Web制作においてPHPとHTMLは欠かせない存在です。ただPHPとHTMLの違いをきちんと説明できるでしょうか?本記事では、PHPとHTMLの役割の違いを解説したうえで、具体的な連携方法と実例、PHP・HTML・JavaScriptの違いと連携方法などまでわかりやすく解説します。
目次
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1.PHPとHTMLの違いとは?
Webサイトを作るときにPHPとHTMLは欠かせない存在なのですが、PHPとHTMLの違いをきちんと説明できるでしょうか?経験がまだ浅い初心者の方の中には混同したり、もしかするとPHPとHTMLの違いを意識していないなんて人がいるかもしれません。
PHPとHTMLは役割と動作の仕組みが違います。ここではPHPとHTMLの違いについて解説します。
PHPとは?動的な処理を担当します
PHPはサーバーサイドのプログラミング言語で、Webサイトの動的な処理を担当します。たとえば、ユーザーがフォームに入力した情報を処理したり、商品データをデータベースから取得して表示したりするときに使われているのです。
WebサイトでPHPが使われている場面では、PHPで記述されたコードがサーバーによって処理されると、HTMLが出力されユーザーのブラウザに送信されます。その内容が表示されるのです。
ユーザー操作によってWebサイトの表示内容を変化させることができるため、ログイン機能や注文処理など動的な処理が必要なWebサイトにはPHPが不可欠です。なおWordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)にもPHPが使われていることが多く、CMSのカスタマイズにPHPの知識とスキルは活かせます。
Web業界での就職・転職にはPHPスキルが強みになりますのでぜひ身に着けてください。
HTMLとは?Webページの構造を作ります
HTMLはマークアップ言語で、Webページの構造や内容を記述するために使われます。Webページに含まれる見出し・段落・画像・リンクなどの要素を、タグで指定しブラウザに表示させるのがHTMLの役割です。
たとえば、<h1>はタイトル、<h2>は大見出し、<a>はリンクを意味するタグですが、このようなタグを組み合わせてWebページのレイアウトを完成させます。
PHPがサーバーで処理されるのに対して、HTMLはユーザーのブラウザで機能します。HTMLの内容が変わらない限り同じ内容を表示できるという特徴があり、静的な情報を表示する役割を担っています。HTMLもWeb制作で就職や転職をするには必須のスキルです。
PHPとHTMLの大きな違い
PHPとHTMLのもっとも大きな違いはそれぞれが担う役割です。PHPが動的なWebページを作る役割を担っているのに対して、HTMLは静的なWebページを作る役割を担っています。
また処理が実行される場所も大きな違いです。PHPはサーバー上で処理が実行されて、その処理結果としてHTMLを出力します。対してHTMLはユーザーのブラウザが読み込み表示します。PHPが処理や判断を担うためある程度のスペックが必要なサーバーで処理され、HTMLはその結果を表示させる程度なのでブラウザで動くというわけです。
2.index.phpとindex.htmlの違いとは?
Webサイトのトップページは、index.htmlやindex.phpになっていることが多いのですが、index.htmlやindex.phpに違いはあるのでしょうか?ここでは、index.htmlとindex.phpの違いについて解説します。
indexページはサーバーで最初に読み込まれます
Webサーバーにアクセスしたとき、https://example.com/のようにURLの末尾が「/」で終わっている場合には、サーバーがインデックスファイルをを探します。
ApacheやNginxなどの一般的なWebサーバーでは、index.htmlやindex.phpがインデックスファイルとして指定されているので、https://example.com/にアクセスするとindex.htmlやindex.phpが表示されるのです。index.htmlとindex.phpのどちらを優先するかはサーバーの設定ファイルで決まります。通常はまずindex.htmlを探し、なければ index.phpを探して表示されるでしょう。
WordPressなどのCMSではどちらが使われる?
