システムエンジニアとして働いていると、収入の低さに悩んだり、スキルアップができなくて焦ったりすることもあるでしょう。そんなときはシステムエンジニアの本業とは別に、副業で仕事を始めてみるのがおすすめです。
システムエンジニアの経験や能力を活かして副業をすることで、これまでにない体験から技術を習得したり、収入源を複数確保して年収アップを実現できたりするでしょう。副業をきっかけにフリーランスエンジニアとして独立することも考えられるため、より自分らしい新しい働き方を構築できるかもしれません。
本記事では、システムエンジニアが副業で稼げるのか、どんなメリットがあり、なぜ「やめとけ」という意見があるのか解説します。システムエンジニアにおすすめの副業案件・求人も紹介するので、これから挑戦する方はぜひ参考にしてください。
目次
1.システムエンジニアは副業でも稼げる?
そもそもシステムエンジニアとして働きながら、副業で稼げるのか不安になるかもしれません。しかし、システムエンジニアのスキルは幅広い領域で求められているため、働き方次第で稼ぐことが可能です。以下では、システムエンジニアが副業で稼げるのか、その実態について解説します。
約4割のエンジニアが副業に興味がある
レバテックが行った「2025年最新版 副業の実態調査」によると、約4割のIT人材が副業に「興味がある」と回答しています。内訳は「とても興味がある」が15.8%、「やや興味がある」が28.2%となっています。判断を決めかねている「どちらでもない」の数値も、21.4%と高い点は注目です。
(引用元:https://freelance.levtech.jp/guide/detail/61882/)
副業に興味がある理由は「収入源を増やしたいから」が86.0%と最多で、その後に「スキルアップしたいから」が31.5%、「自身のスキルを試したいから」が16.4%と続いています。
(引用元:https://freelance.levtech.jp/guide/detail/61882/)
実際に副業をしているエンジニアの割合は少ない
上記と同調査で「副業経験がある」と回答した人の割合は、「副業をしたことがある」が14.3%、「副業に興味があるが、したことはない」が45.3%となっています。上記の内容から、実際に副業ができているエンジニアは少ないと判断できるでしょう。
(引用元:https://freelance.levtech.jp/guide/detail/61882/)
システムエンジニアは週1回、土日だけ副業できる?
システムエンジニアの副業は、週1回や土日だけといった短時間だけ働くことも可能です。早く会社の仕事が終わった日だけ副業をしたり、土日の時間を有効活用したりできます。
レバテックの先ほどの調査を再び参考にしてみると、副業の稼働日数は1週間あたり「1~3日未満」が52.3%と、半数以上を占めています。稼働時間をみると、「5時間未満」が35.0%、5~10時間未満が36.7%となっています。短時間だけ副業をしている人も多いため、まずはすぐに終わる仕事を請け負い、新しい働き方に慣れていくのも1つの方法です。
システムエンジニアは副業で未経験の分野に挑戦できる?
副業の経験がない場合でも、システムエンジニアおよびIT関係の仕事をしているのなら、本業とは別のクライアントから案件・求人を副業案件を受注できる可能性はあります。意外な仕事の実績や経験が評価されることもあり得るため、副業そのものが未経験でも積極的に挑戦してみるのがおすすめです。
一方で、システムエンジニアとしての経験が浅い、IT関係の仕事が未経験といった場合には、副業案件への参画は難しいです。案件を出している企業は即戦力人材を探しているためです。副業案件への参画を希望している方はまず実務経験をつけましょう。
2.システムエンジニアが副業をするメリット
システムエンジニアが副業をする場合、さまざまなメリットを得ることができます。副業の経験が将来のキャリアに影響する可能性もあるため、興味があるのなら案件・求人を確認してみるのがおすすめです。以下からは、システムエンジニアが副業をするメリットについて解説します。
収入が上がる
副業で仕事が増えれば、それだけ収入も増加する点は単純なメリットです。「本業の収入だけでは将来が不安」「万が一に備えて収入源を複数持っておきたい」といった人は、副業で現在の環境を変えてみるのも1つの方法になるでしょう。
レバテックが行った「2025年最新版 副業の実態調査」を参考にすると、副業をしているIT人材の収入は、「1万円~5万円未満」が38.1%、「5万円~10万円未満」が22.0%、「1万円未満」が15.2%となっています。この結果から副業をすることで、月々に数万円程度の収入アップに期待できるでしょう。(引用元:https://freelance.levtech.jp/guide/detail/61882/)
システムエンジニアとして高いスキルや実績があれば、高単価の案件・求人に応募できる可能性があります。副業で行っていたビジネスが軌道に乗った場合、フリーランスエンジニアとして独立し、さらなる年収アップにつなげることも考えられます。
