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IT検証技術者認定試験とは?試験詳細やレベルごとの難易度、合格者数、勉強方法を解説

公開日:2024/12/20最終更新日:2024/12/20

「テスターとしての実力を証明したい」「ソフトウェアの品質向上に役立ちたい」とお考えであれば、IT検証技術者認定試験の合格に向けて、キャリアクラスごとに段階的に学んでみてはいかがでしょうか。


IT検証技術者認定試験は実務に近い解答形式になっており、エントリーレベルのアシスタントから、最高難易度であるエバンジェリストを目指して勉強していくことで、ソフトウェアテスト分野での実力の証明や活躍に役立つことは間違いありません。


今回はIT検証技術者認定試験に関する基礎知識や詳細情報、IT検証技術者認定試験の資格取得のメリット・デメリット、IT検証技術者認定試験合格のための参考書の選び方や勉強方法についてお話しします。

目次

1.IT検証技術者認定試験に関する基礎知識

はじめにIT検証技術者認定試験に関する基礎知識について解説します。

IT検証技術者認定試験とは

IT検証技術者認定試験とは、一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)が認定するテストエンジニアとしての知識やスキルが問われる検定試験です。

  • アシスタント

  • テスター

  • デザイナー

  • アーキテクト

  • エバンジェリスト

上記はIT検証技術者認定試験のキャリアクラスです。それぞれのキャリアクラスの受験に対し、前提となる合格条件はないものの、入門レベルであるアシスタント、テスター、デザイナー、アーキテクト、エバンジェリストへと段階的にポジションがアップしていくということは覚えておきましょう。


ソフトウェア開発やシステム開発における品質管理の重要な役割として、テスターやテストエンジニアは必要不可欠な存在です。IT検証技術者認定試験の合格に向けて勉強していくことで、仕様書通りにプロジェクトが進められているか、クライアントの要望に応えられているか、何よりもバグや脆弱性によって安定性を欠いていないかなど様々な分野のテストによって品質を確保するための知識やノウハウなどを学ぶことができます。

IT検証技術者認定試験に実務経験は必要か

IT検証技術者認定試験は受験資格、もしくは前提として実務経験の証明は必要ありません。ただし、エバンジェリストにおいては、受験前に事前審査があり、その項目の中に「テスト関連の活動履歴と発表論文・書籍や講演資料など公的な資料1点を添付」という記載があることから、直接的な実務経験ではないものの実績を証明する必要があります。


その他のキャリアクラスにおいては、実績の証明は必要ないものの、シラバスや過去問の内容的には実務経験に近い知識、もしくは問題発見能力、問題解決能力、問題の言語化、解決策の言語化なども必要となるため、実務経験があった方が合格に有利になるということはあらかじめ留意しておいてください。

IT検証技術者認定試験の合格で目指せるキャリア

上記がIT検証技術者認定試験の合格で目指せるキャリアの一例です。ソフトウェアテスト、ソフトウェアの品質向上を基軸としたキャリアが目指せるようになっており、プロジェクト内でのテスト責任者、セキュリティエンジニアや外部コンサルタントとしての活躍も目指せます。


また、エンジニアとして活躍したいと考えた場合において、品質を意識して作業や業務に取り組める人材は市場価値が高いことから、転職による年収アップ、ポジションアップなどを狙いたい方にもおすすめの検定試験と言えるでしょう。

2.IT検証技術者認定試験の詳細情報

次にIT検証技術者認定試験の詳細情報について解説します。

IT検証技術者認定試験の詳細

・アシスタント

クラス

アシスタント

試験会場

インターネット環境が整った自宅や勤務先で試験期間中いつでも受験可能

試験日時

随時開催

試験時間

60分

出題形式

選択式(インターネットでのPCによる解答)

出題数

40問

合格基準

非公開

受検料

7,700円

前提資格

特になし

試験結果

試験終了後、即合否結果を確認

上記がIT検証技術者認定試験アシスタントの詳細です。オンラインで受験できることから、シラバスをチェックした上で合格できそうであれば一番に挑戦したいキャリアクラスと言えます。

