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iOSエンジニアの年収は?将来性や雇用形態、未経験、経験者別の年収事情を紹介

公開日:2024/12/23最終更新日:2024/12/31

iOSエンジニアが、どのような仕事か気になる方もいるでしょう。

iOSは、iPhoneやiPadなどApple社の製品に搭載されているオペレーションシステムのことです。iOSエンジニアは、Apple独自の言語でiOSアプリケーションを開発する仕事です。


iOSは日本でも約6割の国内シェアを占めているため、iOSエンジニアはITエンジニアの中でも将来性が高い職種として注目されています。


この記事では、 iOSエンジニアの年収や年収アップの方法、必要なスキルや将来性を紹介しています。未経験でiOSエンジニアを検討している方やフリーランスを検討している方はぜひ参考にしてください。


1.iOSエンジニアの年収事情

iOSエンジニアの年収相場は、雇用形態により違います。ここでは、以下の3つのケース年収相場をご紹介します。

  • 正社員の場合

  • 派遣社員の場合

  • フリーランスの場合

正社員の場合

iOSエンジニアの正社員の平均年収は、求人ボックスのモバイルエンジニア(Android、iOSアプリエンジニア)の平均によると598万円ほどです。国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、正社員の平均給与は530万円です。そのため、iOSエンジニアは平均給与より約60万円ほど高い傾向にあると言えるでしょう。

派遣社員の場合

iOSエンジニアの派遣社員の平均時給は、求人ボックスのモバイルエンジニアの平均によると2,199円です。月額に換算すると約35万円、年収に換算すると約420万円です。年収は正社員の平均給与より少し安い水準になります。

フリーランスの場合

フリーランスのiOSエンジニアの場合の月額単価は76.8万円で、年収に換算すると約922万円です。(2024年12月時点)100万円以上の案件も多数あり、年収が1,000万円を超えることも可能です。最高単価は160万円ほどで、経験スキルや実績により更に高単価案件も獲得できるでしょう。

2.iOSエンジニアの仕事内容

iOSエンジニアは、iPhoneやiPadなどApple製品に搭載されるiOSのアプリケーションを開発する仕事です。Appleが開発した独自のプログラミング言語である「Swift」を主に使用し、iOSアプリケーションを開発します。


iOSアプリケーションは、Apple社のサイトであるApp Storeで公開され、ユーザーはアプリをデバイスにダウンロードすることで使用できます。


開発の手法は、WEBアプリ開発と同じように以下の4つの工程があります。

  • 要件定義

  • 設計

  • 開発

  • 運用やテスト

要件定義

要件定義は、アプリ発注者と開発会社でアプリの要件をまとめたものです。アプリの仕様の技術的な実現方法や、予算や必要なリソースなどを定義します。

設計

設計には、外部設計と内部設計があります。外部設計では、画面やUI・デザインなどユーザーから見える範囲を設計し、内部設計ではプログラムの内部処理などの実装手順を設計します。また、外部の機能を利用する場合は外部APIを使用するため、どのAPIと連携するかや連携方法なども設計します。

開発

設計したとおりにプログラミングする工程です。iOSアプリの開発に使用されるプログラミング言語は主にObjective-C、Swiftがあります。Objective-Cは、古くからApple製品の開発に使用されている言語で、Swiftは2014年にAppleが開発した独自言語です。現在はSwiftが主流になっています。


開発は設計されたとおりにプログラミングし、アプリケーションの機能やDB、UIを実装していきます。

テスト・運用

アプリケーションを安定稼働させ、ユーザーに長く使用してもらうためにもテストは重要な工程です。仕様を確認してデバッグを繰り返す、実際に使用してユーザー目線での改善をする、などを行います。また、リリース後もアップデートの対応や新機能の追加など改善を行うことで、品質を高めていきます。

3.iOSエンジニアの年収が高い理由

iOSエンジニアは前述の通り、正社員の平均年収より高い傾向があります。iOSエンジニアの年収はおおよそ328万円から1,035万円と幅広いです。


またフリーランスのiOSエンジニアでは、年収1,000万円を超えることも大いに可能です。iOSエンジニアの年収を左右する条件は、以下の3つに関わります。

  • 企業の規模

  • 勤務年数

スキル企業の規模

iOSエンジニアの年収は、勤務会社の規模によって左右されます。大手の企業ほど品質が高いアプリを数多く提供しているため、業績が安定しているからです。


平均年収の分布は求人ボックスによると会社規模が100人未満の会社の平均年収が492万円、1000人未満の会社の平均年収が529万円、1000人以上の会社の平均年収が610万円と、大企業の方が年収が高い傾向があります。

経験年数

iOSエンジニアの場合、経験年数も重要です。求人の募集も経験年数による条件がある場合がほとんどです。iOSエンジニアの年収の相場は、未経験の場合の平均年収が439万円ほど(求人ボックス)、多くの場合経験年数が上がるにつれ高度なスキル、最新技術への対応力、マネジメント能力の取得が可能となり、結果的に年収も高くなっています。


