「Webに関する仕事をしてみたい」「インフラエンジニアを目指したい」とお考えであれば、HTML5プロフェッショナル認定資格の合格に向けて勉強してみてはいかがでしょうか。
HTML5を基軸とした様々な技術に触れることで、Webに関する基礎が理解できるようになり、様々なキャリアにつながっていくので非常におすすめです。
今回はHTML5プロフェッショナル認定資格に関する基礎知識や詳細情報、HTML5プロフェッショナル認定資格の資格取得のメリット・デメリット、HTML5プロフェッショナル認定資格合格のためのおすすめの参考書や対策法についてお話しします。
目次
1.HTML5プロフェッショナル認定資格に関する基礎知識
はじめにHTML5プロフェッショナル認定資格に関する基礎知識について解説します。
HTML5プロフェッショナル認定資格とは
HTML5プロフェッショナル認定資格とは、LPI-Japan(特定非営利活動法人エルピーアイジャパン)が運営するHTML5、CSS3、JavaScriptなどのマークアップ言語に関する知識やスキルを認定及び評価する資格試験を指します。現代においてはCMSなどの普及により、ホームページなどの運営においては直接的にマークアップをすることは少なくなりましたが、Webアプリ開発やWebデザイナーを目指す場合は欠かせない知識やスキルであるのも事実です。
HTML5プロフェッショナル認定資格の取得を目指して勉強することで、HTML5、CSS3、JavaScriptなどのWebに関する基礎が身につき、ITやWebの分野でのエンジニアやデザイナーとしての道が開けるようになります。その他にも前述したCMSなどをさらにカスタマイズできるような技術も身につけられるようになるため、コンテンツマーケティングやWebマーケティングを目指す方にも非常におすすめの資格と言えるでしょう。
HTML5プロフェッショナル認定資格は廃止になるのか
HTML5プロフェッショナル認定資格の関連検索に「HTML5プロフェッショナル認定資格 廃止」と言ったようなサジェストキーワードが入っています。
これはHTML5プロフェッショナル認定資格が廃止になるという意味ではなく、HTML5が2021年1月、廃止されたことが要因でしょう。
HTML5に置き換わるHTMLの標準規格の名称はHTML Living Standardとなっています。
HTMLの名称は変更されておりますが、HTML5プロフェッショナル認定資格が廃止になるわけではありません。
HTML5とHTML Living Standardの違い
HTML5とHTML Living Standardの違いとして、バージョン管理の表記が異なることが挙げられます。HTML Living Standardの場合は最終更新日付が目安となるのが違いであり、本質的には同じ、前述したように名称が変わるということだけですので、あまり悩みすぎないことが大切です。
ポイントとしては、今までのHTMLのようにバージョンアップによって機能の変更や追加、削除などが行われ、半年ごとの更新、もしくは適宜のタイミングでバージョンアップおよびアップデートが行われ、HTMLがどんどん進化していきます。同じくCSSなどについても新しい機能などが実装されることがあるため、古い機能をそのまま使うことがないよう日々情報収集をしておくと良いでしょう。
2.HTML5プロフェッショナル認定資格試験の詳細情報
次にHTML5プロフェッショナル認定資格試験の詳細情報について解説します。
HTML5プロフェッショナル認定資格の詳細
試験名 | HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1 | HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2 |
---|---|---|
試験会場 | ピアソンVUEテストセンターまたはオンライン監督付き試験(OnVUE受験) | |
試験日時 | ・ピアソンVUEテストセンター 試験会場ごとに確認する必要あり ・オンライン試験 随時開催 | |
試験時間 | 90分 | |
出題形式 | コンピュータベーストテスト(CBT) ・マウスによる選択方式 ・キーボード入力問題も多少出題 | |
出題数 | 約60問 | 40~45問 |
合格基準 | 約7割程度の正答率 | |
受検料 | ¥16,500(税込) | |
前提資格 | 特になし | HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1の合格が必要 |
試験結果 | ・ピアソンVUEテストセンター:試験後にディスプレイ上に表示 ・オンライン試験(OnVUE受験):試験終了後に受験者ご自身のピアソンVUEのページにログインして確認 |
参考元:試験概要|Web資格なら「HTML5プロフェッショナル認定試験」公式サイト
上記がHTML5プロフェッショナル認定資格の詳細です。ピアソンVUEテストセンター、もしくは自宅でのオンライン受験が選択できます。正答率はどちらも7割程度必要であり、レベル2の場合はレベル1の合格が必要になっているので注意しましょう。
