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システムアーキテクト試験とは?合格率や難易度など試験詳細、資格取得の勉強法を解説

公開日:2024/11/30最終更新日:2024/12/01

システムアーキテクト試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が情報処理の促進に関する法律に基づいて実施する試験です。

システムアーキテクト試験が出題される内容は情報システム戦略をはじめとし情報システムや組み込みシステム、IoTシステムの要件定義から運用保守に関する開発知識や技能です。システムアーキテクトをはじめとするITエンジニアとしてより専門的な知識や上流工程の知識やスキル証明などを身に付けたい方向けの国家試験です。


システムアーキテクト試験は国家試験ですので、システムアーキテクトやITストラテジスト、システムエンジニア(SE)などは知っている/資格を保有している方も多いのではないでしょうか。また、就職や転職活動時システムアーキテクト試験資格の取得を検討している方もいるかと思います。


システム開発に関する専門的な知識が必要であることや出題範囲が幅広くかつ論述問題があるため、エンジニアとしての実務経験を十分に積んでいる方でも「出題内容が難しい」や「試験時間が足りなかった」「対策をしっかりしていないと受からない」など一筋縄ではいかず苦戦している意見の方が多いです。


さて、IT業界が急速に発達する中、システムアーキテクト試験を含む資格も同様にそのスピードに合わせて変更や改定しています。

そのため自分が調べた時と比べて変更や改定している可能性が高く、システムアーキテクト試験の資格詳細や出題範囲など現状を理解している方は少ないのではないでしょうか。


そんな、今回はシステムアーキテクト試験について解説します。

具体的にはシステムアーキテクト試験の​​試験対象者や試験時間、試験範囲、合格率、難易度などの試験詳細からシステムアーキテクト試験を習得するメリットやデメリット、システムアーキテクト試験の資格に合格するための参考書の紹介などを解説します。

システムアーキテクト試験を現在勉強している/今後勉強する予定の方はぜひご一読ください。


特に記事をご一読していただきたい方

  • システムアーキテクト試験とは何かを知りたい方

  • システムアーキテクト試験の合格率や出題範囲、認定までの流れなど試験詳細を知りたい方

  • システムアーキテクト試験に合格するメリットを理解したい方

  • システムアーキテクト試験の資格取得におけるデメリットを理解したい方

  • システムアーキテクト試験合格のためのおすすめ参考書や勉強法を知りたい方

  • システムアーキテクト試験が役立つのかどうかを知りたい方


1.システムアーキテクト試験とは

システムアーキテクト試験はSystems Architect Examination(SA)とも略される、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する高度IT人材としてデータベースの専門的な技術や知識を有する者を対象者とした国家試験です。

2024年11月時点で累計応募者総数は75万人以上、累計合格者総数は約3.7万人の国家試験です。


システムアーキテクト試験は、IT技術者の能力を測るために設けられた共通規格である「共通キャリア・スキルフレームワーク」で、レベル1〜4まである中でレベル4に位置する最高難易度の試験です。(レベルの数値が高いほど難易度が高い)

システムアーキテクトとは

システムアーキテクトとは、システム開発において対象業務の分析や設計などの上流工程を担当するエンジニア職種です。

システムアーキテクトとしてクライアントのビジネスモデルをヒアリングや現状のシステム運用を把握し、クライアントの課題を達成するサポートをすることが仕事内容です。ITアーキテクトやITコンサルタントなど類似職種がありますが、あくまでもシステムアーキテクトは「システム」を主軸に考え要件定義や概要設計から運用保守まで、ITシステム全般の設計や実装を行います。


システムアーキテクトの年収を見てみましょう。

システムアーキテクトの具体的な年収のデータはありませんでしたが、令和6年3月に厚生労働省から発表された「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」の調査報告書では、システムアーキテクトの年収中央値は500〜800万円(担当者・一般社員レベルが500万円、主任・係長・課長補佐・代理レベルが650万円、課長レベルが670万円、部長・本部長レベル以上が800万円)となっています。


