Pythonでゲームを作ってみたいけど、どうやって始めればいいかわからない…そんな悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。Pythonはシンプルな文法と豊富なライブラリのおかげで、初心者でも簡単にゲーム開発が可能です。
本記事では、Pythonでのゲーム開発に必要な環境構築から、PygameやPyxelを使ったコピペで動くサンプルコードまで詳しく解説します。また、スコアや効果音の追加、完成したゲームの公開方法まで紹介しています。
Pythonを活用してオリジナルのゲーム開発にチャレンジしてみませんか?
目次
1.Pythonでゲーム作成を始めよう
Pythonはシンプルな文法と分かりやすい構造を持つため、初心者でも扱いやすいプログラミング言語です。ここでは、Pythonでのゲーム開発をおすすめする理由や、初心者にとっての利便性について解説します。
Pythonでゲーム開発をおすすめする理由
Pythonはプログラミング初心者にとって非常に取り組みやすい言語です。シンプルな文法とわかりやすい構造が特徴で、他のプログラミング言語と比べて学習コストが低いため、未経験者でもゲーム開発を始めやすいでしょう。
また、PythonにはPygameやPyxelなどの強力なライブラリが用意されています。これらを活用することで、画面描画やキャラクターの操作といったゲーム開発の基本機能をシンプルなコードで実現できます。
特にPygameは2Dゲーム向けの機能が充実しており、初心者でも比較的簡単に実装可能です。Pyxelはレトロ風のドット絵ゲーム開発に特化しているため、ユニークなゲームを作成したい場合に最適です。
さらに、Pythonはクロスプラットフォーム対応で、Windows・Mac・Linuxなど異なるOSで同じコードを動かせます。環境の違いを気にせずに開発を進められるのも大きなメリットです。
Pythonがゲーム開発初心者にも適しているポイント
Pythonの最大の魅力は、コードの書きやすさにあります。コード量が少なく、直感的に記述できるため、初心者でも理解しやすいでしょう。たとえば、キャラクターを動かすコードや画面にテキストを表示する処理も、Pythonなら数行のコードで実現可能です。
Pythonはデバッグも比較的しやすく、エラーメッセージが明確なため、問題の原因を特定しやすいのも初心者にとって使いやすいプログラミング言語といえます。
さらに、インターネット上にはPythonに関する情報やサンプルコードが豊富に存在しており、困ったときに参考にできる資料が多くあるので、初心者のゲーム開発でも安心です。
また、PygameやPyxelなどライブラリには、初心者向けのドキュメントやチュートリアルが用意されています。これらをしっかり活用することで、基本的な処理から応用的な機能まで、段階的に理解を深めながら学習を進めることが可能です。
2.Pythonでゲーム開発を始めるための準備
Pythonでゲームを開発するためには、まず環境を整えなければなりません。ここでは、インストール手順やおすすめのゲームエンジン、開発環境の整え方について詳しく解説します。
Pythonのインストール方法
Pythonをインストールするには、公式サイト(https://www.python.org)から最新のバージョンをダウンロードしてください。
公式サイトにアクセスして「Downloads」から最新のPythonインストーラをダウンロードします。
インストーラを実行し、「Add Python to PATH」にチェックを入れてから「Install Now」をクリックしましょう。
インストールが完了したら、コマンドプロンプトかターミナルを開き、「python --version」を入力してください。
「Python 3.x.x」と表示されれば、正常にインストールされています。
次に、必要なライブラリやゲームエンジンをインストールしてください。
Pythonで使えるおすすめゲームエンジン
Pythonにはゲーム開発に便利なライブラリやエンジンが用意されています。ここではおすすめゲームエンジンを紹介します。
Pygame
PygameはPythonで2Dゲームを開発するための人気ライブラリです。画面描画、音楽再生、キーボード・マウス入力など、ゲームに必要な基本機能をすべてサポートしています。なお、Pygameは初心者向けのドキュメントやチュートリアルも豊富で、入門に最適なライブラリです。
Pyxel
Pyxelはレトロゲームのようなドット絵のゲームを作成するのに適したライブラリです。シンプルなAPIが特徴で、初心者でも直感的に扱えます。Pyxelには組み込みのエディタがあり、グラフィックやサウンドを直接編集できるのも特徴です。
Unity
Unityは一般的にC#で開発しますが、「Python for Unity」というプラグインを使えば、Pythonを用いた開発が可能です。Pythonの簡潔な文法とUnityの強力な機能を組み合わせれば、3Dゲームや高度なゲーム開発にも挑戦できます。
ゲーム開発環境を整える方法
Pythonで効率よくゲーム開発を進めるためには、IDE(統合開発環境)の利用をおすすめします。ここではPythonでゲーム開発する場合におすすめのIDEを紹介します。
VSCode(Visual Studio Code)
