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Flask【Python】とは?入門向けにインストール方法やコード付で使い方を解説

公開日:2024/12/19最終更新日:2024/12/19

Pythonを使ったWeb開発を始めたい、軽量でシンプルなWebアプリケーションを作りたいという方に最適な選択肢として「Flask」というWebフレームワークがあります。Flaskは、その軽量さと柔軟性から、初心者でも扱いやすく、迅速にプロトタイピングを行いたい開発者に特に人気があります。

この記事では、Flaskの基本から、実際に使い方までを解説し、Djangoなど他のフレームワークとの違いやメリットも紹介します。また、Flaskの拡張機能や便利なライブラリ、、学習リソース、さらに将来性にも触れることで、Flaskを使い始めるためのガイドとなることを目指します。

1.Flaskとは?

Flaskは、Pythonで開発された軽量なWebフレームワークの一つです。特にシンプルで柔軟な設計を特徴としており、開発者にとって使いやすく、スケーラブルなWebアプリケーションを構築するために広く利用されています。

Flaskは「マイクロフレームワーク」として分類され、必要最低限の機能を提供しつつ、追加機能や拡張が簡単にできる点が魅力です。


Flaskは2004年にアーミン・ロンナウ(Armin Ronacher)によって開発され、以来多くのWeb開発者に支持されています。特に軽量さと柔軟性から、小規模なプロジェクトやプロトタイプ開発に最適とされていますが、大規模な商用アプリケーションにも対応できる拡張性を持っています。


Flaskの特徴的な点は、HTMLテンプレートエンジン(Jinja2)が標準で組み込まれている点です。さらにデータベース接続にはSQLAlchemyなどの拡張も簡単に追加できる点も特徴です。


Flaskを使うことでPythonに慣れた開発者は、少ないコードで迅速にWebアプリケーションを立ち上げることができ、さらには豊富なライブラリやコミュニティのサポートを活用して開発をスムーズに進めることが可能です。

Flaskの定義

Flaskは「microframework(マイクロフレームワーク)」と呼ばれ、その名の通り、必要最小限の機能しか提供しません。


最小限の機能だけを提供することで、開発者は自分のニーズに合わせて必要な機能を追加していくことができ、非常に柔軟性が高いのが特徴です。


Flaskはリクエスト・レスポンス処理・URLルーティング・テンプレートエンジン(Jinja2)などの基本的なWebアプリケーションに必要な機能を提供しますが、その他の機能(データベース・認証・管理画面など)は、プラグインやライブラリを追加することで対応できます。これにより、小規模なアプリケーションから大規模なシステムまで幅広い用途に対応可能です。

Flaskの特徴

Flaskの特徴について、それぞれ解説します。

シンプルで軽量

Flaskは必要最低限の機能しか持たないため、非常に軽量で使い方も簡単です。Djangoのようなフルスタックフレームワークに比べて学習コストが低く、初心者でも短期間で扱えるようになります。

柔軟性と拡張性

Flaskはそのシンプルさから自由度が高く、必要な機能を必要なタイミングで追加できます。例えば、データベースの選定や認証機能など、プロジェクトの規模に応じてカスタマイズできます。

大規模にも対応可能

Flaskはシンプルである一方で、拡張機能が充実しており、適切に設計すれば大規模なWebアプリケーションにも対応できます。Pythonのエコシステム内で利用できる多くのライブラリを活用できます。

ミニマリズムとPythonらしさ

FlaskはPythonの哲学である「シンプルで明確な設計」を守り、開発者が直感的に使用できるよう設計されています。この設計によって開発者が自分のアプリケーションのアーキテクチャを自由にデザインできます。

2.DjangoとFlaskの違い

Flaskと同じく人気のあるPythonのWebフレームワークであるDjangoと比較してみましょう。DjangoとFlaskは、それぞれ異なる特徴を持っており、どちらを選ぶかはプロジェクトの性質に大きく依存します。

Flaskのメリット

まずは、Flaskのメリットについて解説します。

  • 軽量で柔軟

    Flaskは必要最小限の機能しか提供せず、必要なライブラリやプラグインを選んで追加できるので、非常に柔軟です。開発者が自分のプロジェクトに合わせた設計を行いやすいです。

