「IoTの分野で活躍できるスキルを身につけたい」「IoT技術に関する実力を証明したい」とお考えであれば、IoTシステム技術検定の合格を目指してみてはいかがでしょうか。
IoTシステム技術検定は基礎、中級、上級のレベルが実施されており、段階的にIoTに関する知識を学びたい方、自分の実力を証明したい方に非常におすすめの検定試験です。
今回はIoTシステム技術検定に関する基礎知識や詳細情報、IoTシステム技術検定の資格取得のメリット・デメリット、IoTシステム技術検定合格のための参考書の選び方や勉強方法についてお話しします。
目次
1.IoTシステム技術検定に関する基礎知識
はじめにIoTシステム技術検定に関する基礎知識について解説します。
IoTシステム技術検定とは
IoTシステム技術検定とは、MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)が実施するIoTに関する知識やスキルが問われる検定試験です。
IoT(Internet Of Things)、日本語におけるモノのインターネットの技術においては、新しいデバイスやセンサーの開発、インターネットの高速化と安定化、そして幅広い分野で活用できることから、急速に普及しています。
今までは人間の目や手に頼ってきた作業の大部分を、ハードウェア面ではセンサーやカメラ、モーターやギア、ソフトウェア面ではAIや機械学習の進化によって自動化・効率化できるようになったことも理由と言えるでしょう。
そのため、業界や業種問わず人手不足の解消、危険な作業からの解放、効率化や最適化のためにIoT技術を有する人材が求められており、IoTシステム技術検定の合格はエンジニアとして挑戦する価値が十分にあると言えます。
IoTシステム技術が必要とされる業界や業種
製造業
物流業
販売業
農業
建築業
上記がIoTシステム技術が必要とされる業界や業種の一例です。例えば製造業においては今までも自動化が進められていましたが、オフラインでは限界があり人の手や目が必要でした。現代においてはセンサーやカメラによって24時間フル稼働することも可能になったのです。
物流業や販売業においてはRFIDを利用したICタグの活用によって、商品の仕訳や物流の管理などもしやすくなっており、ヒューマンエラーの軽減や効率化に大きく寄与しています。農業や建築業においては機械をセンサーとGPSによって制御することにより、人間の操作が必要だった作業の一部を自動で運転できるようになりました。
その他にも医療関係やインフラ、家庭内で言えばスマートホームやスマート家電などによって、社会全体とともに身近な暮らしの一部が豊かで便利になっています。IoTに関する技術が必要とされている業界や業種が多いことを示しており、IoTのエンジニアが将来的に明るいことは期待できるでしょう。
IoTシステム技術検定の合格で目指せるキャリア
IoTコンサルタント
IoTプロダクトマネージャー
新規デバイスおよびハードウェア開発
上記がIoTシステム技術検定の合格で目指せるキャリアの一例です。
主にはIoT、すなわちハードウェアやデバイス、そして動作させるためのソフトウェアやハードウェアの領域のキャリアが視野に入ります。IoTのハードウェアやデバイスは一つ一つは小さいものですが、組み合わせていくことで大規模な自動化やリアルタイム化、データの可視化が実現できます。
そのため、まだ見ぬIoT技術を活用したシステムやデバイスの開発に携わることも期待できるでしょう。
また、IoTに関する技術はその他の技術領域とも相性がよく、プログラミング、機械学習、ネットワーク、セキュリティ、Linuxやクラウドコンピューティングなども学びやすくなります。結果として幅広い分野に精通できるエンジニアとして、もしくは特定の領域に特化したスペシャリストとしてのキャリアも目指せるようになるでしょう。
2.IoTシステム技術検定の詳細情報
次にIoTシステム技術検定の詳細情報について解説します。
IoTシステム技術検定の詳細
試験名 | IoTシステム技術検定 基礎 | IoTシステム技術検定 中級 | IoTシステム技術検定 上級 |
---|---|---|---|
試験会場 | 全国にあるCBTSに対応した試験会場 ※試験会場一覧はこちら | ||
試験日時 試験期間 | 第17回 試験期間:2024年11月22日(金)~2025年03月24日(月) | 第17回 試験期間:2024年10月18日(金)~2025年02月10日(月) | 試験日(2日間) 2025年01月31日(金)~02月01日(土) |
