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【2年目】住宅ローン控除の確定申告と住宅借入金等特別控除申告書の書き方|必要書類やe-Taxも解説

公開日:2025/02/28最終更新日:2025/02/28

住宅ローン控除の確定申告は、初年度と2年目以降では異なります。2年目以降は初年度よりも必要書類が少なく、確定申告が簡素化されるのが特徴です。


2年目以降の確定申告に必要な書類や明細書の書き方、また連帯債務や災害時の特例などについても詳しく解説します。


目次

1.住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは?

住宅借入金等特別控除(通称:住宅ローン控除)は、マイホームを購入したりリフォームを行ったりする際に住宅ローンを利用した場合に適用される制度です。


所定の条件を満たすことで、ローン残高に基づいた金額が所得税から控除される仕組みです。この制度は「住宅ローン減税」とも呼ばれていますが、正式には「住宅借入金等特別控除」と言います。


住宅ローン控除の内容は居住開始年によって異なりますが、例えば令和6年の場合には年末時点でのローン残高の0.7%に相当する額を最大13年間にわたり所得税から控除できることになります。

、翌年の住民税から控除することができます。

2.住宅ローン控除の

もし所得税で控除しきれなかった分は主な適用条件

住宅ローン控除の適用条件は新築住宅と中古住宅で異なるため、それぞれの詳細な条件をしっかり確認することが大切です。

新築住宅の場合

新築住宅における主な適用条件は、次の通りです。

  • 住宅は自分が居住するためのものであること

  • 床面積が50平方メートル以上で、かつその半分以上が居住スペースであること

  • 住宅ローンの借入期間が10年以上であること

  • 引き渡しまたは工事完了から6か月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで居住し続けること

  • 贈与された住宅ではないこと など

中古住宅の場合

中古住宅については、新築住宅の要件に加えて次のような条件が求められます。

  • 住宅が建てられた後に使用されたもの

  • 新耐震基準に適合するもの

  • 親族などから住宅や土地を譲渡されたものでないこと など

住宅ローン控除を適用するためには、さまざまな条件を満たす必要があります。疑問点があれば、税務署などに相談することをおすすめします。

3.【1年目・2年目以降】住宅ローン控除をe-Taxなどにて確定申告で適用する際の書き方・提出方法

この章では住宅ローン控除をe-Taxなどにて確定申告で適用する際の書き方について解説します。

確定申告書を作成する方法

確定申告の流れとしては、必要書類を揃えた後に確定申告書を作成することになります。


国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、自宅のパソコンやスマホで簡単に申告書を作成できます。時間がない方や申告に不安がある方は、税理士に依頼することもできます。


必要書類を渡すことで、申告書の作成から提出までを代行してもらえます。

税務署への確定申告書と必要書類の提出方法

確定申告書の作成と必要書類の準備が整ったら、自分の住所地を管轄する税務署に申告書と添付書類を提出します。提出方法は次の3つの方法があります。

  • e-Taxを使用してオンラインで申告

  • 確定申告書を印刷して郵送

  • 管轄の税務署に直接提出(時間外の場合は収受箱に投函可能)

郵送で提出する場合には確定申告書は信書に該当するため、宅配便ではなく郵便物または信書便として送る必要があります。郵送時には、複写した申告書と宛名を記載した返信用封筒に切手を貼り同封してください。


また確定申告期間中は税務署の窓口が非常に混雑しますので、窓口で提出を予定している方は余裕を持って訪れることをお勧めします。


感染症対策などで事前に予約が必要な場合もあるため、提出前に管轄税務署のホームページで最新情報を確認しておくことをおすすめします。

4.個人事業主は2年目以降も住宅ローン控除のために確定申告が必要

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は特定の条件を満たすマイホームを借入金で購入した場合に適用される所得税の控除制度ですが、個人事業主は年末調整を受けることができません。


