。
リモートワークを導入することで、自宅やカフェ、コワーキングスペースなど自分の都合の良い場所で働けるようになります。一定の制約があるケースも多数ですが、働く時間についても一定の範囲で自由に選ぶことが可能です。
納品物の品質を保ち納期も守ることはもちろん必要ですが、時間や場所の制限を受けず効率的に働けるようになるでしょう。
人間関係のストレスを感じにくい
リモートワークを実施するメリットとしては、人間関係のストレスを感じにくいことも挙げられます。
企業に勤めているとさまざまなストレスを受けるものですが、中でも人間関係のストレスに悩む方は多くいるものです。苦手な上司や同僚が職場にいたとしても、仕事であれば顔を合わせて一定のコミュニケーションを取っていかなくてはいけません。悩みを抱えたままハードに働くことで、心身に不調をきたす可能性もあります。
しかしリモートワークであれば、苦手な上司・同僚と毎日顔を合わせる必要がありません。仕事で関わることはあったとしても、挨拶を交わしたり顔を合わせたりしなくて良いだけでストレスは大きく減るものです。
人間関係のストレスを減らして業務に集中したいと考えているAIエンジニアであれば、リモートワークはメリットが大きいと考えられます。
時間的な余裕が生まれやすい
リモートワークを実施することで、時間的な余裕が生まれやすくなります。
仕事のために外出する必要がなくなることで、通勤に時間がかからなくなるためです。また、リモートワークの場合仕事中に緊急で席をはずさなくてはならなくなったとしても、用件が済み次第業務に復帰しやすいと言えます。
リモートワークによって時間的な余裕ができれば、新たな案件を獲得したり自己研鑽に励んだりすることも可能です。スケジュール管理を徹底する必要はありますが、上手に予定を組むことでモチベーション高く業務にあたれるでしょう。
3.AIエンジニアがリモートワークする際の注意点
この章では、AIエンジニアがリモートワークを実施・検討する際の注意点について以下の4点に整理して解説します。
成果物が基本的な評価基準になる
仕事環境をしっかりと整える
生産性が下がらないように意識する
案件獲得には一定の実力と経験が必要
成果物が基本的な評価基準になる
リモートワークをする場合、業務の評価基準は成果物がどうしても中心になります。
リモートワークでは、業務の課程をクライアントや上司が確認できないためです。結果として、エンジニアの頑張りを測る基準が成果物のみになってしまいます。業務の過程で「どう工夫したのか」「どうやってトラブルに対応したのか」などをアピールすることは、リモートワークの場合困難です。
リモートワークをする場合クライアントや上司とは定期的に連絡を取り、進捗状況を報告するようにしましょう。
仕事環境をしっかりと整える
リモートワークをするにあたっては、仕事環境をしっかりと整えることも大切です。
作業場所の環境が整っていないと、リモート環境でスムーズに問題なく業務を進められません。企業の事務所で働いている場合はあまり意識しませんが、業務をスムーズに進めるためにはさまざまなツール・設備を導入する必要があります。
たとえば、インターネット環境はリモートワークの生命線であり、業務中に必要な回線速度の確保が必要です。そしてセキュリティの面からも、通信環境の整備は不可欠です。セキュリティ対策を取らなければ、ウイルスの感染による情報漏えいにもつながりかねません。
またリモート環境でプロジェクトメンバーと円滑なやり取りを行うには、Web会議ツールやチャットツールなどを導入し使いこなせなくてはいけません。防音ツールやモニターなど、必要に応じた準備が求められます。
生産性が下がらないように意識する
リモートワークを実施するにあたっては、生産性が下がらないように十分意識する必要があります。
リモート環境では周囲の目線がないため、漫然と仕事にあたってしまう可能性があるためです。自分のペースで働ける点はリモートワークの大きなメリットですが、自分を律して業務に当たれなければ生産性が下がってしまう恐れもあります。
生産性が下がればエンジニアとしての評価も下がり、継続的な案件獲得や昇進に悪影響が出る可能性もあるでしょう。
案件獲得には一定の実力と経験が必要
リモートワークの案件を獲得するには、一定の実力と経験が必要だと考えておくべきです。
フルリモートを中心としたリモートワーク案件は人気が高く、倍率が高くなりやすいためです。実力がないエンジニアの場合、どうしても他のエンジニアとの競争に勝てないことが予想されます。
リモートワークか否かに関わらず、エンジニアの求人・案件獲得には一定のスキルが必要です。エンジニアとして活躍していくためにも、継続的な勉強は必要だと考えておきましょう。
4.AIエンジニアのリモートワーク求人・案件で必要とされるスキル