・テスター、デザイナー、アーキテクト

クラス

テスター

デザイナー

アーキテクト

試験会場

札幌、岩手、東京、名古屋、大阪、沖縄

試験日時

春期・秋期の年2回、公式ページで要確認

試験時間

120分

出題形式

記述式(試験会場でのPCによる解答)

出題数

非公開

合格基準

非公開

受検料

17,600円

19,800円

22,000円

前提資格

特になし

試験結果

試験終了約2ヶ月後、マイページにて公開予定

上記がIT検証技術者認定試験アーキテクト、デザイナー、テスターの詳細です。

春期と秋期の年2回の開催であるため、シラバスなどをチェックしながら合格できるよう十分に準備しておきましょう。


また、異なるキャリアクラスを併願することも可能ですので、実務経験のある方、もしくは自信のある方は一度に挑戦してみることも検討してみてください。

・エバンジェリスト

クラス

エバンジェリスト

日時

春期・秋期の年2回、公式ページで要確認

審査形式

論文審査

・A4-2枚2400文字以内

・書式は自由

合格基準

非公開

受検料

27,500円

前提資格

特になし

※前提資格はないが受験の際に事前審査が必要

1.受験者属性:受験者氏名、会社名又は団体名、メールアドレス、略歴、応募理由、受験カテゴリ、専門領域

2.本人証明:写真付きの公的な本人証明書の画像

3.実績:テスト関連の活動履歴と発表論文・書籍や講演資料など公的な資料1点

試験結果

試験終了約2ヶ月後、マイページにて公開予定

上記がIT検証技術者認定試験エバンジェリストの詳細です。エバンジェリストについては、年2回の認定期間及び申し込み期間があり、事前審査を経た上で論文審査に挑戦する流れになります。


会場に出向いての試験などはありませんが、論文を提出する必要があるため時間的なコストが必要になるということは留意しておきましょう。

IT検証技術者認定試験の出題範囲・難易度・勉強時間

・アシスタント

目次

テストエンジニアの業務

テスト技法

テストマインド

テスト自動化

IoT関連

参考元:https://www.ivia.or.jp/uploads/ckfinder/media/2/syllabus_assistant300.pdf


上記がIT検証技術者認定試験アシスタントの出題範囲となるシラバスのURLと目次です。入門レベルでもあるため、基礎的な知識やテストに関する全般の理解が含まれる内容となっています。初めて資格試験に挑戦される方、もしくはテストに関する試験が初めての方はシラバスをまずはチェックしましょう。


アシスタントの難易度については、シラバスを前提とした上で、試験時間が60分、問題数が40問であることを考えるとIT検証技術者認定試験の中では難易度が低い部類に入ります。ただし、基礎的な部分を網羅的に理解する必要があるため、アシスタントのレベルでつまづく場合はITの基礎から学び直すことも検討してみてください。


おおよその勉強時間については、ITの基礎が身についている方で50時間から100時間程度、ITの基礎が身についていない場合はさらにプラス30時間から50時間必要になると見込んでおきましょう。

・テスター

汎用テスト知識・スキル

専門テスト知識・スキル

4.1.テスト実行計画

4.2.テスト環境準備

4.3.テスト仕様書の準備

4.4.テスト実行

4.5.テスト実行記録

4.6.不具合報告

4.7.テスト実行報告

4.8.プロジェクト管理(個人進捗管理も含む)

5.1.テスト自動化

5.2.IoT関連

参考元:https://www.ivia.or.jp/uploads/ckfinder/media/2/syllabus_tester310.pdf


上記がIT検証技術者認定試験テスターの出題範囲となるシラバスのURLと目次です。アシスタントのレベルよりも一歩踏み込んだ内容になること、試験も記述式になることから難易度は必然的に高くなるでしょう。公式にはテスターはテスト実行者として「テストケースを理解し、テスト実行や不具合報告、テスト実行の取りまとめを行う」のが役割とされています。