そのため住宅ローンを利用した初年度はもちろん2年目以降も継続的に確定申告を行わない限り、住宅ローン控除を受けることはできません。

給与所得者は2年目以降、年末調整で住宅ローン控除が可能

給与所得者が住宅ローン控除を受ける場合、初年度は確定申告を行う必要があります。ただし個人事業主とは異なり給与所得者は2年目以降、必要書類を勤務先に提出することで年末調整を通じて住宅ローン控除を受けることができます。

5.2年目以降の住宅ローン控除で用意する必要書類

住宅ローン控除の申告を行った2年目以降、確定申告をする際には以下の書類が必要となります。

  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

  • 住宅ローン(住宅取得資金に関連する借入金)の残高証明書

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書は住宅ローンを利用して取得した不動産の購入価格や年末時点での借入残高など、住宅ローン控除に必要な詳細情報を記載する書類です。この書類は住宅ローン控除を受ける初年度だけでなく、2年目以降も確定申告書に添付して提出しなければなりません。

住宅ローンの年末残高証明書

住宅ローン残高証明書は、金融機関から借りている住宅ローンの残高を証明するための書類です。この書類は通常住宅ローンを利用している個人に対して、毎年決まった時期に送付されます。ただし、金融機関によっては書類の名称が異なる場合がありますので注意しましょう。

登記事項証明書・売買契約書は2年目以降は不要

住宅ローン控除を申告する初年度には(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書や住宅ローン残高証明書に加えて、以下の書類も必要です。

  • 登記事項証明書

  • 工事請負契約書または売買契約書のコピー

また申告する内容に応じて認定通知書・住宅家屋証明書・住宅省エネルギー性能証明書など、追加で提出が求められる場合もあります。


なお2年目以降は初年度に提出した登記事項証明書や売買契約書など、多くの書類は提出の必要がなくなります。

6.(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 一面・二面の書き方

住宅ローン控除の申請に必要な書類のうち自分で作成しなければならないのは、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書(1面・2面)」と「確定申告書(第一表・第二表)」です。


確定申告を行う際には、まず「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」に記入を開始します。この章では、新築住宅を購入して住宅ローン控除を受けたい場合の記入方法を一例としてご紹介します。

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 一面の記載事項

(出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/r06/14.pdf)


(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」は1面に必要な情報を記入し、2面で控除額を計算する形式となっています。まずは、1面に記入するべき事項について詳しく説明します。

「住所及び氏名」欄

最初に一面の「住所および氏名」欄にある郵便番号・住所・電話番号・氏名を記入します。氏名はフリガナも忘れずに書きましょう。もし住宅に共有者がいる場合は、右側の欄にその情報を記入します。

「新築又は購入した家屋等に係る事項」欄

「新築又は購入した家屋等に係る事項」欄ではまず「居住開始年月日」欄に住民票を移した日付を記入し、「契約日」欄には売買契約書に記載されている契約締結日を記入します。


さらに「補助金等控除前の取得対価の額」欄には売買契約書に記載された取得価格を記入し、「総(床)面積」欄には登記事項証明書に記載された面積を記入します。


「総(床)面積」欄内にある「うち居住用部分の(床)面積」欄にはもし全て居住用に使用している場合は総面積と同じ数字を、事業用に一部を使っている場合はその部分を除いた面積を記入します。

「家屋や土地等の取得対価の額」欄

「家屋や土地等の取得対価の額」欄では住宅に共有者がいる場合には「あなたの共有持分」欄に記入し、贈与の特例を利用した場合は「住宅取得等資金の贈与の特例を受けた金額等」欄に記載します。


「あなたの持分に係る取得対価の額等」欄については、共有者がいない場合は取得対価の額と同じ金額を記入します。

「家屋の取得対価の額又は増改築等の費用の額に課されるべき消費税額等に対する事項」欄

「家屋の取得対価の額又は増改築等の費用の額に課されるべき消費税額等に対する事項」欄には、住宅購入時に適用された消費税率に◯をつけて記入します。売買契約書を確認し、消費税額も忘れずに記入してください。

