プロジェクトマネージャー(PM)は、システム開発のプロジェクトにおける責任者として働く職種・ポジションです。ITスキルやマネジメントスキルなどを活かしてプロジェクトを牽引し、成功に導くのが主な役割となります。正社員だけでなく、フリーランスエンジニアもプロジェクトマネージャー(PM)の仕事ができるため、将来のキャリア形成につなげられる可能性もあります。
本記事では、プロジェクトマネージャー(PM)の基本情報や必要なスキル・資格、向いている人の特徴などを解説します。プロジェクトマネージャー(PM)への転身を検討している人は、ぜひこの機会に詳細をチェックしてみてください。
目次
1.プロジェクトマネージャー(PM)とは?
プロジェクトマネージャー(PM)を目指すのなら、「プロジェクトマネージャー(PM)とはどんな職種なのか」を正確に理解する必要があります。以下では、プロジェクトマネージャー(PM)の基本情報を紹介します。
プロジェクトの進行管理を行う職種
プロジェクトマネージャー(PM)は、システム開発などのプロジェクト全体を管理する職種・ポジションを指します。プロジェクトとは企業・組織が設定する「目標達成に必要なプロセス」を意味し、IT業界では一般的に使われている言葉です。
プロジェクトマネージャー(PM)は企業や組織が目指す目標達成を実現するために、プロジェクトにおける管理者・責任者としてさまざまな業務に携わります。プロジェクトのスタートから終了後の振り返りまで、幅広い領域が業務範囲に含まれるため、プロジェクトマネージャー(PM)にはあらゆるシーンに対応できるスキルが求められます。
プロジェクトマネージャー(PM)と管理職の違い
プロジェクトマネージャー(PM)は、基本的に担当するプロジェクトを成功に導き、成果を出すのが仕事です。一方で部長や課長などの管理職は、自身の部署や特定の組織で成果を出すのが仕事になります。担当する領域には違いがありますが、チーム全体の管理や計画の立案、経営陣との橋渡しなど、業務内容には共通するものもあります。
フリーランスエンジニアとして管理職に就きたい場合には、プロジェクトマネージャー(PM)の求人・案件に応募する方法が考えられます。プロジェクト単位で仕事をするプロジェクトマネージャー(PM)であれば、会社に所属していないフリーランスでも対応が可能です。
優秀なプロジェクトマネージャー(PM)は単価の高い求人・案件に採用される可能性もあるため、収入アップにつながることもあるでしょう。
プロジェクトマネージャー(PM)の平均年収
プロジェクトマネージャー(PM)の平均年収は、厚生労働省の「job tag」を参考にすると、684.9万円となっています。国税庁の「令和5年賃金構造基本統計調査」では、ソフトウェアエンジニアの平均年収は557万円と算出されています。ソフトウェアエンジニアと比較するとプロジェクトマネージャー(PM)の年収は、比較的高い水準にあると言えるでしょう。
プロジェクトマネージャー(PM)は、フリーランスになることで年収アップの可能性があります。
「フリーランスボード」の数値を参考にすると、プロジェクトマネージャー(PM)のフリーランス案件・求人の月額単価の平均は、84.2万円です。その数値を基準にプロジェクトマネージャー(PM)のフリーランス案件・求人の年収を計算すると、目安は1,010万円となります。
プロジェクトマネージャー(PM)として高収入を実現するのなら、フリーランスに転身することが1つの方法になるでしょう。
2.プロジェクトマネージャー(PM)の仕事内容・役割
プロジェクトマネージャー(PM)になるのなら、事前に仕事内容や役割について理解を深めておくことも大切です。以下では、プロジェクトマネージャー(PM)の主な仕事内容と役割を解説します。
プロジェクトの企画立ち上げ
プロジェクトマネージャー(PM)は、システム開発の企画立ち上げから仕事を開始します。クライアントにヒアリングをしつつ要件定義を実施し、プロジェクトの具体的なゴール、規模、予算、スケジュールなどを決めていきます。あらゆる要素を踏まえたうえで、実現可能な計画を立てるのがプロジェクトマネージャー(PM)の最初の役割だと言えるでしょう。
プロジェクトにおけるQCDの管理
プロジェクトにおける「QCD」の管理も、プロジェクトマネージャー(PM)の仕事です。QCDとは「Quality・Cost・Delivery」の略称で、それぞれ品質、費用、納期の意味があります。
プロジェクトマネージャー(PM)はこの3つのポイントをコントロールし、最適なプロジェクト企画を立案・運用するのが役割になるでしょう。具体的には決められた予算のなかで、一定の品質を満たす成果を予定通りの納期で確保することを目指します。
チームの編成・必要な人材の確保
システム開発の企画が固まったら、実際に参加するチームの編成や必要な人材の選定・確保を進めます。どのような能力を持つ人材・職種が必要なのか、最低でもどれくらいの人数を確保すべきなのか、計画を立てて実行に移すこともプロジェクトマネージャー(PM)の仕事の一環です。
