「ビジネス統計スペシャリストの勉強をしているがモチベーションが上がらない」「ビジネス統計スペシャリストは役に立つのか」とお悩みではありませんか。
ビジネス統計スペシャリスト試験に合格し、スキルアップやキャリアアップに役立てるためにも、どのような試験なのか理解し、モチベーションを上げて行くことが大切です。
今回はビジネス統計スペシャリストに関する基礎知識や試験の詳細、ビジネス統計スペシャリストの資格取得のメリット・デメリット、ビジネス統計スペシャリスト合格のためのおすすめの参考書や対策法についてお話します。
目次
1.ビジネス統計スペシャリストに関する基礎知識
はじめにビジネス統計スペシャリストに関する基礎知識について解説します。
ビジネス統計スペシャリストとは
ビジネス統計スペシャリストとは、エクセルを用いたデータ分析の実力が試される検定試験です。株式会社オデッセイコミュニケーションズが運営する検定試験でもあり、ビジネス分野でのスキルアップによってキャリアアップしたい、転職や就職に役立てたいといった方に向いている試験といえます。
昨今ではテレビや雑誌、新聞などに広告を出せば売れる、もしくは利用者が増えるという状況ではなくなり、数字やデータに基づいて企画立案をしなければ効率的に売り上げを得ることができない時代になりました。
そのため、データの分析を行えるビジネス統計スペシャリストとしての知識やスキルを身につけることで、ビジネスに役立てることができるのです。
ビジネス統計スペシャリストは役に立つ?役に立たない?
ビジネス統計スペシャリストについて情報収集をしていると、「ビジネス統計スペシャリスト 役に立つ」「ビジネス統計スペシャリスト 役に立たない」といったようなサジェストキーワードが目に入ることもあるでしょう。
役に立つかどうかは自身の目標としているキャリアや現状の業務内容によって大きく異なります。
例えば、「エクセルを用いて統計を行う業務がある」「ビジネス統計スペシャリストを必要とする企業で働きたい」場合は、ビジネス統計スペシャリストは役に立つと言えるでしょう。一方どちらにも該当しない場合、もしくはより高度な統計分析を行ったり、プログラミング言語を用いたりするような場合は役に立たない可能性もあります。
サジェストキーワードに役に立つもしくは役に立たないなどの情報がある場合、全ての情報を鵜呑みすることはおすすめしません。自分のキャリアプランと相談しながら、ビジネス統計スペシャリストの資格が有益か無益かを確認しましょう。
ビジネス統計スペシャリストと統計検定の違い
ビジネス統計スペシャリストと統計検定の違いとして、ビジネス統計スペシャリストはエクセルを用いた統計分析を行えることを評価する試験、統計検定の場合はエクセルに限定せず、同時により高度な統計や分析を行えることを評価する試験ということが挙げられます。
ビジネス統計スペシャリストの場合はビジネスに必要な統計や分析が行えるようになること、統計検定の場合はビジネスに限らず、様々な分野において統計や分析を行うことのための知識やスキルが求められることも違いと言えるでしょう。
また、統計検定の場合は数学に関する知識を評価する試験でもあるため、数学の数式や理論などについても理解しておく必要があり、ビジネス統計スペシャリストの場合はエクセルの操作や関数に関する知識を理解しておく必要があるというのも違いです。
2.ビジネス統計スペシャリスト試験
次にビジネス統計スペシャリスト試験の詳細について解説します。
ビジネス統計スペシャリストの詳細
試験名 | エクセル分析ベーシック(基礎レベル) | (基礎レベル) エクセル分析スペシャリスト(上級レベル) |
---|---|---|
試験会場 | OdysseyCBT+による在宅テスト もしくは対応した試験会場への申し込み ※割引制度についてはこちら | |
試験日時 | OdysseyCBT+による在宅テストの場合はこちらを参照 対応する試験会場の場合はこちらから検索して確認 | |
試験時間 | 60分 | |
出題形式 | コンピューター上で実施するCBT形式 ・択一問題 ・穴埋め問題 ・Excelの操作をともなう操作問題 | |
出題数 | 40問前後 | 30問 |
Excelバージョン | 試験会場によって異なる | |