なお、フリーランスのシステムアーキテクトの単価を見てみましょう。「フリーランスボード」ではITアーキテクトの月額平均単価は90.2万円です。年収に換算すると平均年収は1,082万円となります。

システムアーキテクトの年収と比較すると、部長・本部長レベル以上の中央値800万円と比較してもフリーランスの方が約1.4倍ほど年収が高い結果になっています。

2.システムアーキテクト試験の試験概要

この章ではシステムアーキテクト試験の詳細について詳しく解説します。

システムアーキテクト試験について理解したいもしくは受験を検討している方はしっかり理解しておきましょう。


システムアーキテクト試験の試験会場・日程などの概要

システムアーキテクト試験の詳細を以下表にて各級ごとにお伝えします。

試験名

データベーススペシャリスト試験(DB)

試験会場

全国主要都市にあるIPAのPBT方式に対応した試験会場

※受験申し込み時に選択した地域によって指定される

申込期間

試験日程

1回(春期のみ)

※2025年は4月20日(日)に開催

※2025年の申込受付期間は1月中旬~2月上旬を予定

受験方法

PBT(Paper Based Testing)方式

時間区分

午前Ⅰ

午前Ⅱ

午後Ⅰ

午後Ⅱ

試験時間

50分

(9:30~10:20)

40分

(10:50~11:30)

90分

(12:30~14:00)

120分

(14:30~16:30)

出題形式

多肢選択式

(四肢択一)

多肢選択式

(四肢択一)

記述式

記述式

出題数

解答数

出題数:30問

解答数:30問

出題数:25問

解答数:25問

出題数:3問

解答数:2問

出題数:2問

解答数:1問

合格基準点

100点満点中60点以上

※午前Ⅰ、Ⅱ、午後Ⅱの得点がそれぞれ基準を満たさないと以降の試験の採点を行わず不合格

受検料

7,500円

前提資格

特になし

システムアーキテクト試験の出題範囲

システムアーキテクト試験の出題範囲について解説します。


【午前 I 】

  • 基礎理論(基礎理論、アルゴリズムとプログラミング)

  • コンピュータシステム(コンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア)

  • 技術要素(ヒューマンインタフェース、マルチメディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ)

  • 開発技術(システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術)

  • プロジェクトマネジメント(プロジェクトマネジメント)

  • サービスマネジメント(サービスマネジメント、システム監査)

  • システム戦略(システム戦略、システム企画)

  • 経営戦略(経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ)

  • 企業と法務(企業活動、法務)

上記が午前の出題範囲であり、特にセキュリティが重点分野となっています。

午前 I 試験の対策として、過去問を利用して基礎概念を理解し、各分野の重要な用語や仕組みを暗記しながら、実践的な問題演習で知識を定着させることがおすすめです。


【午前Ⅱ】

  • コンピュータ構成要素(プロセッサ、メモリ、パス、入出力デバイス、入出力装置)

  • システム構成要素(システムの構成、システムの評価指標)

  • ユーザーインタフェース(ユーザーインタフェース技術、UX/UI デザイン)

  • データベース(データベース方式、データベース設計、データ操作、トランザクション処理、データベース応用)

  • ネットワーク(ネットワーク方式、データ通信と制御、通信プロトコル、ネットワーク管理、ネットワーク応用)

  • セキュリティ(情報セキュリティ、情報セキュリティ管理、セキュリティ技術評価、情報セキュリティ対策、セキュリティ実装技術)

  • システム開発技術(システム要件定義・ソフトウェア要件定義、設計、実装・構築、総合・テスト、導入・受入れ支援、保守・廃棄)

  • ソフトウェア開発管理技術(開発プロセス・手法、知的財産適用管理、開発環境管理、構成管理・変更管理)