この章では、AIエンジニアのリモートワーク求人・案件で必要とされるスキルを以下の通り紹介します。
プログラミングスキル
機械学習に関するスキル
数学や統計学のスキル
コミュニケーション能力
自己管理能力
プログラミングスキル
AIエンジニアがリモートワーク求人・案件を獲得するためには、当然ではありますがプログラミングに関する知識やスキルが必要です。
AIエンジニアが使用する言語としてまず重要なのがPythonです。PythonはAIや機械学習の分野で欠かせない言語であり、学習ハードルの低さや可読性の高さなどから高い人気を誇ります。
採用する企業も多く、AIエンジニアの求人・案件獲得を目指すなら使いこなせる必要があるでしょう。また、DjangoやFastAPIなどといったフレームワークについても、身に付けておくことで業務効率が上がります。
そしてPython以外にも、以下のようなプログラミング言語の使用を求められるケースもあります。
獲得できる案件の幅を広げるためにも、使用頻度の高いプログラミング言語について習熟しておくことが大切です。
機械学習に関するスキル
AIエンジニアのリモートワーク案件獲得には、機械学習に関するスキルも必要です。
AIの精度を高めるうえで、機械学習は欠かせない存在だと言えます。近年では、機械学習を発展させたテクノロジーである深層学習(ディープラーニング)に関するスキルの習得も必要です。
機械学習:少ない時間・学習量で済み、単純な処理に向いている
深層学習:多くの時間とデータが必要だが、複雑な処理も可能
上記のようなそれぞれの特徴を抑えたうえで、求人・案件の内容に合わせて機械学習や深層学習を使い分けられるようにすることが大切でしょう。
数学や統計学のスキル
AIに不可欠と言える機械学習を使いこなすには、数学や統計学の知識が一定必要です。
機械学習を使う上では、以下のような数学の分野が求められると考えられます。
線形代数:データの並列処理時に考え方が役立つ
微分積分:パラメーター算出時に使用する関数に役立てられる
また、機械学習と統計学には共通減が多く、互いを補完し合うように組み合わせて使用することが多数です。特に分析時には、統計学の知識を有していると理解を深めやすいでしょう。業務によって求められる数学・統計学の知識は少しずつ異なるため、活躍したい分野に合わせて学習を進めていくことが大切です。
コミュニケーション能力
ここまでAIエンジニアに求められる技術的なスキルについて紹介してきましたが、リモート案件で活躍するにはコミュニケーション能力も不可欠です。
リモートワーク中は、チームメンバーと物理的に離れた状態で業務に取り組むためです。業務に支障が出ないようにするために、遠隔地にいる同僚や上司との意思疎通を円滑に行える能力が欠かせません。
専門的な内容を相手に分かりやすく伝える能力や、限られた時間で要点を簡潔に伝えるプレゼンテーション能力などが、リモートワークには必要です。また、リモートワークにおけるコミュニケーションには以下のようなツールをよく使用するため、ひと通り使いこなせるようにすることも大切でしょう。
チャットツール:Slack、Chatwork、Microsoft Teamsなど
Web会議ツール:Zoom、Google Meetなど
メールツール:Gmail、Microsoft 365など
自己管理能力
リモート求人・案件でしっかりと結果を出していくには、一定以上の自己管理能力が求められます。
クライアントが求める納期までに一定以上の品質の成果物を納品するには、以下のように複数の要素を自分で管理していかなくてはいけません。
時間
体調
モチベーション
リモート環境では周囲に上司や同僚がいないため、自分で自分をコントロールできなければ生産性が落ちてしまいます。自分で納期までのスケジュールを考え、どのタスクにどれだけの時間や労力を使うのか考えなくてはいけません。またスケジュールを組むだけでは不十分であり、予定通りに進めていくにも自己管理が必要です。
自分の能力や作業スピードを理解し、計画的に行動することが求められるでしょう。
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5.AIエンジニアの年収相場
「厚生労働省の職業情報提供サイトjobtag」が公開しているデータによると、AIエンジニアの平均年収は628.9万円でした。
それでは、フリーランスの年収についてはどうでしょうか。フリーランスボードでは、フリーランスのAIエンジニアは、年収の目安964万円(月額単価平均:80.4万円)です。さらに月額単価100万円以上の求人が550件のあります。(参考:フリーランスボード)。
上記より、フリーランスのAIエンジニアは実力次第で年収1,000万円以上は十分に目指せることが分かりました。
リモートワーク求人・案件の場合年収は変化する?