申込期間 | 第17回 2024年11月15日(金)~2025年03月17日(月) | 第17回 2024年10月11日(金)~2025年02月03日(月) | 第12回 2024年12月06日(金)~2025年01月20日(月) |
試験時間 | 60分 | 90分 | 1日目 ・専門技術講習の受講(5.5時間) 2日目 ・専門技術講習の受講(1.5時間) ・論述試験(3時間) |
出題形式 | CBT方式:選択式問題 | 専門技術講習の受講
1,050文字以上3,600文字以下 | |
出題数 | 60問 | 80問 | 複数の課題/テーマから一つを選び、複数の大問に回答 |
合格基準 | 非公開 | ||
受検料 | アカデミック以外:13,750円 アカデミック:9,350円 | 一般:18,150円 賛助会員:14,850円 相互協力会員:15,950円 アカデミック:11,550円 | IoTシステム技術検定[中級]合格者:55,770円 早稲田大学:スマートエスイー修了者:35,750円 情報処理学会:認定情報技術者:35,750円 再受検をされる方: 28,050円 |
受験資格 | 特になし | 以下のいずれか1つの条件を満たしていること ・IoTシステム技術検定[中級]合格者 ・早稲田大学スマートエスイー修了者 ・情報処理学会認定情報技術者有資格者 | |
試験結果 | 試験終了後にパソコンの画面に合否結果が表示 | 一斉合否公開 |
上記がIoTシステム技術検定の詳細です。基礎と中級についてはCBT方式で受験できるようになっており、上級については公衆と論述タイプの試験になっています。また、基礎と中級は受験資格はないものの、上級については受験資格があるため、条件を満たしているか必ず確認してください。
随時開催ではないため、試験の日時や試験期間、申し込み期間のスケジュールでタイミングを公式ページで定期的にチェックしておき、おおよその受験時期を定めて、逆算して勉強時間や勉強計画を練るようにすることをおすすめします。
IoTシステム技術検定の出題範囲・難易度・勉強時間
・基礎
出題カテゴリ |
---|
IoTシステム構成と構築技術 センサ/アクチュエータ技術と通信方法 IoT活用技術(AI) IoT情報セキュリティ対策技術 IoTシステムのプロトタイピング技術 |
参考元:https://www.mcpc-jp.org/iotkentei/kentei msg_kiso/
上記がIoTシステム技術検定 基礎の出題範囲です。主にIoTに関する基礎的な知識が出題範囲となっており、初めてIoTについて学ばれる方、もしくはエンジニア領域の検定試験に挑戦する方におすすめの難易度となっています。
勉強時間については対応テキストとなる「IoTシステム技術検定[基礎]対応テキスト」のボリュームが280ページであることを踏まえると、おおよそですが50時間から150時間程度を見込んでおくと良いでしょう。ただし、難易度と勉強時間については、受験される方の IoT分野やIT基礎技術に関する知識をすでに備えているかどうかによって大きく異なります。
公式のテキストを購入したものの説明文が理解できない、もしくは難しいと感じる場合は難易度も上がりますし、勉強時間も伸びていくということを覚えておきましょう。また、ネットワークやセンサ技術などの基礎知識がある方は、比較的スムーズに学習を進められるため、学習時間を短縮できる可能性があります。
・中級
出題カテゴリ/出題比率 |
---|
IoTシステム構成と構築技術:15~25% センサーアクチュエータ技術と通信方法:25~30% IoT活用技術(AI):25~30% IoT情報セキュリティ対策技術:20~25% IoTシステムのプロトタイピング技術:5~15% |
参考元:https://www.mcpc-jp.org/iotkentei/kentei_msg/
上記がIoTシステム技術検定 中級の出題範囲です。出題カテゴリは基礎と同じになっていますが、内容は難易度が高いものが出題されることが推測できるため、基礎レベルに合格するだけの実力とともに、中級に必要な応用力や実践力についてもしっかりと勉強しておきましょう。
具体的には、ネットワーク設計やデータ分析の観点を踏まえたIoTシステムの活用方法を理解するほか、セキュリティ対策やクラウド基盤の選定など、実務に近い視点が問われる点に注意が必要です。
基礎の受験対象がIoTに関する初心者であることに対し、中級の場合はIoTシステムを構築・活用するため基本的かつ実践的な技術知識の習得を目指す方、業界や業種問わずシステム構築に関係するすべての技術者となっていることから、実務経験に近い知識や理解が必要な難易度であることが推測できます。