おおよその勉強時間については、アシスタントの合格を前提として、100時間から200時間を見込んでおくと良いでしょう。難易度的には実務経験の浅い方、これからソフトウェアテストの領域で活躍したいと考えている方に適切な難易度と言えます。

・デザイナー

汎用テスト知識・スキル

専門テスト知識・スキル

テスト詳細設計

・仕様の把握

・テスト対象の仕様とテスト詳細設計のトレーサビリティ

・網羅性設計①(テストアイテム抽出)

・網羅性設計②(テスト条件抽出)

・テストタイプ

テスト実装

・テスト実装①(テストアイテムとテスト条件の関連付け)

・テスト実装②(テストの実現方法の検討)

・テスト実装③(期待値設計)

・モニタ設計

・テスト環境設計

・プロジェクト管理

・テスト報告

テスト自動化

・テスト自動化の準備

・自動テストシステム

・自動テストのテスト設計

・自動テストスクリプト

・テスト自動化の管理

IoT関連

・IoT利用環境や使い方の調査と把握

・多種多様なつながり方や利用環境を考慮したテスト設計

・故障や異常の検知と復旧を考慮したテスト設計

・セキュリティやセーフティを考慮したテスト設計.

・長期安定稼働の維持に着目したテスト設計

・IoTテストの実行性と効率性の検討

・IoTテストの実行結果の分析

参考元:https://www.ivia.or.jp/uploads/ckfinder/media/2/syllabus_designer310.pdf


上記がIT検証技術者認定試験デザイナーの出題範囲となるシラバスのURLと目次です。デザイナーはテスト設計者として「テスト詳細設計からテスト実装まで行う」のが役割とされており、プロジェクトやソフトウェアテストに関する実務経験、もしくは上位のポジションを狙う方に向いている難易度と言えます。


おおよその勉強時間については、テスターに合格していることを前提とし、100時間から200時間、半年から1年程度を見込んでおくと良いでしょう。実務経験の証明は必要ではないものの、実務に近い理解が求められることから、アシスタントやテスターの合格で実務経験を経た上で受験に挑戦してみても良いかもしれません。


・アーキテクト

テスト要求分析

テストアーキテクチャ設計

テスト評価

・テスト要求分析の準備をする

・テスト要求を獲得する

・テスト要求を分析する

・テスト要求分析成果物を作成する

・テスト要求分析成果物を検証する

・テスト要求分析成果物を準備する

・テストベースを準備する

・アーキテクチャスタイルに関する要求を獲得する

・アーキテクチャスタイルの要求を分析する

・アーキテクチャスタイルを選択する

・テスト全体の構造を設計する

・テスト全体のバランスを調整する

・テスト環境の構築方針・方法を検討する

・テスト詳細設計の指針・原則を検討する

・テストアーキテクチャ設計成果物を作成する

・テストアーキテクチャ設計成果物を検証する

・テスト報告書を準備する

・テスト活動全般の情報を収集する

・テスト活動を分析する

・前回の改善項目の達成率を評価する

・分析結果と評価指標を比較する

・改善点(良かった点・悪かった点)を抽出する

・改善策を検討する

・テスト評価報告書を作成する

・テスト評価報告書を開示する

参考元:https://www.ivia.or.jp/uploads/ckfinder/media/2/syllabus_architect300.pdf


上記がIT検証技術者認定試験アーキテクトの出題範囲となるシラバスのURLと目次です。アーキテクトはプロジェクトリーダーとして「テスト要求分析とテストアーキテクチャ設計、プロジェクト管理を行う」ことを役割とされており、会場での試験において最高難易度の内容になることが推測されます。


単なるテスターやテストエンジニアとしてだけでなく、プロジェクト、マネジメント、その上でソフトウェアの品質管理、安定性や安全性などの考慮や理解ができる必要があり、シラバス的にはおおよその勉強時間は100時間から200時間だと考えられますが、前提条件ではないものの実務経験がないと合格は難しいでしょう。


