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システムディレクターとは|PMとの違いや業務内容、必要スキル、年収、キャリアパスなど解説

公開日:2025/02/26最終更新日:2025/02/27

システム開発のプロジェクトには、さまざまな人員が関わります。そしてその中でも開発現場において重要な役割を果たしているのが、今回紹介する「システムディレクター」です。


しかしシステムディレクターの名前や立場についてなんとなく知っていても、具体的な役割については分からない方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、システムディレクターの仕事内容や求められるスキル、PM(プロジェクトマネージャー)との違いについて解説します。


特に以下の方には、この記事をご一読していただきたいです。

  • システムディレクターとしてのキャリアアップを目指している方

  • プロジェクト全体の戦略設計や管理に興味がある方  

  • フリーランスとしてシステムディレクション業務の案件獲得や業務効率化を実現したい方  

  • IT業界でシステム全体の運営や改善提案の最新動向を学び、実務に活かしたい方


1.システムディレクター(開発責任者)とは

システムディレクターとは、システム開発の現場においてチームを統括する人のことです。


ディレクターとは英語で「監督」を意味する言葉であり、開発プロジェクトの方向性を決めてメンバーを管理し、成功を目指す仕事だと言えます。担うべき実際の業務も幅広く、求められるスキルや能力についても多種多様だと考えられるでしょう。


システムディレクターと類似しているアプリディレクターについて簡単に解説します。


アプリディレクターとは、スマートフォンで利用するアプリの開発を管理する専門職です。近年ではスマホが一般的に普及し、サブスクリプションサービスや決済アプリを利用する方も多くいます。アプリのニーズが増している中で、アプリディレクターに対する注目度も高まっていると考えられるでしょう。


システムディレクターの業務と求められる能力や適性が重なる部分も多く、合わせてキャリアパスの候補とする意義は大いにある職種です。


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2.システムディレクターの主な仕事内容

この章では、システムディレクターの主な仕事内容を以下の7つに整理して紹介します。

  • 新たな開発手法の提案

  • 開発スケジュールの管理

  • 開発リソースの管理

  • 開発タスクの管理

  • 仕様確認

  • 品質管理

  • クライアントとの折衝

新たな開発手法の提案

システムディレクターの仕事内容としてまず挙げられるのが、新たな開発手法の提案です。


システム開発にどのような開発手法を採用するのか考案し、クライアントに提案します。ここでクライアントからの理解と合意をしっかりと取り付けておかないと、開発が進行し出してからトラブルになることも考えられるでしょう。


ただし、クライアントには開発手法に関する専門知識がないことも多々あります。専門的な内容であっても、できるだけ分かりやすく説明することが必要です。

開発スケジュールの管理

システムディレクターの業務内容としては、開発スケジュールの管理も挙げられます。


システムの納期までに開発を終え問題なく納品できるように、進捗状況を随時チェックしていかなくてはいけません。もしスケジュールが遅れてきたら、原因を究明して改善策を講じることも大切です。


特に規模が大きくなるほど1つのチームの遅れがプロジェクト全体に大きな影響を与えるケースも出てくることから、スケジュール管理の重要性が増します。

開発リソースの管理

開発リソースの管理も、システムディレクターの業務内容の1つです。


スケジュール通り効率的に開発を行うためには、利用できるリソースをできる限り活用することが求められます。開発に関係するリソースには、主に以下のようなものが考えられるでしょう。

  • ヒト:開発人員

  • モノ:開発に利用する施設やデバイス

  • カネ:開発予算

  • 時間:開発期間や工数

上記の中でも、特に人員管理は重要かつ難しいものだと言えます。決められたスケジュールに合わせて必要な人数をそろえ、適性に合わせた役割を割り振ることが必要です。


また、開発に必要なデバイスをそろえることも重要であり、ケースによってはクライアントから機器を貸し出してもらうことも考えられます。

開発タスクの管理

開発プロジェクトを予定通りスムーズに進めていくためには、タスク管理も欠かせない業務だと言えます。


開発に必要な作業をすべて洗い出し、対応すべき順番を納期や優先度を見ながら調整していくことが必要です。


必要なタスクが適切なタイミングで実施されなければ、プロジェクト全体に悪影響を及ぼすことも考えられます。どこまでをメンバーに任せてどこまでを自分で行うか、外部委託は利用するのかをはっきりと整理することが重要です。