もし実務経験が少ない場合は、ハンズオン教材の活用や試作レベルでもIoTシステムを一度組み立ててみると理解が深まるため、効率的な学習につながるでしょう。
勉強時間については対応テキストとなる、「IoTシステム技術検定[中級]対応テキスト」のボリュームが335ページであることを踏まえると、基礎の内容を理解している前提としておよそですが80時間から200時間程度を見込んでおくと良いでしょう。
ただし、インフラやセンサ技術など特定分野の知識が不足している場合は関連分野の学習が必要であるため、さらに時間が必要になることも考慮しましょう。
・上級
試験の形式 | 回答にあたっての論点 |
---|---|
問題で提示する複数の「課題/テーマ」から一つを選び、IoTシステム活用の、専門知識、課題解決、ビジネス構築について、複数の大問に回答 | ・本当の顧客は誰か (A社など、仮名にて具体的な業種と業務内容等) ・顧客が抱えている課題 ・技術的な訴求点 (技術活用は課題解決にどのように貢献するのか) ・ビジネス上の創出価値は何か |
参考元:https://www.mcpc-jp.org/iotkentei/kentei_msg_jyokyu/
上記がIoTシステム技術検定 上級の出題範囲です。基礎と中級のCBT方式の試験とは異なり、専用の講座の受講と記述式の試験になるため難易度はかなり高いことが推測できます。IoTに関して基礎や応用のための知識や理論を理解しているだけではなく、具体的に実践でどう活用していくかを論理的に説明・提案できる能力が必要となるでしょう。
上級の場合は勉強時間の目安は特にございません。その理由として、IoTですでに実現している技術や仕組み、プロダクトについて情報収集を行い、その上でどのような課題を解決したのか、また改善の余地はあるのかという視点で学んで行く必要があるためです。
実際の業務やPoC(概念実証)に携わった経験のある方であれば、学習負荷をある程度軽減できる可能性がありますが、実務経験が浅い方は技術的な理解に加え、現場での課題整理や提案力の必要があるため、学習時間はより増えるでしょう。
そのため前提条件を満たしている方はまずは一度挑戦してみること、その上で何が足りないかを補うためにはどれくらい時間が必要かといったことを精査していくと良いでしょう。
さらに、受験前に実務や演習を通じてIoTシステムの全体像を把握し、課題解決やコスト・セキュリティ面などを総合的に検討できるようになると、上級試験で求められる記述式回答もより説得力を伴う内容になるでしょう。
IoTシステム技術検定の受験者数・合格率
IoTシステム技術検定の受験者数は公式には発表されていません。
検定名 | 合格率 |
---|---|
IoTシステム技術検定[基礎] | 68.5% |
IoTシステム技術検定[中級] | 68.0% |
IoTシステム技術検定[上級] | 48.9% |
上記がIoTシステム技術検定の2024年度3月時点における合格率です。合格率だけで見ると難易度が低いように感じられるかもしれません。しかし、公式のテキストや試験の内容的には簡単な試験ではないと捉えておくべきと言えます。
また、企業や大学などのカリキュラムとして利用されており、受験者の多くがある程度知識を有している可能性が高く、基礎と中級が7割、上級が約5割と合格率が高くなっているのでしょう。
個人で受験される方の場合は合格率だけを見て簡単だと油断しないようしっかりと勉強時間を捻出するようにしてください。
IoTシステム技術検定の申し込み手順
MCPCの受験システムで新規ユーザー登録を行う
マイページにログインして検定試験に申し込む
試験、受験日時、テストセンター名の選択、住所登録
受験料の支払い
※クレジットカード・コンビニ支払い・銀行ATM支払い
指定した日時・場所で受験
上記がIoTシステム技術検定の申し込み手順です。上級については定員制となっていることから、定期的に公式ページをチェックして申し込み期間や開催時期を見逃さないようにしておきましょう。
また上級は2日間にわたる試験になっていることから、事前にスケジュール調整をしておくことも忘れないようにしてください。
IoTシステム技術検定の有効期限
IoTシステム技術検定の有効期限は特に設定されておりません。そのため、一度合格することで将来的に履歴書に記載することができます。ただし、IoTに関する技術は日々進化していることから、合格後もエンジニアとして技術や知識をアップデートしていくことが大切であることを忘れてはなりません。
