IT業界への転職を考えるのなら、転職活動をするための本格的な準備が必要です。事前にどのような準備が重要になるのかチェックし、スムーズな転職の実現を目指しましょう。
転職活動では「服装」も重要なポイントになり、ときには合否を決める要因にもなります。そのため転職活動にふさわしい服装を確認し、相手企業に好印象を与えることが重要となります。
本記事では、IT業界への転職活動における服装のポイントを解説します。これから転職活動を始める人や、服装選びに迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.IT業界での転職活動時に印象の良い服装とは?
IT業界への転職活動時にも、服装は重要なポイントになります。
以下では、転職活動の基本でもある服装について解説します。
一般的には「スーツ」か「オフィスカジュアル」な服装でOK
IT業界への転職においても、一般的にはスーツを着用して面接に臨みます。面接の内容に「スーツで」とある場合には、それ以外の服装はNGだと考えましょう。
スーツは新卒でない限り、「ビジネススーツ」を着用するのが基本です。
過去に使用した「リクルートスーツ」しかない場合には着用することも可能ですが、転職活動時において最適な服装とは言えません。そのため転職活動をするのなら、ビジネススーツを準備するのがおすすめです。
私服で良い場合にも普段着は避ける
IT業界は比較的ラフな格好で働くことも多いため、面接でもカジュアルな服装が許されるケースがあります。そのためビジネススーツを着る機会は、他業種と比較すると少なくなる可能性があるでしょう。
一方で、「私服OK」の面接に普段着で臨むのは避けましょう。「私服OK」や「服装自由」の面接時には、オフィスカジュアルな格好を選ぶのが無難です。
オフィスカジュアルとは、一般的にビジネスの現場でも違和感のない服装を指します。機能性と見た目を重視した服装になるため、採用後も仕事で着用できる可能性があります。
面接でおすすめの服装
面接時は原則として、スーツを着用するのがベターです。スーツは仕事で着る機会が多いため、転職活動をきっかけに新調するのもおすすめです。
無理して高価なスーツを用意する必要はありませんが、ある程度しっかりとした生地を使ったものの方が、結果的に長持ちして得になることがあります。
オフィスカジュアルの服装は、上は襟付きのシャツとジャケット、下はパンツやスラックスがおすすめです。女性はシャツやブラウスなどのトップスに、ジャケットやカーディガンを合わせます。
スカートとパンツスタイルのどちらでも問題ありませんが、丈は膝が隠れる程度を意識しましょう。
2.転職活動時における男性・女性の服装・身だしなみ例
転職活動での具体的な服装を決めるには、実際の例を参考にする方法がおすすめです。
以下では、男女別に転職活動時における服装・身だしなみのOK事例を紹介します。
男性のOK例
男性のスーツスタイル・オフィスカジュアルでは、以下のポイントを踏まえて服装・身だしなみをチェックするのがコツです。
スーツ
無地でシングルボタンのものを基本とし、色はネイビーやダークグレーが最適です。明るすぎる色合いなど派手なデザインやリクルートスーツは避けて、清潔感を意識するのがポイントです。
上着
オフィスカジュアルの場合には、テーラードジャケットがおすすめです。私服OKの場合には、上着とズボンが別のものでも構いません。
しかし、チグハグな印象にならないように見た目や色は合わせると良いでしょう。
シャツ
白の無地を着用し、清潔感をアピールします。面接前には必ずアイロンをかけてシワを伸ばし、汚れやヨレがないことを確認しましょう。
色のついたボタンや、台襟が高いシャツは避けるのが無難です。
ネクタイ