WordPressなどのCMSでは、index.phpをトップページにするのが一般的です。CMSではルーティングやテンプレート処理、ユーザー権限のチェックなど、Webページ表示前にさまざまな処理が必要となるためです。
たとえば、WordPressのテーマフォルダには必ずindex.phpがあります。index.phpを中心に、投稿一覧・固定ページ・カテゴリーページなどを切り替えて表示します。
CMSが生成する動的ページでは、毎回のアクセスの都度動的にページが組み立てられるので、常にサーバーサイドでの処理を挟む必要があるというわけです。そのため、トップページには index.phpが使われます。
一方で企業のWebサイトやランディングページなどにおいて、動的に変化させる必要がなく、固定した内容を表示したいとか、高速に表示したい場合には、index.htmlを選ぶと良いでしょう。サーバー負荷が少なく、処理速度も速いためおすすめです。
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3.PHPをHTMLに埋め込みする方法
PHPとHTMLはそれぞれ役割が異なるとはいえ、Webページ上で相互に連携しています。特にPHPのコードをHTMLに埋め込みするWebページがよく使われます。ここではPHPをHTMLに組み込む方法について解説しましょう。
PHPをHTMLに埋め込みする背景
PHPがHTMLに埋め込みできるのは、PHPがサーバーサイドで実行される言語であり、HTMLを生成する処理ができるからです。HTMLファイルに、「<?php」で始まり「?>」で終わるタグを入れ、この中にPHPのコードを書けば機能します。「<?php」から「?>」までの部分をサーバーがPHPのコードだと判断し実行するのです。
WebサーバーがPHPで書かれたコードを受け取ると、PHPのインタプリタがコードの内容を実行します。その実行結果がHTMLとして組み立てられブラウザに表示されます。
ユーザーが使うブラウザにはあくまでHTMLだけが届き、PHPのソースコードは一切表示されません。
PHPをHTMLに埋め込みするコード例
PHPをHTMLに埋め込みするサンプル例として、現在の日付を表示する簡単なコード例を紹介します。
コード例
<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="UTF-8" /> <title>PHP埋め込みサンプル</title> </head> <body> <h1>ようこそ!</h1> <p> <?php $today = date('Y年m月d日'); echo "本日の日付は {$today} です。"; ?> </p> </body> </html> |
このコード例ではPHPのdate関数で取得した日付をechoを使ってHTML出力していて、ブラウザで見ると「本日の日付は 2025年12月31日 です。」というように表示されます。
PHPをHTMLに埋め込みする場合には、「<?php」や「?>」タグを忘れ無いようにしましょう。また、HTMLの属性値にPHP変数を使いたいときは、ダブルクォートの中に変数をいれたりエスケープ処理しなければなりません。
なおheader関数を使ってリダイレクト処理を行う場合は、HTMLの出力よりも前にPHPの処理を書かなければなりません。改行・空白が先にあるとヘッダーが送信できず、ページが正しく動作しなくなるおそれがあるので十分に注意してください。
HTMLをPHPに変換する?
「HTMLをPHPに変換する」という表現を見聞きすることがあるかもしれませんが、正しくありません。PHPで書いたコードによってHTMLが出力されているのが正しい表現であって、HTMLがPHPに変換されているわけではありません。
.htmlでPHPを動かす?