HTML5プロフェッショナル認定資格の出題範囲・難易度
次にHTML5プロフェッショナル認定資格の出題範囲・難易度についてそれぞれレベルごとに解説します。
・HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1
Webの基礎知識 | ・HTTP、HTTPSプロトコル ・HTMLの書式 ・Web関連技術の概要 |
---|---|
CSS | ・スタイルシートの基本 ・CSSデザイン ・カスケード(優先順位) |
要素 | ・要素と属性の意味(セマンティクス) ・メディア要素 ・インタラクティブ要素 |
レスポンシブWebデザイン | ・マルチデバイス対応 ・メディアクエリ |
APIの基礎知識 | ・マルチメディア・グラフィックス系API概要 ・デバイスアクセス系API概要 ・オフライン・ストレージ系API概要 ・通信系API概要 |
参考元:HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1 出題範囲
上記がHTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1の出題範囲です。
望まれるスキルレベルとしては、HTML5を使ってWebコンテンツを作れること、ユーザー体験を考慮したWebコンテンツの設計ができることとされています。
難易度としては試験自体は選択式、もしくは一部記述式のため、HTMLに関する基礎、スタイルシートの理解、ゼロベースからソースコードをかけることと推測すると、レベル1であってもしっかりと勉強しなければ合格はできないでしょう。ただし、HTMLもCSSも可読性が高い言語であることから、Webの基礎や仕組みを理解した上で、メモ帳などで簡単なホームページが作れれば合格はそう難しくないと推測できます。
・HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2
JavaScript | ・JavaScript文法 ・ES6(ECMAScript2015)以降の新機能 |
---|---|
WebブラウザにおけるJavaScript API | ・イベント ・ドキュメントオブジェクト/DOM ・ウィンドウオブジェクト ・Selectors API ・History API ・テスト・デバッグ |
グラフィックス・アニメーション | ・Canvas(2D) ・SVG ・Timing control for script-based animations |
マルチメディア | ・メディア要素のAPI |
ストレージ | ・Web Storage ・Indexed Database API ・File API ・バイナリーデータ |
通信 | ・Web Socket ・XMLHttpRequest ・Server-Sent Events |
デバイスアクセス | ・Geolocation API ・DeviceOrientation Event |
パフォーマンスとオフライン | ・Web Wokers ・High Resolution Time ・オフラインアプリケーションAPI ・Page Visibility ・Navigation Timing |
セキュリティモデル | ・クロスオリジン制約とCORS ・セキュリティモデルとSSLの関係 |
参考元:HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2 出題範囲
上記がHTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2の出題範囲です。
望まれるスキルレベルとしては、動的なWebコンテンツを作れること、システム間の連携やAPIなどが使えることなどさらに高度な技術が求められています。
難易度としては、インフラエンジニアとして実務で仕事ができるレベルだということが推測できるため、実務経験がある方であればしっかりと勉強すれば合格はさほど難しくないでしょう。しかし、レベル1を取得し、ペーパーテストベースで勉強のみの受験の場合、特に何らかの成果物を作る作業などをしなかった場合は合格は非常に難しくなることが推測できます。
HTML5プロフェッショナル認定資格の受験者数・合格率
HTML5プロフェッショナル認定資格の受験者数・合格率については非公開となっており、詳細は不明です。ただし、約7割の正答率が合格基準とされていること、CBT方式であり選択式問題が多いことから、しっかりと参考書やテキストに沿って勉強すれば合格率を高めることはそう難しくないでしょう。
どちらのレベルの場合も単にペーパーテストとして勉強するのではなく、学んだことで成果物を作ることが大切です。学んだことで何が作れるのか、どんなことができるのかをしっかりと理解することで合格率がさらに高くなっていくでしょう。
HTML5プロフェッショナル認定資格の申し込み手順
上記がHTML5プロフェッショナル認定資格の申し込み手順です。
支払い方法についてはクレジットカード及びコンビニ、もしくは銀行振込の3種類あるため、詳細については「受験申込」のページを確認しておきましょう。