  • システム戦略(情報システム戦略、業務プロセス、ソリューションビジネス、システム活用促進・評価)

  • システム企画(システム化計画、要件定義、調達計画・実施)

午前Ⅰと試験内容が一部重複しているものの、システムアーキテクト試験では午後Ⅰおよび午後Ⅱ試験において記述式や論述式の問題が含まれます。これにより、単に知識を問うだけでなく、実践的な応用力や深い理解が求められる点で難易度が上がっていることが特徴です。


また、システムアーキテクト試験の出題範囲は、セキュリティ、システム開発技術、システム企画に重点が置かれています。セキュリティ分野では、情報システムの安全性を確保するための技術や管理方法、例えば暗号技術やネットワークセキュリティといった知識が問われます。


システム開発技術では、要件定義や設計、テストといったシステム開発プロセスにおける効率的な管理手法が出題の中心となります。さらに、システム企画分野では、全体システム化計画の策定や業務要件定義といった、組織全体を見渡したシステム企画に関する知識が求められます。


システムアーキテクト試験では、知識を暗記だけでなく、実際のシステム構築プロジェクトにおいて直面する課題に対して適切に対応する力が求められます。そのため、受験者は理論だけでなく、実務的な視点を交えた準備を進めることが重要です。


【午後 I 】

  1. 契約・合意に関すること

    提案依頼書(RFP)・提案書の準備,プロジェクト計画立案の支援 など

  2. 企画に関すること

    対象業務の内容の確認,対象業務システムの分析,適用情報技術の調査,業務モデルの作成,システム化機能の整理とシステム方式の策定,サービスレベルと品質に対する基本方針の明確化,実現可能性の検討,システム選定方針の策定,コストとシステム投資効果の予測 など

  3. 要件定義に関すること

    要件の識別と制約条件の定義,業務要件の定義,組織及び環境要件の具体化,機能要件の定義,非機能要件の定義,スケジュールに関する要件の定義 など

  4. 開発に関すること

    システム要件定義,システム方式設計,ソフトウェア要件定義,ソフトウェア方式設計,ソフトウェア詳細設計,システム結合,システム適格性確認テスト,ソフトウェア導入,システム導入,ソフトウェア受入れ支援,システム受入れ支援 など

  5. 運用・保守に関すること

    運用テスト,業務及びシステムの移行,システム運用の評価,業務運用の評価,投資効果及び業務効果の評価,保守にかかわる問題把握及び修正分析 など

  6. 関連知識

    構成管理,品質保証,監査,関連法規,情報技術の動向 など

(出典:​​https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/nq6ept00000014lt-att/youkou_ver5_3.pdf)


【午後Ⅱ】

設問で要求した項目の充足度、論述の具体性、内容の妥当性、論理の一貫性、主張、独創性/先見性、文章作成能力などが評価の基準となっています。


【午後Ⅱ(論述式)試験の評価ランクと合否の関係】

評価ランク

内容

合否

A

合格水準にある

合格

B

合格水準まであと一歩である

不合格

C

内容が不十分である

問題文の趣旨から逸脱している

D

内容が著しく不十分である

問題文の趣旨から著しく逸脱している

(出典:https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/nq6ept00000014lt-att/youkou_ver5_3.pdf)

システムアーキテクト試験の受験者数・合格率・難易度

システムアーキテクト試験の受験者数・合格率・難易度について見ていきましょう。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公式に掲載している「統計情報」をもとに令和元年〜令和6年までの過去5年間の数値が以下です。


【システムアーキテクト試験】

受験者数(人)

合格者数(人)

合格率(%)