明るすぎる色合いなど派手なデザインは避けて、ビジネスの現場で悪目立ちしないものが最適です。色はネイビーなど落ち着いた色がおすすめとなり、サイズは太い部分が約8cm前後のものが適切となります。
ベルト
レザー製のものが基本となり、スーツやズボンに合わせやすい黒色がおすすめです。バックルが派手なものは、転職活動向けではないので注意しましょう。
靴下
ふくらはぎの上部まで隠れる程度の長さのもので、無地で暗めの色を選びましょう。短い靴下は座ったときに足首から上が見えてしまう可能性があるため、転職活動には不向きです。
靴
靴はシンプルさを意識して、控えめな色を選びます。黒は汚れが目立つため、こまめに手入れして綺麗な状態を保ちましょう。
鞄
黒やネイビーの色が基本で、A4サイズの書類が無理なく入る大きさが必要です。リュックを使って通勤しているビジネスマンもいますが、転職活動では避けた方が良いでしょう。
アクセサリー
基本的に結婚指輪と腕時計以外のアクセサリーは、外しておくのがおすすめです。腕時計はビジネススタイルの見た目にマッチするものを選び、派手なものやブランド品は避けます。
女性のOK例
女性が転職活動を行う際には、以下の各ポイントを確認したうえで服装を選ぶのがおすすめです。
スーツ
スーツの色はネイビーやグレー、ライトグレーやベージュが基本です。上着の色に合わせたパンツスタイル、もしくはスカートを着用します。
スカートは立っているときに膝が隠れるサイズで、体にフィットするタイトスカートやセミタイトがおすすめです。
シャツ・ブラウス
透け感が強調されていない白無地か、パステルカラーのシャツ・ブラウスが基本です。季節によっては、カットソーやニットを合わせるのも1つの方法です。
ボタンを外したときに、胸元が開きすぎないものを選ぶと良いでしょう。
ストッキング
基本的にストッキングは、ナチュラルカラーが最適です。転職活動中に伝線するケースを想定して、同じものを複数用意しておくのがおすすめです。
靴
シンプルなパンプスが最適で、ヒールは3〜5cm程度が目安になります。
鞄
スーツに合わせた落ち着いた色で、かつA4サイズの書類が入る大きさが基本です。実用性も重視して、しっかりと鞄の口が閉まるものを選ぶと良いでしょう。
アクセサリー
女性の場合、男性ほどアクセサリーの着用に制限を設けていない企業が多いです。極端に派手なものでなければ、ピアス・ネックレス・指輪などの着用は可能です。
一方で、企業ごとに許されるアクセサリーの基準は変わるため、いっそすべて外しておくのも1つの方法となります。
腕時計
腕時計もアクセサリー同様に、派手すぎないものであれば着用しても問題ありません。
香水
香水やフレグランスなど、強い香りがするものは基本的に避けましょう。スタイリング剤や柔軟剤なども、匂いが残らないものを選ぶのがポイントです。
3.IT系の職種でも転職時の服装は重要?
私服で仕事ができるケースもあるIT系の職種でも、転職時における服装の重要性は変わりません。
以下では、転職活動で服装がどのように作用するのか解説します。
第一印象はその後の採用結果に影響する
面接などのシーンでは特に、服装や身だしなみがその人の第一印象を決めるきっかけになりやすいです。どれだけ優れた経歴・スキルを持っていても、服装が乱れているとだらしない印象を与えてしまう恐れがあります。
第一印象は面接における「その人のイメージ」に直結するため、マイナスの印象を与えないように注意しなければなりません。
アメリカの心理学者である「アルバート・メラビアン」が提唱した「メラビアンの法則」によると、コミュニケーションの際には「言語情報7%・聴覚情報38%・視覚情報55%」の割合で影響を与えるとされています。視覚情報が大半を占めるため、見た目の印象が重要であることが分かります。
面接での第一印象を良くして合格につながるように、最適な服装をきちんと整えておくのがおすすめです。
面接で第一印象が重要な理由とは?