合格基準 | 700点以上(1000点満点) ※合格基準は、試験問題の更新などにより変動 | |
受検料 | 一般価格:6,600円(税込) 割引価格:4,400円(税込) | 一般価格:10,780円(税込) 割引価格:8,800円(税込) |
受験資格 | 特になし | |
試験結果 | ・試験終了後に判定されディスプレイ上に表示 ・合格した場合は受験から2~4週間後にオープンバッジが発行 |
ビジネス統計スペシャリストはエクセル分析ベーシック(基礎レベル)とエクセル分析スペシャリスト(上級レベル)の2種類あります。どちらも基本的にはCBT形式であり、一部は実際のエクセルの操作を伴う問題があるのが特徴です。
ビジネス統計スペシャリストの出題範囲
・エクセル分析ベーシック(基礎レベル)
エクセル分析ベーシック(基礎レベル)の大まかな出題範囲を紹介します。
大分類 | 中分類 |
---|---|
ビジネスデータ把握力 | ・平均 ・中央値 ・最頻値 ・レンジ ・標準偏差 |
ビジネス課題発見力 | ・外れ値の検出 ・度数分布表 ・標準化 ・移動平均 ・季節調整 |
ビジネス仮説検証力 | ・集計 ・散布図 ・相関分析 ・回帰分析 ・最適値 |
参考元:エクセル分析ベーシック:出題範囲
エクセル分析ベーシック(基礎レベル)の出題範囲は主に統計や分析の基礎になる部分と言えます。ただし、単に理論や知識を理解するだけでなく、エクセル上で操作できることが求められるということを覚えておきましょう。
・エクセル分析スペシャリスト(上級レベル)
エクセル分析スペシャリスト(上級レベル)の大まかな出題範囲を紹介します。
大分類 | 中分類 |
---|---|
ビジネスデータ把握力 | ・分析データの理解 ・変量データのまとめ方 データの視覚化と基本統計量 ・変量データのまとめ方 基本統計量とデータのばらつき ・変量データのまとめ方 |
ビジネスデータ仮説検証力 | ・仮説の検定 クロス集計からカイ二乗検定 平均値の比較からt検定・F検定 散布図から相関・回帰分析 質的変数を結果にした回帰分析 |
ビジネス課題発見・予測力 | ・回帰分析の応用 原因系変数を2つ以上にした回帰分析 ダミー変数の活用と時系列データの分析 |
エクセル分析スペシャリスト(上級レベル)の出題範囲は基礎レベルよりもより深く広い出題範囲と言えます。基礎レベルと同様にエクセルでの操作も必要であり、データをどのように把握するのか、仮説や検証を行うのか、課題の発見や予測をどう行うのかといった応用が求められると言えるでしょう。
ビジネス統計スペシャリストの受験者数・合格率・難易度
ビジネス統計スペシャリストの受験者数・合格率は公式発表されておらず、具体的な数値は把握できません。
ビジネス統計スペシャリストを活用・推奨する企業と教育機関を精査したところ、教育機関でもカリキュラムとして採用されていたり、銀行や大手企業においてもスキルアップの一環として活用されていることや2020年5月時点で2020年1月~5月までの受験者数は前年同時期比200%を超えていることを考えると、それなりの数の受験者数があることは間違いないでしょう。
同様に合格者の声を精査したところ、30代から50代後半の方のメッセージがあることから、幅広い年齢層でチャレンジされている認定資格だということが推測されます。
難易度的にはMOSのエクセル一般レベルと同等のスキルが前提であることを踏まえると、エクセルの操作的には難しいものではないが、基礎レベルと上級レベルの統計に関する知識がスキルが理解できるかどうかで難易度が異なってきます。
例えば今までの学習でデータや数字について学んでおり得意としている方であれば難易度は下がりますし、あまり得意でないという方は難易度が高くなると覚えておいてください。
ビジネス統計スペシャリストの申し込み手順
試験会場を検索して探す
試験会場に合わせて申し込みや受験料を支払う
Odyssey_IDを登録する(在宅受験の場合は合わせて申し込みや受験料の支払い)
申し込んだ日時に試験会場もしくは在宅で受験する
以上がビジネス統計スペシャリストの申し込み手順になります。
