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RDBMSとNoSQLの違いは?それぞれの構造や最適なシステムを解説!

公開日:2024/10/10最終更新日:2024/10/10

データベースで主流なのはRDBMSです。しかし、昨今ではビッグデータや多様な種類のデータを扱うソーシャルメディアなどで、NoSQLが活躍しています。

これから開発するシステムに最適なデータベースは何を選べばいいのか悩んでいる方や、RDBMSとNoSQLの違いについて学習したいIT初心者に向けて、RDBMSとNoSQLの違いについて解説します。


本記事を最後まで読めば、RDBMSとNoSQLのそれぞれの特徴や違い、メリットとデメリット、それぞれの適した使いどころについてわかるでしょう。

1.RDBMSの概要と特徴

RDBMSは、リレーショナルデータベースを管理するためのソフトウェアです。ここでは概要と特徴について解説します。

RDBMSとは

RDBMSは、リレーショナル・データベース・マネジメント・システムの略称で、リレーショナルデータベースを管理するためのソフトウェアです。


リレーショナルデータベースとは、表形式の複数のデータを関連付けて使用できるように管理されたデータベースのことです。


関連のある属性を列とする表形式で、データを格納し、行単位でデータを操作します。他にも、ネットワークデータベースなどありますが、業務システム開発においてはリレーショナルデータベースが主流となっています。


このようなリレーショナルデータベースのデータの操作やデータの信頼性を保つといった機能を持つ管理システムがRDBMSで、代表的な製品にはOracle Databaseがあります。

特徴1:SQLを用いて操作する

RDBMSの操作には専用の人工言語が用いられるのが一般的ですが、SQLという言語が標準として広く普及しています。


SQLは、リレーショナルデータベースの操作や照会のためのデータベース言語やドメイン固有言語と呼ばれるものです。

SQLを利用することでOracle Database、MySQL、PostgreSQL、SQLiteなどを操作できます。

特徴2:複雑なデータの取り扱いができる

RDBMSは、複雑なデータの取り扱いが可能であることがメリットです。1つのデータを複数の属性の値の組み合わせとして表現し、組み合わせを列挙することでデータを格納します。


属性と列、組み合わせを行として表形式で示されることが多く、複数のテーブルを結合して利用可能です。設計の際には、データ定義やリレーショナルの整理といったスキーマ定義を厳密に行うことで、複雑なデータ構造が可能です。

2.NoSQLの概要と特徴

NoSQLは、RDBMS以外のデータベース管理システムのことです。ここでは、概要と特徴について解説します。

NoSQLとは

NoSQLはRDBMS以外のデータベース管理システムのことです。Not Only SQLの略称です。データを操作するのにSQLを使用しないという意味ではなく、SQL以外にも方法があるという意味を持ちます。


NoSQLは、RDBMS以外のデータベース全般を指し、表形式ではなくさまざまな形式でデータを格納します。


RDBMSが対応しきれなかったところを改善するために開発されており、SQL言語を使用しなくてもデータベースを使用可能です。


一般的には、キー・バリュー型のデータベースを指して使用されることが多いです。キー・バリュー型は、キーに値が付けられているシンプルなデータベース構造になります。

他にもXMLやJSONのデータ構造を容易に変更できるドキュメント型のものなど、さまざまな形式があります。

特徴1:処理速度がRDBMSより速い

処理速度がRDBMSより速いことが特徴です。近年では、IoTの普及によってビッグデータを取り扱うことが増えています。総務省が発表している令和2年情報通信白書では、各企業におけるIoTの導入が進んでいることがわかります。


しかし、RDBMSは複雑なデータの取り扱いが得意な一方で、データ量が増えすぎると性能が劣化します。そのため、ビッグデータを扱う際はRDBMSでは性能処理に不安があります。


