クライアントのITに関する課題解決を担う「ITコンサルタント」は、DXや職場環境の改善を行いたい企業にとって重要な存在です。ITコンサルタントが持つ知識・技術はさまざまな業界で活かせるため、今後も需要の高い職業となるでしょう。
そんなITコンサルタントとして働く際には、会社に出社せず「リモートワークで仕事をする」という選択肢もあります。リモートワークにおけるメリットを活かすことで、自身の業務の効率化やスキルアップにもつなげられるでしょう。
本記事では、ITコンサルタントにおけるリモートワーク事情について詳しく解説します。リモートワークの際に必要なスキル、成功のポイント、注意点などを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
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1.ITコンサルタントはリモートワークできる？
ITコンサルタントはリモートワークで働くことが可能な職業であり、実際に多くの案件・求人が紹介されています。リモートワークが自分に合っていると思うのなら、転職やフリーランスへの独立によって働き方を変えることも考えられます。
以下では、ITコンサルタントがリモートワークで働く方法や将来性について解説します。
リモートワークでもITコンサルタントの業務はこなせる
結論としてITコンサルタントは、リモートワークでも働けます。会社に出社しなくても、求められる業務の対応は可能だと言えるでしょう。例えばクライアントへのヒアリングや課題の抽出作業、分析と提案などは、リモートワークでも問題なく行えます。
ITコンサルタントはプロジェクトを牽引する管理業務も担当しますが、リモートワーク環境が整っていれば、各種管理も社外から対応できます。リモートワークで仕事を進めたいITコンサルタントは、条件がマッチする案件・求人をチェックしてみるのがおすすめです。
リモートワークで働くITコンサルタントの将来性
リモートワークで働くITコンサルタントは、今後も需要があると考えられます。業務をリモートワーク化することで無駄な作業が減少し、効率化を図ることも可能です。自分にあった働き方ができるようになれば、モチベーションが上がってパフォーマンスの向上につながる可能性もあるでしょう。
また、テレワークとオフィス勤務を組み合わせるハイブリッド型の働き方も考えられます。リモートワークでできることと、対面で対応した方がメリットの多い業務を分けて、臨機応変に働くスタイルも1つの方法です。例えば事務作業はリモートワークで行い、ヒアリングや会議などは出社して対面で行うなど、それぞれに合った方法を選択することも検討されるでしょう。
このようなハイブリッド型の働き方を実践できることから、リモートワークで働くITコンサルタントの将来性は高いと考えられます。
ITコンサルタントのリモートワーク案件・求人を紹介
リモートワークで働けるITコンサルタントの案件・求人は、さまざまなサービスから探すことが可能です。転職を考えているのなら転職エージェントや転職サイトを活用し、案件・求人の情報を集めることから始めてみましょう。
ITコンサルタントはフリーランスとしても活躍できる職種です。例えば「フリーランスボード」をみると、フリーランスのITコンサルタント向けの案件・求人には、以下のようなものがあります。
【PMO/SAP】素材メーカー向け基幹システム導入案件
業務委託(フリーランス)
・素材メーカー向け基幹システム導入案件にPMOとして携わっていただきます。 ・主に下記作業をご担当いただきます。 -各種管理作業(課題、予算、進捗) -インフラ知見を活かしたコンサル作業 -各モジュールやシステム間のクロス課題の整理や意思決定の支援 -会議体への参加と議事進行や取りまとめ
・SAPプロジェクトにPMOとして参画した経験 ・BASIS等のSAPインフラの知見
・製造業の知見
週5日
フルリモート |
（引用元：フリーランスボード）
【セキュリティコンサルタント】総合商社向けインシデント対応案件
業務委託(フリーランス)
・総合商社向けインシデント対応案件に携わっていただきます。 ・主に下記作業をご担当いただきます。 -SOC、CSIRTの改善支援 -サービス領域拡大のための個別施策の立ち上げ、実行支援
・セキュリティコンサル経験 ・有事のインシデント対応経験 ・調査や対応状況をドキュメント化した経験 ・サイバーセキュリティに関する基礎知見 ・プロジェクト管理経験(規模問わず)
週5日
一部リモート可 |
（引用元：フリーランスボード）
ITコンサルタントの年収はどれくらい？
求人ボックスを参考にすると、ITコンサルタントの平均年収は正社員で643万円です。国税局の「令和５年分 民間給与実態統計調査」では、正社員の平均年収は530万円となっています。全職種の平均年収よりも、ITコンサルタントの年収は高いことがわかるでしょう。
また、フリーランスのITコンサルタントの年収を確認してみましょう。