オンライン試験(OnVUE試験)での受験の場合は自宅で受験環境を整える必要があるため、「受験チェック」のページを確認して対応できるか事前に見ておくことをおすすめします。
HTML5プロフェッショナル認定資格の有効期限
HTML5プロフェッショナル認定資格の有効期限は5年間とされています。
有効期限というよりも有意性の期限という説明がなされており、技術の進歩による時系列での資格の効果が5年程度で薄れるため、定期的に受験して知識やスキルのアップデートをしておくべきということが促されています。
ただし、認定された時点での最新の技術に関する認定されたいう事実が無効になるということではないため、自分自身で知識やスキルをアップデートしていけば問題ありません。
認定日から5年以内に、「同一試験」または「上位レベルの試験」を受験し認定の優位性を維持しましょう。
また、エンジニアやプログラマ領域においては、古い技術がそのままセキュリティリスクになることも考えられるため、再受験のために勉強をして知識をアップデートするか、常日頃から情報収集を行って最新の機能やセキュリティ対策についても学んでおくと良いでしょう。
HTML5プロフェッショナル認定資格の勉強時間
HTML5プロフェッショナル認定資格の勉強時間はレベル1で3ヶ月から半年程度、レベル2で半年から1年程度とされています。ただしITやWebに関する知識がゼロからの場合はプラスアルファ時間がかかることを前提としておき、長めに期間を設定するか、余裕を持って受験日を設定するか検討しておくと良いでしょう。
勉強時間や受験時期に悩む場合、公式サイトにあるサンプル問題や出題範囲を見て、自分がどれだけ理解できているかを精査し、全く分からない場合はさらに時間がかかること、スラスラと読み解ける場合は1週間程度でどれくらい勉強できるかを精査した上で、勉強時間を算出し、受験日から逆算して計画を決めると良いでしょう。
3.HTML5プロフェッショナル認定資格の資格取得のメリット
次にHTML5プロフェッショナル認定資格の資格取得のメリットについて解説します。
HTML5に関するスキルや知識を段階的に学ぶことができる
HTML5プロフェッショナル認定資格の資格取得のメリットとして、HTML5に関するスキルや知識を段階的に学ぶことができることが挙げられます。レベル1、レベル2と学んでいけば、無理なく基礎からHTMLについて学べますし、難易度が高いと感じたら勉強する時間を増やしていくことで着実にスキルや知識が身についていくでしょう。
その上でHTMLで何ができるようになるのか、どのようなことに役立てられるのかが理解できるようになれば、自分自身が将来的にやりたいこと、もしくは現在の職業などで活用したいことなども浮かび上がってきます。勉強することで身につくスキルや知識を自分自身でどんな形で利用できるのかということを学びながら考えていくことをおすすめします。
様々な業界や業種のキャリア形成で役立つ
HTML5プロフェッショナル認定資格の資格取得のメリットとして、様々な業界や業種のキャリア形成で役立つことが挙げられます。HTML5はスマートフォンやタブレットだけでなく、マルチデバイスに対応した仕組みでもあることから、単にホームページを作る以外にも様々な用途で使えるのが理由です。
そのため、業界や業種を問わず役立てるようになること、キャリア自体も様々なものが選べるようになることから、自分自身の可能性を広げていくことができるようになります。キャリアを形成しながら知識やスキル、そして実務経験を積み上げることができれば、自分自身の成長とともに様々な分野で活躍できるようになるでしょう。
就職・転職・キャリアアップ・キャリアチェンジのきっかけになる
HTML5プロフェッショナル認定資格の資格取得のメリットとして、就職・転職・キャリアアップ・キャリアチェンジのきっかけになることが挙げられます。勉強をして資格を取得していくことで、現在の環境から別の環境を望んだり、現在の環境をさらに良くしたりすることができるということです。
企業によっては資格の取得によって評価が上がる可能性もありますし、転職などの場合においても資格の取得が有利に働くこともあるでしょう。何よりも資格の取得によって自分自身にポジティブな可能性を感じられるようになり、新しいことに対する挑戦もしやすくなるのもメリットと言えます。
4.HTML5プロフェッショナル認定資格の資格取得のデメリット
次にHTML5プロフェッショナル認定資格の資格取得のデメリットについて解説します。
勉強時間やテキスト及び受験料などのコストが必要になる
HTML5プロフェッショナル認定資格の資格取得のデメリットとして、勉強時間やテキスト及び受験料などのコストが必要になることが挙げられます。ただし、資格の取得に勉強時間や金銭的なコストがかかることは当然であり、コストに見合ったリターンがあるということも忘れてはなりません。
レベル1でも3ヶ月から半年程度、レベル2なら半年から1年程度という期間を勉強できるようになれば、自分自身の成長するための姿勢を身につけることもできますので、きちんと勉強時間を捻出し、金銭的なコストについてもリターンがあると信じてしっかりと投資しましょう。