  • 学習コストが低い

    Flaskは非常にシンプルで直感的なAPIを提供しており、初心者でもすぐに理解できます。ドキュメントが豊富で、Pythonの標準的なライブラリと統一されているため、学習しやすいです。

  • 自由な構成

    Flaskでは、プロジェクト構成やディレクトリ構造を開発者自身が自由に決めることができます。これにより、自由度が高い開発が可能です。

Djangoのメリット

次に、Djangoのメリットについて解説します。

  • フルスタック機能

    Djangoは認証・管理画面・フォーム処理・セッション管理・データベース管理など、Webアプリケーションに必要な機能が最初から揃っています。そのため、開発者はすぐにアプリケーションの開発を始められます。

  • 強力な管理画面

    Djangoには管理画面が組み込まれており、データベースの管理やコンテンツの更新が簡単に行えます。これにより、バックエンドの作業を効率化できます。

  • バッテリー付属

    Djangoは「バッテリー付属の哲学」に基づき、多くの機能がデフォルトで用意されています。これにより、Webアプリケーションの開発が迅速に行える利点があります。


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3.【入門用】Flaskのインストール

Flaskのインストールは非常に簡単です。以下の手順で、Flask開発環境を整え、最初のアプリケーションを作成してみましょう。

開発環境の構築

まず、Pythonの環境を整えます。Pythonがインストールされていない場合は、公式サイトからPythonをインストールしましょう。

次に、仮想環境を作成します。仮想環境を使用すると、他のプロジェクトとの依存関係を分離できます。

python3 -m venv flaskenv

source flaskenv/bin/activate  # Mac/Linux

flaskenv\Scripts\activate  # Windows

プロジェクトの作成

仮想環境を有効にしたら、Flaskをインストールします。

pip install Flask

最初のアプリケーション作成

インストールが完了したら、以下のコードを使って「Hello, World!」アプリケーションを作成します。

from flask import Flask


app = Flask(__name__)


@app.route('/')

def hello_world():

    return 'Hello, World!'


if name == '__main__':

    app.run(debug=True)

このコードをapp.pyという名前で保存し、以下のコマンドでアプリケーションを起動します。

python app.py

ブラウザでhttp://127.0.0.1:5000/にアクセスすると、"Hello, World!"が表示されます。

4.Flaskの基本的な使い方

Flaskプロジェクトを作成したら、基本的な使い方を学習してFlaskを使いこなしてみましょう。ここではFlaskの基本的な使い方について解説します。

ルーティングの設定

Flaskでは、URLとそのURLに対応する処理(ビュー関数)をルーティングで設定します。@app.route()デコレーターを使用して、特定のURLに対応する関数を定義します。

@app.route('/hello')

def hello():

    return 'Hello from Flask!'

テンプレートエンジンJinja2の使い方

Flaskでは、Jinja2というテンプレートエンジンを使用してHTMLを動的に生成できます。render_template()関数を使って、Pythonのデータをテンプレートに埋め込むことができます。

from flask import Flask, render_template


app = Flask(__name__)


@app.route('/hello')

def hello():

    return 'Hello from Flask!'


@app.route('/greet/<name>')

def greet(name):

    return render_template('greet.html', name=name)


if name == '__main__':

    app.run(debug=True)

データベースとの連携

Flaskでデータベースを扱うには、Flask-SQLAlchemyなどの拡張機能を使うのが一般的です。以下のコードは、FlaskでSQLiteを使ってデータベースにアクセスする基本的な方法です。

from flask import Flask

from flask_sqlalchemy import SQLAlchemy


app = Flask(__name__)

app.config['SQLALCHEMY_DATABASE_URI'] = 'sqlite:///site.db'


db = SQLAlchemy(app)


class User(db.Model):

    id = db.Column(db.Integer, primary_key=True)

    username = db.Column(db.String(20), unique=True, nullable=False)


@app.route('/add')

def add_user():

    user = User(username='flaskuser')

    db.session.add(user)

    db.session.commit()

    return 'User added!'


if name == '__main__':

    with app.app_context():

        db.create_all()

    app.run(debug=True)

