CCNAとは、 Cisco Certified Network Associateの略称でシスコ認定資格の一種であり、ネットワークエンジニアを目指す方として資格取得しておきたい資格です。
本記事では、ネットワーク分野ではほとんどの方が知っているCCNAについて解説します。
具体的にはCCNAの試験時間や試験範囲、合格率、難易度などの試験詳細からCCNAを習得するメリットやデメリット、CCNAの資格に合格するためのおすすめ勉強サイトや参考書の紹介などを解説します。
CCNAを現在勉強している/今後勉強する予定の方はぜひご一読ください。
特に記事をご一読していただきたい方
CCNAとは何かについて
CCNAの出題範囲や難易度など試験詳細について
CCNAに合格するメリットについて
CCNAの資格取得におけるデメリットについて
CCNA合格のためのおすすめ参考書や問題集
将来的にIT業界やエンジニアとして働く方
目次
1.CCNAとは
CCNAはCisco Certified Network Associateの略称であり、コンピュータネットワーク機器の大手、シスコシステムズ(Cisco Systems)社が実施するネットワークエンジニアの技能を認定する資格試験です。
CCNA試験に合格することにより、CatalystスイッチやCiscoルータをはじめとし、TCP/IPなど基礎的なネットワークスキル証明にも繋がる試験です。
また、CCNA保有を要件としているフリーランス求人・案件や募集要項も多数あるだけでなく、世界的にも有名な資格であるため、ネットワーク分野に進むのであれば保有しておきたい資格です。
シスコ技術者認定のグレードとは
シスコ技術者認定のグレードについて解説します。
シスコ技術者認定は大きく4つのグレードに分かれます。
エントリー
アソシエイト
プロフェッショナル
エキスパート
エントリーは、最も簡単な試験であり、これからネットワークエンジニアを目指す方向けとなっています。
アソシエイトは、ネットワークエンジニアとしての基礎知識を習得するための試験であり、CCNAはこちらに分類されます。
プロフェッショナルはアソシエイト(CCNA)の上位資格であり、大規模ネットワークの導入、運用、保守などを行うスキルを有することの証明になります。
そしてエキスパートはネットワークやシスコ全般の専門知識において、最も高い水準のスキルを有する証明になります。
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2.CCNA試験概要
この章ではCCNAの概要について詳しく解説します。
CCNAについて理解したい/受験を検討している方は特に目を通してみてください。
CCNA試験の詳細
CCNA試験の詳細について以下にてまとめています。
試験名 | Cisco Certified Network Associate (200-301 CCNA) |
---|---|
試験会場 | ピアソンVUEテストセンターでの受験 テストセンターでの受験の方はこちらから探せます。 OnVUEオンラインでの受験 OnVUEオンラインでの受験の方はこちらより予約可能です。 |
試験日時 | テストセンターごとにより試験日時が異なります。 オンライン受験の場合、自分で試験日時を決められます。 |
試験時間 | 120分 |
出題形式 | CBT(Computer Based Testing)形式 |
問題数 | 102~140問 |
合格点 | 約70%(合格ライン:825点/1000点) |
受験料 | 42,600円(税抜) |
受験資格 | 特になし |
試験結果 | テストセンター受験の場合、試験結果を受け取るまでに数週間かかる オンライン試験の場合、試験終了後24時間〜3日以内で閲覧可能です。 |
CCNA試験の出題範囲
CCNA試験の出題内容を見ていきましょう。
CCNA試験の出題範囲と出題割合の概要は以下の通りとなっています。
ネットワークの基礎:20%
ネットワーク アクセス:20%
IP コネクティビティ:25%
IP サービス:10%
セキュリティの基礎:15%
自動化とプログラマビリティ:10%
CCNA試験の出題範囲の詳細を見たい方はこちらからご覧ください。
CCNA試験の受験者数・合格率・難易度
CCNA試験の受験者数・合格率・難易度について見ていきましょう。
CCNA試験の受験者数や合格率は公式サイトでは非公開であるため、正確な数値はわかりません。
しかし、CCNA試験の合格率や難易度について、2018年12月時点でのITSSのキャリアフレームワークを参考にしてみましょう。ITSSのキャリアフレームワークを参考にするとレベル2にCCNAが含まれていることがわかります。
他にレベル2には基本情報技術者試験やLinuCレベル2、LPIC-2などが含まれています。