NoSQLはシンプルな構造であるため、高速な処理を実現しています。トランザクションを行うRDBMSに対して、NoSQLはトランザクションがありません。

特徴2:大規模なデータや多様なデータ処理が得意

大規模なデータや多様なデータ処理が得意なのが特徴です。処理が速いだけでなく、システムの拡張性や分散性が高いという理由でこのような特徴があります。


RDBMSは原則1台のサーバーで稼働しますが、大規模なデータや多様なデータ処理をする場合はサーバー1台では性能処理が不足するケースがあります。


しかし、NoSQLでは拡張性と分散性が高く、サーバーの数を増やし、処理させることが可能です。

3.RDMSとNoSQLの違い

NoSQLは、RDBMSで対応できない部分を改善するために生まれたため、違いが大きくあります。

分散性・拡張性・一貫性・検索精度の観点で違いを比較した表は下記の通りです。

観点

NoSQL

RDBMS

分散性

サーバーの水平分散が可能

原則1台のサーバーで管理

拡張性

拡張性が高い

拡張性が低い

一貫性

常に間違ったデータを出さない

一貫性がある

検索精度

複雑な検索が不可能

高度で複雑な検索が可能


RDBMSは複雑なデータベースでも厳格に設計できるようになっており、格納されたデータを処理するためにSQLを使用します。


NoSQLはSQLを使用しなくても一般のプログラム言語でデータを呼び出せるような柔軟な仕組みになっています。

分散性

RDBMSは原則1台のサーバーで管理しているため、サーバーの水平分散ができません。対してNoSQLはサーバーの水平分散が可能です。


RDBMSではもともとサーバー1台で稼働するように設計されているため、複数のサーバーに分散させることは技術的にも時間的にもコストがかかります。


NoSQLでは、データの整合性を保つことを放棄している仕組みであるため、複数のサーバーへの水平分散が可能です。

拡張性

RDBMSはデータの拡張性が低いのに対し、NoSQLはデータの拡張性が高いです。


データの拡張性とは、仕組みの中核部分に大きな変更を伴わずに機能を追加したり、向上させたりすることです。

サーバーの分散ができないという点も含めて、システム上の機能の拡張が困難です。


NoSQLでは、サーバーの水平分散ができるという点を含めて、複数端末での協業が容易だったりするため、自由に拡張ができます。

一貫性

RDBMSでは一貫性が保たれる一方で、NoSQLはデータの一貫性は保証されていません。


データの一貫性とは、正しい処理が行われた場合はその結果を表示し、正しく処理されなかった場合はロールバックをして処理前の状態を表示するということなどをいいます。


RDBMSでは一貫性を維持するための機能を持っており、トランザクションを行います。


NoSQLではサーバーを水平分散するため、そもそもデータの一貫性を維持することや整合性を保つことはせず、トランザクションを行いません。

検索精度

RDBMSは複雑で高度な検索を行うことができ、NoSQLでは高度な検索を行わず大量のデータを扱うことができます。


RDBMSはSQLを使用した、高度な検索や集計処理を得意とします。そのため、高度な検索や集計処理を必要とする顧客データ管理や商品開発、研究などのシーンに向いているでしょう。


NoSQLはSQLを使用しないため高度な検索に向いておらず、大量のデータを素早く処理することを得意とします。そのため、ビッグデータを扱うIoTシステムやオンラインゲームに向いています。

4.RDBMSとNoSQLのメリットとデメリット

違いがわかったところで、それぞれどのようなメリットやデメリットがあるのか気になるでしょう。RDBMSとNoSQLそれぞれのメリットとデメリットを比較した表は下記の通りです。

RDBMS

NoSQL

メリット

・データ処理の一貫性を保証

・処理コストを低減させることが可能

・複雑なデータの取り扱いが得意

・データの処理速度が速い

・拡張がしやすい

デメリット

・大規模データの取り扱いに向いていない(処理速度)

・拡張コストが大きい(拡張性)

・書き込み部分のスケールアウトができない(分散性)

・データの一貫性が保証されていない

・複雑な検索が不可能

RDBMSのメリットとデメリット

RDBMSのメリットは以下です。

  • データ処理の一貫性を保証

  • 処理コストを低減させることが可能

  • 複雑なデータの取り扱いが得意


RDBMSはデータ処理の一貫性が保証されているという大きなメリットがあります。データベースの処理が正常に行われた場合、結果が表示され、処理が正常に行われない場合はロールバックして処理前の状態に戻ります。


この処理は、エンドユーザーは確認することができず、処理が行われたかどうかの結果のみを確認することが可能です。


また、テーブルを結合させるようにデータベースを構成することにより、データベース操作の処理コストを低減できます。


RDBMSのデメリットは以下です。

  • 大規模データの取り扱いに向いていない(処理速度)

  • 拡張コストが大きい(拡張性)

  • 書き込み部分のスケールアウトができない(分散性)


このようにRDBMSは処理速度、拡張性、分散性の点でデメリットがあります。


まず処理速度は、大規模なデータを扱うようになると処理速度が遅くなるというデメリットがあり、ビッグデータを扱う開発には向いていません。


拡張性については、データの読み込み部分を拡張することはできますが、書き込み部分を拡張させるためには技術的な面と時間的な面でコストがかかります。


そして分散性についてはRDBMSでは原則1台のサーバーのみ使用できるため、テーブルを別のサーバーに分けることができず、書き込み部分を分散させることはできません。

NoSQLのメリットとデメリット

NoSQLのメリットは以下です。

  • データの処理速度が速い

  • 拡張がしやすい


NoSQLは何より、大規模なデータでも対応でき、処理速度が速いです。データの一貫性やバリデーションという機能を排除し、サーバーを分散できるような仕組みがあります。そのため、データの処理速度を速くできます。


また、必要な分だけ自由に拡張することができ、大規模なデータにも対応できます。


NoSQLのデメリットは以下です。

  • データの一貫性が保証されていない

  • 複雑な検索が不可能


処理速度が速いことと拡張性が高いことというメリットの反面、一貫性や検索能力においてデメリットがあります。


RDBMSでは、データの一貫性を保つためにデータの不整合が起きない技術が実装されていますが、NoSQLでは分散できるように一貫性はないような仕組みになっています。