「フリーランスボード」を参考にすると、2025年6月時点でフリーランスのITコンサルタントの年収は1,291万円（月額平均単価は107.6万円）です。単価100万円台の案件・求人一覧は2,289件あるため、年収1,000万円以上を稼げる可能性はあるでしょう。
フリーランスのITコンサルタントの案件・求人におけるリモートワーク比率は、フルリモートが25.4%、一部リモートが56.3%です。81%以上の求人がリモート対応しており、高報酬やリモートワークを希望している方はフリーランスのITコンサルタントになることをおすすめします。
2.リモートワークで重要となるITコンサルタントのスキル
リモートワークをするには、ITコンサルタントが持つスキルをフル活用して仕事に臨む必要があります。場合によっては自信のスキルを見直し、リモートワークで通用するようにアップデートしていくことも求められるでしょう。
以下では、リモートワークで重要視されるITコンサルタントのスキルについて解説します。
全体を統括するマネジメントスキル
ITコンサルタントがリモートワークをする場合、全体を統括して適切にリードするマネジメントスキルが必要です。マネジメントスキルはITコンサルタントに欠かせないものですが、リモートワークではさらに重要視されるようになります。
リモートワーク中はクライアント企業との物理的な距離が遠いため、普段と同じ感覚で業務を行っていると問題を見逃してしまい、プロジェクトの進行に支障が出るケースが懸念されます。リモートワークでは従来よりもこまめに周囲の状況をチェックしながらマネジメントを実施し、問題を早期に発見することが大切です。
タスクや時間を管理するスキル
リモートワークでITコンサルタントの業務を行う際には、自己管理も重要となります。日々のタスクや時間をコントロールし、適切に管理してスケジュールを調整するスキルが求められるでしょう。また、リモートワーク中の時間を無駄にしないためにも、目標設定をしっかりと立てて何を優先すべきなのか明確にすることも大切です。
リモートワーク中の業務は、基本的に自主的に対応していく必要があります。そのため明確な目標がなく、抱えているタスクの優先度も不明瞭な状態だと、効率的な業務ができなくなる恐れがあるでしょう。
また、ITコンサルタントは自分だけでなく、チームやプロジェクトの管理も仕事です。リモートワーク環境だと相手の顔が見えない時間が長いため、適切な管理をするには率先して情報を収集し、マネジメント業務に活かしていく姿勢が求められます。
直接会わずに正確なコミュニケーションを取るスキル
ITコンサルタントには、コミュニケーションスキルが欠かせません。リモートワーク時にもそれは変わらず、周囲とのコミュニケーションを通して人間関係を構築していく努力が求められるでしょう。しかし、リモートワークでは、一般的な形でのコミュニケーション手段が最適とは言えなくなるケースもあります。
基本的にリモートワークでは、チャットツールや会議ツールなどを用いてコミュニケーションを取ります。物理的な距離はもちろん、心理的な距離も遠くなるため、ITコンサルタントとして信頼されるのが難しくなる恐れがあります。
周囲からの信頼を得られないと、クライアントが求める成果を出すためのアクションができなくなり、結果的に自身の評価を落とすことにもつながり得ます。そのためリモートワークで働く際には、直接会わずに相手の心理を読み取り、適切な言葉をかけるコミュニケーションスキルが求められます。チャットでの言葉の選び方や、ビデオ通話中の表情の作り方などを工夫して、信頼されるITコンサルタントを目指すのが重要です。
3.ITコンサルタントがリモートワークで成功するポイント
ITコンサルタントがリモートワークで成功するには、いくつかのポイントをふまえたうえで行動していく必要があります。以下では、ITコンサルタントがリモートワークで成功するポイント・コツについて解説します。
リモートワークに役立つ最新ツールを活用する
ITコンサルタントがリモートワークで働く際には、最新ツールを活用することが1つのポイントです。業務効率化につながるツールを積極的に導入することで、目標達成を近づけられるでしょう。例えばWeb会議ツール、タスク管理ツール、チャットツール、クラウドシステム、業務可視化ツール、1on1ツールなどがITコンサルタントの業務に活用できるでしょう。
ただツールを導入するだけでなく、その機能をしっかりと使いこなすことも大切です。マニュアルを参照しつつ、実際の業務で活用し、最適な使い方を模索していくと良いでしょう。有料のツールを使用する際にはまずトライアルで使い心地を試し、自分の業務でその機能を活かせるか確認しておくのも重要です。
リモートワークで役立つツールは、プロジェクトに関わる人たちと一緒に使うのが基本です。ITコンサルタントとして導入までの手順や利用方法をスムーズに伝えられるように、簡潔なマニュアルを作成することも考えられます。
リモートワーク専用の労働環境を整備する
リモートワークで働くのなら、専用の労働環境を構築することが望ましいです。仕事に集中できる部屋を作ったり、自宅で使えるパーテーションを購入してプライベートの空間と切り離したりといった方法が考えられます。在宅勤務をする場合、プライベートと仕事の時間をきちんと分けることが重要です。2つの境界線が曖昧な状態だと、仕事だけに集中できずにミスを引き起こす原因になり得ます。