副業がスキルアップにつながる
システムエンジニアの副業でさまざまな仕事を経験することで、自身のスキルアップを実現できるのも副業をするメリットの1つです。本業では経験できない仕事を担当できれば、その経験をきっかけに新しい領域で使えるスキルを身につけられることもあるでしょう。もちろん本業と同じ領域で副業をすることで、さらなる能力アップにつながる可能性にも期待できます。
なかなかスキル向上が実現できなかったり、将来に備えて幅広い領域で使える能力を高めたかったりする場合にも、システムエンジニアの副業はおすすめです。
副業の経験が実績になる
システムエンジニアとして副業をすることで、自分自身の実績を増やせる点もメリットになります。副業で学んだスキルを本業に活かせれば、社内評価を高めることも可能です。また、具体的に説明できる仕事のエピソードが増えると、転職やフリーランスとして独立するときに役立つでしょう。
実際に副業を経験することで、効率良く成果を出すコツや自分らしい働き方がわかってくることもあります。キャリアプランを変更したり、本業での仕事方法を変えたりするきっかけにもなるので、実績を作りつつ客観的な視点から自分を見つめ直すこともポイントです。
新しい人間関係を構築できる
副業をきっかけに人脈が広がり、新しい人間関係を構築できるケースもあります。人と交流する機会が増えれば、そこから学びを得たり、新しい仕事を紹介してもらえたりする可能性もあるでしょう。例えば副業の仕事先で優秀なシステムエンジニアに出会い、その人からスキルを学ぶことも考えられます。
副業で構築した人脈から安定して仕事を得られるようになれば、キャリアチェンジも検討できるでしょう。
自分の仕事適性を確かめられる
副業をきっかけに、自分の仕事適性を確かめられることもあります。自分が本当はどんな仕事に向いているのか、今後どのようなスキルを伸ばすべきなのか考えることも可能です。副業をすることで、自分に足りないスキルが見分けられる可能性もあるため、能力アップの方向性を決めるきっかけにもなり得ます。
また、副業の仕事を上手くできるかどうかで、フリーランスとしての適性を探ることも考えられます。在宅ワークや自分でスケジュールを決めて働くことが得意だと感じた場合には、フリーランスとして独立することも本格的に検討できるでしょう。
3.システムエンジニアの副業が「やめとけ」と言われる理由
システムエンジニアの仕事には多くのメリットがある一方で、一部からは「やめとけ」と言われることもあります。なぜ「やめとけ」という意見があるのか、以下で解説します。
プライベートの時間が減少する
副業に時間をかけると、それだけプライベートの時間は減ってしまいます。趣味や家族との時間を削ることになるため、ストレスが溜まる原因にもなり得るでしょう。
ストレスが溜まって精神的な負担が増えると、副業だけでなく本業にも支障が出る可能性があります。特にスケジュール調整に慣れていない最初の時期は、なるべく副業の仕事量を抑えて、プライベートの時間も確保できるように備えるのがおすすめです。
本業と折り合いをつけるのが難しくなる
副業と本業の折り合いをつけるのが難しい点も、「やめとけ」と言われる理由の1つです。副業に力を入れすぎてしまうと、本業の仕事が疎かになる可能性も懸念されます。最悪の場合社内での評価が下がり、モチベーションに悪影響を与えることも考えられるでしょう。会社の人たちにも迷惑をかけることになり、人間関係が悪化するケースも想定されます。
また、副業を優先して睡眠時間を削るようなことがあると、体調を崩してしまうリスクもあります。仮に風邪などで体調を崩せば、本業も副業も休まざるを得ません。あくまで本業ありきの副業であることを把握して、上手くスケジュールや仕事量を調整するのがコツです。
想定より稼げないことも考えられる
システムエンジニアは副業を1つの収入源として活用できますが、必ずしも大きく稼げるとは限りません。むしろ副業に慣れないうちは、作業時間に対して単価が安く感じられることもあるでしょう。
副業で単価が高い案件・求人に応募するには、それなりの実績やスキルが求められます。初心者や未経験の場合には、基本的に単価が安い案件・求人を数多くこなすことになるでしょう。
「思っていたよりも稼げない」と感じてしまうと、モチベーションが低下して副業への挑戦が頓挫してしまうリスクもあります。副業で稼ぐお金のハードルを上げすぎないことが、結果的に将来の収入を高めることになるでしょう。
4.システムエンジニアにおすすめの副業
システムエンジニアは、スキルを活かしてさまざまな副業に挑戦できます。例えば以下で紹介する副業は、普段システムエンジニアとして働いている人にもおすすめです。
各種開発業務
システムエンジニアとしての経験を活かして、さまざまな開発業務に副業で携わることが可能です。例えば以下の開発業務は、スキル次第で副業の案件・求人に参画できます。
アプリ開発
ゲーム開発
システム開発・設計 など
これまでの経験や知識・技術が役立てられるのなら、開発業務を中心に副業を探してみるのも1つの方法です。