VSCodeは無料で利用できる高機能なIDEです。Python用の拡張機能をインストールすれば、コード補完やデバッグ、仮想環境管理などが可能です。
VSCodeはこちら(https://code.visualstudio.com)からダウンロードできます。Python拡張機能も忘れずインストールしてください。
PyCharm
PyCharmはPython専用のIDEで、コード補完、エラーチェック、デバッグ機能が充実しています。有料版と無料で使える「Community Edition」がありますが、無料のものでも基本的な開発には十分対応しています。
PyCharmはこちら(https://www.jetbrains.com/pycharm/)からダウンロード可能です。
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3.Pythonで簡単なゲームを作成しよう
Pythonでゲーム開発する環境が整ったら、いよいよ実際にゲームを作成してみましょう。ここでは、ゲーム開発の基本構造である「ゲームループ」や「イベント処理」の仕組みを説明するとともに、PygameとPyxelを使ったシンプルなサンプルコードを紹介します。
初心者でもコピペで動かせるコードを紹介しますので、まずは自身で手を動かして試してみましょう。
Pythonのゲーム開発で理解したいコードの基本構造
Pythonでゲームを開発するには、「ゲームループ」と「イベント処理」を理解しておきたいです。
ゲームループとは?
ゲームループとは、ゲームの状態を常に更新して画面に描画するためのループ処理です。次のような流れが、ゲームループの基本的な流れです。
キー入力やマウス操作などによって、イベントを取得
ゲーム状態を更新し、キャラクター動かしたり、スコアを変動させたりする
画面を再描画する
ゲームの進行速度を一定に保つために、フレームレートを管理する
ゲームループを繰り返すことで、リアルタイムなゲーム処理が可能になります。
イベント処理とは?
イベント処理とは、キーボードやマウスの操作などプレイヤーの入力に応じてゲームの状態を変更する仕組みです。
たとえば、矢印キーを押したらキャラクターを移動させるとか、クリックしたら敵を攻撃するといったような処理をイベント処理で制御します。
PygameやPyxelでは、イベント処理を「if文」や「for文」で記述し、特定の操作が行われた場合に特定の関数を呼び出す方法が実装可能です。
pythonでゲーム開発するためのサンプルコード
ゲーム開発は学習しているだけでは上達しません。ぜひサンプルコードをコピペでも良いので、あなた自身でプログラミングしてみましょう。
Pygameを使ったpythonゲームをコピペで作ってみよう
Pygameを使ったシンプルなウィンドウを作成して、キー入力に反応するプログラムを作ってみましょう。次のコードをコピーして、Pythonファイルに貼り付けて実行してください。もちろん、コードを写経するように書き写しても良いです。
import pygame import sys
pygame.init()
WIDTH, HEIGHT = 500, 500 screen = pygame.display.set_mode((WIDTH, HEIGHT)) pygame.display.set_caption('Pygame サンプルゲーム')
WHITE = (255, 255, 255) RED = (255, 0, 0)
player_size = 50 player_pos = [WIDTH // 2, HEIGHT // 2]
running = True while running: for event in pygame.event.get(): if event.type == pygame.QUIT: running = False
# キー入力の処理 keys = pygame.key.get_pressed() if keys[pygame.K_LEFT]: player_pos[0] -= 5 if keys[pygame.K_RIGHT]: player_pos[0] += 5 if keys[pygame.K_UP]: player_pos[1] -= 5 if keys[pygame.K_DOWN]: player_pos[1] += 5
# 画面の背景色 screen.fill(WHITE)
# プレイヤーの描画 pygame.draw.rect(screen, RED, (player_pos[0], player_pos[1], player_size, player_size))
# 画面の更新 pygame.display.flip()
pygame.quit() sys.exit() |
コードのポイント
pygame.init() でPygameを初期化
pygame.event.get() でイベント取得
pygame.draw.rect() でプレイヤーを描画
pygame.display.flip() で画面を更新
実行結果
矢印キーで赤い四角(プレイヤー)を上下左右に移動
閉じるボタンを押すとゲーム終了
Pyxelを使ったpythonゲームをコピペで作ってみよう
次に、Pyxelを使ったシンプルなサンプルコードを紹介します。Pyxelでは、ドット絵やシンプルなアニメーションが簡単に実装可能です。次のコードをコピーして、Pythonファイルに貼り付けて実行してください。