仕様確認

システムディレクターの業務としては、仕様の確認も重要です。


開発チームのスタッフから受けた提案を整理し、承認したものを仕様書に落とし込みます。また、仕様書にまで落とし込んだものをクライアントに説明することもシステムディレクターの業務範囲です。チームスタッフが作成したものはそのままクライアントに披露・提案せず、システムディレクターがチェックと承認をしたうえで報告するのが基本だと言えるでしょう。

品質管理

システムディレクターは、チーム内で開発したものの品質を管理する役割も持っています。


制作物に対して適宜テストを行い、一定以上の品質を確保することが大切です。テストの結果何らかの問題点があると判断すれば、修正指示を出します。


指示は出すだけでは不十分であり、その後適切に修正されるまでフォローを続けることも大切です。


また、チームメンバーが作成した社内文書は原則としてシステムディレクターが確認し、内容や表記をできるだけ統一することも大切だと言えるでしょう。誤字脱字がある場合は、チェックするだけでなく指導することも大切です。

クライアントとの折衝

システムディレクターはチームメンバーとだけでなく、クライアントの担当者ともやり取りをします。


システムディレクターは、クライアントに対して定期的に進捗状況に関する報告をする必要があります。プロジェクト全体の報告はPM(プロジェクトマネージャー)が行いますが、開発に関係するクライアントの担当者とのやり取りはシステムディレクターの仕事です。


もし予定通りに進まず遅延していたり何らかの問題が発生したりした場合は、クライアントに状況をしっかりと報告したうえで解決策を講じることが大切です。

3.システムディレクターとPM(プロジェクトマネージャー)の違い

システムディレクターと混同されやすい職種として、PM(プロジェクトマネージャー

が挙げられます。両者の違いは、主に以下の通りです。

上記の通り、システムディレクターとPMは別の存在です。システムディレクターは数人の開発チームを取りまとめ、PMはプロジェクトに関係する複数の開発チームを統括します。ただし開発規模が小さい場合、システムディレクターがPMの役割を担うこともあると言えるでしょう。


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4.システムディレクターに必要なスキル

この章では、システムディレクターに必要なスキルとして以下の6つを紹介します。

  • プログラミングスキル

  • コミュニケーションスキル

  • プレゼンスキル

  • 交渉力・折衝力

  • マネジメント能力

  • スケジュール管理能力

プログラミングスキル

システムディレクターに求められるスキルとしてまず挙げられるのが、プログラミングスキルです。


システムディレクターは開発チーム全体を統括する存在であり、自らもプログラミングスキルがなければ業務は務まりません。メンバーの業務内容や進捗を把握するには、メンバーが行っている作業について正確な理解が求められるためです。


また通常はマネジメントを基本とする職種ではありますが、状況によっては自分もコーディング作業を行うような機会は十分に考えられます。


少なくとも、開発メンバーと同等以上のプログラミングスキルは持っている必要があると考えられるでしょう。

コミュニケーションスキル

システムディレクターに求められるスキルとしては、コミュニケーションスキルも欠かせません。


開発チームでは、エンジニアやデザイナーなどさまざまな人員と関わりまとめていく必要があるためです。チームメンバーとやり取りをしたり意見を集約して開発に活かしたりするためには、円滑な人間関係の構築が不可欠だと言えます。また、クライアントと打ち合わせを行う際にも一定以上のコミュニケーション能力は必要でしょう。

プレゼンスキル

プレゼンスキルも、システムディレクターには求められます。


クライアントとやり取りをする中で、システムディレクターはさまざまな提案をしてクライアントの了承を得なくてはならないためです。クライアントが抱える不安を解消して提案を受け入れてもらうためには、丁寧で分かりやすい説明を行う能力が必要でしょう。


