【この記事の結論】
・パラメータは、ITや数学などで使われ、URLや関数の変数を指す用語です。
・URLパラメータは、URL末尾に付加しアクセス解析で流入元を判別します。
・URLパラメータは「?」で区切り「=」で値を渡し「&」で複数結合します。
・URLパラメータはGoogleアナリティクスで広告や検索の効果測定に活用されます。
・URLパラメータで重複コンテンツを避けるにはcanonicalタグが有効です。
日常的にパラメータという言葉を聞く機会があります。しかし、WEBやプログラミングなどでパラメータが使われていても、それが具体的にどのような用語で、WEBではどう活用されているのか、知らない方もいるでしょう。
そこで本記事は、パラメータの意味やURLの作り方、活用方法について解説します。
目次
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1.パラメータとは
パラメータは、ITや数学などさまざまな分野で使われている用語の1つです。そこで以下に、パラメータの意味や種類について説明します。
パラメータの定義や意味
パラメータは、英語表記で「Parameter」をカタカナ読みした外来語です。日常的には「設定値」や「能力値(ゲーム分野)」などの意味として使われます。しかし、工学や数学の専門分野では「変数」「引数」などの意味で使われるものです。
パラメータを使う分野
パラメータを使う専門分野は、数学やプログラミングなど幅広く存在します。具体的には、以下の分野が代表的です。
数学
プログラミング
WEB技術
ゲーム・メディア
その他、パラメータが用語にある分野
例えば、数学のパラメータは、関数の座標点で時間変数をあらわすときに「媒介変数(パラメータ)」として使います。中学から数学を学んできた日本人が「媒介変数」の呼び方に馴染みのない理由としては、「媒介変数表示」を習う時期が高校の数学B・Ⅲ(ベクトル・平面曲線)で、わずかな学習時間のみだからです。
他にも、プログラミングの関数・メソッドやWEB技術のURLに使用するパラメータなどもあります。それから、ゲームやキャラクター作品に出てくる主人公の設定値をパラメータと呼ぶこともあります。
パラメータの種類
パラメータは、IT分野の中でも特にWEB技術とプログラミングでよく使われています。この2つは大きく2種類に分けられており、それが「URLパラメータ」と「関数のパラメータ」です。以下に2つのパラメータを詳しく説明します。
URLパラメータ
WEB技術では、検索のキーワードを引き渡しする際やWEBアプリケーションのツール処理に「URLパラメータ」を変数として渡しています。そこからさらに2つの分類が可能です。
パッシブパラメータ
アクティブパラメータ
「パッシブパラメータ」は、アクセス解析で使われるパラメータです。表示コンテンツを変えずに、内部処理で受け渡しをすることができます。
一方、「アクティブパラメータ」は、受け取ったパラメータ(ユーザー名や色彩など)の情報から、表示するWEBコンテンツを変えるものです。ちなみに、1つのページに複数のURLができるのは、このアクティブパラメータを使うためです。
関数のパラメータ
次に、プログラミングでは、関数やメソッドで引数として渡される変数のことを関数のパラメータと呼びます。「パラメータ」と積極的に呼ぶ人もいれば、「変数」とだけ使うエンジニアや技術者もいます。
そのため、IT業界全体がパラメータで用語統一しているわけではなく、あくまでも呼び方の1つに認識されているものです。
2.パラメータの使い方
ここでは、実際の2種類のパラメータの使い方について説明します。
URLパラメーターの場合
まず、URLパラメーターは、本来のURLの後ろに追加して使われているものです。WEBアプリケーションやWEBサーバでは、情報をURLの形で送信します。
例えば、広告を掲載した際に、効果測定で「アクセスが最も高い広告はどれだったのか?」と気になることがあるでしょう。しかし、日本語のページ名とアクセス数だけでは、広告ごとの流入の違いはわかりません。
そこで、URLパラメーターからこの違いを分析すれば、末尾についている英数・記号の違いで広告ごとのアクセスを比べることができます。
広告を区分する場合、例えば「https://www.example.com/」のURLとサイトがあったとしたら、その後ろに広告用のURLパラメータを付けます。
サイトの基本URL + URLパラメータ