令和元年

5,217

798

15.3

令和3年度

3,433

567

16.5

令和4年度

3,474

520

15.0

令和5年度

3,679

581

15.8

令和6年度

3,666

549

15.0

過去5年間において、システムアーキテクト試験の平均合格率は15.5%という結果です。

平均値をみても合格率は低く、学習計画をしっかり立てて時間を確保する必要があるでしょう。


では、システムアーキテクト試験は他類似試験と比較し、どの程度難しいのか難易度を考察してみましょう。


まず、応用情報技術者試験の平均合格率を見てみましょう。平均合格率は23.9%です。

高難易度である他試験の過去5年分の平均合格率を見てみましょう。

プロジェクトマネージャ試験(PM)

約14.2%

エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)

約17.4%

システム監査技術者試験(AU)

約15.6%

上記を見てみると、応用情報技術者試験よりは難しくかつ高難易度の試験の中でもシステム監査技術者試験(AU)と同等の試験難易度であることがわかります。ただし、難易度の具体的な高さを合格率だけで評価するのは不十分なため、試験内容や受験者の準備状況も考慮する必要があります。


システムアーキテクト試験は、合格率が低い高度情報処理試験区分の一つであり、その難しさは試験範囲の広さと深さにあります。この試験では、情報システムの要件定義、全体システム化計画の策定、システムアーキテクチャ設計といった基礎的な知識に加え、業務モデルの理解や最適なシステム方式の選定、情報セキュリティ対策を含む設計能力が問われます。


さらに、試験では設計から運用に至るまでの一貫した知識が求められます。具体的には、業務要件をシステム要件に落とし込むスキル、複雑なプロジェクトを成功に導くための要件分析と調整能力、そして設計したシステムの運用性やセキュリティを評価する力が必要です。


また、午後Ⅱの論述試験では、これらの知識を実際のプロジェクト経験に基づいて論理的に説明する能力も問われます。例えば「徹底的に」や「確実に」など具体性のない言葉を使うと論述ではNGです。論述を書き慣れていない方にとってはどのように論述を展開させていくのかなど、比較的基礎から勉強する必要があるでしょう。


また、どの論述にもある程度のフレームワークや書き方などは必ず存在します。論述が苦手な方はしっかりと情報収集をした後、重点的に勉強を行うと合格する可能性が高まるでしょう。


初めて情報処理技術者試験に挑戦する方は、基本情報技術者試験もしくは応用情報技術者試験を受験し自分の実力をみてみることをおすすめします。

システムアーキテクト試験の申し込み手順

システムアーキテクト試験の申し込み手順を見ていきましょう。

  1. ホームページより受験申込みをクリック

  2. 利用者ID(マイページアカウント)の作成

  3. マイページから受験申込み

  4. クレジットカード、ペイジー、コンビニのいずれかで支払い

  5. 受験票の発送

  6. 試験日に指定された会場で受験

一度予約を行うと、理由の如何を問わずキャンセルはできないため注意しましょう。

システムアーキテクト試験の有効期限

システムアーキテクト試験における有効期限(失効期限)はありません。

能力を認定する試験であり、何らかの権利が与えられる資格とは違うので有効期限はありません。

システムアーキテクト試験の勉強時間

システムアーキテクト試験の勉強時間を見ていきましょう。

システムアーキテクト試験の勉強時間について、応用情報技術者試験程度の知識が備わっていることが前提で約100時間(平日2時間、休日5時間の勉強で約1ヶ月半)が必要だと言われています。


応用情報技術者試験に合格している方の場合、午前試験は比較的合格しやすいでしょう。そのため午後試験、特に午後Ⅱを重点的に行なっている方が口コミだと多く見受けられます。午後Ⅱは2時間かつ手書きで文字数制限のある論文を記述するため、ぶっつけ本番でランクAを獲得できる方はごく僅かではないでしょう。


システムアーキテクト試験の論述対策のための参考書がありますので、しっかりと対策する時間を取りましょう。

午前試験に合格しないと午後試験は採点されませんので、午前試験の対策もある程度行えるように、しっかりと学習計画を練りましょう。


中には60時間ほどの勉強で合格した方もいますが、上記勉強時間はあくまでも目安であり、基礎知識や学習効率、理解度により個人差が大きく生じるため勉強時間は参考としてお考えください。