一方で仕事だけに時間を使っていると、心休まるときがなく疲労が溜まってしまいます。これまで通りプライベートも充実させ、リフレッシュして仕事に臨むことがポイントです。
自宅で働くことが難しい場合には、コワーキングスペースなどを活用する方法もあります。コワーキングスペースにはWi-Fiや電源、仕事に集中できる個室などが用意されています。環境を変えた方が集中できるという場合には、積極的にコワーキングスペースなどのようなサービスを使うのもおすすめです。
ITコンサルタントの知識・技術の習得に時間を活用する
リモートワークで働く場合、ITコンサルタントの知識・技術の習得に時間を使っていくこともポイントです。リモートワークでは通勤などの手間が削減されるため、その分自由に使える時間が増えます。自由な時間をどう使うかは人によりますが、将来を考えるのならスキルアップに活用し、ITコンサルタントとして成長するチャンスに変えていくと良いでしょう。
ITコンサルタントが担当する領域では、日々技術が進歩しています。過去の知識・技術を使う方法が最適解ではなくなることも考えられるため、率先して最新スキルを学んで自分自身をアップデートしていくのがおすすめです。
トライアンドエラーを繰り返す
リモートワークで働くことに慣れないうちは、さまざまな失敗をすることもあるでしょう。しかし、そこで挫折せずに、失敗の原因と次につながる対策を考案することが重要です。トライアンドエラーを繰り返し、ITコンサルタントにとっての最適なリモートワークでの働き方を探していくスキル・姿勢も、重要な能力となるでしょう。
「失敗＝評価を下げる」という認識が強いと、自発的な行動を起こしづらくなります。しかし、消極的な姿勢ではITコンサルタントとしての役割を果たせず、逆に評価を下げる結果につながる可能性があります。失敗を避ける意識が自分にあると思うのなら、まずはその感覚を取り払い、トライアンドエラーを軸に仕事をするように意識してみましょう。
4.リモートワークで注意すべきITコンサルタントの働き方
リモートワークで働くITコンサルタントは、注意点を把握したうえで最適な仕事方法を考案していくことも大切です。以下では、ITコンサルタントがリモートワークをする際に注意すべきことを解説します。
1人で問題を抱え込まない
リモートワークで働く際には、周囲に人がいない環境になるケースもあります。問題が発生しても相談できる人がいないこともあるため、1人で抱え込んでしまうこともあるでしょう。しかし、問題の内容次第では、ITコンサルタントだけで解決できない可能性もあります。1人で抱え込んだ結果、問題の解決が遅れてプロジェクトに支障が出ることも懸念されるでしょう。
プロジェクトの規模や管理する人の数が多いほど、問題の数も増加する可能性があります。ITコンサルタントは適宜問題と向き合い、必要に応じて周囲に助けを求めることも重要です。
周囲のフォローも忘れない
リモートワーク中はつい自分のことだけに意識を向けがちですが、ITコンサルタントとして働くのなら周囲のフォローも意識しなければなりません。業務の進捗だけでなく、チームメンバーのメンタル部分もチェックし、必要に応じて対応策を検討することが大切です。
リモートワークという働き方に適応することばかり考えていると、周囲と足並みを揃えるのが難しくなってしまう可能性があります。フォローが必要な部分をいち早く察知し、対策を考えることも忘れないように注意しましょう。
健康面に注意する
リモートワークで働く場合、健康面に関する要素にも注意が必要です。リモートワークでは運動不足など、さまざまな健康リスクを抱える可能性があります。特にプライベートも自宅にいることが多い人は、外出する機会が極端に減少し、運動不足に陥るリスクが懸念されるでしょう。
また、1人で働き続けることによるメンタルへの影響にも注意が必要です。慣れないリモートワークで孤独感を覚えると、強いストレスを受けるケースがあります。ストレスを放置していると大きな問題に発展してしまい、休職を余儀なくされることもあり得るでしょう。
自分の健康を守れるのは自分自身なので、普段から体調に気を配っておくのも大切です。
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5.まとめ
ITコンサルタントは、リモートワークでも働くことが可能です。リモート環境で対応できる業務があるため、効率化を図るためにフルリモートの案件・求人に応募し、転職することも1つの選択肢になるでしょう。
一部の業務だけリモート化し、残りの部分は従来通りに働くハイブリッド型の労働スタイルも考えられます。さまざまな形で働けるのがITコンサルタントの魅力の1つになるため、この機会にリモートワークで仕事ができる環境に移行してみてはいかがでしょうか。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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