面接での第一印象は、合否を分ける重要なポイントになります。これには「確証バイアス」と呼ばれる、心理的な要素が関係しています。
確証バイアスとは「自分が正しいと思う情報だけを信じてしまう」状態のことで、先入観などが大きく影響します。
一般的に服装などの身だしなみが整っていない人は、「だらしがない」「マナーを守らない」など、マイナスな印象を持たれることが多いでしょう。そのため面接のように重要な場面で服装が整っていないと、確証バイアスによって最初から悪いイメージを持たれてしまう可能性があります。
面接でどれだけ良い印象を残そうとしても、最初の段階で強いバイアス(思い込み)がかかっていると、挽回するのは難しいです。だからこそ転職時の面接では服装を綺麗に整えて、良い印象を持ってもらうことが重要となります。
4.転職時の服装で好印象を残すためのポイント
転職時の服装で好印象を残すには、いくつかのポイントを把握するのが重要です。
以下では、転職の服装でチェックすべきポイントを解説します。
清潔感を大切にする
転職活動における服装は、清潔感を何よりも大切にしましょう。清潔感はマナーの基本であると同時に、相手に良い印象を与えるきっかけとなります。
逆に言えば清潔感を意識できていない人は、「基本ができていない」と判断され大きくマイナスの印象を残す可能性があります。
服についた埃や汚れはすべて取り除き、シワを伸ばして清潔感を印象付けるのがポイントです。
服の保管方法にも気を配る
転職活動を続けていると、気づかないうちにスーツやジャケットが傷んでしまうケースもあります。定期的にメンテナンスをしないと、面接本番で傷みが目立って印象を悪くする恐れもあるでしょう。
面接用のスーツや服装を準備したら、綺麗な状態を保てるように保管方法から工夫するのがポイントです。面接で使用した服はそのままにせず、きちんとハンガーにかけて埃がつかないようにカバーをしましょう。
長期間の転職活動になる場合には、汚れや傷みが目立つ前にクリーニングに出すのがポイントです。
クリーニング中でも面接に臨めるように、本番で使える服装を2着以上持っておくのもおすすめです。
服のサイズは体に合ったものにする
過去に使用していたスーツなどが残っている場合、転職活動で再利用することも考えられます。しかし、過去の自分と大きく体型が変わっていて、服のサイズが合わなくなっている場合には、買い替えるのがおすすめです。
服のサイズが体に合っていないと、どれだけ整えてもだらしなく見えてしまう可能性があります。見た目だけでなく機能面でも邪魔になることが増えるため、今後のことも考慮してサイズ通りの服を探してみると良いでしょう。
派手な装飾品は外す
面接の際には服装の一環として、装飾品にも注意が必要です。転職面接の場にそぐわないと思われる派手な装飾品は、基本的に外しておくと良いでしょう。
大きなアクセサリーなどは人目を惹きますが、面接官によってはイメージが悪くなる恐れがあります。腕時計など、ビジネスシーンでも利用される装飾品だけをつけるのがおすすめです。
また、靴や靴下も派手すぎるものは避けた方が無難です。足元もビジネススタイルを意識して、全身のコーディネートを整えましょう。
髪の毛や爪も整える
面接の際には服装だけでなく、髪の毛や爪などの身だしなみも整える必要があります。特に髪の毛は相手に見られる部分であるため、服装と同様に清潔感を意識して準備しましょう。
男性の場合には、一般的に長髪や派手な髪色はNGになると考えられます。女性もビジネスに不向きな髪型や色は避けて、清潔感を重視することがポイントです。
5.オンライン面接で最適な服装とは?