「特例対象個人に係る事項等」

「特例対象個人に係る事項等」欄には例えば「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」や「19歳未満の扶養親族を持つ世帯」が新築住宅などを購入し、2024年に入居した場合に適用される借入限度額が上乗せされる特例に該当する場合に記入します。


この欄には、二面の中から該当する番号を選んで記入してください。

「居住用部分の家屋又は土地等に係る住宅借入金等の年末残高」欄

年末残高は、昨年の残高と比較して変動していることが予想されます。金融機関から受け取った住宅ローン残高証明書の金額を基に、申告する年度の年末残高を記入します。


一面に年末残高を記入した後、二面にその年末残高の合計を転記します。

「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」欄

「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」欄の「番号」欄には「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」二面に記載された、自分に該当する項目の番号を入力します。


そして金額欄には、二面で計算した金額を記入してください。

「控除証明書の交付を要しない場合」欄

「控除証明書の交付を要しない場合」欄には、2年目以降に確定申告を行う場合に◯をつけます。会社員などで年末調整で住宅ローン控除を申告する場合は、この欄に◯をつける必要はありません。

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 二面の記載事項

(出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/r06/14.pdf)


「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」の二面では、控除額の計算を行います。自分が対象となる住宅の種類を選び、その内容に基づいて計算を進めましょう。


「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」二面の氏名欄の下にある「住宅借入金等の年末残高の合計額」欄には、一面で算出した「居住用部分に係る住宅借入金等の年末残高」の合計額を記入します。


その後番号の中から該当する項目を選び、計算式を使用して控除金額を求めその金額を控除額として記入します。

7.確定申告書 第一表・第二表の書き方

住宅借入金等特別控除額の記入が完了したら「所得税の確定申告書 第一表・第二表」に進み、必要な項目を記入します。住宅ローン控除に関連する記載項目は、次の通りです。

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除

(出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/syotoku/r06.htm)


確定申告書 第一表の「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」欄には、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」一面に記載された控除額の数字を転記します。

特例適用条文等

(出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/syotoku/r06.htm)


確定申告書 第二表の「特定適用条文等」欄には、居住開始年月日を記入します。例えば「令和6年4月1日居住開始」と記載します。


また要件を満たせば特例を適用できます。適用対象の場合、居住開始年月日の前に該当する特例の文字に◯を付けて記入します。特例適用条文等に記入する文字の例は以下の通りです。

  • 認定住宅等の新築取得に係る住宅借入金等特別控除の特例:認

  • バリアフリー改修工事に係る特定増改築等住宅借入金等特別控除:増

  • 省エネ改修工事に係る特定増改築等住宅借入金等特別控除:断

  • 多世帯同居改修工事等に係る特定増改築等住宅借入金等特別控除:多

8.2022年度(令和4年度)税制改正に伴う住宅ローン控除の変更点

2022年度の税制改正では、いくつかの重要な変更がありました。2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅で住宅ローン控除を利用するためには、省エネ基準への適合が必須となることに注意が必要です。

省エネ基準を満たす場合の証明書

2024年から2025年に新築住宅に入居する場合には省エネ基準を満たしていることを証明するために、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅・ZEH基準の省エネ住宅・省エネ基準適合住宅のいずれかに該当する住宅について次のいずれかの証明書類を提出する必要があります。

  • 建設住宅性能評価書

  • 住宅省エネルギー性能証明書

    床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は、以下の書類も提出が求められます。

  • 2024年12月31日以前に建築確認を受けたことを証明する確認済証または検査済証のコピー

省エネ基準を満たさない場合の証明書

省エネ基準を満たしていない場合、初年度の確定申告時に以下の書類を提出する必要があります。

  • 2023年12月31日以前に建築確認を受けたことを証明する確認済証または検査済証のコピー

  • 2024年6月30日以前に建築されたことを示す登記事項証明書

なお床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の場合、2023年12月31日以前に建築確認を受けたことを証明する確認済証または検査済証のコピーを提出してください。この場合借入限度額は2,000万円、控除期間は10年となります。