import pyxel
def init(self): pyxel.init(160, 120, caption="Pyxelサンプルゲーム") self.x = 60 self.y = 60 pyxel.run(self.update, self.draw)
# 更新処理 def update(self): if pyxel.btn(pyxel.KEY_LEFT): self.x -= 1 if pyxel.btn(pyxel.KEY_RIGHT): self.x += 1 if pyxel.btn(pyxel.KEY_UP): self.y -= 1 if pyxel.btn(pyxel.KEY_DOWN): self.y += 1
# 描画処理 def draw(self): pyxel.cls(0) pyxel.rect(self.x, self.y, 8, 8, 11)
App() |
コードのポイント
pyxel.init() でPyxelを初期化
pyxel.btn() でキー入力を検知
pyxel.rect() でプレイヤーを描画
pyxel.run() でゲームループを制御
実行結果
矢印キーでキャラクター(青い四角)を移動
画面サイズが小さいため、ドット絵感を楽しめる
Pyxelは16色のカラー制限や、固定サイズの画面といった制約がありますが、それがレトロゲーム風の味わいを生み出してくれます。
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4.Pythonでゲームに機能を追加する方法
基本的なゲームが完成したら、さらにプレイヤー操作やスコア管理、サウンドエフェクトを加えることで、ゲームとしての完成度が向上するでしょう。ここでは、PygameやPyxelを使って、プレイヤー操作・スコア管理・効果音などを追加する方法を解説します。
player操作を追加
プレイヤー操作はゲームにおける基本的なインタラクションの一つです。特にアクションゲームやRPGでは、キャラクターを自由に動かせることが重要です。
Pygameでのプレイヤー操作
Pygameではpygame.KEYDOWN でキー入力を検知し、移動やジャンプといったアクションを制御できます。次のコードでは、プレイヤーを矢印キーで移動させる機能を追加していますので参考にしてください。
import pygame import sys # Pygameの初期化 pygame.init()
WIDTH, HEIGHT = 500, 500 screen = pygame.display.set_mode((WIDTH, HEIGHT)) pygame.display.set_caption('Pygame プレイヤー操作')
WHITE = (255, 255, 255) RED = (255, 0, 0) player_size = 50 player_pos = [WIDTH // 2, HEIGHT // 2]
running = True while running: for event in pygame.event.get(): if event.type == pygame.QUIT: running = False
# キー入力の処理 keys = pygame.key.get_pressed() if keys[pygame.K_LEFT]: player_pos[0] -= 5 if keys[pygame.K_RIGHT]: player_pos[0] += 5 if keys[pygame.K_UP]: player_pos[1] -= 5 if keys[pygame.K_DOWN]: player_pos[1] += 5
screen.fill(WHITE) pygame.draw.rect(screen, RED, (player_pos[0], player_pos[1], player_size, player_size)) pygame.display.flip() pygame.quit() sys.exit() |
ポイント
pygame.key.get_pressed() でキー入力を検知
pygame.draw.rect() でプレイヤーを画面に描画
pygame.display.flip() で画面を更新
Pyxelでのプレイヤー操作
Pyxelではpyxel.btn() でキー入力を検知し、プレイヤーを移動させます。次のコードで、矢印キーでプレイヤーを移動できるようにしています。
import pyxel class App: def init(self): pyxel.init(160, 120, caption="Pyxel プレイヤー操作") self.x = 60 self.y = 60 pyxel.run(self.update, self.draw)
def update(self): if pyxel.btn(pyxel.KEY_LEFT): self.x -= 1 if pyxel.btn(pyxel.KEY_RIGHT): self.x += 1 if pyxel.btn(pyxel.KEY_UP): self.y -= 1 if pyxel.btn(pyxel.KEY_DOWN): self.y += 1