そのため、テストエンジニアとしての経験を経て、プロジェクトの実績を積み、中長期的に合格に向けて勉強していくことをおすすめします。

・エバンジェリスト

小論文

・専門性:受験カテゴリ及び専門領域との適合性、専門家としての資質など

・論理展開:小論文の論理展開の明確性、新規性や有用性、広い知見、深い洞察など

・伝道師:テスト業界の伝道師としての資質など(今後の活躍が期待できるかなど)

実績

・活動履歴:受験カテゴリ及び専門領域との適合性、情報の信憑性など

・公的資料:受験カテゴリ及び専門領域との適合性、新規性や有用性、広い知見、深い洞察など

参考元:https://www.ivia.or.jp/uploads/ckfinder/media/2/syllabus_evangelist300.pdf


上記がIT検証技術者認定試験エバンジェリストの出題範囲となるシラバスのURLと審査観点です。エバンジェリストは研究者、伝道師として「新技術開発、市場拡大、テスト業界のプレゼンス向上の活動を行う」のが役割とされています。


実績などの事前審査とともに、小論文による審査となるため、難易度と言うよりも、実績があるかどうか、ソフトウェアテストに関する知識や理論だけでなく、自分自身の言葉で実力を証明できるかが鍵となるでしょう。


ソフトウェアテストに関する技術書や専門書を読み解くとともに、事前審査に通過する実績をどのように積み上げていくかによって、合格までの期間が決まるという考え方を持つようにしてください。

IT検証技術者認定試験の累計認定者数・受験者数・合格者数・難易度


・各クラスごとの累計認定者数:2024年11月30日現在のIVEC認定者数(累計)

アシスタント

 テスター 

デザイナー

アーキテクト

エバンジェリスト

106人

83人

51人

11人

6人

・各期ごとの試験結果:テスター、デザイナー、アーキテクト、エバンジェリストが対象

IVEC試験(新試験制度)

受験者数

合格者数

IVEC試験2024春期

250人

151人

上記がIT検証技術者認定試験の新試験制度からの累計認定者数・受験者数・合格者数です。


2024年度から新制度となっているため、新しいキャリアクラスとしての資格認定は希少価値が高いと言えます。個別の受験者数や合格者数が明記されておらず、合格率の算出は難しい状況です。

・各レベルごとの累計認定者数:2024年1月10日現在のIVEC認定者数(累計)

レベル1

レベル2

レベル3

レベル4

レベル5

1,089人

1,760人

341人

658人

137人

上記は新試験制度以前、2018年から2023年度までの認定者数の累計です。

現在の試験制度とは異なるものの、レベル5の人数が約5年で3桁であることを考えると、やはり上位レベルほど難易度が高く、合格に必要な経験や知識水準がより厳しいことが推測できます。

IT検証技術者認定試験の申し込み手順

  1. IVECの受験申込URLでアカウントを作成

  2. マイページにログインして受験するキャリアクラスを指定

  3. 受験の申し込み

  4. 受験料の支払い(カード決済、コンビニ決済)

  5. 任意の受験場所で受験

上記がIT検証技術者認定試験の申し込み手順です。アシスタントは自宅での受験、アーキテクト、デザイナー、テスターは試験会場に出向いての受験、エバンジェリストは事前審査と論文の提出のみになっています。


アーキテクト、デザイナー、テスター受験票を印刷し「顔写真(縦4cm×横3cm)」を貼ったものを、試験当日に持参する必要があります。エバンジェリストの場合は事前審査のタイミングで身分証明を送付する流れです。


アシスタント以外のキャリアクラスは申し込み期間内でないと申し込み専用のURLが有効にならない可能性があるため、エバンジェリストの事前審査の申し込み期間も含めて、公式ページの最新情報をチェックして、申し込みできるタイミングを確認しておきましょう。

IT検証技術者認定試験の有効期限

IT検証技術者認定試験の有効期限の設定はありません。一度合格することで将来的に履歴書に掲載することができます。


ただし、ソフトウェアテスト及び品質向上の技術も含めて、IT分野は常に進化していることから、合格したタイミングから最新の情報収集を行い、自分自身をアップデートしていくことはとても重要です。


