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VPoPとは?CPO・VPoEとの違い、年収相場、仕事内容・必須スキルなどわかりやすく解説

公開日:2025/05/19最終更新日:2025/05/21

「VPoP」は、会社のプロダクトに関する全責任を受け持つ役職です。プロダクトの開発プロジェクトにおける意思決定権を持ち、品質管理や顧客満足度の向上など、あらゆる業務を担当します。


VPoPは事業を成功に導く重要なポジションであり、今後もさまざまな業界で必要とされるでしょう。プロダクトマネージャーやエンジニアのリーダーポジションからのキャリアアップもできるため、将来の働き方を考える際にもVPoPについて知っておくことがおすすめです。


本記事ではVPoPの基本やCPO・VPoEとの違い、仕事内容や必要なスキルなどについて解説します。VPoPになるための方法も紹介するので、キャリアを構築するうえでの参考にしてください。

1.VPoPとは?

VPoPという言葉の意味や役割について知ることが、転職・キャリアアップを目指すうえで重要となります。以下では、VPoPの基本情報についてわかりやすく解説します。

VPoPとはプロダクトの最高責任者

VPoPとは「Vice President of Product」を略した言葉で、読み方はそのままローマ字を発する形になります。プロダクト(商品・サービス)開発の現場においてリーダーの役割を担い、プロジェクトをスムーズに進行させるのが、VPoPの主な役割となるでしょう。


VPoPは、プロダクト担当副社長やプロダクト統括本部長といった日本語に訳されることもあります。いずれの名称でもプロダクトにおける重要な業務を請け負い、利益の確保や新しい商品・サービス計画の立案を行うことになるでしょう。

VPoPとCPO・VPoEの違い

VPoPは、CPOやVPoEなどの役職と比較されることがあります。CPOやVPoEもプロダクトに関係する業務を担当することがあるため、VPoPと混同されることもあるでしょう。しかし、それぞれの役割や仕事内容は異なり、求められる成果も変わってきます。


具体的には、VPoP、CPO、VPoEはそれぞれ以下のような特徴があります。

VPoP

プロダクト戦略・開発などを統括する最高責任者

CPO

プロダクトの構造や課題を把握して対応する最高製品責任者

VPoE

エンジニアのフォローや職場環境の整備などを担当する技術部門の責任者

VPoPとCPOの役割・求められる成果には、近いものがあります。同じポジションとして扱うケースも考えられますが、CPOは企業全体の目標や戦略を考案するのに対して、VPoPはプロダクトのマネジメントに注力してパフォーマンスを向上させるのが役割になり得ます。


VPoPは複数のプロダクトを統括し、管理職として業務に携わるのがメインです。VPoPとCPOはときに連携し、プロダクトの品質向上や問題解決に協力して臨むこともあります。

VPoPの年収はどれくらい?

VPoPの年収は、1,000万円以上になることもあると言われています。企業の事業規模や責任の重さ、スキルの評価などによっては、年収2,000万円を超えるケースもあるようです。


もちろん、高年収を得るにはVPoPとして成果を出し、企業から高い評価を得る必要があります。そのためにはまずVPoPがどのような仕事を行い、結果的にどんな成果を出す必要があるのか理解しておくことが重要です。


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2.VPoPの主な仕事内容

VPoPを目指してキャリアアップをするのなら、基本となる仕事内容を把握して、働き方をシミュレートしておくのがコツです。以下では、VPoPの仕事内容について詳しく解説します。

プロダクト戦略の立案

VPoPは、プロダクト戦略の立案を通してプロジェクトをリードしていくのが仕事になります。自社プロダクトの特徴や魅力を活かした戦略を構築し、実行するために必要な環境を提案するのがVPoPの役割の1つです。プロダクト戦略を立てて終わりではなく、企業や顧客のニーズを分析し、そのうえで柔軟に計画を変更していくことも仕事になり得ます。


その他、プロダクトの価格設定や需要を考慮した在庫の管理、収益性を最大化するための販売戦略の考案など、プロジェクト全体の調整を行うことも仕事です。プロダクト戦略の重要性や魅力を社内に伝えるために、ロードマップを構築してプレゼンすることもあります。

市場のリサーチ

プロダクトを展開する市場のリサーチも、VPoPが担当する仕事の1つです。市場のトレンドや動向を分析・予測し、顧客の潜在的なニーズを掘り起こして効果的な戦略を打ち立てることが、VPoPが求める成果の獲得につながっていくでしょう。