どちらも在宅テスト、もしくは対応する試験会場へ申し込む際に試験日時を確認するようにしましょう。受験の際、写真付きの身分証明書が必要になるため、もし所持していない場合はこちらを参照に本人確認ができる書類を用意しておきましょう。
なお、お申込み後に試験日や科目の変更、キャンセル(ご返金)はできません。
ビジネス統計スペシャリストの有効期限
ビジネス統計スペシャリストの有効期限は特に設定されていません。ただし、認定証をなくしてしまったり、同時にオンラインで確認するためのIDやパスワードを忘れてしまうと、資格を取得したことが証明できないので注意しましょう。
ビジネス統計スペシャリストの勉強時間
ビジネス統計スペシャリストの勉強時間については、データや数字を取り扱う経験があったかどうかで個人差があるということを覚えておきましょう。
前述したようにMOSのエクセル一般レベルと同等のスキルが前提であることを踏まえると、まずはエクセルの操作を覚えるのに20時間から30時間が必要になることが考えられます。エクセルの操作に慣れている方であればこの分の勉強時間は必要なくなるでしょう。
エクセル分析ベーシック(基礎レベル)の出題範囲的には、データや数字に強い方であり、エクセルの基本操作ができる場合はおおよそ30時間から50時間が推測できます。エクセル分析スペシャリスト(上級レベル)の出題範囲的には、深く広い範囲と応用が求められることから、おおよそ50時間から100時間が必要になると見ておきましょう。
ただし、どちらの場合もデータや数字に関する向き不向きや得意かどうかによって大きく異なるということは覚えておいてください。
3.ビジネス統計スペシャリストの資格取得のメリット
次にビジネス統計スペシャリストの資格取得のメリットについて解説します。
ビジネスに役立つ統計の知識が身につく
ビジネス統計スペシャリストの資格取得のメリットとして、ビジネスに役立つ統計の知識が身につくことが挙げられます。統計の知識やデータおよび数字に強くなることは、ほとんどの職種で有利になるため、様々な分野で活躍できるようになるということでもあります。
また、統計検定の資格などを取得し、プログラミング言語のPythonなども勉強していくことで、データ分析領域のスペシャリストになるという未来も実現できるようになるでしょう。その他にも具体的な数字によって提案や改善なども行えるようになるため、各種業界において重宝される人材に成長できることも考えられます。
エクセルをさらに使いこなせるようになる
ビジネス統計スペシャリストの資格取得のメリットとして、エクセルをさらに使いこなせるようになることが挙げられます。普段からエクセルは使っていたものの、四則演算や平均、カウントのみ使っていなかったような場合であれば、様々な関数を使えるようになることでスキルアップにつながるということです。
合わせてMOSのエクセルの取得などを目指すことで、事務系の職種や営業職などにも挑戦できるようになることから、将来的なキャリアチェンジに役立てることにもつながっていきます。同時に、エクセルを使いこなせるようになることで、簡単な数字の処理ができるようになるため、事務処理の効率や最適化ができる人材としても重宝されるでしょう。
求人や案件の応募に役立つ可能性も
ビジネス統計スペシャリストの資格取得のメリットとして、求人や案件の応募に役立つ可能性も挙げられます。現代ではスマートフォンは普及したものの、逆にパソコンやエクセルが使えないという方もいらっしゃるため、エクセルが使えて、統計や分析についても理解しているということは強みになるということです。
同様に統計や分析を行っていないような職場環境である場合、既存のデータを活用するということにも役立ちます。現実問題として統計や分析ができないような状況では、数字に基づいた改善が行われないこともあるため、どうすれば改善ができるのか、改善した効果がどのような数字になって現れるのかといったことも実現できるようになるでしょう。
4.ビジネス統計スペシャリストの資格取得のデメリット
次にビジネス統計スペシャリストの資格取得のデメリットについて解説します。
学習コストや金銭的なコストがかかる
ビジネス統計スペシャリストの資格取得のデメリットとして、学習コストや金銭的なコストがかかることが挙げられます。そのため、就職や転職に合わせて資格を取得したいと考えた時に、思わぬ負担になってしまう可能性があるかもしれません。