AIエンジニアでは、リモートワークでも年収はほとんど変わりません。
その理由として、AIエンジニアは高度な専門性が求められる職種であり、働き方よりもスキルや経験の方が単価に大きく影響するためです。企業側も優秀な人材を確保するため、リモートワークでも競争力のある給与を提示する傾向があります。
実際に、フリーランスボードが扱っている求人・案件において、2025年6月時点でフルリモートの割合は37.9%、一部リモートの割合は45.7%です(参考:フリーランスボード)。
つまり、AIエンジニアにとってのリモートワークは年収面でのデメリットではなく、柔軟な働き方を実現できる選択肢と考えると良いでしょう。
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6.AIエンジニアのリモートワーク求人・案件例
AIエンジニアのリモート・在宅ワーク案件の例として、ここでは以下を紹介します。
案件例1:部長直下組織のAIエージェント活用による業務標準化支援
報酬 | 月額160~200万円(想定年収1,920~2,400万円) |
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作業内容 | 大手SIerの事業部長直下PJ。AIエージェントを活用した社内業務(主に開発)の標準化推進のためのプロダクトを事業部ごとに作成。 |
その他備考 | 一部リモート可。AIエージェントを活用した業務標準化の経験が必須。 |
案件例2:生成AI×ライブ配信/新規アプリ開発(Python)
報酬 | 月額80~195万円(想定年収960~2,340万円) |
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作業内容 | 生成AI×ライブ配信アプリの開発。 新規開発であり、上流工程からプロジェクトに参画する機会を得られる。 |
その他備考 | 一部リモートOK。1回のオンライン面談あり。 Pythonの経験3年以上、生成AIでの実装経験や知見が必要。 |
AIエンジニアの案件についてより詳細を確認したい方は、こちらをお気軽にご確認ください。
7.AIエンジニアのリモートワーク求人・案件獲得方法
この章では、AIエンジニアのリモートワーク求人・案件を獲得する方法として以下の4つを紹介します。
フリーランスエージェントを活用する
クラウドソーシングサービスを活用する
HPやSNS経由で探してみる
知人から紹介してもらう
フリーランスエージェントを活用する
AIエンジニアのリモートワーク求人・案件を獲得する方法としてはまず、フリーランスエージェントの活用が考えられます。
フリーランスエージェントを利用することで、自分の希望職種や理想とする働き方などを踏まえたうえで適した求人・案件獲得のサポートを受けることが可能です。
事務作業や営業活動をフリーランスエージェントにお任せできることから、エンジニアとしての業務に専念できます。エージェントからの紹介を活用することで、収入を安定させることも期待できるでしょう。
フリーランスエージェントへは手数料の支払いが必要ですが、良い案件を獲得できるのであれば利用する意義は十分にあります。
クラウドソーシングサービスを活用する
クラウドソーシングサービスを利用することも、AIエンジニアがリモート求人・案件を獲得するための有効な手段です。
さまざまな企業の求人・案件から自分に合ったものを探して応募できるため、直接営業をするよりも大きく手間を削減できます。大手クラウドソーシングサービスであれば、豊富な求人・案件を保有しており、自分のスキルを活かせる仕事を見つけられる可能性も高いでしょう。
ただしクラウドソーシングサービスの場合、フリーランスエージェントのように営業活動をサポートしてくれることは原則ありません。求人・案件を探し、自分でアピールしていく必要があります。
HPやSNS経由で探してみる
リモート求人・案件を探す方法としては、HPやSNSといったインターネット経由の方法も考えられます。
企業のホームページやSNSをチェックし、求人を出していないか確認してみる方法です。インターネットを通じて求人・案件を出している企業の場合、リモートで対応できる可能性が十分にあると考えられます。
また、自分でHPやSNSのアカウントを持ち、情報発信をする方法も考えられます。フォロワーを増やすことができれば、それだけ新規のクライアントと出会える可能性が高まります。自分にどんなスキルや実績があるのかアピールし、フォロワーを増やしましょう。
インターネットを経由した求人・案件探しは効率が良いため、できる限り活用をおすすめします。
知人から紹介してもらう
知人から紹介してもらうことも、求人・案件探しの立派な方法の1つです。
これまで勤めてきた職場の上司や同僚に話をして、紹介できる求人・案件がないか聞いてみましょう。また、エンジニアのコミュニティに所属しておくことで、求人・案件につながる情報を得られる可能性があります。
ただしいきなり上司や同僚に連絡してもスムーズに案件を獲得できるとは考えにくいため、普段からコミュニケーションを取っておくことは大切です。
8.まとめ
AIエンジニアの需要は近年高まっており、働き方改革推進の影響もあってリモートワークできる求人・案件は多く存在しています。リモートワークをすることで柔軟な働き方の実現につながり、自由に使える時間が増えたり人間関係のストレスが軽減されたりとさまざまなメリットがあります。
自己管理を徹底してしっかりとスキルアップをしていくことが前提ではありますが、リモートワーク案件でも高収入を得ることは十分に可能でしょう。フリーランスエージェントやクラウドソーシングサービスの利用、HPやSNSの利用、知人の紹介など、自分が取れる方法を活用して求人・案件を探してみてください。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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