また、企業側も即戦力のエンジニアにはプロジェクト全体の質と生産性向上を期待できるため、報酬水準も上昇する傾向があります。

さらに経験を積みフリーランスとして独立することで、高単価案件も自由に獲得できます。

スキル

スキルも年収に大きく影響します。主な開発言語であるSwiftのスキル、ユーザーの操作性を決めるUI・UX設計のスキル、フロントエンドの開発言語であるReact NativeやAndroid開発も可能なクロスプラットフォームであるFlutterのスキルなどが重要になります。


上記スキルを習得しているiOSエンジニアは、iOSをはじめAndroidなど他OS向けにもアプリを展開でき、汎用性や生産性を企業にもたらすことで市場価値を高めます。

結果として多面的なスキルを身につけたiOSエンジニアは高単価案件への参画や条件の良い転職機会に恵まれ、年収の上昇につながりやすくなります。

4.iOSエンジニアの年収アップに必要なスキル

iOSエンジニアの年収アップに必要なスキルは以下のようなものがあります。それぞれ詳しく見てみましょう。

  • プログラミング言語の経験

  • UI・UX設計の経験

  • API活用の経験

  • 上流工程の経験

プログラミング言語の経験

iOSの開発に使用されるプログラミング言語は、長くiOS製品のプログラミングに使用されている「Objective-C」、Appleの開発した独自の言語の「Swift」です。


Objective-CはC言語から派生したオブジェクト指向型の言語で、C言語を経験していると扱いやすくライブラリも豊富です。近年では開発スピードが早いSwiftが主流となっていますが、レガシーコードの改修などにも利用されています。


Swiftは、Apple社によって開発され、2014年に公開されました。Swiftは読みやすく、書きやすい設計で、初学者でも学びやすく開発の主流として使用されています。Objective-Cとも互換性があるため、Objective-Cで開発されたコードとの統合も可能です。

UI・UX設計の経験

iOSアプリ開発時の画面設計は、主に「UIKit」「SwiftUI」の2種類がよく使用されます。UIKitは長く使用されており、視覚的に操作できるStoryboadとコードベースで開発可能です。複雑な設計ができる一方、コードが長くなりがちです。


SwiftUIは2019年に導入されたフレームワークで、Appleの製品のUIを以前より簡単に開発できます。複雑な設計は難しい一方、Appleの他のプラットフォームでも使用可能で、素早いUI構築が可能です。iOSエンジニアには、これらUI・UXの経験とAppleの「ヒューマンインターフェイスガイドライン」の知識が必要です。

API活用の経験

iOSアプリケーションは通常、外部のAPIと連携することで他の機能を使用できるようにします。そのため、WebAPIの実装やドキュメント読解、使用方法などを理解していることが重要です。

上流工程の経験

iOSエンジニアの年収アップには、要件定義などの上流工程の経験やマネジメント経験も必要になります。マネジメントは、複数人のチーム作業の責任を持ち、チーム全体のコミュニケーションや開発スケジュール・コストを決めます。


プロジェクトをスムーズに進めることができるマネジメント能力を培えば年収アップにつながるでしょう。


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5.iOSエンジニアに必要な資格

iOSエンジニアとしてキャリアアップするためには、資格を取得することが有効です。資格を取得することで、自身のスキルの証明にもなり、転職の際にも役に立ちます。

iOSエンジニアが取得するべき資格は以下のようなものがあります。それぞれ詳しくご紹介します。

  • App Development with Swift

  • 基本情報技術者試験

  • 応用情報技術者試験

App Development with Swift

App Development with Swiftは、Swift言語のスキルを証明する資格でAppleの認定資格です。


基本的なSwiftプログラミングの基礎知識が出題される「App Development with Swift User」、Swiftプログラミングを記述するための関数や条件分岐などの使い方が出題される「App Development with Swift associate」があります。教材は電子書籍で勉強可能ですが、「Swift Playgrounds」などのアプリなどでコーディングを実践しておいたほうが良いでしょう。


試験は英語版のみ実施されており、基本的な英語力がないと難しいでしょう。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験はIPA(情報処理推進機構)が実施する国家資格の一つです。情報処理国家資格の中でもソフトウェア開発やシステムに関する基本的な技能・知識が問われる基礎的な試験です。資格を持つことで、システムやプログラミング、プロジェクト管理や経営、法律について幅広い知識を持つことが証明されます。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験より深い知識が問われる国家資格で、取得することで高度IT人材であることが証明されます。試験の内容は基礎理論から開発技術やプロジェクトマネジメント、経営戦略などにも渡り、取得することで、さらに専門的な高度試験の一部の試験を免除されるなどの利点があります。


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6.iOSエンジニアの需要と将来性

iOSエンジニアの需要は、Appleのシェアや売り上げに依存することが多いでしょう。


しかし、Apple製品の日本での人気は依然として高く、Statcounter Global Statsによる集計ではモバイルベンダーの市場調査(日本)にてAppleが59.03%と1位に位置しており、2位のSamsung(6.64%)を大きく上回っています。Appleが公表した業績では、2024年の第一四半期も前年から伸びており、今後も安定して伸びることが予測されます。