全体の進捗管理・調整
プロジェクトが開始したら、全体の進捗管理および必要に応じた調整を行います。基本的にプロジェクトでは、チームごとに担当する範囲を決めて、作業を分担したうえで目標達成を目指します。
チーム間での連絡や課題の共有などは適宜行う必要があるため、プロジェクトマネージャー(PM)が先頭に立って全体を取りまとめることになるでしょう。
ときにはチームリーダーを集めてミーティングを開いたり、情報共有や意思統一のための交流を行ったりと、さまざまな工夫をすることも考えられます。
トラブルの対処
プロジェクトの進行中には、あらゆるトラブルに見舞われる可能性があります。すべてが計画通りに進むケースはまれであり、基本的にはトラブルへの対処法を事前に考えておく必要があるでしょう。
例えばコストに関する問題、システム開発における技術的な課題、人間関係の問題などがよくあるトラブルとして挙げられます。
プロジェクトマネージャー(PM)は発生したトラブルを把握し、早急に対応することが求められます。トラブルの内容に合わせて解決方法を考案して、なるべくプロジェクトに支障が出ないように対処するのが役割です。
チーム内でのトラブルであれば当事者の話を聞いたり、解決案を出して問題の解消を目指します。クライアントとのトラブルならプロジェクトマネージャー(PM)自身が交渉し、プロジェクトの軌道修正などを進めます。
プロジェクト終了後の評価・報告
プロジェクトの終了後には、全体を振り返って評価をし、報告を行います。プロジェクトを通して発生した課題やトラブルの原因を取り上げ、適切な対応ができたかなどを客観的に評価します。評価内容は必要に応じて、報告書などにまとめて提出することもあります。
3.プロジェクトマネージャー(PM)になるには?
プロジェクトマネージャー(PM)になるには、いくつかの段階を経てキャリアを形成していく必要があります。以下では、プロジェクトマネージャー(PM)になるための方法・流れについて解説します。
エンジニア職で現場の経験を積む
プロジェクトマネージャー(PM)になるには、まずエンジニア職で現場経験を積むのが基本です。実際にエンジニアとして働き、開発業務を経験してプロジェクトの進行過程を把握することで、プロジェクトマネージャー(PM)に必要な知識を学べます。
できる限り多くの業務を経験し、プロジェクトの背景を知ることで、将来プロジェクトマネージャー(PM)の仕事で役立つスキルを身につけられるでしょう。
プロジェクトマネージャー(PM)の仕事では、多くのエンジニアと接してマネジメントを行うことになります。エンジニアの現場環境や心理が分からないと、上手くマネジメントができない可能性もあるでしょう。だからこそまずはエンジニア職でキャリアを形成し、多くの経験を積んでおくことが重要です。
チームリーダーや責任のある立場で実績を重ねる
プロジェクトマネージャー(PM)になるには、チームリーダーなど責任のあるポジションで実績を重ねていく必要もあります。一般的にはプロジェクトリーダーとして働き、チーム単位でのマネジメント経験を積むことが考えられるでしょう。
プロジェクトリーダーも進捗管理など、プロジェクトに欠かせない業務を担います。小規模なプロジェクトの場合、プロジェクトマネージャー(PM)の役割をプロジェクトリーダーが兼任するケースもあります。
プロジェクトマネージャー(PM)の求人・案件を探す
プロジェクトマネージャー(PM)になるための経験を積んだら、関連する求人・案件を探します。転職サイトやエージェントに登録し、条件を絞り込んで就職先を見つけましょう。
プロジェクトマネージャー(PM)として働けるだけの経験・スキルがあるのなら、フリーランスとして参画することも可能です。フリーランスエンジニア向けの求人・案件をチェックできるサービスを活用し、プロジェクトマネージャー(PM)の仕事に応募することも1つの流れになるでしょう。
4.プロジェクトマネージャー(PM)に必要なスキル・資格
プロジェクトマネージャー(PM)として働く際には、スキル・資格を得ることも重要です。以下では、プロジェクトマネージャー(PM)の仕事に必要となるスキル・資格について解説します。
マネジメント能力
プロジェクト全体を管理するプロジェクトマネージャー(PM)にとって、マネジメント能力は欠かせません。進捗状況を把握したうえでスケジュールを調整したり、チーム全体の課題を発見して素早く解決に導いたりするには、マネジメント能力を伸ばす必要があります。
プロジェクトの予算や納期に合わせて柔軟に対応するためにも、マネジメント能力について学んでおくことが重要です。
交渉力
クライアントや各チームのリーダーなどと話をして、交渉する能力もプロジェクトマネージャー(PM)が学ぶべきスキルです。プロジェクトを円滑に進めるためには、ときに周囲を説得する言葉をプロジェクトマネージャー(PM)自身が発信する必要があります。周囲を納得させる言葉を考えて伝えるためにも、交渉力を高めることが重要です。
