VR・AR・MRの違いをわかりやすく解説!活用事例や体験の違いも紹介のカバー画像

VR・AR・MRの違いをわかりやすく解説!活用事例や体験の違いも紹介

公開日:2024/11/08最終更新日:2024/11/09

近年では、「メタバース」と呼ばれる仮想世界が大きく注目され、トレンドになっています。「VR・AR・MR」と呼ばれる技術は近年注目を集めており、幅広い分野で脚光を浴びるようになりました。


しかしVR・AR・MRに関しては聞いたことがある人も多いと思われるのですが、「それぞれどんな意味?」と区別がはっきりついていない人も多くいるのではないでしょうか。そこで本記事では、VR・AR・MRそれぞれの意味や活用例を紹介し、3者の違いについて整理します。


特に以下の方には、この記事をご一読していただきたいです。

  • VR・AR・MRの違いを理解してビジネスに活用したいと考えている企業担当者

  • 最新技術に興味がありVRやAR、MRの基礎知識を学びたい学生や一般の方

  • 自社サービス・製品にVR・AR・MR技術を導入したいと考えている方


1.VR(Virtual Reality:仮想現実)とは

VR(Virtual Reality:仮想現実)とは、ゴーグルやヘッドセットなどのヘッドマウントディスプレイ(HMD)などを利用してバーチャルの世界に入り込んだような体験ができる技術です。


顔や耳を覆うデバイスを活用することで外界から遮断され、現実とは全く異なる世界に入り込んだような没入感を味わえる点が最大の魅力」だと言えます。現在利用されているVRデバイスは、スマホを利用したタイプやPC・ゲーム機を利用したものなどさまざまです。


近年では自分の身体や目線の動きが仮想空間と連動し、映像内で操作できるコンテンツもリリースされています。

VRの活用例

VRの技術は、以下のようにさまざまな分野で活用されています。

  • エンターテインメント業界

  • 不動産業界(VR内覧、バーチャルツアーなど)

  • 教育ツール(リアルな体感を伴うシミュレーション)

  • 医療業界(手術のシミュレーション、リハビリテーションなど)

  • 建設業界(設計や内装レイアウトの確認)

VRと聞いて多くの人がまずイメージするのが、ゲームをはじめとするエンターテイメントコンテンツでの活用ではないでしょうか。しかし近年では、不動産業界における内覧や医療業界における手術シミュレーションなど、VRが活用される現場も広がっています。


現実のようなバーチャル体験を移動を伴わず気軽にできる点が大きなポイントであり、幅広い分野での活用が今後も期待されるでしょう。近年では「メタバース」と呼ばれるデジタル空間の活用も脚光を浴びており、動向が注目される技術です。

2.AR(Augmented Reality:拡張現実)とは

AR(Augmented Reality:拡張現実)とは、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを通じて現実の世界にデジタル情報を付加する技術のことです。


あくまでも現実世界がベースであり、デジタルの力で新たな価値を現実に付加します。現実世界の情報にデジタル情報が影響を受けることはなく、デジタル情報を重ね合わせるイメージが一般的です。


デジタルコンテンツを起動させるきっかけによって、ARには以下のようにさまざまなタイプがあります。

  • マーカー型(ポスターや画像などを読みこんで表示する)

  • 平面認識型(部屋や空間を読み込んで認識する)

  • 位置情報型(位置情報を認識して表示する)

ARの活用例

ARは、以下のような分野で活用されています。

  • エンターテイメント業界(イベント・ライブ・ゲームなど)

  • 商品・サービスのプロモーション

  • 観光PR

  • ポスター・看板

ARの魅力は、手持ちのスマホを利用することで誰でもAR情報を確認できることです。近年ではGoogleマップやポケモンGo、バーチャルメイクなど、私たちに取って身近なサービスへの活用も非常に多くみられるようになりました。


また、商品やサービスのプロモーションに使うことで、訴求力が向上してより具体的に情報を伝えやすくなると考えられます。例えば商品パッケージにARを設定することで、特典映像を配信したりより詳細な情報を表示させたりといったことが考えられるでしょう。

3.MR(Mixed Reality:複合現実)とは

MR(Mixed Reality:複合現実)とは、デバイスを装着することでユーザーの位置や動きに合わせて情報を表示させたりデジタル情報をユーザーが操作したりできる技術のことです。


MRはARをさらに発展させた技術であり、「仮想世界と現実世界を融合させる技術」と言われています。空間を認識していることが大きな特徴であり、現実の環境に合わせてコンテンツを表示可能です。

MRの活用例

MRは、以下のようなケースで活用されています。

  • 建設業界(設計・シミュレーション)

  • 医療業界(手術サポート、解剖学習など)

  • エンターテイメント業界(ゲームなど)

MRは比較的新しい技術であり、VRやARと比較するとまだ活用されている分野は多くないと言えます。しかし建設や医療の分野など既に活用されて要るケースも多々あり、5Gの登場も追い風にして今後活用が広がっていくことが期待されます。