3.システムアーキテクト試験の資格取得のメリット

この章ではシステムアーキテクト試験の資格取得のメリットについて解説します。

システムアーキテクト試験を本格的に行う前にその試験を受験する目的を改めて考えましょう。

もしかしたらシステムアーキテクト試験自体が不要な場合も大いにあり得ますので、少しの時間でも良いので受験する目的を考えてから受験するようにしましょう。

システムアーキテクトの知識が身に付く

システムアーキテクト試験の資格取得のメリットとしてシステムアーキテクトの知識が身に付くことが挙げられます。

つまり、組込みやIoT関連システムを含むシステムの企画や設計から運用保守、システム開発における品質保証や監査、法規などの関連知識と幅広くシステムアーキテクトに必要な知識を身につけることができます。

さらに、システムアーキテクト試験資格を取得することで、その知識を保有している証明にもつながることもメリットです。

資格手当や報奨金を貰える場合もある

システムアーキテクト試験の資格取得のメリットとして資格手当や報奨金を貰えることが挙げられます。

システムアーキテクト試験の場合企業にもよりますが、資格手当よりも取得した際に受け取れる報奨金が多いでしょう。


資格手当の相場は5,000円程度となっていますが、企業によっては数万円の報奨金が出るでしょう。例えば14万円の報奨金がもらえる企業もあります。

資格によっては資格手当が貰えない場合もありますので、報奨金や資格手当を目的としている方はまず調べることをおすすめします。

他の高度試験及び支援士試験の一部免除

システムアーキテクト試験の資格取得のメリットとして、他の高度試験及び支援士試験の一部免除されることが挙げられます。そのため、他の難しい試験を受験する際に有利になります。

たとえば、他「プロジェクトマネージャ試験」や「データベーススペシャリスト試験」などの高度試験をはじめとし、中小企業診断士試験の「経営情報システム」や弁理士試験の「理工Ⅴ(情報)」などは免除対象となります。


こういった資格も獲得することで、エンジニアとして知識の幅を広げることができ、更に年収アップに繋がるでしょう。

4.システムアーキテクト試験の資格取得のデメリット

この章ではシステムアーキテクト試験の資格取得のデメリットについて解説します。

システムアーキテクト試験を含む資格取得はメリットに目が行きやすいですが、しっかりデメリットも考慮した上で試験勉強を始めましょう。

勉強時間を確保する必要がある

システムアーキテクト試験の資格取得のデメリットとして勉強時間を確保する必要があることが挙げられます。

勉強時間を確保することは、つまりある程度の時間を犠牲にする必要があるということです。例えばウェブ業界未経験の方がシステムアーキテクト試験に合格するために、必要な最低勉強時間は100時間です。


仮にシステムアーキテクト試験が自分の目的において不必要な資格であるなら時間を無駄にしてしまいます。

自分の時間を削り勉強時間に費やす可能性があることを念頭に改めてシステムアーキテクト試験の受験が必要なのかを考えましょう。

資格が活きない可能性もある

システムアーキテクト試験の資格取得のデメリットとして、資格が活きない可能性もあることが挙げられます。

比較的難易度も低いため、特にITやウェブ企業の転職において評価対象外になる可能性もあります。


また、外資系企業ではあまり認知されていない資格であるため、外資系企業での転職時でも活きない可能性があります。


システムアーキテクトの知識を習得することを目的と考えているのであれば問題ないですが、自分の資格取得の目的を把握し、システムアーキテクト試験が本当に必要な資格かどうかを確認しましょう。

5.システムアーキテクト試験の資格取得のためのおすすめ参考書を紹介

この章ではシステムアーキテクト試験の資格取得のためのおすすめテキストについて解説します。

ぜひ参考にしてみましょう。

参考書①:情報処理教科書 システムアーキテクト 2025~2026年版

システムアーキテクト試験の資格取得のための参考書として情報処理教科書 システムアーキテクト 2025~2026年版が挙げられます。上記参考書は午前II、午後I、午後IIに絞った対策が可能です。


