Linuxコマンド一覧【初心者向け】オプションと実践的な使い方・ディレクトリ操作、ls/WSL対応のカバー画像

Linuxコマンド一覧【初心者向け】オプションと実践的な使い方・ディレクトリ操作、ls/WSL対応

公開日:2025/04/22最終更新日:2025/04/22

Linuxは、開発環境の構築やサーバー管理、業務自動化など、幅広い業務で活用される信頼性の高いOSです。


一方で、必要なコマンドが分からなかったり、正しい入力方法に迷ったりと、操作に戸惑う場面も多くあります。


本記事では、Linuxで実務に役立つコマンドの一覧や、効率的な練習方法、調べ方のポイントを整理して紹介しています。基本から応用まで実践的に解説していますので、業務効率化やスキルアップに活用いただける内容です。


ぜひ最後までお読みいただき、Linuxコマンドの理解を深めてください。

1.Linuxで使えると便利なコマンドと使い方一覧

Linuxで使えると便利なコマンドと使い方を6つの分類で解説していきます。

  • ディレクトリ・ファイル操作

  • ユーザ管理操作コマンド

  • システム管理操作コマンド

  • ネットワーク関連操作コマンド

  • テキスト処理操作コマンド

  • その他

それぞれ見ていきましょう。

ディレクトリ・ファイル操作

ディレクトリやファイル操作に関連するコマンドは以下のとおりです。

コマンド

説明

コマンド入力例

オプションコマンド

cd

指定したディレクトリに移動する

cd /etc

-L:リンクへ移動

-P:リンク先へ移動

ls

ファイルやディレクトリの一覧を表示する

ls -l

-l:詳細表示(パーミッションや日付など)

-a:隠しファイルも表示

-h:ファイルサイズを読みやすく表示 

pwd

現在の作業ディレクトリを表示する

pwd

mkdir

新しいディレクトリを作成する

mkdir -p newdir

-p:親ディレクトリも同時に作成

cp

ファイルやディレクトリをコピーする

cp -r src dst

-r:ディレクトリを再帰的にコピー

-p:パーミッションや所有者などの属性を維持

touch

新しい空のファイルを作成する

touch newfile.txt

rmdir

空のディレクトリを削除する

rmdir olddir

rm

ファイルやディレクトリを削除する

rm -rf temp

-r:再帰的に削除

-f:確認なしで削除

-i:削除前に確認

mv

ファイルやディレクトリを移動または名前変更する

mv file1 file2

-i:上書き時に確認する

-f:強制的に実行

-v:詳細表示

find

条件に一致するファイルやディレクトリを検索する

find / -name '*.conf'

-name:名前で検索

-type:タイプで検索(dはディレクトリ、fはファイル)

-exec:検索結果に対してコマンドを実行

clear

画面をクリアする

clear

cat

ファイルの内容を表示する

cat file.txt

chmod

ファイルやディレクトリの権限を変更する

chmod 755 script.sh

数値:権限設定(rwx)

-R:再帰的に変更

-v:詳細表示

-c:変更があった場合のみ結果を表示

chown

ファイルやディレクトリの所有者を変更する

chown user:group file.txt

-R:再帰的に変更

-v:詳細表示

-c:変更があった場合のみ結果を表示

tar

アーカイブの作成・展開を行う

tar -czvf archive.tar.gz dir/

-c:作成

-x:展開

-z:圧縮

-j:bzip2圧縮/解凍

-J:xz圧縮/解凍

-v:表示

-f:ファイル名指定

-t:アーカイブ内容表示

locate

ファイル名のデータベースからファイルを検索する

locate passwd

-i:大文字小文字を区別しない

history

過去に実行したコマンドを表示する

history

ln

ハードリンクまたはシンボリックリンクを作成する

ln -s /path/to/file linkname

-s:シンボリックリンクを作成

man

コマンドのマニュアルを表示する

man ls

apropos

キーワードから関連コマンドを検索する

apropos network

ユーザ管理操作コマンド

ユーザ管理操作に関連するコマンドは以下のとおりです。

コマンド

説明

コマンド入力例

オプションコマンド

chfn

ユーザのフルネームや連絡先情報を変更する

chfn username

deluser/userdel

既存のユーザアカウントを削除する

deluser username

--remove-home:ホームディレクトリも削除

-r:ホームディレクトリとメールスプールを削除

usermod

既存ユーザの属性を変更

usermod -aG wheel alice

-aG グループ追加/-L ロック

userdel

既存ユーザを削除

userdel -r alice

-r ホームも削除

groupadd

新しいグループを作成する

groupadd newgroup

-gでGIDを指定

groupdel

既存のグループを削除する

groupdel oldgroup

su

別ユーザとしてコマンドを実行する

su - username

-:ログインシェルを起動する

useradd/adduser

新しいユーザを作成する(ディストリビューションにより使い分け)