ただし、その他の資格取得も含めて、大抵の資格は受験料などもかかりますし、勉強しなければスキルアップに繋がらないことを考えると、コストが大きなリターンになると考えて、時間を確保し勉強することが大切です。
エクセルを利用していない企業や組織では評価されにくい
ビジネス統計スペシャリストの資格取得のデメリットとして、エクセルを利用していない企業や組織では評価されにくいことが挙げられます。昨今では統計や分析ができるオンラインツールなどもありますし、ビッグデータを活用するためには別の方法が用いられるのが理由です。
ただし、単にエクセルについて学ぶだけではなく、統計に関する基礎や応用を学ぶ試験でもあることから、評価には繋がりにくくても活用することは可能です。エクセル以外での統計や分析ができる手法を勉強し、どのような環境でもスキルが活用できるように目指していくと良いでしょう。
MOSのエクセル一般レベルと同等のスキルが前提という点も注意
ビジネス統計スペシャリストの資格取得のデメリットとして、MOSのエクセル一般レベルと同等のスキルが前提という点も注意すべきということが挙げられます。勉強時間の項目で説明した通りに、エクセルを使ったことがない、不慣れな場合はその分の勉強時間が必要になるということです。
ただし、エクセルについて学ぶことは損になることはほとんどないため、良い機会だと思って使いこなせるようにしましょう。エクセルは事務処理だけでなく、様々職種で使えるオフィスソフトであるため、使いこなせるようになれば就職や転職で有利になる可能性があり、同時に就職先で重宝してもらえる可能性があるということを覚えておいてください。
5.ビジネス統計スペシャリスト合格のためのおすすめの参考書や対策法
次にビジネス統計スペシャリスト合格のためのおすすめの参考書や対策法について解説します。
公式認定されている参考書や問題集を利用する
ビジネス統計スペシャリスト合格のために公式認定されている参考書や問題集の利用をおすすめします。
公式ページの「学習するには」のページを確認して、必要な参考書や問題集を購入して勉強しましょう。
エクセルの基本をしっかりと身につけて、実際に操作することが大事
ビジネス統計スペシャリストに合格するためには、エクセルの基本をしっかりと身につけて、実際に操作することがとても大事です。知識やスキルを身につけたつもりが、エクセルの基本操作がわからなくて合格できないといったようなことがないようにしましょう。
エクセルの操作に自信がなければ、MOSのエクセル一般レベルの資格取得を同時に目指して、エクセルについて学ぶこともおすすめです。もしエクセルを搭載したパソコンがない場合は、Microsoftアカウントを取得しMicrosoft_365を利用してみると良いでしょう。
試験日から逆算して日々の勉強時間を確保することも大切
ビジネス統計スペシャリストに合格するためにも、試験日から逆算して、日々の勉強時間を確保することも大切です。働いていたり、学校に通ってたり、もしくは家庭のことで忙しい場合においても、少しずつ勉強するという姿勢を持つようにしましょう。
その他の資格取得のための勉強のコツも分かりますし、スキルアップのためにどれぐらい時間が必要なのかも推測できるようになります。同時に時間的なコストが自分の成長に繋がっていくことが実感できるようになり、継続的に学ぶことの重要性を理解できるようになるでしょう。
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6.まとめ
今回はビジネス統計スペシャリストに関する基礎知識や試験の詳細、ビジネス統計スペシャリストの資格取得のメリット・デメリット、ビジネス統計スペシャリスト合格のためのおすすめの参考書や対策法についてお話しました。
ビジネス統計スペシャリストはこれから様々な資格検定試験に挑戦したいという方、初めて資格試験に挑戦するという方でも勉強しやすい試験と言えます。スキルアップのやり方を学ぶという勉強にもなりますので、統計とエクセルについてどうやって学べばよいかを模索しながら、合格に向けて頑張ってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。