2024年から2025年に入居予定の方でこれらの書類がいずれも提出できない場合、住宅ローン控除の適用を受けることができません。

控除率が1%から0.7%に引き下げられた

住宅ローン控除の控除率が、年末時点のローン残高に対して1%から0.7%に変更されました。このため、改正前と比べて控除される金額が減少しました。

控除期間が最大13年に延長された

新築住宅を購入した場合、控除期間が10年から13年に延長されました。ただし省エネ基準を満たさない「その他の住宅」に関しては、控除期間は10年となります。


中古住宅の控除期間は変更されておらず、10年のままです。しかし宅地建物取引業者がリフォームを行った買取再販住宅については、新築住宅と同じ扱いとなり控除期間が13年となります。

適用対象の入居期限が4年延長された

住宅ローン控除の適用を受けるための入居期限が4年延長され、2025年12月末までに入居すれば控除を受けることができます。

所得要件が引き下げられた

住宅ローン控除の適用対象となる人の所得制限が「合計所得金額3,000万円以下」から「合計所得金額2,000万円以下」に引き下げられました。


ただし特例居住用家屋や特例認定住宅など(床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満で2023年12月31日以前に建築確認を受けた住宅)については、所得制限が1,000万円以下となります。

借入限度額が住宅の性能や居住開始年ごとに変更された

住宅ローン控除の対象となる借入限度額は、住宅の環境性能や入居開始年に応じて細かく設定されました。新築住宅や中古住宅の場合、環境性能が優れているほどより多くの控除を受けられます。また控除限度額も入居した年により異なります。


住宅ローン控除の概要[2022年度(令和4年度)税制改正後]

新築住宅

買取再販※1

借入限度額

控除期間

2022~2023年

入居

2024~2025年

入居

長期優良住宅・低炭素住宅

5,000万円

4,500万円

13年間※2

ZEH水準省エネ住宅

4,500万円

3,500万円

省エネ基準適合住宅

4,000万円

3,000万円

その他

3,000万円

0円※2

既存住宅(中古住宅)

借入限度額

控除期間

長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅、・省エネ基準適合住宅

3,000万円

10年間

その他の住宅

2,000万円

10年間

(出典:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html)


※1: 宅地建物取引業者によって一定の増改築が行われた居住用家屋。

※2: 省エネ基準を満たしていない住宅。2024年以降に新築の建築確認を受けた場合、住宅ローン控除の対象外となります。ただし2023年末までに新築の建築確認を受けた住宅に2024年~2025年に入居する場合、借入限度額2,000万円、控除期間10年間が適用されます。

9.2024年(令和6年)の住宅ローン控除の税制改正内容

2024年の税制改正において住宅ローン控除に関する変更点は、主に「子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額の見直し」と「床面積要件の緩和」の2つです。

子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額の見直し

2024年に入居した場合、借入限度額は2022年および2023年と比較して引き下げられています。ただし子育て世帯や若者夫婦世帯が2024年に入居する場合、借入限度額は2022年・2023年の基準を適用することができます。具体的な金額は以下の通りです。

  • 認定住宅:5,000万円

  • ZEH水準省エネ住宅:4,500万円

  • 省エネ基準適合住宅:4,000万円

床面積要件の緩和措置

合計所得金額が1,000万円以下の世帯に対して、住宅ローン控除の床面積要件が40㎡以上に緩和される措置が取られています。2022年の税制改正ではこの措置の適用期限は2023年12月31日まででしたが、2024年の税制改正により、この期限が2024年12月31日まで延長されました。