useradd -m username

-m:ホームディレクトリ作成 

-s:ログインシェル指定

システム管理操作コマンド

システム管理操作に関連するコマンドは以下のとおりです。

コマンド

説明

コマンド入力例

オプションコマンド

finger

ユーザのログイン情報やメール情報などの詳細を表示する

finger username

free

システムのメモリ使用状況を表示する

free -m

-m:メモリ使用量をMB単位で表示する

last

システムの最終ログイン情報(履歴)を表示する

last -a

-a:ログイン元IPアドレスを表示する

ネットワーク関連操作コマンド

ネットワーク関連操作に関連するコマンドは以下のとおりです。

コマンド

説明

コマンド入力例

オプションコマンド

ftp

FTPプロトコルを利用してファイルの送受信を行う

ftp ftp.example.com

ssh

安全なリモート接続(Secure Shell)を確立する

ssh -p 2222 user@hostname

-p:ポート番号指定

route

カーネルのルーティングテーブルの表示・操作を行う

route -n

-n:IPアドレスを数値形式で表示する

netstat

ネットワーク接続状況、ルーティング、インターフェース統計を表示する

netstat -tuln

-t:TCP

-u:UDP

-l:リスニング

-n:数値表示

ping

指定ホストへのネットワーク接続の疎通確認を行う

ping -c 4 google.com

-c:送信回数を指定して実行する

テキスト処理操作コマンド

テキスト処理操作に関連するコマンドは以下のとおりです。

コマンド

説明

コマンド入力例

オプションコマンド

cut

ファイルの各行から指定フィールドを抜き出す

cut -f1 -d',' file.csv

-f:フィールド番号 / -d:区切り文字指定

diff

2つのファイルの差分を表示する

diff file1.txt file2.txt

-u:ユニファイド形式で表示

grep

特定の文字列を含む行を抽出する

grep -i 'error' logfile

-i:大文字小文字を無視して検索

head

ファイルの先頭部分を表示する

head -n 10 file.txt

-n:表示する行数を指定する

less

ページ単位でファイル内容を表示する(後方移動も可)

less file.txt

lv

日本語対応のページャー(lessの代替)

lv file.txt

more

ページ単位でファイル内容を表示する(後方移動不可)

more file.txt

vi

標準的なテキストエディタでファイルを編集する

vi file.txt

tail

ファイルの末尾部分を表示する

tail -n 10 file.txt

-n:末尾から表示する行数を指定

nl

行番号付きでファイル内容を表示する

nl file.txt

wc

行数や単語数、バイト数をカウントする

wc -l file.txt

-l:行数を表示 / -w:単語数 / -c:バイト数

その他

その他として便利なコマンドは以下のとおりです。

コマンド

説明

コマンド入力例

オプションコマンド

which

コマンドの実行パスを表示する

which ls

who

ログインしているユーザ情報を表示する

who

type

コマンドが関数・エイリアスなどどのタイプか表示する

type ls

whatis

コマンドの概要説明を表示する

whatis ls

cal

カレンダーを表示する

cal 2025

date

現在の日付と時刻を表示・設定する

date '+%Y-%m-%d %H:%M'

2.Linuxで使えると便利なショートカットキーと使い方一覧

Linuxは、画面上でマウスを使って操作するのではなく、コマンド入力が主な操作方法です。その際、便利なショートカットキーがいくつもあるため、実践で使えるものを厳選して解説していきます。

ショートカットキー

説明

Ctrl + A

カーソルを行頭に移動する

Ctrl + E

カーソルを行末に移動する

Ctrl + U

カーソル位置から行頭までを削除する

Ctrl + K

カーソル位置から行末までを削除する

Ctrl + W

カーソル前の1単語を削除する

Ctrl + L

画面をクリアする(ターミナル再描画)

Ctrl + C

実行中のコマンドを強制終了する

Ctrl + D

シェルを終了する(ログアウト)

Ctrl + Z

実行中のコマンドを一時停止する(バックグラウンド化)

Ctrl + R

コマンド履歴から検索して再実行する

Tab

コマンドやファイル名の補完を行う

Ctrl + Shift + C

ターミナルでコピーを行う(GUI環境)

Ctrl + Shift + V

ターミナルで貼り付けを行う(GUI環境)

3.Linuxのコマンドを覚えるコツ

Linuxのコマンドを覚えるコツは主に以下の3点です。

  • 実際に手を動かして入力する

  • ディレクトリ構造を理解する

  • 資格を取得する

一つずつ解説していきます。

実際に手を動かして入力する

Linuxコマンドの習得には、座学だけでなく実際にコマンドを入力することが一番大切です。


仮想環境やクラウド上にテスト用のLinuxを用意し、基本的な操作から繰り返し練習することで、タイピングと同時に構造や意味も理解できます。特にファイル・ディレクトリ操作やネットワークコマンドなどは、実行結果を見ることで用途が明確になり、記憶の定着が早まります。


