近年では、さまざまな業種・分野の企業においてビッグデータの活用やAIの導入が注目されています。世界的にもAIの活用は拡大を続けている中で、今回紹介する「AIエンジニア」の重要性も増し続けることが予想できるでしょう。
しかし、実際にAIエンジニアとしてのキャリアを検討するにあたっては、年収や向いている人の特徴などさまざまな点が気になるものです。そのため本記事では、AIエンジニアについて概要や将来性、向いている人の特徴、おすすめの資格、そして年収など幅広い観点からお伝えします。
特に以下の方には、この記事をご一読していただきたいです。
AIエンジニアを現在目指している方
実務経験がまだ浅いAIエンジニア
AIエンジニアの年収が気になる方
AIエンジニアに向いている人の特徴が知りたい方
目次
1.AIエンジニアとは
AIエンジニアとは、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を活用する幅広い研究開発を行う専門職です。深層学習(ディープラーニング)や機械学習の手法を駆使して問題解決の手順(アルゴリズム)を考えて、以下のようにさまざまな分野のシステム開発や実装などを行います。
<AIの技術が活用されている分野の例>
自動車の自動運転技術
チャットボットサービス
顔認証システム
お掃除ロボット
インターネットの検索エンジン
クレジットカード不正利用探知
近年の急速に変化していくテクノロジー分野において、AIエンジニアの存在感は日に日に増しているといえるでしょう。
AIエンジニアは人材不足
AIエンジニアの人材は、現在不足しているといわれています。AIエンジニアに限らず国内ではエンジニア全体の人材が不足している状態です。経済産業省のデータによると、2030年には41〜79万人のエンジニアが不足するといわれています。(出典:経済産業省「IT人材育成の状況等について」)
AIエンジニアが人材不足だと言われる主な理由は、以下の通りです。
<AIエンジニア人材が不足している主な理由>
労働人口の減少
AIエンジニア育成強化の遅れ
少子高齢化の影響で、現在日本では労働人口の減少が進行しています。AIエンジニアについても状況は同様であり、減少を続ける労働人口に対して需要が高まっていることから、慢性的な人材不足に陥っていると言えるでしょう。
また、日本国内ではまだAIエンジニアに対する注目が集まり始めたばかりであり、教育体制が整っているとはいえません。AIエンジニアには高い専門性が求められることから、教育にはどうしても時間がかかります。今後IT人材の育成を強化していく方向に政府の考えはシフトしていますが、現状では、人材不足の状況がしばらく続くと考えられるでしょう。
ITエンジニアとの違い
AIエンジニアと混同されやすいエンジニア職として、ITエンジニアが挙げられます。ITエンジニアとは、ネットワークやデータベース、ソフトウェア開発など幅広い情報技術分野に関わるエンジニアのことです。AIエンジニアとITエンジニアの違いは、以下の通りに整理できます。
AIエンジニア:AIについて深い知見を持ち、ビジネスに活かす提案をクライアントに行う
ITエンジニア:クライアントの要望をもとにした仕様書・企画書に則った開発を行う
AIエンジニアの方が、ITエンジニアよりもプロジェクトの上流から開発に関わっていくと整理できるでしょう。
2.AIエンジニアの仕事内容
この章では、AIエンジニアの仕事内容についてお伝えします。
AIエンジニアの仕事内容を大きく分けて整理すると、以下の3種類です。
<AIエンジニアの仕事内容>
AI開発
学習
データ分析
AI開発
AIエンジニアの仕事内容としてまず挙げられるのが、AI開発です。
クライアントやユーザーが抱える課題を分析し、AIを活用したシステムをシステム処理やテストなどを繰り返して開発していきます。またAI開発を行う際には、デバイスやユーザーとの相性も考慮することが欠かせません。AI開発の現場で頻繁に使用されるプログラム言語として挙げられるのが、Pythonです。ただし、Pythonの他にもR言語やC++などの言語がよく使われています。
学習
AIは開発しただけでなく、開発後に学習をさせる必要があります。
AI分野において学習とは、AIに大量のデータを与えて教育するステップのことです。
AIの学習においては、データ収集や作成に加えてクレンジング(不要なデータの削除)などの作業もAIエンジニアが担うことがあります。また、人間の脳の動きをマネている手法である「深層学習(ディープラーニング)」で学習することで、通常よりも複雑なパターンを発見できる可能性もあるでしょう。
データ分析
データ分析も、AIエンジニアにとっては重要な仕事の1つです。
AIに学習させた後、AIが抽出したパターンやルールから学習データを分析し、状況判断を行います。
音声やテキスト、画像などの素材から販売データなど、AI分析において取り扱うデータは多彩です。データをAIに分析させて、その結果をチェックし活用します。AIが導き出したデータをビジネスに活用することは、AIエンジニアの重要な仕事だといえるでしょう。