また、時間の経過に伴いシラバスなどが変更になることもあるため、新しい試験に変更になったタイミングなどで受験することで、最新の技術や理論、手法などを学べるようになることから、定期的に公式ページや試験の開催などの情報収集をしておくと良いでしょう。

3.IT検証技術者認定試験の資格取得のメリット

次にIT検証技術者認定試験の資格取得のメリットについて解説します。

テストエンジニアとしての知識やスキルが学べる

IT検証技術者認定試験の資格取得のメリットとして、テストエンジニアとしての知識やスキルが学べることが挙げられます。入門レベルであるアシスタントから、上位のレベルに挑戦していくことで、基礎から実務で通用する実力が身につき、さらに実力の証明になるのが理由です。


特にエンジニア領域の中でもテスターやテストエンジニアは、ソフトウェア開発およびシステム開発における評価と改善を担う人材です。テストに関する知識を身につけることは品質の向上、安全性の確保に繋がるため業界内で重宝されます。


自社における開発プロジェクト、もしくは開発元ベンダーとしてのプロジェクトでの活躍も期待できるようになり、実務での経験がそのまま自身の成長とスキルアップにもつながっていくでしょう。

キャリアチェンジやポジションアップが期待できる

IT検証技術者認定試験の資格取得のメリットとして、キャリアチェンジやポジションアップが期待できることが挙げられます。ソフトウェアのテストはソフトウェアの品質に大きく関係するスキルであることから、合格によって実力の証明となることで、キャリアチェンジ、もしくはプロジェクト内でのポジションアップが可能です。


また、ソフトウェアテスト、ソフトウェアの品質向上、安定性や安全性、セキュリティに関する知識などが伸びていくことで、エンジニアとしての市場価値も高まり、将来的な年収のアップも期待できます。実務経験と共に実績が積み上がっていくようになれば、会社勤めだけでなく、フリーランスのコンサルタントとしての道も開けてくるようになるでしょう。

関連する技術の習得がしやすくなり成長につながる

IT検証技術者認定試験の資格取得のメリットとして、関連する技術の習得がしやすくなり成長につながることが挙げられます。ソフトウェアテストに関する理論や知識は、エンジニア領域の幅広い技術と関わりが深いため、勉強していく上で様々な技術分野に触れる機会が増えることが理由です。


合格のために必要となる技術を知っていくこと、興味を持っていくことでエンジニアとしての幅も広がり、さらに受験される方の得意分野と合致する技術であれば、ソフトウェアテストを基軸としたキャリア形成もしやすくなっていくでしょう。

4.IT検証技術者認定試験の資格取得のデメリット

次にIT検証技術者認定試験の資格取得のデメリットについて解説します。

資格の取得に勉強時間や受験料などのコストがかかる

IT検証技術者認定試験の資格取得のデメリットとして、資格の取得に勉強時間や受験料などのコストがかかることが挙げられます。各キャリアクラスごとのシラバスに対する勉強時間、受験料や参考書籍などの費用が発生することが理由です。


ただし、これらのデメリットは受験される方のリターンとなって返ってくるものでもあるため、積極的に投資するという意識を持つことも重要と言えます。試験に合格することで実務経験を得られる可能性もありため、キャリアチェンジなどのリターンがあるでしょう。

上位のレベルは解答形式が記述式であるため難易度が高い

IT検証技術者認定試験の資格取得のデメリットとして、上位のレベルは解答形式が記述式であるため難易度が高いことが挙げられます。アシスタントのレベルは自宅でも受験可能であり、選択式の4択問題です。


しかし上位のレベルは会場のパソコンでOpenOffice Calcを操作して記述していくため、文章力がない場合や記述に慣れていない場合は合格が難しくなるでしょう。


もちろん、入門レベルでやるアシスタントレベルだけで十分という方であれば別ですが、エンジニアとして、もしくはソフトウェアテストや品質の向上を目指す方であれば、上位のレベルの合格も必要となります。ただし、実務経験があり言語化に慣れている方、文書作成が得意な方であればデメリットにはなり得ないでしょう。