def draw(self): pyxel.cls(0) pyxel.rect(self.x, self.y, 8, 8, 11) App() |
ポイント
pyxel.btn() でキー入力を検知
pyxel.rect() でプレイヤーを描画
画面はフレーム単位で自動更新
スコアやタイマーを追加する方法
ゲームにはスコアやタイマーの要素を入れることで、ゲームっぽさが向上するうえに、プレイヤーに達成感や挑戦意欲を与えることができるでしょう。ぜひチャレンジしてみてください。
Pygameでのスコア表示
Pygameでは「pygame.font」を使ってスコアやメッセージを表示可能です。次のコードでは、スコアを表示し時間経過でスコアが増加するようになっています。
import pygame import sys pygame.init() WIDTH, HEIGHT = 500, 500 screen = pygame.display.set_mode((WIDTH, HEIGHT)) pygame.display.set_caption('Pygame スコア表示') WHITE = (255, 255, 255) score = 0 font = pygame.font.SysFont(None, 36) clock = pygame.time.Clock() running = True while running: for event in pygame.event.get(): if event.type == pygame.QUIT: running = False
# スコア更新 score += 1
# 画面更新 screen.fill(WHITE) text = font.render(f"Score: {score}", True, (0, 0, 0)) screen.blit(text, (20, 20)) pygame.display.flip()
clock.tick(60) pygame.quit() sys.exit() |
ポイント
pygame.font.SysFont() でフォントを生成
screen.blit() でスコアを画面に表示
clock.tick(60) でフレームレートを一定に保つ
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5.Pythonで作ったゲームを公開・共有する方法
Pythonで作ったゲームが完成したら、自分だけで楽しむのではなく、他の人にも遊んでもらいたいですよね。ゲームを共有する方法には、exeファイルへの変換やGitHubへのアップロード、さらにitch.ioやSteamへの公開などの方法があります。それぞれの方法について解説します。
PyInstallerを使ってexeファイルに変換する
Pythonのコードをそのまま配布したくても、相手のパソコンにPythonがインストールされていなければ実行できません。
そこで、Pythonで書いたプログラムである「.pyファイル」を実行可能な「exeファイル」に変換してみましょう。exeファイルに変換すれば、Pythonがインストールされていない環境でもゲームを動かせるようになります。
.pyファイルをexeファイルに変換するには、PyInstallerを使ってください。簡単に手順を紹介します。
PyInstallerをインストール
ターミナルまたはコマンドプロンプトで「pip install pyinstaller」と入力しましょう
PyInstallerでexeファイルを生成
pyinstaller --onefile --windowed game.py
補足
--onefile:1つの実行可能ファイル(exe)にまとめる
--windowed:コンソールウィンドウを表示せずに実行(GUIゲームの場合に使用)
生成されたexeファイルを確認
distフォルダに「game.exe」というファイルが生成されます。
生成されたexeファイルをダブルクリックすれば、Pythonがインストールされていない環境でもゲームを起動可能です。ただし、exeファイルはメール送信時にウイルスチェックなどに脅威としてチェックされる恐れもありますので、配布方法は注意が必要です。
GitHubでソースコードを公開する方法
作成したゲームのソースコードをGitHubにアップロードすれば、オンラインでコードを管理したり、他の開発者とコラボレーションしたりすることができます。他の開発者がコードをクローンして利用したり、改良案を提案したりすることが可能です。
また、GitHubにアップロードしておけば、修正履歴の管理やバグの修正、改良にも役立ちます。たとえローカルでデータが消失しても復元可能になるため、開発時のリスク管理にも役立ちます。
itch.ioやSteamで公開する方法
Pythonで作ったゲームを単に配布するだけでなく、itch.ioやSteamで公開すれば、より多くのユーザーにプレイしてもらえます。
itch.ioはインディーズゲーム開発者に人気のプラットフォームで、無料で利用できます。itch.ioではダウンロード数やプレイヤーからのフィードバックを確認できるため、改良点を見つけやすくなります。