特にIoTの分野はハードウェアとソフトウェアの両面が進化していくため、どれだけ最新の技術に対応できるかがエンジニアとしての実力に直結します。技術領域において様々なことに興味を持ち、現在開発が進んでいる技術、実現した技術、そして古い技術も含めて幅広く情報収集をしていくと良いでしょう。
3.IoTシステム技術検定の資格取得のメリット
次にIoTシステム技術検定の資格取得のメリットについて解説します。
IoTシステム技術に関する知識を段階的に学べる
IoTシステム技術検定の資格取得のメリットとして、IoTシステム技術に関する知識を段階的に学べることが挙げられます。基礎と中級のレベルで知識的な部分を学び、上級の合格に向けて実践力を身につけていくことで、IoTエンジニアとしてのスキルアップに繋がるということです。
IoTについてはハードウェアに興味を持って学び始めた方、もしくはソフトウェア面から興味を持った方など様々であることから、なかなか体験的に学ぶことは難しいですが、IoTシステム技術検定であればまずは知識から、そして実現したプロダクトなどから実践的なものを学ぶことができます。
そのため、将来的には既存のIoTシステムの改善やアップデート、もしくは新しいIoTシステムの開発に携わるための基盤を手に入れることができるようになるでしょう。
IoTシステム技術に関連の深い知識やスキルを身につけやすい
IoTシステム技術検定の資格取得のメリットとして、IoTシステム技術に関連の深い知識やスキルを身につけやすいことが挙げられます。IoTがモノのインターネットと言われるように、ハードウェアとソフトウェア、ネットワーク、データの取得と蓄積、蓄積されたデータの分析、分析されたデータの活用など多岐にわたるのが理由です。
もっと簡単に言えばITやWebに関する全般の技術が関係してくることから、興味を持った技術分野を伸ばしていくことで、さらに他の領域にも強くなっていけるようになります。例えば、最初はシングルボードコンピューターでLチカと呼ばれるLEDを光らせることしかできなくても、将来的にはロボットを組み立ててみたり、センシング技術によって様々な自動化ができるようになっていくでしょう。
IoTシステム技術を必要とする業界や業種で活躍できる
IoTシステム技術検定の資格取得のメリットとして、IoTシステム技術を必要とする業界や業種で活躍できることが挙げられます。IoTシステムはIT技術を用いて物理的に現実世界の様々なことを動かせるようになることが理由です。
一昔前までは一定のプログラムで動かすことしかできなかったようなオフライン型のロボットやデバイスにおいても、ネットワークを通じて様々なデータベースの活用、AIによる状況の判断と自動化はすでに実現しており、それぞれがさらなる最適化や改善が求められています。
同時に、まだまだ人力や手作業、目視によるチェックなどを行っている分野、もしくは業界や業種も多く、まだ見ぬIoTシステムの実現が求められていることから、IoTに関する知識やスキルを有していることで幅広く活躍できるようになっていくでしょう。
4.IoTシステム技術検定の資格取得のデメリット
次にIoTシステム技術検定の資格取得のデメリットについて解説します。
資格の取得に勉強時間や受験料などのコストがかかる
IoTシステム技術検定の資格取得のデメリットとして、資格の取得に勉強時間や受験料などのコストがかかることが挙げられます。基礎や中級の段階であっても半年から1年程度、時間的な余裕がなければさらに期間は延びますし、受験料やテキスト、もしくは理解を深めるための専門書や技術書が必要になるのが理由です。
ただし、IoTの知識やスキルは将来的に必要とされ続ける分野であることを考えると、一定の需要は消えない、むしろ伸びていくことが推測できるため、コストに対するリターンは大きいということも理解しておきましょう。
むしろ、早い段階でIoTに関して習熟していくことが、キャリア形成にポジティブな影響があると考え、積極的に投資していくことをおすすめします。
IoTシステム技術検定の合格だけでは評価されにくい
IoTシステム技術検定の資格取得のデメリットとして、IoTシステム技術検定の合格だけでは評価されにくいことが挙げられます。特に基礎と中級のレベルにおいては、CBT方式であり、公式のテキストを学ぶことで記憶力ベースで合格できてしまうのが理由です。
IoTに関するエンジニアとしての評価を上げるためにも、試験の合格のために勉強するのではなく、関連する技術領域についても知識やスキルを身につけていくことが求められます。
例えば、センサーから得た情報をどのように蓄積していくか、蓄積したデータをどのように活用するか、データに応じてどのような動作をさせるかといったようなことを学び、具体的に自分ができることを増やしてアピールできるようにすると良いでしょう。