特に難易度が最も高い午後II試験(論述式)については論文作成手順と攻略のポイントを丁寧に解説しています。

さらに午後I・午後II試験の過去問6回分を書籍に掲載しており、9回分をWebダウンロード出来ます。


システムアーキテクト試験の資格取得のために購入しておきたい参考書の1つです。

参考書②:情報処理教科書 高度試験午後II論述 春期・秋期 第2版

システムアーキテクト試験の資格取得のための参考書として情報処理教科書 高度試験午後II論述 春期・秋期 第2版が挙げられます。

この参考書は情報処理技術者試験の論述式試験で、合格基準となるA評価の論文を書くための対策書です。

合格するための基準があるため、それに沿って論文を自分で添削する方法を学習し、自分の論文レベルや問題点が把握できます。

一番難しいとされている論述試験の対策に特化した参考書が出ているため、それだけ論述対策を重点的に行う受験者が多いのでしょう。論述対策をする1冊として持っておきたい参考書です。

参考書③:システムアーキテクト 合格論文の書き方・事例集 第6版 

システムアーキテクト試験の資格取得のための参考書としてシステムアーキテクト 合格論文の書き方・事例集 第6版が挙げられます。

文章作成が得意ではない方必読の1冊です。過去問題やオリジナル問題を使い、制限時間内に論文の設計や合格レベルまで引き上げる方法を確認しながら参考書を進められます。

さらにこの参考書には専門家による論文が36本も掲載されており、合格のための論文をしっかりと勉強できます。


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8.まとめ

本記事では、システムアーキテクト試験の​​試験対象者や試験時間、試験範囲、合格率、難易度などの試験詳細からシステムアーキテクト試験を習得するメリットやデメリット、システムアーキテクト試験の資格に合格するための参考書の紹介まで幅広く解説します。


システムアーキテクト試験は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している情報システム戦略をはじめとし情報システムや組み込みシステム、IoTシステムの要件定義から運用保守に関する開発知識や技能です。


システムアーキテクト試験を取得することによりシステムアーキテクトの知識を幅広くを身に付けることができたり、資格手当がもらえる可能性があるなど取得するメリットはあります。


しかし、システムアーキテクト試験は国家試験ですが、IT業界では資格よりも実力主義が優先される傾向があるため、就職や転職のための資格取得の場合など目的によっては資格取得しても活きない可能性があります。

システムアーキテクト試験資格の取得を検討する際は今一度まず自分の定めた目標に対して、システムアーキテクト試験資格の取得が必要かどうかを確かめてみましょう。


当記事をご一読いただきシステムアーキテクト試験について少しでも理解が深められたら嬉しいです。

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目次

1.システムアーキテクト試験とは

システムアーキテクトとは

2.システムアーキテクト試験の試験概要

システムアーキテクト試験の出題範囲

システムアーキテクト試験の受験者数・合格率・難易度

システムアーキテクト試験の申し込み手順

システムアーキテクト試験の有効期限

システムアーキテクト試験の勉強時間

3.システムアーキテクト試験の資格取得のメリット

システムアーキテクトの知識が身に付く

資格手当や報奨金を貰える場合もある

他の高度試験及び支援士試験の一部免除

4.システムアーキテクト試験の資格取得のデメリット

勉強時間を確保する必要がある

資格が活きない可能性もある

5.システムアーキテクト試験の資格取得のためのおすすめ参考書を紹介

参考書①:情報処理教科書 システムアーキテクト 2025~2026年版

参考書②:情報処理教科書 高度試験午後II論述 春期・秋期 第2版

参考書③:システムアーキテクト 合格論文の書き方・事例集 第6版 

8.まとめ