例えば、基本情報技術者試験の令和3年度の合格率が40.7%であることを考慮すると、CCNA試験の合格率や難易度も類似している可能性がありますので、ぜひ参考にしてみましょう。
CCNA試験の申し込み手順
CCNA試験の申し込み手順を見ていきましょう。
以下の流れでCCNA試験を申し込みできます。
ピアソンVUEサイトにログイン/アカウント作成
CCNA試験詳細の選択
CCNA試験の受験料支払い
CCNA試験に申し込む際はピアソン VUE サイトで試験の予約を行います。
この際にピアソンVUEサイトのアカウントを作成していない方は、まず作成を行いましょう。
アカウントを作成したらサインインし、ダッシュボードから「監督付き試験」のリンクをクリックします。
次の画面で検索ボックスにCCNAの試験番号(200-301)を入力し「検索」ボタンをクリックします。
試験名が表示されたらクリックし、その後は画面の指示に従って申し込みを行います。
ここで、テストセンターを選択した方は試験会場や試験日などを選択します。
オンラインの方は一足先に受験料の支払いに移ります。
このような流れでCCNA試験の申し込みを行います。
CCNA試験の有効期限
CCNA試験の有効期限について解説します。
CCNAの有効期限は3年間です。
資格取得後3年以上経過した場合、失効となってしまいます。
失効すると履歴書などには記載不可となるのでご注意ください。
また、CCNA資格を保有し続けるには、CCNA試験に再度合格するか、CCNAの上位試験に合格する必要があります。
CCNA試験の勉強時間
CCNA試験の勉強時間を見ていきましょう。
CCNA試験に合格するまでの勉強時間は、160時間程度という情報が多いです。
毎日2時間勉強した場合、約3ヶ月間かかる計算になります。
公式サイトではCCNAの受験前に次の条件を満たすことを推奨しています。
1年以上のシスコソリューションの実装および管理経験
基本的なIPアドレス指定の知識
ネットワークの基礎に関する深い理解
CCNAはシスコ技術者認定の中では比較的、取得しやすい資格試験ですが、広範囲での出題であるためネットワークの基礎知識がない方の場合、上記説明した時間以上の勉強時間がかかるでしょう。
ネットワークの知識に自信がない方は、まずネットワーク入門用の参考書で学習しましょう。
なお、上記勉強の目安時間を記載していますが、学習要領や理解度により勉強時間は個々で大きく異なるため、参考として捉えてください。
3.CCNAの資格取得のメリット
この章ではCCNAの資格取得のメリットについて解説します。
CCNA試験を本格的に行う前にその試験を受験する目的を改めて考えましょう。
もしかしたらCCNA試験自体が不要な場合も大いにあり得ますので、少しの時間でも良いので受験する目的を考えてから受験するようにしましょう。
ネットワークスキルや知識が身に付く
CCNAの資格取得のメリットとしてネットワークスキルや知識が身に付くことが挙げられます。
CCNAの試験内容はネットワーク業界で働くエンジニアとして実際の現場で使用されている基礎スキルから実践スキルまで網羅的な試験となっています。
既にネットワークエンジニアとして従事している方もCCNAの資格取得の学習をすることにより、自分に不足しているネットワークスキルや得意不得意な分野などを客観的に把握できます。
またエンジニア未経験者や初心者などネットワークの学習を検討している方もCCNAの資格は適しています。
ネットワークスキルや知識の証明になる
CCNAの資格取得のメリットとしてネットワークスキルや知識の証明になることが挙げられます。
CCNAの試験内容は、実際のIT技術で使われている基礎技術だけでなく、実践スキルも含まれています。そのため、CCNAを取得していると基本的なネットワークスキルや知識の証明になります。また、世界共通のネットワーク関連資格であるため、CCNAを取得することで、世界中でネットワークスキルの証明ができることも魅力です。
IT系企業に就職しやすい
CCNAの資格取得のメリットとしてIT系企業に就職しやすいことが挙げられます。
CCNAを取得すればシスコ社のネットワーク機器の基礎知識を含むある一定のスキルの証明に繋がるため、採用担当者からの評価が上がる可能性があります。
特にエンジニア未経験からIT系企業に転職する場合、他候補者よりも何かしら強みがないと採用される可能性は低いでしょう。そのため未経験としてエンジニアの就職をする方はCCNAを取得して強みを持った上で選考に挑みましょう。
資格手当や報奨金を貰える
CCNAの資格取得のメリットとして資格手当や報奨金を貰えることが挙げられます。
企業にもよりますが、資格保持者に資格手当を毎月付与する場合は多いです。
資格手当の相場は5,000円程度となっていますが、企業によっては数万円もあり得ます。