10.ケース別・住宅ローン控除についての確定申告のやり方

住宅の購入には夫婦でローンを組む場合や親から贈与を受ける場合、またはローンの借り換えを行う場合などさまざまなシナリオがあります。


今回は代表的なケースについて、それぞれの申告方法を詳しく説明します。

連帯債務者がいる場合

配偶者・親族・同居しているパートナーなど住宅ローンを共有する連帯債務者がいる場合、申告内容は居住開始日に応じて異なります。


「連帯債務型」の住宅ローンとは、1つのローン契約に対して複数の人が返済義務を負う借入方法です。主に、夫婦の収入を合算して借入可能額を増やしたい場合に活用されます。


この方式でローンを組むと、物件の所有権は夫婦それぞれの持分割合に基づいた共有名義となります。各自が自分の持分に応じた返済義務を持ちますが、金融機関はどちらの債務者にも自由に請求することが可能です。


連帯債務型を利用する場合、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けることができます。控除額は、各自の持分割合に基づいて計算されます。

住宅購入時に贈与を受けた場合

住宅を購入する際、父母・祖父母・その他の親族から非課税で贈与を受けることができる制度があります。この「住宅取得等資金の贈与税の非課税」制度を利用した場合、住宅購入金額から贈与を受けた金額を差し引いて控除を計算する必要があります。


住宅ローン控除と贈与税特例を同時に適用する場合、計算ミスが発生しやすいため注意深く確認することが大切です。

住宅ローンを借り換えた場合

住宅を購入した後、低金利の住宅ローンへの借り換えを行うことがあります。借り換えは、返済期間が10年以上あれば実施可能です。ただし、借り換え後の住宅ローン残高については注意が必要です。


住宅ローンの借り換えには手数料(諸費用)がかかります。これらの費用を新しい住宅ローンに組み込むと、借り換え後のローン金額が借り換え前の残高を上回ることがあります。その場合は計算式を使って控除対象額を求め、住宅ローン年末残高として申告書に記入する必要があります。

災害により住宅が被害を受けた場合

住宅ローン控除には、災害時に適用される特例があります。


通常住宅ローン控除は、ローンの対象となっている住宅が失われた場合には適用されません。しかし災害によって自宅に住めなくなった際には、特例措置により住宅ローン控除を引き続き受けることが可能です。これは被災者の生活再建や災害復旧を支援する目的で設けられた制度です。


さらに災害によって新たに代替住宅を購入した場合には、元の住宅と新たな代替住宅の両方に対して住宅ローン控除を重複して受けられる場合もあります。

11.自宅を事務所としても使用している場合は要注意

自宅を事務所や店舗などと併用している場合、住宅ローン控除の適用要件を満たさない可能性があるため注意が必要です。


住宅ローン控除を受けるためには、「住宅の床面積が50平方メートル以上であり、そのうち半分以上を居住用として使用していること」という条件があります。事業用途が占める割合が大きく、この基準を満たさない場合には住宅ローン控除を適用することはできません。


一方で事業用に使っている部分に関しては、減価償却費・住宅ローンの利息・固定資産税などの事業使用分を経費として計上することが可能です。


また事業用途の使用面積が10%以下であれば、住宅全体を居住用として扱い住宅ローン控除を適用できるケースもあります。そのため事業使用面積を10%以内に抑えることで、税制面で有利になることが想定されます。


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12.【注意】確定申告後に住宅ローン控除を忘れたと気づいた場合

もし確定申告を終えた後に住宅ローン控除を適用し忘れたことに気づいた場合でも、申告期限内(〜3月15日)であれば、再度申告が可能です。正しい内容で住宅ローン控除を反映した確定申告書を新たに提出しましょう。


一方3月15日を過ぎてから気づいた場合は、修正することができません。住宅ローン控除については、納税額が多すぎた際に利用できる「更正の請求」を適用することが認められていないためです。