一方、Steamは世界最大級のゲームプラットフォームで、多くのユーザーにアプローチできます。ユーザー登録には100ドルの初期費用が必要ですが、Steamではユーザーレビューや実績機能、セールの参加などが可能になるため、より多くのユーザーを獲得するチャンスがあります。
ぜひ自信作のゲームができたら、itch.ioやSteamでの公開を目指してみてください。
6.Pythonでゲーム開発が不向きなケースとその理由
Pythonはシンプルな文法と豊富なライブラリが揃っているため、2Dゲームやミニゲームの開発に適しています。しかし、Pythonには他の言語と比較して処理速度やメモリ管理の面で限界があるため、すべてのゲーム開発に向いているわけではありません。
ここでは、Pythonゲーム開発が不向きなケースと、その限界を克服する方法について解説します。
Pythonが不向きなゲームの種類
Pythonはインタプリタ型言語であり、リアルタイム処理が求められる3Dゲームや高度なグラフィック処理にはあまり向いていません。
3Dゲーム
3Dゲームは複雑な物理演算や高度な描画処理が必要になるため、Pythonでは処理が追いつかない恐れがあります。たとえば、広大なマップや複雑なオブジェクトをリアルタイムでレンダリングするようなゲームの場合、画面がカクついたり、入力遅延が発生したりすることが考えられるでしょう。
高度なグラフィックが必要なゲーム
高度なグラフィックが必要なゲームもPythonでは難しいです。光の反射や影、アンチエイリアスといった高度な描画処理は、C++やRustといったパフォーマンスの高い言語で開発されることが一般的です。
Pythonにも「OpenGL」や「Panda3D」といった3Dグラフィック用のライブラリがありますが、処理速度が不足する恐れがあり、リアルタイムでの描画には向いていません。
VRやAR
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)のような最新の技術を駆使したゲーム開発もPythonでは難しいでしょう。VRやARではミリ秒単位でのレスポンスや、高速なグラフィック描画が求められるため、Pythonの処理速度では対応しきれません。
Pythonでゲーム開発の限界とその克服法
Pythonでゲーム開発する場合の限界と克服法について簡単に説明します。
フレームレート
Pythonがゲーム開発に不向きな理由の一つに、処理速度やフレームレートの低下があります。Pythonはインタプリタ型言語のため、コンパイル型言語(C++やRustなど)と比較すると実行速度が遅くなります。
ゲーム内で大量のオブジェクトを同時に描画したり、複雑な物理演算を行ったりすると、処理が追いつかなくなってしまいます。その結果、フレームレートが低下し、スムーズなゲームプレイが難しくなる恐れがあるのです。
フレームレートが低下する場合には、C言語やC++で書かれたモジュールをPythonから呼び出すことで、パフォーマンス改善が期待できます。たとえば、NumPyや Cythonを活用することで、PythonのコードをC言語に変換して実行可能になり、処理速度が大幅に向上するでしょう。
メモリ管理
メモリ管理もPythonでゲーム開発するときの課題です。Pythonでは、いわゆるガベージコレクションとよばれる不要なメモリ領域の自動解放が行われますが、ガベージコレクションによって処理の遅延が発生することがあります。
メモリ管理を改善するためには、データの使用量を最小限に抑えることが効果的です。ぜひ、次の方法を参考にしてみてください。
画像や音声ファイルを必要な場面でのみ読み込む
使わなくなったオブジェクトを明示的に削除する
メモリを大量に使用する画像や音声ファイルなどのデータを外部サーバーに移動してロードする
Pygameで画像を効率的に管理する
たとえば、Pygameで画像を効率的に管理するには、次のようにコードを書きます。
# 画像の読み込み(必要な場面でのみ読み込む) image = pygame.image.load('player.png')
del image |
メモリ管理を最適化すれば、Pythonであっても比較的スムーズに動作するゲームを開発できる可能性があります。Pythonの特性を理解した上で最適な開発手法を取り入れれば、Pythonでもスムーズに動作するゲームを開発できるでしょう。
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7.まとめ
この記事では、Pythonを使ったゲーム開発の始め方から、基本的なコードの実装、機能の追加、そして完成したゲームの公開方法までを詳しく解説しました。
Pythonはシンプルな文法と強力なライブラリにより、初心者でも短時間でゲームを作成できるため、ゲーム開発におすすめのプログラミング言語です。PygameやPyxelを使えば、画面描画やキャラクターの操作を簡単に実現でき、GitHubやitch.ioへの公開もスムーズに行えます。
Pythonを活用したゲーム開発は、プログラミングスキルを高める良い機会です。ぜひ本記事を参考にして、自分だけのオリジナルゲームを作成し、他のプレイヤーに楽しんでもらいましょう。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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