また、外部に対して自分たちが開発したシステムやアプリなどを売り込むケースもあります。この場合、システムディレクターのプレゼンスキル次第で成果物に対する評価も変化する可能性があります。

交渉力・折衝力

プレゼンスキルに加えて、交渉力・折衝力もシステムディレクターには求められます。


システムディレクターはクライアントの意見を聞くだけでなく、時にはこちらの意見や提案を了承してもらう必要もあるためです。新たな提案をするときやトラブルが発生してスケジュールの調整が必要になったときなどは、クライアントと折衝して了承してもらう必要があります。


チームの意見をまとめてクライアントに分かりやすく伝えることが、交渉の場では大切になるでしょう。

マネジメント能力

システムディレクターに求められる能力としては、マネジメント能力も欠かせません。


納期に間に合うように開発を進めるには、ヒト・モノ・カネ・時間を管理してチームを効率的に機能させる必要があるためです。マネジメント能力は、すぐに身につくものではありません。


しかし今後エンジニアとしてキャリアアップしていくために、マネジメント能力は重要なスキルです。開発現場で経験を積み、マネジメント能力を身につけていくことが大切でしょう。

スケジュール管理能力

マネジメント能力と同様に管理業務に求められるスキルとして、スケジュール管理能力も挙げられます。


作業の進捗管理を行い、予定通りに開発を進めさせる必要があるためです。そのためには、自分のスケジュール管理はもちろん、管理するチームメンバーのスケジュールもすべて管理していかなくてはいけません。


スケジュール管理能力は今後どんな仕事をするにしても役立つ能力であることから、意識して研さんに努めることが重要です。

5.システムディレクターの年収とキャリアパス

システムディレクターの年収や経験年数や能力によって大きく幅がありますが、500~900万円程度が目安だと考えられます。


実力のあるシステムディレクターであれば、年収1,000万円以上を得ることも決して珍しくはありません。特に大規模プロジェクトを中心に案件を獲得しているシステムディレクターであれば年収1,000万円以上は十分に達成できると言えるでしょう。


フリーランスボードが扱っている案件を見ても、月額50~80万円程度(年収600~960万円相当)の案件が中心です。中には月額100万円(年収1,200万円相当)の案件もあり、システムディレクターの年収水準は十分に高いと考えられます。


システムディレクターのキャリアパスとしては、以下のような選択肢が考えられます。

  • プロデューサーやマネージャー、プランナー職を目指す

  • システムディレクターとしてスキルアップする

システムディレクターとしてマネジメント能力を磨き、プロデューサーやマネージャーなどを目指すことも可能です。また、システムディレクターとしてのスキルを高め、より大規模な案件を担当できるようになることも魅力的なキャリアパスだと言えるでしょう。

6.まとめ

システムディレクターは、プロジェクトの開発サイドにおける統括担当者です。自分が担当する開発チームのメンバー数人を統括し、スケジュール通り開発が進むように監督します。クライアントの担当者とも折衝する機会があり、コミュニケーション能力やプレゼン能力などは欠かせないと考えられるでしょう。


開発現場の監督であるシステムディレクターの責任は重大であり、それだけにやりがいも大きい仕事だと言えます。必要なスキルを確認し、システムディレクターとしてのキャリアを検討してみると良いでしょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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目次

1.システムディレクター(開発責任者)とは

2.システムディレクターの主な仕事内容

新たな開発手法の提案

開発スケジュールの管理

開発リソースの管理

開発タスクの管理

仕様確認

品質管理

クライアントとの折衝

3.システムディレクターとPM(プロジェクトマネージャー)の違い

4.システムディレクターに必要なスキル

プログラミングスキル

コミュニケーションスキル

プレゼンスキル

交渉力・折衝力

マネジメント能力

スケジュール管理能力

5.システムディレクターの年収とキャリアパス

6.まとめ