「https://www.example.com/page」+「?ad=A」 → https://www.example.com/page?ad=A |
上記のように、アクセス解析では末尾のURLパラメーターを使って流入元を区別しているのです。
プログラミングの場合
プログラミングでは、関数やメソッドの変数としてパラメータを使います。コードの中で変数を受け取って、それを計算や表示など、メソッドの実行に使うものです。
例えば、代表的なJavaでは、変数の値を外部から受け取って処理するメソッド(関数)を次のように用意します。
public class Main { public static void print(int a) { System.out.println(a); }
print(2); } } |
この例では、整数の場合に「int a」を使って引数を受け取っています。これがパラメータです。
パラメータを入れた「public static void print(int a)」は外部からの受取と処理を基本とするものです。そのため、「println()」のシステムメソッドの処理に必要な数値「2」が引数となります。今回はシンプルなJavaコードのみです。
そして、パラメータは()内に入れて宣言されるのが一般的です。「int a」をパラメータと呼んではいますが、専門的にはこれを「仮引数」と呼びます。引き渡す具体的な値(2)は、「実引数」と区別してプログラミングでは呼称するのです。
3.URLパラメータを作成するときのコツ
プログラムの場合は、プログラミング言語によって書き方も変わります。言語選択によって、それにあった外部からの引数を受け取るコードを書きます。
例えば、WEB系ではJava以外にもJavaScriptやPHPなどのコードで受け取る方法があります。そのため、個々に外部の引数の処理を学べば問題ありません。
しかし、URLパラメータを作成する場合はいくつかのルールのもとで正しく記述する必要があります。以下に作成のコツを3つ取り上げます。
「?」の後ろにパラメータを与える
1つ目のコツは、「?」を付けてパラメーターを与えることです。しかし、URLパラメータを付けるためには、URLの基礎を理解しておく必要があります。
なぜなら、URLパラメータはサイトのドメインやディレクトリのパスの後に「?」で区切る必要があるからです。それぞれが何を意味しているのかを把握することが求められます。
https://www.example.com/page?ad=A |
先に挙げたURLの場合、「https://」がプロトコルです。
プロトコル
プロトコルとは、WEBサイトを閲覧するための通信手段の決め事(約束)です。httpsなら「その方法でアクセスせよ」とサーバーに命令(リクエスト)しています。
httpsは「http」のプロトコルに暗号化を施すため、より安全な方法でアクセスが可能です。現在では、ブラウザでWEB閲覧する場合に、このhttpを安全にした暗号化のhttpsをサイトに使うことが基本です。
Googleではすでに安全対策されていて、Chromeで閲覧する場合、暗号化していないhttpのサイトはアクセス確認のデフォルト画面が表示されます。ブラウザ開発者がhttpsを推奨していることがわかるでしょう。
ドメイン名
次に、サイトによって変わる「www.example.com」の部分がドメインです。サーバーはネットの中に多く存在しており、それをIPアドレスによって区別しています。
つまり、ドメイン名はそれらを住所として区別し、ドメイン名が「名前(IP)」に変換して認識しています。ドメイン名を指定することで、場所を特定してその名前のサーバにアクセスを求めているのです。
メインのドメインに加えて、さらに階層化したサブドメインやディレクトリがURLの後ろに付く場合があります。
ページパス
ドメイン名で終わらずに、ドメイン名の後ろに付くものにページパスがあります。パスとは、そのドメインの中で、さらにファイル(画像やCSSなど)にアクセスするための「道」を意味するものです。
パスには「絶対パス」と「相対パス」があり、状況によって使い分けます。絶対パスがフォルダやファイルを基準に指定するのに対して、相対パスはページを基準に指定します。
そして、URLの後ろに「?」を入れて書くのがURLパラメータです。URLパラメータを作りたいときは、「?」を書いた後に「ad=A」のように必要なパラメータを書き足せばよい、ということになります。