実践を通じて学習することこそが、現場で即戦力になるスキルに変える近道です。

ディレクトリ構造を理解する

Linuxでは、ファイルやコマンドが階層構造で整理されています。/をルートとしたディレクトリ構造を理解することで、目的のファイルにたどり着くスピードが格段に上がります。


主要なディレクトリは以下のとおりです。

ディレクトリ

説明

/

ファイルシステムのルートディレクトリ。すべてのディレクトリの起点となる

/bin

基本的なコマンド(ls、cpなど)が格納されている実行ファイルのディレクトリ

/boot

ブートローダー関連のファイルが格納されており、OS起動に必要な情報を含む

/dev

デバイスファイル(ハードディスク、USBなど)を扱うための仮想ディレクトリ

/etc

システム設定ファイルや初期設定ファイルが格納されている重要な場所

/home

各ユーザの個別ファイルや設定が格納されるホームディレクトリ

/lib

共有ライブラリやカーネルモジュールなどのライブラリファイルが格納される

/media

USBやDVDなどのリムーバブルメディアがマウントされる場所

/sbin

システム管理用の実行ファイル(shutdownなど)が格納されている

/opt

追加アプリケーションのインストール先として使われる(商用・外部ソフトなど)

/proc

カーネルやプロセスに関する情報を提供する仮想ファイルシステム

/usr

共有プログラムやライブラリなどを格納する階層(一般ユーザ向け)

/var

ログファイルやメール、スプール、キャッシュなどが格納される

たとえば、設定ファイルは/etc、ログは/var/logにあることが多く、構造を把握していればトラブル対応もスムーズになります。


さらに細かいディレクトリ構造を確認したい場合は、「tree」コマンドを使う手段もあります。treeコマンドを入力した結果は以下のとおりです。


tree入力画面

tree

出力例

.

├── README.md

├── src

│   ├── main.py

│   └── utils.py

└── data

    └── input.txt

資格を取得する

Linuxの知識を体系的に学びたい場合は、資格取得も有効な手段です。Linux初心者におすすめの資格は以下の2つです。

  • LinuC(日本向けに最適化された資格)

  • LPIC(国際的に認知されている資格)

この2つの資格試験は、基本操作からサーバー管理、シェルスクリプトまで幅広い内容をカバーしています。学習の過程で、使い慣れたコマンドの理解が深まり、知らなかった機能に気づくことも少なくありません。また、資格を持っていることが実務経験の証明にもなるため、フリーランスや転職活動にも有利に働きます。


LinuCはこちらから詳細がご確認いただけます。


関連記事

UNIXとLinuxの違いとは?共通点や選択基準などをわかりやすく解説

4.Linuxのコマンドを練習できる環境を作る方法

実際にLinuxのコマンドを練習するための主な方法は以下の4点です。自分に合ったやり方を見つけて練習することで、よりコマンドの理解を深められます。それぞれを見ていきましょう。

  • クラウド上で仮想環境を作る

  • コンピュータ上に仮想環境を作る

  • WindowsのWSL上で行う

  • Macのターミナル上で行う

クラウド上で仮想環境を作る

コマンド練習を効率よく行うなら、クラウドサービスの利用が便利です。たとえば、AWSのEC2やGoogle CloudのCompute Engineを使えば、ブラウザ上からLinux環境にアクセス可能です。初期費用も安く、トラブルが起きてもすぐに再構築できるのが魅力です。


インターネット接続があれば場所を問わず利用できるため、実務に近い形でサーバー操作を練習したいエンジニアに適しています。

コンピュータ上に仮想環境を作る

自分のPC上で仮想環境を構築する方法もあります。


VirtualBoxやVMwareといった仮想化ソフトを使えば、1台のPC上で複数のOSを動かせます。例えば、Windows上にUbuntuなどのLinuxディストリビューションをインストールすることで自由に操作が可能です。


インストールする手間はかかってしまいますが、物理的な環境を壊すことなく、何度でも試行錯誤できる点も大きなメリットです。

WindowsのWSL上で行う

Windowsユーザであれば、WSL(Windows Subsystem for Linux)を利用することで簡単にLinux環境を扱えます。


Microsoft StoreからUbuntuなどをインストールすれば、コマンドラインから本格的なLinux操作が可能になります。WSLは起動が速く、Windowsとのファイル共有もスムーズで、学習と実用のバランスが取れた選択肢です。設定もシンプルなので、初心者にも扱いやすい点が特長です。

Macのターミナル上で行う

Macには標準でUnixベースのターミナルが備わっており、Linuxに近い環境でコマンド操作が可能です。


特にlsやgrep、chmodなどの基本コマンドはそのまま使えるため、追加のツールなしで学習を始められます。


さらにHomebrewを使えばパッケージ管理もでき、よりLinuxに近い操作感を得られます。開発者向けの作業を行ううえでも、そのまま実用に移行しやすい環境です。


関連記事

LinuxとWindowsの違いは?特徴やメリット・デメリットを知り選びましょう!

