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Javaを使う4つのメリットとは|やめとけ?言語特性や開発事例、デメリットなどわかりやすく解説

公開日:2025/06/13最終更新日:2025/06/13

言語選択をしたい初学者エンジニアの中には、Javaを選ぶ判断材料としてメリットを知りたい方もいるでしょう。Javaはエンジニアによって選択言語として意見が分かれることもあり、メリットとデメリットを知って、自分で将来のことを考えて選びたいところです。


そこで本記事は、Javaのメリットを中心に、プログラミング言語としての特徴や習得後の開発先例などを解説します。


1.Javaとは

Javaは、プログラミングに使われる言語の1つです。オブジェクト指向で作るソフトウェアの開発に使われています。初学者でもパソコンにJavaの開発環境を入れるだけで、プログラムを作って実行することが可能です。

2.Javaの3つの特徴

Javaの特徴は大きく分けて3つです。

  1. オブジェクト指向

  2. 大規模開発

  3. マルチプラットフォーム

Javaの大きな特徴は、オブジェクト指向です。コードの再利用性や拡張性、堅牢性などに優れています。それを支えている機能が「ポリモーフィズム(多様性)」や「継承」、「カプセル化」です。これらがオブジェクト指向の3大要素といわれています。


例えば、カプセル化は内部の情報を隠すことができます。しかし、それだけでなく、バグから波及する影響を小さくしたり、他の部品として再利用性を高めたりすることが可能です。


また、ポリモーフィズムによってメソッドをさまざまなパーツで使い分けることができます。継承してコードを作成するなど、大規模開発向けの機能がもとから備わっているのです。

Javaの文法・構文とコードの傾向

JavaはC++にコード設計が似ており、コード記述が長めのプログラミング言語です。例えば、プログラムで最初に書くコードは以下です。

public class Main {

    public static void main(String[] args) {

        System.out.println("こんにちは、Javaの世界へようこそ!");

    }

}

クラスは最初に書いて、その中に実行に必要なメインメソッドの記述、メソッドの外にフィールド、そして具体的な処理を書きます。


インポート文やインターフェースだけを同時にクラス外へ書くこともありますが、基本的にはこのクラスがあってプログラムを実行できます。


また、Javaの場合は「public static void main」のメインメソッドがプログラム開始の起点として必要です。このメソッドを含むクラスが1つもないと、Javaはコードを実行することはできません。それを知らずにコンパイルすると、エラーが出ます。

Javaの開発環境

Javaは開発環境を構築する必要があるプログラミング言語です。これはJavaがJVM(Java仮想マシン)で実行を行うためで、そのための環境を用意するために、JDKを事前にインストールする必要があります。


コマンド開発やIDE開発でも例外ではなく、JavaやJavacのオプションをコマンド上で操作するには、Javaの基本機能が必要です。


一般的には、コマンドプロンプトでの開発よりも、ツール補助や機能があるIDE(統合開発環境)が便利です。IDEの代表的なものとしてはEclipseがあり、スマホアプリの開発ではAndroid Studioが有名です。


ただし、実際には開発環境に差が出ないように開発者と実行環境をあわせます。IDEはコードの補完や独自の機能をサポートしていることもあり、実行時に環境依存の問題が発生するからです。

Javaのライブラリ・API

Javaでは、ライブラリやAPIを使って開発が行われます。Javaはライブラリを使わないゼロベースからのコード作成と開発作業もできなくはありませんが、ゼロからすべてを生み出すことはかなり大変です。そのため、カスタマイズするとき以外は、標準ライブラリや外部ライブラリをエンジニアは活用しています。


標準ライブラリはJavaの開発環境としてJDKをインストールした際についてくるものです。別途インストールせずに使うことができます。また、外部ライブラリやAPIを使用する場合も簡単です。


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3.Javaを選ぶ3つの理由

ここでは、エンジニアがJavaを選ぶときの理由について、以下に3つ取り上げます。

学習媒体や情報が豊富

1つ目は、Javaが安定して学習を続けられるメディア媒体や情報が豊富にあることです。Javaは開発にコード設計してプログラムを組んで実装するため、Javaに関する基礎知識と最新の情報を日々の中で学習し続ける必要があります。そのため多くの情報源が手に入ります。