市場のリサーチの際には、マーケティングリサーチャー(マーケットリサーチャー)やデータアナリストなど、その道のプロに作業を任せることがあります。VPoPはそれぞれのIT人材とコミュニケーションを取り、綿密な意思疎通を通して正確な市場リサーチを行うことも仕事になるでしょう。

競合分析

VPoPは市場リサーチと合わせて、競合他社の分析も行います。競合がどのようなプロダクトを展開しているのか、どんな戦略で成果を出しているのかなどを分析して、その結果をチームで共有して対策を立てることも仕事のうちです。


競合のプロダクトを分析することで、差別化やターゲットの変更など、具体的な対策が取りやすくなります。また、自社が市場のなかでどのポジションにいて、どんな企業を意識すべきなのかも、競合分析によって明らかにできます。

開発チームのマネジメント

開発チームのマネジメント業務も、VPoPが担当する重要な仕事です。プロジェクトの基礎となる目標を設定し、進捗やスケジュール管理を行います。プロダクトごとに収益目標を決めて、達成のためにどんな行動が必要になるのか開発チーム内で話し合うこともあります。


プロダクト開発を行うプロジェクトメンバーの選定・採用をしたり、育成・評価をしたりといった仕事もVPoPの業務範囲になり得ます。プロダクト戦略によって必要な人材は変わるため、最適なメンバーを集める能力もVPoPの仕事では重要視されるでしょう。

結果をプロダクトにフィードバックする

プロダクト戦略を実行した結果を分析し、フィードバックするのもVPoPの仕事になります。顧客の反応や売上などの数値をデータ化して、分析を進めて改善策や新しいイノベーションの発見につなげることも重要です。フィードバックする内容はわかりやすく整理し、チームメンバーと共有する必要もあります。

VPoPだけが結果を理解するのではなく、開発チーム全体が問題点や改善点を把握し、それぞれの意見を引き出して戦略の立て直しを行うのも1つの手段です。


開発チームにフィードバックの内容を伝えることは、メンバーの成長につながる可能性もあります。自分たちの仕事がどのような成果を出し、どんな解決策が検討できるのか考えてもらうことで、自発的なアクションを通してプロジェクトに貢献できる人材を増やすことも可能です。


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3.VPoPに求められるスキル

VPoPとして働く際には、さまざまなスキルの習得が求められます。プロダクトの責任者としての役割をまっとうできるように、高度なスキルを保有することは重要なステップになるでしょう。


以下では、VPoPに求められる主なスキルについて解説します。

プロダクト戦略を考案するスキル

プロダクト戦略を考案し、具体的な施策を提案するスキルは、VPoPになるのなら欠かせないものとなるでしょう。市場ニーズ、競合他社の状況、自社の目標などさまざまな情報をまとめて、最適な戦略を構築することが求められます。


プロダクト戦略は実現可能であり、かつ利益が出せる内容であることが前提です。実現が難しい絵空事の戦略を提示しても、開発チームや企業の上層部が納得せず、実行に移せない可能性もあるでしょう。

「なぜその戦略が有効なのか」「具体的にどのような成果が見込まれるのか」といったことを、正確に伝えられるプレゼン能力を高めることもVPoPが持つべきスキルになるでしょう。

市場分析・データ分析のスキル

VPoPは自分自身の手で、市場分析・データ分析を行うスキルもあると便利です。ある程度データ収集や分析を自分で行えるようになると、素早くプロダクト戦略の骨組みを構築したり、修正を加えたりできます。


最終的にデータ分析のプロに仕事を任せるとしても、VPoP自身が分析業務への理解がないと、適切な指示を出せないでしょう。市場分析・データ分析の効率化を実現するためにも、分析業務における基礎知識・技術は身につけておくのがおすすめです。

ITエンジニアのスキル・経験

VPoPとして働く際には、ITエンジニアのスキルや経験が役立ちます。ITエンジニアの業務経験があれば、開発メンバーに対して具体的な指示を出すことが可能です。無理難題を押し付けることもなくなるため、開発メンバーからの信頼を得やすくなるメリットもあるでしょう。


ITエンジニアのスキルや経験を活かすことで、開発メンバーとのコミュニケーションも取りやすくなり、業務におけるスムーズな連携も可能となります。

マネジメントスキル

VPoPのポジションでは、高いマネジメントスキルが求められます。開発チームを統率し、進捗を管理して流れをコントロールする技術は、プロダクト戦略を成功させるうえで重要なものとなるでしょう。