5.Linuxのコマンド操作で困ったときの調べ方

Linuxのコマンド操作で困ったときの調べ方は以下の2つです。

  • コマンドがわからない場合

  • コマンドの使い方がわからない場合

それぞれを解説していきます。

コマンドがわからない場合

何を使えばよいか分からないときは、まず「やりたいこと」から検索するのが有効です。たとえば「Linux ディレクトリ 移動 コマンド」などのキーワードでGoogle検索すれば、基本的な操作に関連するコマンド一覧が見つかります。


また、以下のエンジニア向けサイトを利用するのも有効な手段です。

操作の目的がはっきりしていれば、自然と適切なコマンドにたどり着けるでしょう。

コマンドの使い方がわからない場合

コマンドの使い方に迷ったときは、manコマンドを使うのがおすすめです。


たとえば man ls と入力すると、lsコマンドのマニュアルが表示されます。

入力画面

man ls

出力例(抜粋)

LS(1)                             User Commands                            LS(1)


NAME

       ls - list directory contents


SYNOPSIS

       ls [OPTION]... [FILE]...


DESCRIPTION

       List  information  about the FILEs (the current directory by default).

       Sort entries alphabetically if none of -cftuvSUX nor --sort is specified.


OPTIONS

       -a, --all

              do not ignore entries starting with .


       -l     use a long listing format


       -h     with -l, print sizes in human readable format (e.g., 1K 234M 2G)


       -t     sort by modification time, newest first


       -r     reverse order while sorting

・・・

概要、書式、オプションの説明などが含まれており、知りたい内容を確認できます。


より簡易な確認には --help オプションが便利です。

ls --help のように入力すれば基本的な使い方が一覧で確認できます。

入力例

ls --help

出力例(抜粋)

Usage: ls [OPTION]... [FILE]...

List information about the FILEs (the current directory by default).


Mandatory arguments to long options are mandatory for short options too.

  -a, --all                  do not ignore entries starting with .

  -l                         use a long listing format

  -h, --human-readable       with -l, print sizes in human readable format

  -t                         sort by modification time, newest first

  -r                         reverse order while sorting

      --help     display this help and exit

・・・


関連記事

Linuxのzipコマンド完全ガイド|圧縮・解凍の基本操作からオプション活用までを解説

6.まとめ

今回は、Linuxで実務に役立つコマンドの一覧や、効率的な練習方法、調べ方のポイントを整理してご紹介しました。


Linuxは、使いこなすことで作業効率を大きく高められる優れたツールです。基本操作を正しく理解し、必要な情報を自分で調べる力を身につけることで、現場での対応力やトラブルシューティング能力が向上します。

Linuxスキルは、エンジニアとしての信頼や市場価値を高める武器にもなります。


最後までお読みいただきありがとうございました。

本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。


フリーランスボード」は、数多くのフリーランスエージェントが掲載するITフリーランスエンジニア・ITフリーランス向けの案件・求人を一括検索できるサイトです。


開発環境、職種、単価、稼働形態、稼働日数など様々な条件から、あなたに最適なフリーランス案件・求人を簡単に見つけることができます。

単価アップを目指す方や、自分の得意なスキルを活かせる案件に参画したい方は、ぜひ「フリーランスボード」をご利用ください。

無料で登録したらスカウトを待つだけ フリーランスの新しい仕事探しを始めよう

フルリモート案件を 無料登録した方限定で配信中

目次

1.Linuxで使えると便利なコマンドと使い方一覧

ディレクトリ・ファイル操作

ユーザ管理操作コマンド

システム管理操作コマンド

ネットワーク関連操作コマンド

テキスト処理操作コマンド

その他

2.Linuxで使えると便利なショートカットキーと使い方一覧

3.Linuxのコマンドを覚えるコツ

実際に手を動かして入力する

ディレクトリ構造を理解する

資格を取得する

4.Linuxのコマンドを練習できる環境を作る方法

クラウド上で仮想環境を作る

コンピュータ上に仮想環境を作る

WindowsのWSL上で行う

Macのターミナル上で行う

5.Linuxのコマンド操作で困ったときの調べ方

コマンドがわからない場合

コマンドの使い方がわからない場合

6.まとめ