他の言語と学習のしやすさを比較する場合、例えばJavaから派生したKotlinは、メディア媒体が少なく学習環境が整っていません。そのため、開発の中で問題に直面した初学者がトラブルを解決できず、多くの時間を浪費することが起こります。


しかし、Javaはエンジニアの手によって多くの情報共有が行われています。学習教材から最新情報、それを指導できる経験豊富なエンジニアまで、オンライン学習の場でも簡単に見つけることが可能です。


そのため、Javaは初学者にとって必要な学習環境が用意されているプログラミング言語といえます。

クロスプラットフォーム開発できる

2つ目は、Javaがクロスプラットフォーム開発できる性能を備えていることです。そのため、さまざまなOSで動かすことができます。


これは、Javaが実行時に中間言語にコンパイルして、どのOSでも動くように設計されているためです。これはパソコンOSだけの話ではなく、Androidアプリの開発に使う公式言語にも過去に選ばれています。


クロスプラットフォーム開発ができない言語では、OS環境ごとに開発コードも変える必要がありますが、Javaでは不要です。ただし、クロスプラットフォーム開発は環境の差によるバグがないわけではありません。そのことには注意が必要です。

幅広い業界で開発案件に採用されている

3つ目は、開発案件に採用されやすいプログラミング言語です。実際、Javaが企業案件として多く扱われています。企業のシステム開発やWEBアプリケーション開発、大規模なバックエンド開発などが代表的です。


例えば「フリーランスボード」におけるJavaエンジニア案件の調査では、フリーランス案件全体の2割程度はJavaとなっています。Javaを選択することで、案件に携わる機会と案件数、将来のキャリアアップの機会を増やせるのです。

4.Javaを使って開発するメリット

Javaを使って開発することには、以下の4つのメリットがあります。

ライブラリ・APIの充実

1つ目のメリットは、他のマイナーな言語に比べてライブラリ・APIが充実していることです。


Javaは多くのエンジニアやプログラマが長年使用してきた蓄積があるため、ライブラリやAPIがたくさんあります。代表的なライブラリ・APIには、文字列操作や日付操作、ファイル操作、算術機能などがあり、これらをJavaのプログラムに組み込んで使うことが可能です。

高速処理の実行が可能

2つ目のメリットは、Javaが高速に動作することです。Javaの言語仕様は、コンパイル時に中間言語に翻訳されます。プログラムは実行するときに機械語という人間には難解な言語に変えて処理しているのです。OSはその機械言語を読み取ってプログラムが動く仕組みとなります。


中間言語に一度変わり、コンパイルが一度成功するとそのファイルを繰り返し実行するため、実行時の速度が上がるのです。


1行ずつ読み取るインタプリタ型の言語(RubyやPython、JavaScriptなど)と比べても、コンパイラ型言語のJavaは高速処理が可能でしょう。

セキュリティが堅牢

3つ目のメリットは、セキュリティや堅牢さを高める実装や型の安全性確保がJavaでは可能なことです。


例えば、言語仕様で型の安全自体が保証されています。また、ガベージ・コレクションなどを使用することでコードの堅牢性を高めているのです。


それに、セキュリティに関連したAPIも多く用意しており、認証やアクセス制御、暗号化に安全なSSL通信など、幅広い開発分野のセキュリティをカバーしているのです。

開発の自由度が高い

4つ目のメリットは、システムやアプリケーションの規模、使用技術にあわせた自由度の高い開発が可能なことです。Javaはオブジェクト指向で拡張性が高く、クラスの継承やインターフェース化などができます。それを通じて、機能拡張やコードの再利用を繰り返すことができます。


そのため、開発中でも設計に機能追加の余地を残して進行しやすいのです。特に1つの機能だけをもたせる方法なら後からの追加が容易となります。


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5.Javaを開発に使用するデメリット

Javaには多くのメリットがありますが、言語選択をする上で開発時のデメリットも把握しておきたいところです。以下にJavaで学習・開発を進める上でのデメリットを取り上げます。