VPoPは複数の開発チームを動かすこともあるため、それぞれのメンバーが持つ長所や戦略目標をきちんと把握し、その都度適切な指示を出して成果を引き出す広い視野も必要です。状況によっては開発メンバーと話し合いの場を設けてフォローをしたり、開発チーム全体の方向性や考え方をすり合わせ直したりすることも仕事になり得ます。

問題を把握して解決するスキル

プロダクト戦略を進行する際には、さまざまなトラブルに見舞われるリスクがあります。予定通りにスケジュールが進行しない、外注先や外部の人材と上手く連携が取れない、プロダクトの機能に問題があるなど、多くの課題にぶつかる可能性があるでしょう。


そういった問題に直面しても、冷静に対応して適切な解決策を提案できるスキルが、VPoPに求められます。問題の原因を特定し、被害を抑えて次のアクションに素早く移行するための計画を立てる能力がある人ほど、VPoPとして活躍できるでしょう。


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4.VPoPになるための方法・流れ

VPoPになるには、基本的な方法・流れを理解したうえで準備を進めることが大切です。以下では、VPoPに転職・キャリアアップするための方法について解説します。

PMやPdMの仕事をして経験を積む

VPoPになるには、PM(プロジェクトマネージャー)やPdM(プロダクトマネージャー)として経験を積み、キャリアアップしていく方法が考えられます。PMやPdMも、予算やスケジュール管理などのマネジメント業務を担当するため、仕事の経験がそのままVPoPとして働く際に応用可能です。


PMやPdMとして評価が高いと、昇格してVPoPのポジションにつける可能性も高まります。現在の職場でVPoPを目指す際には、まずPMやPdMの仕事で実績を積んでいくのがポイントです。

転職やフリーランスのVPoPとして働く際にも、PMやPdMの業務経験が重要視される可能性があります。積極的に案件・求人に参画し、アピールできる実績を増やしておくのがおすすめです。

転職に役立つポートフォリオを作成する

VPoPに転職する場合や、フリーランスとして案件・求人に参画する際には、ポートフォリオを作成しておくのも重要です。PMやPdMで働いた経験があるのなら、具体的な成果や評価された点を、エピソードと共にまとめておきましょう。


完成度の高いポートフォリオは、客観的に自身の能力を証明するために役立ち、案件・求人に採用される可能性を高められます。VPoPを目指すのなら、まず自分の経歴、経験、スキルなどを棚卸しして、アピールする要素を明確にしたうえで書類選考や面接に臨みましょう。

転職エージェント・フリーランス向けの案件・求人紹介サイトを活用する

VPoPの求人情報を保有している転職エージェントや、フリーランス向けの案件・求人をまとめて検索できる専用サイトを活用することも、キャリアを形成するためのポイントです。

転職エージェントに登録することで、専任のエージェントの支援を受けながら転職活動を進められます。非公開求人の情報を得られることもあるため、転職の選択肢を増やす結果にもつながるでしょう。


ITフリーランスとしてVPoPのポジションを目指す際には、フリーランス向けの案件・求人を簡単に検索できるサイトを活用するのがおすすめです。


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5.まとめ

プロダクト戦略の立案などを担当するVPoPは、多くの企業で活躍しています。大手企業だけではなく、新規プロダクトの市場展開を目指しているスタートアップ企業でも、VPoPの重要性が浸透しています。VPoPのように開発チームを牽引していけるマネジメント力のあるIT人材は、今後も幅広いシーンで高い需要が見出されるでしょう。


この機会にVPoPの仕事内容や必要なスキルをチェックし、転職するための計画を立ててみてはいかがでしょうか。フリーランスのVPoPとして案件・求人に参画することも可能なため、PMやPdMの経験を活かして独立することも検討できます。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。


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目次

1.VPoPとは?

VPoPとはプロダクトの最高責任者

VPoPとCPO・VPoEの違い

VPoPの年収はどれくらい?

2.VPoPの主な仕事内容

プロダクト戦略の立案

市場のリサーチ

競合分析

開発チームのマネジメント

結果をプロダクトにフィードバックする

3.VPoPに求められるスキル

プロダクト戦略を考案するスキル

市場分析・データ分析のスキル

ITエンジニアのスキル・経験

マネジメントスキル

問題を把握して解決するスキル

4.VPoPになるための方法・流れ

PMやPdMの仕事をして経験を積む

転職に役立つポートフォリオを作成する

転職エージェント・フリーランス向けの案件・求人紹介サイトを活用する

5.まとめ