資格によっては資格手当が貰えない場合もありますが、CCNAは世界共通の資格であるため対象となっているケースも多いでしょう。
4.CCNAの資格取得のデメリット
この章ではCCNAの資格取得のデメリットについて解説します。
CCNA試験を含む資格取得はメリットに目が行きやすいですが、しっかりデメリットも考慮した上で試験勉強を始めましょう。
勉強時間を確保する必要がある
CCNAの資格取得のデメリットとして勉強時間を確保する必要があることが挙げられます。
勉強時間を確保することは、つまりある程度の時間を犠牲にする必要があるということです。先述した学習時間では合格するための勉強時間が約160時間かかる(ネットワーク知識が無い方はより時間が必要)ことを伝えています。
仮にCCNA試験が自分の目的において不必要な資格であるなら時間を無駄にしてしまいます。
自分の時間を削り勉強時間に費やす可能性があることを念頭に改めてCCNA試験の受験が必要なのかを考えましょう。
5.CCNA試験の資格取得のためのおすすめ勉強サイトや参考書を紹介
この章ではCCNA試験の資格取得のためのおすすめ勉強サイトや参考書について解説します。
ぜひ参考にしてみましょう。
勉強サイト①:CCNAイージス
CCNA試験の資格取得のための勉強サイトとしてCCNAイージスが挙げられます。
CCNAイージスはCCNAの専門学習サイトです。
全30章に分かれており、章ごとに模擬試験・練習問題があります。
最新の情報が記載されており、かつ豊富に問題数があるため、CCNAイージスだけでも試験対策は十分できます。
また、解説もイラストつきで初心者にも分かりやすいため、CCNAの試験合格においてCCNAイージスを活用してみましょう。
勉強サイト②:Ping-t
CCNA試験の資格取得のための勉強サイトとしてPing-tが挙げられます。
Ping-tはCCNAの試験合格を目指す人を応援するサイトです。
CCNA以外にもAWSやLPIC、ITパスポートなどIT系の試験合格を目指す人を応援するサイトです。
Ping-tには有料のコンテンツもあり、CCNAの教材は無料と有料コンテンツがあります。
無料でもCCNAの問題集(400問)を解くことができるため十分試験対策になり得るでしょう。
問題が充実しているだけでなく「Ciscoコマンド集Wiki」でコマンドの使い方を調べることも可能です。
「Ciscoコマンド集Wiki」は誰でも編集することができ、みんなで情報共有することを目的としています。
その他、合格体験記が掲載されているのもメリットです。
CCNAに合格した人の体験記を読むことで、モチベーション維持や勉強のコツを知ることができます。
参考書①:シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301
CCNA試験の資格取得のための参考書としてシスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301が挙げられます。
CCNAの基礎力を効率よく身につけ、最新の本試験問題が解けるテキスト&問題集です。
IT技術専門スクールの講師陣が書き下ろしており、さらに章末に掲載した「確認問題」に加え、模擬試験を2回分あります。
CCNAを合格する上で持っておきたい参考書の1つです。
参考書②:(模擬問題、スマホ問題集付き)徹底攻略Cisco CCNA問題集[200-301 CCNA]対応
CCNA試験の資格取得のための参考書として(模擬問題、スマホ問題集付き)徹底攻略Cisco CCNA問題集[200-301 CCNA]対応が挙げられます。
この参考書の特長として各問題毎の丁寧な解説や模擬問題1回分(ダウンロード版)の提供などがあります。
さらに、通勤・通学中も学習できるようスマホ問題集や132問の模擬問題も掲載されていますので、通勤や通学をしている方はもちろん、CCNAの問題は徹底的に解きたい方におすすめの参考書です。
6.まとめ
本記事では、CCNAの試験時間や試験範囲、合格率、難易度などの試験詳細からCCNAを習得するメリットやデメリット、CCNAの資格に合格するためのおすすめ勉強サイトや参考書の紹介などを解説しました。
CCNA試験はネットワークエンジニアの技能を認定する資格試験であり、ネットワークエンジニアとして取得しておきたい資格の1つです。
近年IT業界の飛躍的な成長により、ITエンジニア全体が人材不足になっています。ネットワーク分野やスキルはどのエンジニアにおいても持っておいて損のないスキルです。
特に実務経験が浅いネットワークエンジニアや未経験でIT業界に挑戦したい方はCCNAを取得することで自分の人材価値を高められることができます。
ぜひCCNAに興味/関心がある方は、試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。