「=」でパラメータに値・文字列を渡す
2つ目のコツは、「=」でパラメータの具体的な名前を決めて、変数に値や文字列を渡すことです。例えば、「utm_source=」で値・文字列の指定をした場合、「source」がパラメータとなって、どのサイトから流入したか解析ツールで判別できます。
Googleアナリティクスでは、これを「UTMパラメータ」と呼びます。サイトからの流入以外にも、連動型キーワード検索(utm_term)やメディア(utm_medium)、広告(utm_content)の流入元を探ることができます。
「&」で複合パラメータを結合
3つ目のコツは、2つ以上のパラメータを出す場合は、「&」を使うことです。例えば、「utm_source」や「utm_medium」、「utm_campaign」の3つでURLパラメータを作りたいときは、3つを「&」で結びつけて以下のように書きます。
https://www.example.com/page?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=summer2025 |
上記は「&」を使って3つのパラメータを1つのURLに結合しています。アクセス解析を使えば、Googleの流入やそのCPC広告、キャンペーンの流入をパラメータから知ることができます。
5つあるパラメータの中で、解析には上記3つが必須とされています。逆に「utm_term」や「utm_content」の2つは任意です。ただし、ツールによっては「utm_campaign」が不要なケースもあるため、最低でも「utm_source」と「utm_medium」の2つは「&」を使ってパラメータに入れましょう。
4.URLパラメータを使用する際に注意すること
URLパラメータの使い方を押さえたら、今度は使用時の注意点について留意します。そこで以下に2つの注意点を取り上げます。
正しいコードの記述と変換
1つ目の注意点は、URLパラメータを正しく記述しないと問題が発生することです。
例えば、URLパラメータ部分の文字や値は、日本語ではなく、英数字記号のみで書きます。日本語で書いてしまうと文字化けの原因となるためです。
次に、記号や全角の文字の変換を正しく行うことです。特に「?」「=」「&」の3つは、特別な意味を持つ記号です。この3つを文字や値の意味で使ってしまうと正しくURLパラメータを識別できなくなります。
ちなみに、スペースなども使用不可です。URLエンコードでこれらの記号が含まれる場合は書き直して、エンコードで使う記号のときだけ直接「?」「=」「&」と書くように区別しましょう。
その際、記号は数が少ないですが、全角は数や種類が多く手動作業は大変なため、変換時はツールを活用すると効率的です。
コンテンツの重複を避ける
2つ目の注意点は、URLパラメータを作成した場合に、検索エンジンが重複コンテンツと判断することです。同じページで別のURLが複数あることは、ミラーサイトといって検索順位にマイナスの影響を与えます。
URLパラメータは、正しく対策しないと1つのコンテンツを複数の同じコンテンツがあると誤認します。当然、複数あるとみなされたページは、どれを表示すべきか迷うため、ユーザーにとっても使いにくい原因となるのです。最近は検索エンジンの精度が上がっているため、そこまで心配は不要ですが、いまだに対策としては有効です。
そこで正しい対策としては、まず「canonicalタグ」を利用することです。検索エンジンに正規のURLを指定することでクローラーが迷わなくなります。検索エンジンは、タグを設定したコンテンツのみ評価するため、ミラーサイト(コピーコンテンツ)の判定を受けることもありません。「本物はこのURLのページ1つだけです」とクローラーに示せるのです。
廃止された方法「URLパラメータツール」
また、2022年以前は別の対策方法として無償提供されている「Google Search Console」の機能「URLパラメータツール」を使うケースもありました。これは、パラメータの部分だけをURLから除去し、クローラーの拒否が可能というものです。
しかし、2025年現在は機能の統廃合でなくなり機能提供のサポート自体も終了となっています。そのため、GA4のURL生成ツールか他の民間提供の生成ツールを使用しましょう。
5.パラメータの活用の仕方
パラメータには、現場で実際に活用する方法があります。ここでは、パラメータの活用の仕方を具体的に紹介します。