フォーム処理の基本

Flaskでは、Flask-WTFを使用してフォームの処理を行います。Flask-WTFによってHTMLフォームを簡単に作成し、ユーザーからの入力を受け取ることができます。

from flask import Flask, render_template

from flask_wtf import FlaskForm

from wtforms import StringField, SubmitField


app = Flask(__name__)

app.config['SECRET_KEY'] = 'your_secret_key'


class NameForm(FlaskForm):

    name = StringField('Name')

    submit = SubmitField('Submit')


@app.route('/form', methods=['GET', 'POST'])

def form():

    form = NameForm()

    if form.validate_on_submit():

        return f'Hello, {form.name.data}!'

    return render_template('form.html', form=form)

5.Flaskの拡張機能

Flaskは非常に軽量ですが、必要な機能は拡張機能を使って追加できます。以下はFlaskでよく使われる拡張機能です。

データベース(Flask-SQLAlchemy)

Flask-SQLAlchemyは、Flaskアプリケーションに簡単にデータベース機能を追加できるライブラリです。Flask-SQLAlchemyを使用することで、ORM(Object Relational Mapper)を使用して、Pythonのオブジェクトとしてデータベースを操作できます。

認証(Flask-Login)

Flask-Loginは、Flaskで簡単にユーザー認証を実装できるライブラリです。ログイン、ログアウト、セッション管理などを簡単に実現できます。

フォーム(Flask-WTF)

Flask-WTFは、Flaskでフォームを作成するための拡張機能です。HTMLフォームの生成やバリデーションが簡単に行えます。

メール送信(Flask-Mail)

Flask-Mailは、Flaskアプリケーションからメールを送信するための拡張機能です。メール送信機能を簡単に追加できます。

6.Flaskの学習方法

Flaskを学ぶためには、以下のリソースを活用するのが効果的です。

公式ドキュメントとチュートリアル

Flaskの公式ドキュメントは非常に充実しており、基本的な使い方から高度な機能まで網羅しています。公式サイトのチュートリアルを参考にしながら、実際に手を動かして学ぶことができます。

オンラインコミュニティ

Flaskには多くのオンラインコミュニティがあります。Stack OverflowやGitHubなどで問題を解決したり、他の開発者と交流することができます。

日本語の学習コンテンツ

日本語のFlaskに関するブログ記事やYouTubeのチュートリアルも多く存在します。日本語で学習したい方は、これらのリソースを活用するとよいでしょう。

7.Flaskの将来性

Flaskは、Pythonエコシステム内で非常に活発に開発されており、今後も進化し続けることが予想されます。シンプルでありながら拡張性が高いため、小規模なアプリケーションから大規模なシステムまで幅広いニーズに対応できるフレームワークです。


また、Pythonの人気の高さを考慮すると、Flaskを使ったプロジェクトの需要は今後も高いままでしょう。


さらに、TIOBEインデックスにおいてPythonは2024年12月時点で1位に位置しており、それに伴いWeb開発分野でのPython利用も増え続けています。この流れの中で、Flaskは軽量で学習コストが低く、自由度が高いため、スタートアップや新規サービス開発でのプロトタイプ構築に選ばれるケースが多く見られます。


年収の観点よりFlaskの将来性を分析してみましょう。


フリーランスボードに掲載されているFlaskのフリーランス案件・求人(※2024年12月時点)の年収目安は889万円です。フリーランス案件・求人全体の平均年収が866万円であるため、PythonエンジニアにとってFlaskスキルが価値を持っていることがわかります。


Flaskは継続的なコミュニティの支援や企業での採用事例の増加する可能性があり、今後も将来性が高いことが予測できるでしょう。


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8.まとめ

Flaskは、軽量でシンプルなWebフレームワークとして、Python初心者から経験豊富な開発者まで多くのユーザーに愛されています。Djangoなどの他のフレームワークと比較しても、その柔軟性と自由度が大きな特徴であり、特に小規模から中規模のWebアプリケーション開発に向いています。


Flaskの学習は非常に簡単で、入門者にとっては最適な選択肢となるでしょう。また、豊富なライブラリや拡張機能を活用すれば、どんな機能でも追加可能です。これからFlaskを使ってWeb開発を始めたい方には、ぜひ挑戦してみてほしいフレームワークです。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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