3.AIエンジニアの種類
ひとくちにAIエンジニアといっても、細かく分けるとさまざまな職種が存在します。そのためこの章では、AIエンジニアの代表的な種類に関して解説します。
機械学習エンジニア
機械学習エンジニアは、機械学習のシステム開発やプログラムの実装を主な仕事とする専門職です。
機械学習とは、コンピューターにデータを与え、反復的に学習させることでパターンやルールを導き出す手法を指します。
コンピューターが反復的にデータを与えられることから、「学習」と呼ばれています。学習を繰り返したコンピューターであれば、人が介することなくデータから自律的に学習可能です。また、機械学習をさらに発展させた手法として、深層学習(ディープラーニング)も挙げられます。
データエンジニア
データエンジニアは、膨大なデータ(ビッグデータ)の分析にあたってデータ活用基盤を構築し、データを整備するエンジニアです。データの管理や作成などの業務を行います。
近年のビジネスにおいては、ビックデータの活用が欠かせません。しかし通常の環境ではビッグデータは処理しきれないことから、データ活用基盤の構築が必要です。そしてビッグデータを処理した後に整備することで、ビジネスに使える情報になっていきます。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、データを分析してビジネスに活かせる情報を引き出すエンジニアです。
近年ではコンピューターの性能が向上したことで、データの収集・処理能力が大きく高まっています。しかしデータはコンピューターが集めた状態で直接ビジネスに役立つわけではなく、そこから有益な情報を分析する工程が必要です。データサイエンティストは、統計学やさまざまな分析手法を活用し、ビジネスの最前線に立って活躍する職種だといえるでしょう。
データアナリスト
データアナリストは、データ分析を専門的に行うエンジニアです。
統計や分析の手法を活用してデータを分析し、ビジネスにおける意思決定に活用できるようにします。
データの分析を行う点ではデータサイエンティストと近い存在ですが、データアナリストはより専門性の高いデータ分析に特化している専門職です。プロジェクトの目的に合わせてAIを駆使し、データを分析してパターンやルールなどを導き出します。クライアントのニーズに合わせてユーザーの動向を分析し、仮説を立てて課題解決の方法を提案することもデータアナリストの仕事です。
データアーキテクト
データアーキテクトは、データ構造を設計する専門職です。
データ構造の設計は、AIだけに限らずIT開発全般において重要です。データアーキテクトが設計したデータ構造を活かして、これまで紹介したデータサイエンティストやデータアナリストは自分の仕事を行います。
開発中のシステムがビジネスに活かせるように、必要なデータや要件を考えることが大切です。幅広いデータを関連付けながら構造を設計し、必要に応じてデータウェアハウスを構築するケースもあります。
4.AIエンジニアに求められるスキル・知識
ここでは、AIエンジニアに求められるスキルや知識についてお伝えします。
ここで紹介するAIエンジニアに求められるスキル・知識は、以下の通りです。
<AIエンジニアに求められる主なスキル・知識>
数学・統計学の知識
コンピュータサイエンス
プログラミングスキル
機械学習や深層学習(ディープラーニング)スキル
データベース運用スキル
クラウドサービスの知識
数学・統計学の知識
AIエンジニアに求められるスキル・知識としてはまず、数学や統計学の知識が挙げられます。
機械学習では、統計学や確率、微分・積分、線形代数など多様な数学・統計学の知識を活用してデータ解析を行う必要があるためです。また、数学的な素養があればAI開発だけでなく、データ活用においても仕事を進めやすいといえます。
基本的には、大学までに学ぶレベルの数学知識を持って入ればAIエンジニアの仕事に対応可能です。大学までの専門が理系でなければならないわけではありませんが、一定以上の数学的な思考能力は求められるでしょう。
コンピューターサイエンス
コンピューターサイエンスも、AIエンジニアに求められるスキル・知識の1つです。
コンピューターサイエンスとは、コンピューターの仕組みに関する理解だといえます。
データ処理やアルゴリズム、そしてプログラミングに関する知識まで、コンピューターに関する幅広い知識が当てはまるといえるでしょう。コンピューターについて詳しくなければ、AIに関する仕事は難しいでしょう。
トラブルが起きたときでも、コンピューターサイエンスの素養があれば適切に対応できます。
もちろんコンピューターの仕組みには数学や統計学の知識が応用されているため、コンピューターサイエンスの知識と数学・統計学の知識の両方を持つことが大切です。
プログラミングスキル・知識
AIエンジニアの仕事には、プログラミングスキル・知識も必要です。