2023年のApp Storeのアプリケーションの調査結果では、アプリケーションカテゴリー全般で好調な業績を維持しており、特に旅行アプリ、乗車送迎サービスアプリ、食料品受け取り・配達サービスなどが伸びています。ゲームなどのエンターテイメントも含め、iOSアプリ開発の需要は安定して高くなることが予想できるでしょう。


モバイルエンジニアは少なく、AndroidとiOS両方で活躍できるクロスプラットフォームのプログラミングスキルを身に着けるとさらに市場価値が高まるでしょう。上記のような幅広い技術的対応力を備えたiOSなどのモバイルエンジニアは、より多くのチャンスや高水準の報酬を得ることが可能となり、キャリアの安定性や将来性を確保しやすいです。

7.iOSエンジニアに関してよくある質問

iOSエンジニアになりたい・転職したいと考える方は多いと思います。ここでは、iOSエンジニアに転職を考えるにあたってよくある質問に回答します。

  • 未経験からiOSエンジニアになれますか?

  • iOSエンジニアはやめとけと言われるのはなぜですか?

  • iOSエンジニアになるにはどうすればよいですか?

  • iOSエンジニアの求人が少なくなる可能性はありますか?

未経験からiOSエンジニアになれますか?

未経験からiOSエンジニアになることは可能です。しかし、事前にiOSエンジニアについて理解し、スキルを身に着けておく必要があります。プログラミング自体が未経験の場合と、プログラミング経験がありSwiftが未経験の場合で、iOSエンジニアに必要なスキルを勉強できるサイトを以下に紹介します。

プログラミング未経験の場合

プログラミングが未経験の場合は、まずは以下のようなプログラミング学習サイトで勉強することがおすすめです。安価で手軽にプログラミングを始めることができます。

  • Progate

  • ドットインストール

プログラミングが未経験の場合は、iOSやアプリケーションの仕組み、Webアプリケーションについてなど、アプリケーションについての基礎から身につけておいた方が良いでしょう。初学者向けの書籍やWebサイトで身につけましょう。

プログラミング経験がありSwiftを初めて学習する場合

  • A Swift Tour

    A Swift Tourは、Appleの公式ドキュメントです。英語ですが、他のプログラミング言語を経験している場合であればコードを記載しながら効率よく学べるでしょう。

  • Udemy

    動画での学習サービスです。初心者から経験者まで様々なコースがあります。

学習サイトの他、書籍なども活用しましょう。自分でコードを記載できるようになると、自分で考えたアプリケーションを作成してポートフォリオにまとめて転職時に活用することも有効です。

iOSエンジニアはやめとけと言われるのはなぜですか?

iOSエンジニアは、「きつい」「やめとけ」という声を聞くかもしれません。理由は以下のようなものがあります。

Swiftの仕様変更に対応することが難しい

iOSは発表されてから新しい言語のため、アップデートがあります。アップデート後は、それまで使用していた機能が急に使えなくなるため、新しい仕様に変更しなければなりません。そのたびに変更作業が生じるため、きついといわれています。

Swiftの汎用性が低い

Swiftの汎用性が低いこともやめとけと言われる原因です。SwiftはiOSアプリを開発するための言語であり、その他のOSで動くアプリケーションには使用できません。勉強して習得してもiOSアプリのみに限られるため、JavaやPHPなど他の言語より汎用性が低く、仕事や案件の幅が狭くなってしまいます。

ドキュメントやコミュニティが英語である

SwiftはApple社が開発した言語のため、ドキュメントやコミュニティもすべて英語です。翻訳があるとはいえ、細かい点を正確に翻訳することは難しいため、英語に抵抗がある人には時間がかかりきついと言われる理由になるでしょう。

iOSエンジニアになるにはどうすればよいですか?

iOSエンジニアになるには、まずはiOSアプリケーションを開発するスキルを身につけます。学習サイトや書籍、スクールでプログラミングスキルを身につけると、自分で実際にアプリケーションを作り、ポートフォリオを作成します。それを持って求人に応募し、採用されるとiOSエンジニアとして勤務できます。

iOSエンジニアの求人が少なくなる可能性はありますか?

iOSエンジニアの求人数は、iPhoneやiPadの人気や売れ行きに左右されますが、iPhone人気は高い状態を維持しているため、数年〜5年ほどの中期的な目線では需要を維持し、求人数が少なくなることはないでしょう。


ただし、IT業界は急成長し続けている市場であるため、技術の流行り廃れが早く、10年などの長期的な目線では、求人数が少なる可能性も考えられます。


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8.まとめ

iOSエンジニアの平均年収は、598万円と正社員の平均年収より高く、経験年数が多くなると更に高くなります。正社員でもフリーランスでも年収1,000万円以上も可能であり、スキルをつけるにつれ高収入が見込めるでしょう。


Apple製品の売上も高く安定して需要があり、Apple人気が続く限り将来性もあります。特に新しい言語であるSwiftは学びやすく、開発の主流でもあるため未経験でも早い段階でスキルを身に着けていくことができるでしょう。


iOSエンジニアとしてキャリアアップしていくには、フリーランスになるかマネジメントを経験していくことが重要です。一度iOSエンジニアに転身すると、長期的に高い水準の収入が見込めるでしょう。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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