昨今は転職面接を、オンラインで行う企業も増えています。株式会社学情が行った「2024年卒の採用状況」のアンケートによると、対面とオンラインを「5:5」で行う企業が24.0%と全体で2番目に多くなっています。
そのため以下を参考に、オンライン面接における最適な服装についても確認しておきましょう。
基本的には通常の面接時と同じ
オンライン面接でも、基本的には対面での面接時と同じ服装が求められます。「オンラインで行う面接」=「カジュアルな面接」といったイメージがありますが、内容は選考に影響する重要なものに変わりはありません。
オンライン面接だからと油断せず、きちんとした服装に着替えて見なりを整えておきましょう。
オンライン面接の際にも、事前に服装について指示が出るケースもあります。スーツ指定であればスーツ一択、自由な服装であればオフィスカジュアルを採用すると良いでしょう。
夏でもジャケット・ネクタイは着用しておく
夏場に実施されるオンライン面接でも、ジャケットとネクタイは着用することが基本です。暑さを理由につい外してしまいがちですが、面接中に限っては清潔感を出すためにも正式な着こなしを意識しましょう。
クールビズを推奨している企業の面接でも、基本的にはジャケット・ネクタイは着用しておくことがおすすめです。
6.オンライン面接時のポイント
オンライン面接は、通常の対面での面接とは多くの面で違いがあります。
以下では、オンライン面接ならではのポイントや注意点を解説します。
身だしなみは全身を整える
オンライン面接は、パソコンなどについているカメラを通して行われるため、下半身まで映らないことがほとんどです。そのためなかには、上半身だけ整えて下半身はラフな普段着のまま面接を受ける人もいます。
しかし、面接中に全身が映らないという保証はないため、万が一を考えてズボンやパンツもきちんと着用することが基本です。
仮にラフな格好が見えてしまうと、真剣に面接を受けていないと判断されるリスクもあります。カメラに映っても問題ない格好にしておくことで、余計なことを考える必要がなくなるため、面接に集中できるメリットもあるでしょう。
面接に必要のないものは近くに置かない
オンライン面接を行う際には、不要なものを近くに置かないこともポイントです。例えばパソコンを使ってのオンライン面接中にスマートフォンの音が入らないように、マナーモードにしておきましょう。
テレビなどの音が出る製品も電源を切り、面接の邪魔にならないように備えましょう。
オンライン面接中にカメラ以外を見ていると、面接官が不審に感じる可能性もあります。
趣味の品やタブレットなど、無意識のうちについ視線を向けてしまうものも、面接時には遠ざけておくと良いでしょう。
家族にオンライン面接があることを伝えておく
一緒に生活している家族がいる場合には、事前にオンライン面接があることを伝えておきましょう。オンライン面接では、室外の音が入り込むことも多いです。
そのため集中力を途切れさせないためにも、家族に協力してもらうのがポイントです。
快適な通信環境を用意する
オンライン面接では、快適な通信環境が必要です。不安定な通信状態だと、途中で映像や音声が途切れる可能性があります。
スムーズに通信が行えない場合、改めて日程や面接方法を決めなければならないケースも懸念されます。
自宅に光回線が通じている場合には問題ありませんが、環境が整っていない場合には、貸し出し用の会議室やネットカフェなどを使うことも考慮しなければなりません。
スマートフォンを使ってオンライン面接をする場合にも、通信速度とデータ使用量を考慮してWi-Fiにつなぐのがおすすめです。
事前に練習を行うのがベスト
オンライン面接が決まったら、事前に練習を行うことをおすすめします。対面での面接とは雰囲気が大きく変わるため、慣れていないといつも通りの受け答えができないケースも考えられるでしょう。
そのため事前に友人や家族とオンラインで通信し、面接の練習をすることにメリットがあります。
事前にオンライン面接の練習をしておけば、どのように自分の姿が映るのか、どの程度の間が生じるのかといった、細かな部分まで確認できます。
通信状況を把握することもできるため、面接本番で通信環境に悩まされることもなくなるでしょう。
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7.まとめ
IT業界での転職活動でも、服装は合否に関わる重要なポイントになります。有り合わせの服装で対応するのではなく、転職活動に最適なものを用意して、合格につながる準備をすることが重要です。
一般的に転職活動では、スーツかオフィスカジュアルな服装が選ばれます。どちらのパターンになっても対応できるように、数種類の服装を用意しておくと良いでしょう。
オンライン面接においても、服装の重要性は変わりません。むしろ見える部分が限定されるため、服装による印象が強く残る可能性もあるでしょう。
オンライン面接でも、最適とされる服装は基本的に同じなため、この機会に必要なものを備えることがおすすめです。
転職活動の際には、さまざまな転職先を候補に入れて視野を広げることもポイントです。過去の実績やスキルを活かすことで、企業に就職するのではなく、ITフリーランスとして働くことも考えられます。
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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。