実際に業務でプログラミングを書くことが少ない仕事であっても、知識を持っていることでシステム構築に活かせます。
AIエンジニアが現場で利用するプログラミング言語には、まずPythonが挙げられます。機械学習に活用しやすいライブラリが豊富にあるPythonは、多くのエンジニアが活用しています。また、AI開発に使われるプログラミング言語としては、R言語やC++、JavaScriptなども挙げられるでしょう。
1つだけではなく複数のプログラミング言語を活用できれば、現場で必要に応じて使い分けられます。AIエンジニアとしての活躍の場を広げるためには、プログラミング言語の習得は重要です。
機械学習や深層学習(ディープラーニング)スキル
機械学習や深層学習(ディープラーニング)のスキル・知識も、AIエンジニアには求められます。
膨大なデータの中から最適な答えを導き出す方法として、機械学習や深層学習(ディープラーニング)は非常に重要な手法であるためです。
教師あり学習と教師なし学習、回帰と分類、パターン認識とモデルなど、コンピューターの学習においてはさまざまなスキル・知識を活用する必要があります。機械学習と深層学習(ディープラーニング)についての専門性を高めることで、幅広い現場で活躍できるチャンスを得られるでしょう。
データベース運用スキル
AIエンジニアに必要なスキル・知識としては、データベース運用スキルも欠かせません。
機械学習や深層学習(ディープラーニング)でビッグデータを活用するためには、データベースを運用するスキルが必要です。データベース言語としては、SQLが挙げられます。
SQLはISOで標準規格化されており、他のデータベースでも活用しやすい言語です。SQLはエンジニアにとって重要性の高いスキルであり、AIエンジニアにとっても重要だと考えられるでしょう。
クラウドサービスの知識
クラウドサービスに関する知識は、AIエンジニアとして活躍するために重要なスキル・知識だといえます。近年では、さまざまなクラウドサービスから機械学習に関するツールがリリースされているためです。
3大クラウドサービスであるAWSやMicrosoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)のいずれからも機械学習ツールがリリースされています。クラウドサービスは比較的導入がしやすく、AIの実装が容易になる点で企業にとって大きなメリットがあります。
企業に有益な提案ができることから、AIエンジニアにとっても大切なポイントだと言えるでしょう。
5.AIエンジニアに向いている人
この章では、AIエンジニアに向いている人の特徴についてお伝えします。AIエンジニアに向いている人の主な特徴は、以下の通りです。
<AIエンジニアに向いている人の主な特徴>
論理的な思考ができる
問題解決能力が高い
好奇心・学習意欲が強い
論理的な思考ができる
AIエンジニアに向いている人の特徴としてはまず、論理的な思考が挙げられます。
AIエンジニアは機械学習において大量のデータを扱っており、導き出されたデータをもとに冷静かつ客観的な目線で思考することが求められるためです。論理的思考ができなければ、膨大なデータを正確に扱うことができません。
また、数学や統計学の知識を吸収したり活かしたりするためにも、論理的な思考は不可欠です。
データを分析して正しい気付きを得るためには、論理的思考能力が求められます。データを分析したり解析したりするのが好きな人は、AIエンジニアの適性が高いといえるでしょう。
問題解決能力が高い
問題解決能力が高い人も、AIエンジニアには向いていると考えられます。
AIエンジニアの使命は、ビジネスのさまざまな課題に対して適切な解決策を提案することであるためです。問題解決能力が高いだけでなく、問題解決の作業自体が好きなことも重要な適正だといえるでしょう。
また、AIエンジニアの人材が不足していることから、自分で問題を解決できる能力を持ったAIエンジニアの方が重宝されます。プロジェクトに参加できるAIエンジニアが限られていることも多く、「AI担当が一人だけ」というケースも少なくないためです。AIエンジニアとして活躍するためには、問題解決能力はとても重要だと考えられるでしょう。
好奇心・学習意欲が強い
AIエンジニアに向いている人の特徴としては、好奇心や学習意欲が高いことも挙げられます。AI分野は今も発展を続けている途中であり、AIエンジニアとしても常に学び続ける姿勢が求められるためです。
常に新しい知識やスキルを習得することをいとわず、積極的に成長しようとする姿勢がAIエンジニアには求められるでしょう。特にモデル作成の工程においては、繰り返し検証することが求められます。「どうしてこの結果になるのか」と考えながら好奇心を持って学ぶ姿勢が必要でしょう。
6.AIエンジニアにおすすめの資格・試験
この章では、AIエンジニアのスキルアップにおすすめできる資格・試験についてお伝えします。今回紹介する資格・試験は、以下の通りです。