また、交渉力はトラブルの発生時に、問題をスムーズに解決する際にも役立ちます。あらゆるトラブルに備える必要があるプロジェクトマネージャー(PM)を目指すのなら、自分自身で交渉できる力を身につけるのがおすすめです。
コミュニケーション能力
プロジェクトマネージャー(PM)も、コミュニケーション能力が重要なスキルの1つとなります。チームメンバーやクライアントと良好な人間関係を築いたり、外部の人から協力を得たりする際には、円滑なコミュニケーションを取れる能力が必要です。
エンジニアとして働く際にもコミュニケーション能力は大切なので、IT業界に身を置くのなら早いうちに学んでおくべきスキルだと言えるでしょう。
プロジェクトに関する専門知識・技術
システム開発などのプロジェクトに関する専門知識や技術も、プロジェクトマネージャー(PM)が知っておくべきものとなります。専門知識や技術についての理解があると、より適切な予算・納期でスケジュールを組み上げられます。逆に関連知識・技術が不足していると、現場との認識に齟齬が生まれてしまい、マネジメントに支障が出る恐れがあります。
プロジェクトマネージャー(PM)になってからも、IT関係の知識・技術は積極的に学ぶように努めましょう。
プロジェクトマネージャー(PM)におすすめの資格
プロジェクトマネージャー(PM)を目指すのなら、以下の資格の取得がおすすめです。
応用情報技術者試験 など
取得が必須の資格はありませんが、スキルアップに向けた行動の一環として、資格取得を目標にすることは考えられます。
5.プロジェクトマネージャー(PM)はしんどい?向いている人の特徴
プロジェクトマネージャー(PM)に興味があるけれど、「しんどい」や「自分に務まるか不安」という人もいるのではないでしょうか。以下では、プロジェクトマネージャー(PM)に向いている人の特徴について解説します。
論理的に話を進められる人
論理的に話を進められる人は、プロジェクトマネージャー(PM)に向いていると言えます。プロジェクトマネージャー(PM)は多くの人と信頼関係を築き、ときにこちらの話を聞いてもらうために説得・交渉を行うポジションです。そこで論理的に話ができず、感情を優先してしまうと、周囲からの信頼を損なってプロジェクトに支障が出る可能性があるでしょう。
プロジェクトマネージャー(PM)として認められるためにも、論理的に話を進めることを普段から意識するのがポイントです。
スケジュール管理が得意な人
スケジュール管理が得意かどうかも、プロジェクトマネージャー(PM)に向いているか判断する指標の1つになります。スケジュール全体を常に把握し、適宜修正を行うことは、プロジェクトマネージャー(PM)の役割の1つです。スケジュールを適切な形に整えるには、経験から培った感覚も重要となるため、なるべく多くのプロジェクトに参画するのがポイントです。
責任感を強く持てる人
責任感を意識的に持てる人ほど、プロジェクトマネージャー(PM)に向いています。プロジェクトマネージャー(PM)はプロジェクトに対する責任者でもあるため、仮に何か問題があった場合には、責任を持って対応する必要があります。そのため責任の所在に納得できる人や、責任の重さに耐えられる人が、プロジェクトマネージャー(PM)に向いている素質があると言えるでしょう。
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6.まとめ
プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクトを管理して目標達成に導く重要なポジションです。プロジェクトマネージャー(PM)の手腕次第で、プロジェクトの成否に大きく影響するでしょう。そんな重要な役割を担うプロジェクトマネージャー(PM)に興味があるのなら、まずは現場経験を積んで必要なスキルを身につけていくことが大切です。
この機会にプロジェクトマネージャー(PM)の基本をチェックし、自分が何を学ぶべきなのか把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
プロジェクトマネージャー(PM)は正社員だけでなく、フリーランスエンジニアがなることも可能です。優秀なプロジェクトマネージャー(PM)を外部から呼び込むケースもあるため、フリーランスになってから仕事を探すことも考えられます。
「フリーランスボード」では、プロジェクトマネージャー(PM)の求人・案件が多数掲載されています。さまざまな条件のなかから自分に合った求人・案件を探せるので、この機会にぜひ「フリーランスボード」で仕事をチェックしてみてください。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。