Googleアナリティクスのサイト・広告の効果測定
まずはURLパラメータの活用でよく使われる先がGoogleアナリティクス(GA4)の解析や効果測定です。具体的には、広告や検索からのアクセス数を調べます。
例えば、以下のようなケースです。
サイトをA/Bテストする
キャンペーンや広告から集客が見込める方法を選択する
ユーザーのマルチチャネル流入元を特定する
メルマガの開封率やアクセスなどを知る
上記ではA/Bテストや結果分析を通じて、アクセスやコンバージョンの効果が高いほうを調べることができます。
また、メール配信やSNSなど文面とURLを組み合わせて知りたいユーザーアクションを調査するための手法としても使えるのです。
パラメータツールによるURL生成
パラメータを活用するためには、パラメータをツールなどで生成する必要があります。Google公式提供の「Campaign URL Builder」は代表的なツールです。
このツールの場合、「参照元(utm_source)」と「メディア(utm_medium)」の2つのパラメータが必須で、キャンペーンの3つ目以降は任意となります。これらとサイトURLの情報を組み合わせて、自動で簡単にパラメータ付きのURLを作成することができます。
作成後はアクセスしてそのHTMLにタグ「gtag('config', 'G-◯◯◯◯');」が設定されていることを確認します。
しばらくしてアクセスデータの反映をツールから確認し、問題なくURLパラメータの設定が確認できたら完了です。通常、反映には時間がかかるため、設定後にノータイムで確認はできないことに注意が必要です。
このパラメータのデータを集めて目的の解析や広告の効果測定などに活用します。
ただし、URLパラメータは除去して表示する機能を使っていない限り、ユーザーの目に止まることがあります。そのため、IDや値を設定するときは、ユーザーの不快にならないものにすることです。
あからさまな名称の設定はURLを見たときにパラメータの知識があるユーザーならその意味がわかります。無難な名称を設定して、外部閲覧にも耐えられるURLパラメータにしましょう。
6.パラメータのよくある質問
ここでは、パラメータについてよくある質問に回答します。
パラメータの言い換えは?
パラメータの言い換えは、日本語に多く、逆に外来語は少ないことで知られています。
まず、日本語では統計分野の「母数」や数学の「媒介変数」、ゲームの「設定値」などが言い換え可能です。
プログラムでは「変数・引数」、その外来語の「アーギュメント」(変数や値のカタカナ読み)などがあります。
パラメータはビジネスで何を意味する?
ビジネスの世界では、経営用語のパラメータとして目標値の条件や分析にかけるときの値を指します。しかし、経営や不動産、経済などで使うとき以外は、ビジネスでも各分野に応じた用語として使われます。
工学や算術なら数学や情報分野の意味で使われ、ITでは主にプログラミングの引き渡される変数として使われるのです。
パラメータとパラメーターはどちらが正しい?
パラメータは、語尾を伸ばさないカタカナの読み・書き方です。しかし、「パラメーター」のように語尾を伸ばすものもあります。
以前は、JISで伸ばす記号を省いた「パラメータ」が正規表現として統一されていました。しかし、現在はその規格に「ー」の使用も正式に加わり、どちらも正しい表現となっています。
他にも短くした「パラメタ」などの通称な使い方もあります。正規表現でなくてもこれで伝わることもあるでしょう。
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7.まとめ
今回は、パラメータの意味や作成のコツ、活用の方法などについて解説しました。パラメータは主にWEBやプログラミングなど幅広い分野で使われており、特にWEBやマーケティングにおいてアクセス解析の技術としてURLパラメータが有名です。
URLパラメータを活用することで検索や広告のアクセスデータを取得できます。その際、結果を利用してマーケティング戦略に反映できるなどの魅力があります。以上を参考に、パラメータを上手く使ってサイト集客などの効果測定をしましょう。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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