<AIエンジニアにおすすめの資格・試験>
基本情報技術者試験
統計検定
Python3エンジニア認定試験
G(ジェネラリスト)検定
E(エンジニア)資格
ORACLE MASTER(オラクルマスター)
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、AIエンジニアに限らず幅広い種類のITエンジニアに共通した基本知識を体系的に学習できる試験です。
コンピューターが動作する仕組みやデータベース、ネットワークなどの基本知識に加えて、開発において検討すべき点についても理解を深められます。IT業界で活躍したいと考えているなら、挑戦を検討してみると良いでしょう。また、マネジメントに関する知識も問われることから、ITエンジニアだけでなくIT業界でビジネスをする幅広い人におすすめできる試験です。
基本情報技術者試験の詳細はこちらからご覧いただけます。
統計検定
統計検定は、統計学に関する知識・スキルを証明する全国統一試験です。
データに基づいた客観的な判断能力と、判断に基づいた問題解決能力が問われます。試験に挑戦する中で、データに基づいた分析を行うスキルが身につくでしょう。AIエンジニア、特にデータサイエンティストやAIアナリストとしてデータ分析を行いたいなら、統計検定への挑戦は良い選択肢の1つです。また、AIエンジニアとして案件を獲得したり就職したりする際にも、統計検定の取得は大きなアピールポイントになります。
Python3エンジニア認定試験
Python3エンジニア認定試験は、プログラミング言語「Python」に関する知識を問う試験です。
「基礎試験」と「データ分析試験」の2つに分かれており、基礎試験では基本的な文法知識を、データ分析試験ではデータ分析に使用するライブラリや数学の知識を問います。Pythonに関する基礎知識を学びたいなら基礎試験を、ある程度プログラミング経験を持つ人がデータ分析について学びたい場合はデータ分析試験を受験すると良いでしょう。
G(ジェネラリスト)検定
G(ジェネラリスト)検定は、JDLA(日本ディープラーニング協会)が認定する、深層学習(ディープラーニング)活用に関するスキル・知識を問う検定試験です。
比較的基本的な内容を問われることから、文系人材を含めたビジネスパーソンも広く受験する検定試験だといえます。AIエンジニアとしての学習を始めたばかりの人にも、受験をおすすめできる試験の1つだといえるでしょう。
E(エンジニア)資格
E(エンジニア)資格は、JDLA(日本ディープラーニング協会)が認定する、深層学習(ディープラーニング)を実装するエンジニアとしてのスキル・知識を問う検定試験です。
深層学習(ディープラーニング)の理論に対する理解や、実装に対して適切な手法を選択する知識・スキルを持っているのかを評価します。
2024年2月に実施した試験の合格率は72.61%と開発に携わっている方の受験が多いため、高い水準となっておりますが、開発に携わったことのない方には難易度の高い試験となるでしょう。
しかし、AIエンジニアとして実務をこなしている人であれば対策することで十分に対応可能です。既にPythonを使った実務をしていて自分の能力を客観的に証明したい人であれば、受験は良い選択肢だといえるでしょう。
ORACLE MASTER(オラクルマスター)
ORACLE MASTER(オラクルマスター)は、データベース運用に関するスキル・知識を証明できる資格です。
ORACLE MASTER(オラクルマスター)には、以下のレベルが用意されています。
<ORACLE MASTER(オラクルマスター)の試験レベル>
Blonze(ブロンズ)
Silver(シルバー)
Gold(ゴールド)
Platinum(プラチナ)
Silver SQL(シルバー SQL)
基本レベルではデータベース基礎やSQLに関する知識などが問われ、上級レベルではさらにトラブルシューティングやパフォーマンスチューニングなどに関する知識も問われます。データベース運用に関するスキル・知識を証明したい人やデータベース運用に関する勉強をしたい人なら、自分のレベルに合わせて受験を検討すると良いでしょう。
7.AIエンジニアの将来性
AIエンジニアの将来性は、以下の理由から非常に高いと考えられます。日本国内の企業の多くが、データの活用を重要視するようになっているためです。
総務省の企業におけるデジタルデータの活用状況を表したデータによると、日本国内でも70%以上の企業がデジタルデータの活用を検討しているか、すでに活用しています。
海外でもデータ活用のニーズは高く、AIエンジニアが活躍するフィールドは広がっていくと考えることが自然でしょう。
また、世界のAI市場規模を見てみましょう。
予測によると2022年18兆7,148億円(前年比78.4%増)を見込んでおり、以下の通り2030年まで今後も右肩上がりに上がっていくと考えられています。