このような場合、可能性は極めて低いものの「更正の請求の嘆願」という手段があります。ただし、過去の判例では「控除の申告忘れ」が認められた例はありません。


具体的にどのような状況であれば認められる可能性があるのか、まずは所轄の税務署に相談してみることをおすすめします。

13.住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書を紛失した場合の再発行手続き

住宅ローン控除を受けるためには、必要な添付書類を提出する必要があります。ただし書類は年に一度しか使わないことが多いため、うっかり紛失してしまうことも考えられます。


この章では、住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書を失くしてしまった場合の再発行手続きについて説明します。


「住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書」は住宅ローン控除を受ける際に無料で入手できますが、再発行を依頼する場合には手数料がかかることがあります。万が一紛失してしまった際は、まず住宅ローンを利用している金融機関に問い合わせてみましょう。


この証明書は一般的に住宅ローンを契約している金融機関から送付されますが、具体的な送付時期は金融機関によって異なりますので注意しましょう。


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14.まとめ

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅を購入した際に支払ったローンの金利負担を軽減するための税制優遇措置です。この控除を受ける場合、初年度は多くの書類を準備して確定申告を行う必要がありますが2年目以降は手続きが大幅に簡略化されるため負担が軽減されます。


初年度に住宅ローン控除を適用する際は確定申告が必要であり、提出する書類も多岐にわたります。必要書類を確定申告書に添付し、税務署へ提出する手続きが求められます。初めての申告の場合これらの書類を集めたり記入したりする手間がかかるだけでなく、書類の不備がないように確認する手間も発生します。


一方、2年目以降の手続きは大幅に簡単になります。初年度に確定申告を行い税務署に必要な情報を提出しているため、翌年以降はその情

住宅ローン控除の確定申告は初年度は煩雑ですが、2年目以降は前年の書類や入力内容を基に手続きが大幅に簡略化されます。忙しい個人事業主やフリーランスでもかんたんに対応できますので、ぜひ理解しておくことをおすすめします。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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目次

1.住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは?

2.住宅ローン控除の

新築住宅の場合

中古住宅の場合

3.【1年目・2年目以降】住宅ローン控除をe-Taxなどにて確定申告で適用する際の書き方・提出方法

確定申告書を作成する方法

税務署への確定申告書と必要書類の提出方法

4.個人事業主は2年目以降も住宅ローン控除のために確定申告が必要

給与所得者は2年目以降、年末調整で住宅ローン控除が可能

5.2年目以降の住宅ローン控除で用意する必要書類

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

住宅ローンの年末残高証明書

登記事項証明書・売買契約書は2年目以降は不要

6.(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 一面・二面の書き方

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 一面の記載事項

「住所及び氏名」欄

「新築又は購入した家屋等に係る事項」欄

「家屋や土地等の取得対価の額」欄

「家屋の取得対価の額又は増改築等の費用の額に課されるべき消費税額等に対する事項」欄

「特例対象個人に係る事項等」

「居住用部分の家屋又は土地等に係る住宅借入金等の年末残高」欄

「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額」欄

「控除証明書の交付を要しない場合」欄

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 二面の記載事項

7.確定申告書 第一表・第二表の書き方

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除

特例適用条文等

8.2022年度(令和4年度)税制改正に伴う住宅ローン控除の変更点

省エネ基準を満たす場合の証明書

省エネ基準を満たさない場合の証明書

控除率が1%から0.7%に引き下げられた

控除期間が最大13年に延長された

適用対象の入居期限が4年延長された

所得要件が引き下げられた

借入限度額が住宅の性能や居住開始年ごとに変更された

9.2024年(令和6年)の住宅ローン控除の税制改正内容

子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額の見直し

床面積要件の緩和措置

10.ケース別・住宅ローン控除についての確定申告のやり方

連帯債務者がいる場合

住宅購入時に贈与を受けた場合

住宅ローンを借り換えた場合

災害により住宅が被害を受けた場合

11.自宅を事務所としても使用している場合は要注意

12.【注意】確定申告後に住宅ローン控除を忘れたと気づいた場合

13.住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書を紛失した場合の再発行手続き

14.まとめ