.htmlのファイルにPHPのコードを書いたとしても、サーバーがそのファイルのコードをPHPとして認識しなければ動かすことはできません。多くのWebサーバーでは、拡張子が.phpのファイルをPHPコードとして認識して処理するようになっていますので、.htmlのままPHPコードを書いても通常の設定ではまったく実行されません。PHPのコードで動的な処理をしたい場合には、ファイルの拡張子を.htmlではなく.phpにしておきましょう。
どうしても.htmlでPHPのコードを動かしたい場合は、ハンドラを追加しなければいけません。Apacheの場合は.htaccessに次のように設定しましょう。
AddHandler application/x-httpd-php .html |
「拡張子.htmlもPHPとして扱う」という意味の設定です。ただし、処理対象が増えるためサーバーに対する負荷が高まりますので、しっかりと検討したうえで設定してくださいね。どうしてもURLを変えずに動的ページに変更したい場合など、特別な場合以外では拡張子を.phpに変更するのが無難です。
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4.PHPとhtmlの組み合わせ実例
PHPとHTMLはWebサイトで違う役割を担いながらも、組み合わせることでさまざまな表現と機能をWebページに持たせることが可能です。ここでは、PHPとhtmlの組み合わせ実例をいくつか紹介します。
PHPのecho文でHTMLを出力する
PHPとhtmlを組み合わせる基本的なものが、PHPのecho文でHTMLを出力するものです。見出しや段落などのHTMLタグを、PHPのコードで文字列として出力させ、ブラウザに表示させることができます。
コード例
<?php echo "<h1>こんにちは、ユーザーさん!</h1>"; echo "<p>このページはPHPで出力されています。</p>"; ?> |
このコード例のように、HTMLタグをダブルクォートで囲み、PHPのecho文で出力しましょう。コードの可読性や保守性を考えると、PHPとHTMLをあまり混在させすぎないように工夫してください。
PHPの条件分岐でHTMLを変化させる
PHPの条件分岐を使えばHTMLを変化させることが可能です。たとえば、ユーザーの状態や設定で判断して表示内容を変えることができます。
コード例
<?php $isLoggedIn = true;
echo "<p>ようこそ、ログイン中のユーザーさん!</p>"; } else { echo "<p>ログインしてください。</p>"; } ?> |
このコード例のように変数の状態によって出力内容を切り替えることで、HTMLの内容を変化させ、Webページを動的に制御することが可能です。
PHPのループ処理を使ってHTMLに出力する
PHPのループ処理を使えば、配列の要素を表示するときなど繰り返し構造のHTMLを効率よく出力できます。
コード例
<?php $products = ["商品A", "商品B", "商品C"];
foreach ($products as $item) { echo "<li>{$item}</li>"; } echo "</ul>"; ?> |
このコード例では、配列に格納された商品名をひとつずつリスト表示しています。実際のWebサイトでは、データベースから取得した情報を全て表示するときなどに活用できるでしょう。
PHPとhtmlを組み合わせてフォームを処理する
PHPとhtmlを組み合わせて使う典型的な活用がフォーム処理です。HTMLで作ったフォームから送信された内容を、PHPで受け取り処理する仕組みはWebサービスの基本とも言えます。
ここではフォームに名前を入力して送信すると、お礼のメッセージが表示されるコード例を紹介しましょう。
コード例(HTML側)
<!-- form.html --> <form method="post" action="greet.php"> <label for="name">名前:</label> <input type="text" name="name" id="name" required /> <input type="submit" value="送信" /> </form> |
コード例(PHP側)
<!-- greet.php --> <?php $name = htmlspecialchars($_POST['name'], ENT_QUOTES, 'UTF-8'); echo "<p>こんにちは、{$name}さん!ご連絡ありがとうございます</p>"; ?> |
このコード例のように、HTMLで入力欄を定義し、PHPで値を受け取って出力すれば、ユーザーごとに異なる内容を表示するページを作ることが可能です。なおこのコード例では、htmlspecialchars関数を使っていて、クロスサイトスクリプティング攻撃の対策を実装しています。
PHPとHTMLを組み合わせて、フォームの送信と送信内容の処理を工夫すると、ログイン処理、アンケート収集、予約システムなど、さまざまな活用が可能です。
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5.PHPとJavaScriptの違いとは
Web制作ではPHPとHTMLに加えて、JavaScriptも同時に使われることがあります。PHPとHTMLの違いと同様で、PHPとJavaScriptの違いをきちんと説明できるでしょうか?PHPとJavaScriptの違いをあまり意識していないなんて人もいるのではないでしょうか。
ここではPHPとJavaScriptの違いを説明します。そして、PHP・HTML・JavaScriptの役割分担と連携についても解説します。
PHPとJavaScriptの違い
PHPとJavaScriptは、どちらもWeb制作に欠かせないプログラミング言語ですが、実行されるタイミングと場所が違うのです。
PHPはサーバーサイドで実行されるプログラミング言語であり、ユーザーがページをリクエストしたタイミングでサーバーがコードを処理し、HTMLとして結果を返します。ログイン認証、データベースへの接続、注文フォームの受け取りなど、ユーザーには見せなくても良い裏側の処理をPHPが担当します。