理論ベースであるため、実践部分は別に学ぶ必要がある
IoTシステム技術検定の資格取得のデメリットとして、理論ベースであるため、実践部分は別に学ぶ必要があることが挙げられます。IoTシステム技術者検定については、実践的な内容にも触れてはいるものの、実際にハードウェアやセンサー、シングルボードコンピューターを扱うような試験ではないのが理由です。
例えば、基板などを用いた電子工作、ハンダ付け、シングルボードコンピューターとセンサーの利用などのハードウェア分野、もしくは電子工作やハンダ付けなどで作成したデバイスを動かすためのスクリプトやプログラミングの作成など、理論だけではなく実践でどのようなことが必要かを考えて色々と体験していくことで、物理的なデバイスも扱えるIoTエンジニアとして評価されやすくなるでしょう。
5.IoTシステム技術検定合格のための参考書の選び方や勉強方法
次にIoTシステム技術検定合格のための参考書の選び方や勉強方法について解説します。
公式のサンプル問題に挑戦して自分の理解度を把握する
IoTシステム技術検定の合格に向けて、まずは公式のサンプル問題に挑戦して自分の理解度を把握することから始めましょう。もしサンプル問題が全くわからない、用語がわからないと言ったような状況の場合はIPAのITパスポートもしくは基本情報技術者試験の挑戦から始めることをおすすめします。
IoTに関してはハードウェアも重要ですが、前提知識が欠けていても物理的な作業や実践的なことをすることはできません。まずは知識を身につけることは重要であると理解し、IoTに関する技術を読み解けるようにする土台を構築することが大切です。
公式で紹介されている対応テキストで勉強する
公式のサンプル問題に挑戦して手応えを感じたら、同じく公式で紹介されている対応テキストを購入して勉強すると効率的です。基礎と中級においてはテキストの技術的な内容をしっかりと覚えること、応用力や実践力のための土台を身につけるという意識を持って学ぶことをおすすめします。
IoTに関する理論ベースの土台がどれだけしっかりと作れるかどうかで、IoTエンジニアとしての成長のしやすさや成長の伸びしろが大きく変わってくると覚えておいてください。簡単に言えばまずは何ができるのかを理解すること、センサーでどのような情報を取得できて、モーターでどのように動かすことができるのか、そして制御するためにはどのようなプログラミングおよびソフトウェアの知識が必要かといったような形で学んでみると良いでしょう。
ArduinoやRaspberry Pi、Scratchで学ぶのもおすすめ
IoTシステム技術検定の合格とともに、合格したことをしっかりとアピールするためにも、ArduinoやRaspberry Pi、Scratchで学ぶことをおすすめします。実際にハードウェアを触ったことがあるかどうかは、学習の進捗度合いにも大きく影響しますし、採用などの場面で評価がプラスになることが期待できるのが理由です。
Arduinoであれば様々なセンサーやモーターを組み合わせて簡単なロボットを作ることもできますし、動かすためのサンプルコードも豊富です。Raspberry PiではLinuxを利用することも可能であるため、OSに関する仕組みやコマンドラインなどについても学びやすくなっています。Scratchは子供向けのプログラミングソフトウェアではあるものの、視覚的に楽しくプログラミング的な思考が身につけられるように工夫がされていることから、基礎を身につけたい場合に役立ちます。
子供向けのシングルボードコンピューターやプログラミング教材であっても、物理的にIoTの基礎を学べるということを理解しておき、楽しみながら学び、成長の土台としてみてください。
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6.まとめ
今回はIoTシステム技術検定に関する基礎知識や詳細情報、IoTシステム技術検定の資格取得のメリット・デメリット、IoTシステム技術検定合格のための参考書の選び方や勉強方法についてお話ししました。
IoTについては様々な分野、業界や業種問わず、これからも必要とされる技術であるのは間違いありません。そのため、IoTに関する知識やスキルを得意とするエンジニアとして成長していくことは、市場価値が高くなっていくとともに、幅広い分野で活躍できる可能性を秘めていると言えるでしょう。
ソフトウェアとハードウェアの両面に強いエンジニアを目指すのであれば、是非とも合格に向けて頑張ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。