4.VR・AR・MRの違い

この章では、VR・AR・MRの違いについて整理します。それぞれの特徴を整理すると、おおむね以下の通りです。

VR

AR

MR

ベース

バーチャル世界

現実世界

現実世界に

仮想世界が融合

技術

仮想世界に入り込みリアルに近い体験をする

現実世界にデジタル情報を表示し拡張する

現実世界を仮想世界に反映させる

メリット

没入感が高く体験の験のシェアがされやすい

気軽に体験しやすく

シェアも容易

ARよりもリアルで複数人で同時体験も可能

デバイス

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)やサングラス型デバイス

スマートフォンやタブレット、スマートグラスなど

HMDやスマートフォンなど

コスト

スマートフォン利用なら低めだがHMDだと高め

比較的低め

高めの傾向がある

操作方法

コントローラーやデバイス本体

デバイス本体

ジェスチャーやハンド

主な用途

ゲーム、エンタメ、ECなど

ゲーム、エンタメ、トレーニングなど

トレーニングや業務効率化など

VRとARの違い

VRとARは混同されることが比較的多いと言えますが、もちろん異なる概念です。両者の大きな違いは、ベースとなる世界だと言えます。


VRの場合は、仮想世界をベースとして没入感の高い体験をできる点が魅力です。一方のARは、現実世界をベースとしてデジタル情報をテクノロジーの力で付加することができます。


現実と仮想のどちらをベースとしているのかに着目すると、両者の区別をつけやすいでしょう。

VRとMRの違い

VRとMRの大きな違いは、やはりベースとなる世界です。


VRは仮想世界をベースにしており、バーチャルの世界に入り込む没入感が重要だと言えます。一方のMRは、ARと同様に現実世界をベースにしている技術です。


現実世界に視覚や聴覚の情報を追加し、ハンドジェスチャーによって一定の操作もできます。こうした特性の違いから、MRの方が業務利用がされやすい傾向があると言えるでしょう。

ARとMRの違い

ARとMRは現実世界をベースとしている点で非常に似た特徴を持つ概念ですが、異なる点もあります。


ARではデジタル情報に干渉して操作することができず、あくまでも現実世界にデジタル上位法を付加するのみです。しかし一方のMRは、ユーザーの動きを感知するデバイスにより現実世界に付加されたデジタル情報に干渉し、操作したり書き換えたりできます。

5.XR(Extended Reality)とは

VR・AR・MRについて理解を深める中では、XR(Extended Reality)という表現についても知っておくことが大切です。


XRは、VR・AR・MRなど現実世界と仮想世界を融合して新たな体験を想像する先端技術の総称のことを指します。移動コストが不要で体験に広い場所を必要としないことも多く、幅広い分野での利用が期待できる技術です。


「クロスリアリティ」とも呼ばれており、現実と仮想を融合させたあらゆる体験を含む概念だと言えるでしょう。

6.XR(VR・AR・MR)の市場規模と将来性

XR(VR・AR・MR)の市場規模は、近年右肩上がりに拡大していっています。たとえばメタバースの市場規模は、総務省が公表するデータによると以下の通り拡大を続けている状態です。


<世界のメタバース市場規模>

年度

市場規模

2022年度

650.51億ドル

2023年度

820.2億ドル

2030年度(予想)

9,365.7億ドル

引用元:総務省「情報通信白書令和5年版」


<日本のメタバース市場規模>

年度

市場規模

2021年度

744億円

2022年度

1,825億円

2023年度(予想)

3,255億円

2024年度(予想)

4,997億円

2025年度(予想)

7,237億円

2026年度(予想)

10,042億円

引用元:総務省「情報通信白書令和5年版」


エンターテイメント利用・業務利用に限らず幅広い分野での利用が期待できる技術であり、今後の注目度は高いと考えられるでしょう。


XR(VR・AR・MR)技術の発展に伴い、エンターテイメントや業務利用にとどまらず、医療、教育、製造業といった専門分野への応用も進んでいます。XR(VR・AR・MR)は私たちの生活や企業のビジネスモデルを根本から変革する可能性を秘めており、今後の技術革新により、その活用範囲と市場規模のさらなる拡大が期待されています。


特に在宅などからのリアルタイムでの協働作業や視覚的な情報共有が必要となる場面では、既存の技術では実現が難しかった体験を提供できることから、今後もXR(VR・AR・MR)の将来性に大きな注目が集まっています。


関連記事

VR技術の最新情報や今後の展望及び将来性、問題点・普及しない理由について解説


【2024年最新版】IT技術トレンド25選|エンジニア・ビジネスマン向けに解説

7.まとめ

VR・AR・MRは、現実世界と仮想世界を融合し、さまざまな体験を提供できる注目の技術です。ベースとなる世界や技術の使い方などに違いがあることから、ポイントを押さえておくことで比較的容易に整理できると言えます。


VR・AR・MRなどの技術は、まとめてXRと呼ばれることもあります。XRの市場は近年拡大を続けており、今後も大注目の技術だと考えられるでしょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

無料で登録したらスカウトを待つだけ フリーランスの新しい仕事探しを始めよう

フルリモート案件を 無料登録した方限定で配信中

目次

1.VR(Virtual Reality:仮想現実)とは

VRの活用例

2.AR(Augmented Reality:拡張現実)とは

ARの活用例

3.MR(Mixed Reality:複合現実)とは

MRの活用例

4.VR・AR・MRの違い

VRとARの違い

VRとMRの違い

ARとMRの違い

5.XR(Extended Reality)とは

6.XR(VR・AR・MR)の市場規模と将来性

7.まとめ