プログラミング初学者のハードルが高い

1つ目のデメリットは、Javaがプログラミング初学者にとって習得までのハードルが高いことです。


まず、簡単なコードでも長い記述が必要で、初心者が学びにくい要因となります。また、オブジェクト(のモノ)を基本とした考え方は独特です。


そのため、設計や構文理解にも時間を要します。その上、実践に耐える多くの学習時間や経験が必要です。

規模の小さい開発向けの言語ではない

2つ目のデメリットは、Javaの技術ベースが大規模開発向けということもあり、開発規模が小さいとJavaの仕様や複雑なプログラム構造を上手く生かせません。特に、拡張性やコードの再利用性が大規模開発では強みとなりますが、規模が小さいと簡略した書き方ができません。すると、Javaはコード量と型の厳格さの特徴が強く出過ぎて使いづらさが目立ちます。


そのため、他の言語で代替できてしまうのです。それに未経験の個人が経験を積むには、Javaは限界があります。なぜなら、Java開発では、経験年数や開発内容が案件採用に直結するためです。言語切替の学習者に比べて、プログラミング初学者には大きなデメリットです。

6.Javaを習得すると将来できる開発事例を紹介

開発では、プログラミング言語にどれを使うか、Javaの特徴や目的を踏まえて判断されます。それぞれの言語にはどの開発に向いているのか違いがあるためです。以下は、Javaを習得することで可能となる開発事例です。

業務向けのシステム開発

1つ目は、企業の業務などに使われるシステム開発です。基幹システムや業務システム、ERPなどが代表的です。


基幹システムとは、企業の中心となるシステムのことで、人事や会計、主業務にあたる物流や生産システムなどの総称です。これにはIT企業や銀行、物流会社などの民間企業だけでなく、行政や自治体などの官公庁のシステムも含まれます。


クラウドを使う業務システムに比べて、基幹システムは独自に開発するという企業もいまだに少なくありません。そして、システム開発のために、外部や内部のSEに依頼することがあります。その開発工程でJavaを使用することがあるのです。特に銀行や官公庁の大規模なシステムは、案件に複数のJavaエンジニアが携わります。

WEBアプリケーション・クラウド開発

2つ目は、企業開発で活況となっているWEBアプリケーションやクラウドの開発です。


Javaは実行環境を選ばずにどこでも動作するため、WEB上で動くシステムの開発言語としても使えます。例えば、ECサイトではサーバーサイドの開発で使われます。


また、セキュリティ面では、APIを導入して安全なWEBアプリケーションを作れるのも魅力です。コードの削減やサーブレットコンテナなどで開発効率を高めるフレームワーク(Springなど)を活用できます。

スマホアプリ開発

3つ目は、スマホアプリの開発に使えることです。スマホはAndroidとiPhoneが主流ですが、そのうちのAndroidアプリはJavaで開発されているものも少なくありません。これはAndroid開発に使われるプラットフォーム「Android Studio」が以前はJavaを公式言語としていたからです。


Kotlinは学習の難しさやトラブル解決の情報が見つかりにくいため、いまでもJavaで開発を行うエンジニアが少なくありません。簡単なスマホアプリなら初学者エンジニアでも作成できます。そのため、実績作りや趣味として始める方もいます。

デスクトップアプリ

4つ目は、個人の便利ツールなどに類するデスクトップアプリです。デスクトップアプリは、パソコンの画面上で実行できるソフトのことです。


いまはWEBアプリが主流で、スタンドアロンのデスクトップアプリの開発需要は高くありません。しかし、WEBにアクセスしないため、処理速度が早いのが特徴です。


初学者エンジニアがJavaを学んで試しに制作物を作る中で、デスクトップアプリはその選択肢の1つにしやすいでしょう。ただし、IDEやコマンドから直接実行せず、アプリケーションとしてパッケージ化するには、配布やインストールパッケージを準備する必要があるなど少し手間がかかります。

組み込み系システム

5つ目は、Javaによる組み込み系のシステム開発です。いわゆる家電やモバイル機器などに直接命令する機能を実装したシステム開発を指します。例えば、携帯電話がJavaの組み込み系システムで作られたことは国内でも有名です。


ただし、Javaを組み込み系システムに使うことには、動作の遅さやメモリ上の欠点が指摘されていました。これを性能の向上により改善し、最近では積極的にJavaも使われています。


例えば、C言語はポインタによるバグが発生しやすいですが、Javaを使うとポインタがなく、ポインタ特有の問題が解決します。Javaを習得して将来的に組み込み系システムを担うキャリアにつながることもあるでしょう。


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7.Javaについてのよくある質問

ここでは、Javaの言語選択やその特徴・メリットなどでよくある質問に答えます。

Pythonと比べてどちらのメリットが大きい?