AI市場が拡大し続ける以上、AIエンジニアの需要も高まり続けると考えられます。
なお「AIエンジニア いらない」「AIエンジニア オワコン」「AIエンジニア やめとけ」とサジェストワードで表示されております。しかし、生成AIの進化やAI分野の急速な発展により、AIエンジニアの需要は増加しています。生成AIはツールとして活用される一方で、その開発・運用には高度な専門知識が必要です。
企業はデータ活用やAI導入を強化しており、AIエンジニアは重要な職種となっていくでしょう。
8.AIエンジニアになるには
この章では、AIエンジニアになるための方法についてお伝えします。
AIエンジニアになるためのルートは、主に以下の3つだといえます。
<AIエンジニアになるための主なルート>
AIエンジニアの専門学校で学ぶ
大学・大学院で学ぶ
研究室で研究経験を積む
AIエンジニアの専門学校で学ぶ
AIエンジニアになるためのルートとしてはまず、専門学校で学ぶことが考えられます。近年ではAIエンジニアの需要が日本国内でも高まっており、AIエンジニア養成専用のコースを用意している専門学校も多くあります。
専門学校であれば、AIエンジニアに必要なスキルや知識を総合的かつ体系的に学べます。AIエンジニアに必要な勉強を基礎からじっくり行いたいのであれば、専門学校での勉強は有効な手段だといえるでしょう。
大学・大学院で学ぶ
大学や大学院で学ぶことも、AIエンジニアになるルートの1つだといえます。
大学の理学部や工学部などでAIに関する基礎知識を学び、企業への就職や案件の獲得を目指すルートです。さらに大学院でも学び博士号を取得することで、AIエンジニアを求めている大企業や有名企業への就職も可能になるでしょう。ただし大学院までの卒業となると大学を卒業してからさらに5年が必要であり、学費もかかることはしっかりと考える必要があります。
研究室で研究経験を積む
AIエンジニアになる方法としては、研究室で研究経験を積むことも考えられます。
大学や研究機関で行っている募集に応募し、研究室に職員として関わる方法です。AI研究に携わりながら勉強を続けることで、AIエンジニアとして働くチャンスが広がっていくと考えられます。研究室であればAI開発に関する最新の情報が手に入る可能性が高く、学ぶ場としては非常に魅力的だといえるでしょう。もし大学に協賛している企業があれば、就職のチャンスも広がります。
9.AIエンジニアの平均年収
AIエンジニアの平均年収は、厚生労働省のデータによると558.3万円です。
以下で、AIエンジニアの年収を世代別で全体の平均年収と比較します。
年齢 | AIエンジニアの 平均年収 | 全体の 平均年収 |
---|---|---|
20〜24歳 | 327.74万円 | 273万円 |
25〜29歳 | 420.08万円 | 389万円 |
30〜34歳 | 493.08万円 | 425万円 |
35~39歳 | 570.56万円 | 462万円 |
40〜44歳 | 641.79万円 | 491万円 |
45~49歳 | 695.97万円 | 521万円 |
50〜54歳 | 700.48万円 | 537万円 |
55~59歳 | 718.93万円 | 546万円 |
60〜64歳 | 508.28万円 | 441万円 |
出典:厚生労働省職業情報提供サイトjobtag「AIエンジニア」・厚生労働省「令和4年分民間給与実態統計調査」
上記の通り、AIエンジニアの年収は55〜59歳のときに718.93万円でピークになります。いずれの年代でも全体平均よりも高額の年収となっており、AIエンジニアは年収が高い職業だと十分にいえるでしょう。
実際にフリーランスボードで「AIエンジニア」の求人・案件一覧を確認しても、月額82.2万円(年収換算で987万円)以上の案件が多数ありました。中には年収換算で1,200万円や1,800万円の案件もあり、AIエンジニアは経験とスキルによって十分に高収入を得られる職業だとわかります。(参考:フリーランスボード「AIエンジニア」)
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10.まとめ
AIエンジニアは、AIを活用する幅広い研究開発を行う専門職です。深層学習(ディープラーニング)や機械学習の手法を駆使して、さまざまな分野のシステム開発や実装を行います。AI関連の市場は世界中で拡大を続けており、AIエンジニアのニーズも今後高まっていくことが十分に予想できるでしょう。
高いニーズがある分年収も高い職種であり、経験やスキル次第で1,000万円以上の年収も十分に狙えます。一括りにAIエンジニアといっても実際にはデータサイエンティストやデータアーキテクトなどさまざまな専門職があり、自分の理想とする働き方に合わせてキャリアパスを描ける点は魅力的だと言えるでしょう。
AIエンジニアとしてのキャリアに興味がある方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。