一方、JavaScriptはクライアントサイドで動作するプログラミング言語です。ユーザーのマウス操作に合わせて画面に表示される画像を変えたり、ブラウザ上の動きを担当します。
PHPはサーバーでの処理、JavaScriptは画面上の動きを処理すると理解するとわかりやすいでしょう。
PHP・HTML・JavaScriptの役割分担
充実したWebサイトを作るためには、HTML・PHP・JavaScriptのどれも重要です。
HTMLはWebページの土台といえる存在で、Webページに表示する内容の骨組みを作る担当です。文章の見出しや段落、リンクやフォームなど、それぞれのWebページの構造を定義するために使われます。
PHPはHTMLが作った骨組みに合わせて、中身を動的に変化させることを担当します。たとえば、ユーザーがログインしているかどうかで表示を切り替えたり、データベースから取得した情報をHTMLに差し込んだりすることが可能です。
JavaScriptは画面上の動きや反応を担当します。たとえば、ボタンをクリックしたときに表示を切り替えたり、スクロールに応じてメニューの表示位置を固定したりという動作を可能にします。Webページにアクセスしたときに、あなたの操作に応じて画面が変わる部分があればJavaScriptが関わっていることが多いでしょう。
HTMLはWebページの構造を作り、PHはサーバー処理、JavaScriptはブラウザでの表現処理をそれぞれ担当しますHTML・PHP・JavaScriptそれぞれの役割を理解しうまく活用することで、ただ表示されるだけのWebページでなく、使いやすく動きのあるWebページを作ることが可能です。ぜひ上手く活用して魅力的なWebサイトを作ってくださいね。
PHP・HTML・JavaScriptを連携させる例
実際のWeb制作では、PHP・HTML・JavaScriptを使って処理の流れを実装することがあります。ここでは問い合わせフォームを例にして、PHP・HTML・JavaScriptの連携例を紹介しましょう。
<!-- contact.html --> <form id="contactForm" method="post" action="send.php"> <label for="name">お名前:</label> <input type="text" id="name" name="name" required>
<input type="email" id="email" name="email" required>
<textarea id="message" name="message" maxlength="300"></textarea>
</form>
|
HTMLでフォームを作成する
まず、HTMLでフォームの構造を定義しています。
JavaScriptで送信前に入力内容をチェックする
<script> document.getElementById("contactForm").addEventListener("submit", function(event) { const name = document.getElementById("name").value.trim(); const message = document.getElementById("message").value;
document.getElementById("errorMessage").textContent = "お名前は必須です。"; event.preventDefault(); // 送信をキャンセル } else if (message.length > 300) { document.getElementById("errorMessage").textContent = "メッセージは300文字以内で入力してください。"; event.preventDefault(); } }); </script> |
JavaScriptで送信前に入力チェックを行い、必須項目や文字数制限についてのエラーメッセージを表示させています。
PHPでフォームの入力内容を処理する
<!-- send.php --> <?php // 入力の受け取り $name = htmlspecialchars(trim($_POST['name']), ENT_QUOTES, 'UTF-8'); $email = filter_var($_POST['email'], FILTER_SANITIZE_EMAIL); $message = htmlspecialchars(trim($_POST['message']), ENT_QUOTES, 'UTF-8');
$to = "admin@example.com"; $subject = "お問い合わせ from {$name}"; $body = "名前: {$name}\nメール: {$email}\nメッセージ:\n{$message}"; $headers = "From: {$email}";
echo "送信が完了しました。ありがとうございました。"; } else { echo "送信に失敗しました。"; } ?> |
フォームから送信された内容をPHPで受け取って、メール送信を実行しています。
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6.まとめ
本記事ではPHPとHTMLの違いや役割を解説をしました。また、index.phpとindex.htmlの違い、PHPをHTMLに埋め込む方法と組み合わせの実例、PHPとJavaScriptの違い、PHP・HTML・JavaScriptの違いと連携なども解説しました。
その内容もWeb制作に欠かせない基礎知識です。Webページの構造を作るHTML、動的処理を担うPHP、画面の動きを加えるJavaScript、それぞれの役割を理解し活用すると、充実したWebサイトが実現できるはずです。ぜひ本記事の内容を活用してください。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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