JavaとPythonでは、プログラミング言語として特徴が大きく異なります。そのため、一概に同じ基準でメリットを比べられるわけではありません。しかし、目的や開発内容によって独自のメリットを重視し、選択することはできます。


例えば、Javaは汎用性が高く、バックエンド開発に向いているため、基幹システムの開発効率が高いメリットがあります。一方、Pythonは機械学習を使用する際のAIモデル開発やデータ解析などの処理に優れたメリットを発揮します。


メリットを比べることで、目的や開発製品にあわせたプログラミング言語の見極めが可能です。

「Javaはやめとけ」といわれる原因は?

Javaの言語選択時に周囲や先輩エンジニアに「Javaはやめとけ」と否定されることがあります。その原因は、初学者に対してJavaの習得のハードルの高さや仕事の大変さを指摘することにあります。


まず、Javaは習得までの時間がかかり、基本を習得してもその先の開発案件を獲得するまでに、さらなる経験やスキルのハードルがあります。


また、企業やチーム常駐でSEとなって業務する場合、仕事の大部分で「Javaに待っているのは肉体労働だ」という指摘です。そのため、「Javaはやめとけ」と指摘する声がいまもあります。しかし、Javaの業務は決してそれだけではないため、キャリアパスや就きたい業務などを踏まえて選択することです。

JavaScriptとは違うプログラミング言語?

Javaと似た名前のプログラミング言語にJavaScriptがあります。この2つは全く異なるものです。


JavaScriptは主にWEBページで動作するプログラム作成に使われます。しかし、JavaはWEBページに限らず、JVMのさまざまな動作環境でプログラムを作成して実行できる仕様です。そのため、さまざまな用途や大規模開発を目的に使われているのです。


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8.まとめ

今回は、Javaのメリットやプログラミング言語として選択する場合に知っておきたい特徴などを解説しました。Javaはオブジェクト指向のプログラミング言語で知名度も高く、大規模開発や堅牢性、セキュリティの高さなどの特性があります。


また、開発案件で使用する言語にも採用されており、専門的な業務内容になりやすいことも特徴です。そのため、Javaのメリットには自由度の高さや学習のしやすさなどがあります。


学習のハードルの高さや仕事のイメージから否定的な意見も向けられますが、さまざまな開発に使用できるため、言語選択の際はこれらを総合的に判断しましょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。


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この記事の監修者

笠間 慎

大学卒業後、人材紹介会社にコンサルタントとして従事。フリーランスとして独立。その後、フリーランス案件サイト「フリーランススタート」の立ち上げに編集長兼ライターとして参画し、月間30万人が利用する人気メディアへと成長させる。 2024年より、フリーランスボード編集長に就任。自身の経験を元に、フリーランスの活躍を支援する情報を発信している。

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目次

1.Javaとは

2.Javaの3つの特徴

Javaの文法・構文とコードの傾向

Javaの開発環境

Javaのライブラリ・API

3.Javaを選ぶ3つの理由

学習媒体や情報が豊富

クロスプラットフォーム開発できる

幅広い業界で開発案件に採用されている

4.Javaを使って開発するメリット

ライブラリ・APIの充実

高速処理の実行が可能

セキュリティが堅牢

開発の自由度が高い

5.Javaを開発に使用するデメリット

プログラミング初学者のハードルが高い

規模の小さい開発向けの言語ではない

6.Javaを習得すると将来できる開発事例を紹介

業務向けのシステム開発

WEBアプリケーション・クラウド開発

スマホアプリ開発

デスクトップアプリ

組み込み系システム

7.Javaについてのよくある質問

Pythonと比べてどちらのメリットが大きい?

「Javaはやめとけ」といわれる原因は?

JavaScriptとは違うプログラミング言語?

8.まとめ