また、NoSQLではSQLを使用できないため、複雑な検索ができません。

5.RDBMSとNoSQLそれぞれの使いどころ

RDBMSとNoSQLのメリットとデメリットを踏まえて、それぞれの使いどころについて解説します。どちらのデータベースを採用しようか迷っている人は、参考にしてみてください。

RDBMSはデータの一貫性を保ち高度なデータ処理をしたい場合におすすめ

顧客データの管理を行いたい場合は、データを利用するもの同士で最新の状態かつ矛盾のない一貫性のあるデータベースが必要です。そのため、RDBMSが向いています。


また、複雑な条件を組み合わせてデータを検索することもできるため、顧客を属性で分けることもできます。具体的にどのようなシステムで利用されているかをいくつか紹介します。

在庫管理

リレーショナルデータベースは、在庫管理の領域で効果的に活用されています。在庫に関連する多岐にわたるデータを一元的に管理する必要がある場合に向いているためです。


具体的には、リレーショナルデータベースのテーブル構造が有用であるためです。在庫情報の迅速な取得と更新が可能で、在庫の過剰や不足を防ぎ、効果的な運用が実現できます。

予約システム

ホテルやレストラン、航空券などの予約データを一元的に管理するため、テーブル間の関連性を活かした構造化ができます。


CRUD操作を通じて予約データの管理が円滑に行えます。特に、同じリソースへの同時予約を防げる一貫性の維持は、リレーショナルデータベースの最大の特徴です。

顧客リレーションシップマネジメント

顧客リレーションシップマネジメント(CRM)では、顧客情報や取引履歴、コミュニケーション記録などの複雑なデータの管理が必要です。リレーショナルデータベースを使用することにより、それぞれの情報を効率的に管理ができ、さらに分析が可能です。

NoSQLは多様なデータや大容量データの高速処理にこだわりたい場合におすすめ

NoSQLの使いどころは、1台のサーバーには収容できないほどの大量のデータを扱う場合は、将来的にもデータの拡張が予想されるIoTシステムを扱う場合におすすめです。


音声や映像データの処理もできるため、オンラインゲームにも適しています。具体的にどのようなシステムで利用されているかをいくつか紹介します。

ソーシャルメディア

ソーシャルメディアでは、ユーザー間の関係性や、いいね、投稿、コメントなどのリアルタイムのデータを効率的に処理する力が求められます。


グラフベースのNoSQLでは、これらの関係性を可視化し、深く理解するために最適です。ドキュメントベースのNoSQLでは、ユーザーが保持するプロフィール情報や投稿を柔軟に保存、検索するために役立ちます。

ECサイト

ECサイトは、製品のカタログや購入履歴、在庫状況など多様な種類のデータを管理する力が求められます。ドキュメントベースのNoSQLでは、これらの異なるデータ形式を1つのデータベースで統一管理するのに役立ちます。

リアルタイムアナリティクス

大量のログデータやストリーミングデータをリアルタイムで収集、分析する場面でNoSQLが役立ちます。


ユーザーの購入履歴や閲覧履歴をリアルタイムで収集し、その場でユーザーに最適な広告を表示できます。カラムファミリー型のNoSQLでは、大量の時系列データの集約や書き込みを高速に処理できます。


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6.まとめ

今回はデータベースの選定に悩んでいる開発者やこれから開発するシステムに最適なデータベースを選びたいプロジェクトマネージャーに向けて、RDBMSとNoSQLの違いについて解説しました。


RDBMSとNoSQLは、分散性・拡張性・一貫性・検索精度の観点で違いがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。RDBMSは一貫性を保ちながら高度なデータ処理をしたい場合におすすめで、NoSQLは多様な種類のデータや大容量データの高速処理にこだわりたい場合におすすめです。


ぜひ、本記事を参考に最適なデータベースを選んでみてください。

本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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目次

1.RDBMSの概要と特徴

RDBMSとは

特徴1:SQLを用いて操作する

特徴2:複雑なデータの取り扱いができる

2.NoSQLの概要と特徴

NoSQLとは

特徴1:処理速度がRDBMSより速い

特徴2:大規模なデータや多様なデータ処理が得意

3.RDMSとNoSQLの違い

分散性

拡張性

一貫性

検索精度

4.RDBMSとNoSQLのメリットとデメリット

RDBMSのメリットとデメリット

NoSQLのメリットとデメリット

5.RDBMSとNoSQLそれぞれの使いどころ

RDBMSはデータの一貫性を保ち高度なデータ処理をしたい場合におすすめ

在庫管理

予約システム

顧客リレーションシップマネジメント

NoSQLは多様なデータや大容量データの高速処理にこだわりたい場合におすすめ

ソーシャルメディア

ECサイト

リアルタイムアナリティクス

6.まとめ