実務経験と同等の知識やスキルがあるとは評価されにくい場合も
HTML5プロフェッショナル認定資格の資格取得のデメリットとして、実務経験と同等の知識やスキルがあるとは評価されにくいことが挙げられます。特に単にペーパーテストとして合格してしまった場合、資格はあるものの何もできない、実務と連動したスキルとして身についていないとなれば評価がされにくいということです。
言い換えれば、実務経験があり、何らかの成果物をすぐに提出できる他のエンジニアやデザイナーの方が採用されやすくなりますし、評価が上がるということでもあります。そのため単に合格すれば良いという気持ちを持つのではなく、スキルを身につけるために勉強するという意識を持つようにしましょう。
一定の成果物を作れるような作業や勉強も必要になる
HTML5プロフェッショナル認定資格の資格取得のデメリットとして、一定の成果物を作れるような作業や勉強も必要になることが挙げられます。試験の内容的にはキーボードによる入力が一部あるという程度、基本的には選択肢の問題ということもあるため、勉強をして過去問題を解くことで合格できれば良いと考えていると、合格できる可能性が低くなるのが理由です。
同時に、何らかの成果物を作れることで、企業や組織からの評価のアップにもつながります。例えば、CMSであるWordPressの使い方を理解し、ドメインの取得やインストールを学び、テーマやデザインのカスタマイズを行えるようになれば、URLを見せるだけで実力をすぐに示すことが可能です。
もちろん、簡単なカスタマイズの場合は実力がなかなか伝わりにくいこともありますが、自分自身でWebコンテンツを作れるのかということに挑戦することで、世界中に存在するホームページの仕組みをより深く理解し、レベル1だけでなく、レベル2の合格も近づいてくるようになるでしょう。
5.HTML5プロフェッショナル認定資格合格のためのおすすめの参考書や対策法
次にHTML5プロフェッショナル認定資格合格のためのおすすめの参考書や対策法について解説します。
公式サイトのHTML5道場やサンプル問題をチェックする
HTML5プロフェッショナル認定資格合格のために、まずは公式サイトのHTML5道場やサンプル問題をチェックする事から始めてみましょう。まずは自分自身の知識やスキルのレベルをチェックし、受験時期や勉強時間を見積もるのが非常に大切です。
専門用語などがわからない場合はITパスポートなどの参考書を利用して、基本的な用語を読み解けるようにしましょう。また、HTMLのマークアップやCSSの要素などについては、ほとんどが英語による表記でもあるため、分からない場合は一つ一つ検索して意味を理解し、適切に単語を使えるようにすることが求められます。
公式サイトで紹介されている「HTML5認定教材」を活用する
HTML5プロフェッショナル認定資格合格のためのおすすめの参考書として公式サイトで紹介されている「HTML5認定教材」は最適です。認定試験の内容に合わせて内容を公式がチェックしているため、合格に向けた内容が盛り込まれているので安心と言えます。
すでに読み解けるような内容や問題であってもしっかりと勉強し直すことで合格率が高まるということを忘れず、じっくりと取り組むことが大切です。また、認定教材以外を利用する場合においては、書籍が新しいものかどうか、最新の情報になっているかどうかをチェックし、あまり古すぎるような書籍、もしくはWebサイトのページなどを参考にして間違えて覚えないように注意することも忘れないようにしてください。
受験日までの勉強時間の捻出と成果物の作成を両立させることも大事
HTML5プロフェッショナル認定資格合格のためには、受験日までの勉強時間を捻出すること、同時に合格率を高めるためにも何らかの成果物の作成を行うことが非常に大切です。レベル1、レベル2のどちらにおいても単にペーパーテストとして合格しようとするだけであれば内容的に合格できてしまうかもしれません。
しかし、実際には学んだことを実務で活かすためには、簡単なホームページを作り、何が作れるのかを理解していなければ活躍することが難しくなってしまいます。同時に、マークアップをしてみること、HTMLがどのような形でWebページになるのかを見てみることで、実務でも通用するようになりますし、何よりも合格する可能性が非常に高くなるでしょう。
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6.まとめ
今回はHTML5プロフェッショナル認定資格に関する基礎知識や詳細情報、HTML5プロフェッショナル認定資格の資格取得のメリット・デメリット、HTML5プロフェッショナル認定資格合格のためのおすすめの参考書や対策法についてお話ししました。
HTML5プロフェッショナル認定資格は、HTML5の学習を通じてWebに関する基礎を学ぶことができる資格試験と言えます。きちんと基礎から学びたい、HTMLやCSSにきちんと触れておきたいとお考えの方におすすめですので、しっかりと勉強して合格に向けて取り組んでいきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。