プロジェクトやエンジニア領域の実務に近い知識が必要

IT検証技術者認定試験の資格取得のデメリットとして、プロジェクトやエンジニア領域の実務に近い知識が必要なことが挙げられます。各キャリアクラスごとのシラバスの基軸はテストを中心にソフトウェアのテスト、プロジェクトマネジメント知識、エンジニア領域の知識を有していることが前提となります。


例えば、入門レベルのアシスタントの場合テストのことだけを理解していてもその他の知識を有していなければ正答することはできません。上位のレベルにおいても、理論を理解するために前提となるエンジニア領域の知識、そして言語化するためのプロジェクトや社会経験などが必要でしょう。

5.IT検証技術者認定試験合格のための参考書の選び方や勉強方法

次にIT検証技術者認定試験合格のための参考書の選び方や勉強方法について解説します。

まずは過去問にチャレンジして理解度をチェックする

IT検証技術者認定試験のための基礎的な知識があるか把握するためにも、まずは過去問にチャレンジしたい理解度をチェックすることから始めましょう。問題文の内容が理解できない、もしくは文章による説明ができない場合はシステム開発やITに関する基礎が足りていない可能性もありますので、IPAのITパスポート基本情報技術者試験の勉強から始めてみても良いかもしれません。


すでに実務経験のある方の場合はどのキャリアクラスから挑戦するべきか過去問を試してみましょう。

受験するキャリアクラスのシラバスにあった参考書を探す

IT検証技術者認定試験は公式の参考書が過去にはあったものの、現在はありません。そのため、受験するキャリアクラスのシラバスにあった参考書を探して理解を深める必要があります。


参考書を探すポイントとして、関連する書籍を見つけたら、まずは説明文や図解などの部分が自分にとって分かりやすいかどうかチェックすることです。


分かりやすい書籍を見つけたら、著者をチェックしてシラバスに該当する他の書籍や技術書、専門書があれば積極的に購入して勉強の材料にしましょう。最初は分かりやすさを重視して書籍を購入し、ある程度の基礎が積み上がったら最初は難しかった書籍も購入するようにするとスムーズに理解できるようになるでしょう。

OpenOffice CalcとAcrobat Readerに慣れておく

IT検証技術者認定試験は主にOpenOffice Calcを利用して解答していくため、あらかじめインストールして使い方に慣れておきましょう。Acrobat Readerのインストールも推奨されているため、同様にインストールしてPDFなどの資料をスムーズに閲覧できるようにしておくことも大切です。


OpenOffice Calcは一般的なオフィスソフトの表計算とほぼ同じインターフェースであるため、Microsoft ExcelやGoogleのスプレッドシートを使った方であれば、若干の見た目や機能の配置の違いをチェックするのみで十分と言えます。試験のタイミングで入力の仕方がわからない、変換などでつまづいてしまうといったことのないように、入力方式や入力の切り替えなどはしっかりと覚えておくと良いでしょう。

解答形式に合わせた文章表現ができるように特訓する

IT検証技術者認定試験は記述式の問題が主軸となっていることから、解答形式に合わせた文章表現ができるように特訓することも重要です。同様に正答がどのようなものか理解できることも前提となっているため、シラバスや過去問、関連する書籍を熟読し、基礎知識の段階でつまずかないようにしましょう。


試験時間内に求められる内容を記述できるように、記憶した内容を応用的に文章に書き換えられるようにしておきましょう。


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6.まとめ

今回はIT検証技術者認定試験に関する基礎知識や詳細情報、IT検証技術者認定試験の資格取得のメリット・デメリット、IT検証技術者認定試験合格のための参考書の選び方や勉強方法についてお話ししました。


IT検証技術者認定試験は出題範囲も広く、一般的な資格試験と比べて記述式の問題となっているため、初めて受験する場合は勉強自体も苦慮することがあるでしょう。ただし、合格に向けて学んでいくことで、実務で通用する実力を身につけられる試験内容でもありますので、合格にモチベーションを高めて勉強することをおすすめします。


最後までお読みいただきありがとうございました。

本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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