コーディング業務
プログラミングスキルに自信があるのなら、コーディングの副業を試してみるのもおすすめです。これからWeb開発のスキルを高めたいといった人は、副業で報酬を得つつスキルアップを目指すことも考えられます。
プロジェクトにおける下流工程の業務を体験しておくことで、本業のシステムエンジニアの仕事でプログラマーに適切な指示やアドバイスができるようになるでしょう。
Webライティング
タイピングや文章作成が得意な人は、Webライティングを副業にするのも1つの方法です。1文字〇円といった単価で計算されるのが基本で、実績を増やすほどに文字単価が高い案件・求人を受けやすくなります。
IT業界やシステムエンジニアでの経験を活かして、専門性の高い記事の作成に取り組むことで、早い段階から高単価の仕事ができる可能性もあります。
また、文字を書くのが好きならば、ブログ運営も考えられる副業です。アクセス数を増やすことができれば、その分の広告収入を得られます。
システムエンジニアの仕事経験などを参考に、新人エンジニアに向けた記事を書くのもおすすめです。ブログはポートフォリオとしても利用できるため、自身のキャリアをアピールする武器にもなる点も魅力です。
IT関係の講師
IT関係のスクール講師やコンサルタントの仕事も、副業になり得ます。システムエンジニアとして働いてきた経験を知識・技術として提供することができれば、優秀な講師として活躍を目指せるでしょう。
講師の副業で人に教える経験は、システムエンジニアとしてクライアントやプログラマーとコミュニケーションを取る際に役立つ可能性があります。
昨今はオンラインで行われるスクールもあるため、在宅で副業をしたい人にもおすすめです。
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5.システムエンジニアが副業で効率良く収入を得る方法
システムエンジニアの副業で稼ぐには、効率を重視することが1つのコツになります。以下では、システムエンジニアが副業で効率良く稼ぐための方法・ポイントについて解説します。
案件・求人を見つける方法を複数準備しておく
システムエンジニアが副業をする際には、案件・求人を見つける方法を複数準備しておくのがポイントです。複数のサービスを並行して利用することで、多くの案件・求人をチェックできるため、自分に合った魅力的な副業を探しやすくなるでしょう。例えばシステムエンジニアが副業案件・求人を見つけるのなら、以下の方法がおすすめです。
クラウドソーシングサービス
スキルシェアサービス
求人サービス
エージェントサービス など
上記のように、システムエンジニアが副業を探す手段は複数あります。
まずは各サービスを実際に利用して、使いやすいものや自分のニーズに合ったものを選ぶと良いでしょう。将来的にフリーランスになることも考えているのなら、フリーランスの案件・求人を紹介するサービスの利用もおすすめです。
SNSや友人の人脈も活用する
SNSや友人・知人からの紹介によって、副業案件・求人を見つけられるケースもあります。専用のSNSアカウントを作成し、ポートフォリオや過去の経歴を記載してアピールすることも1つの方法です。
友人・知人といった人脈を使い、あらかじめ副業をする予定であることを伝えておき、話を持ってきてもらえるように依頼するのもポイントです。ただし、あまりしつこいと人間関係の悪化につながるため、強要はしないように注意しましょう。
自身の市場価値に合った仕事を探す
自身の市場価値に合った副業を選ぶことも、効率良く稼ぐための方法です。市場価値を見誤り、難易度の高い案件を引き受けてしまうと、納期に間に合わないなどのトラブルに発展する可能性があるでしょう。
副業に慣れていないうちは特に、自分の能力に見合わない案件・求人は避けるのが得策です。少しずつスキルアップを進めていき、市場価値を高めて副業の収入を増やしていくことが大切です。
6.システムエンジニアが副業をする際に注意すべきこと
システムエンジニアが副業を始める場合、事前に注意すべきポイントを確認しておくのも重要です。以下を参考に、副業を成功させるために知っておきたい注意点を把握しておきましょう。
体調管理に気をつける
副業をするときに限りませんが、体調管理には気を遣うように注意しましょう。体調が崩れると本業を優先せざるを得なくなり、副業案件・求人にまで手を回す余裕がなくなります。
副業を始めたことで睡眠時間が減少し、体調不良につながるケースも懸念されます。副業をするからこそ、余裕のある生活を心がけて体調を万全に整えましょう。
確定申告の方法をチェックしておく
副業をする場合、確定申告など税金に関する知識を把握しておかなければなりません。基本的に副業の収入が年に20万円以上になる場合、確定申告で所得税を納める必要があります。
確定申告をしていないと、追徴課税によって本来よりも多くの税金を収めなければならなくなります。警告があったにも関わらず税金を収めないでいると、より重いペナルティがつくリスクもあるでしょう。
税金に関してわからないことがある場合には、税務署を訪れて質問するのがおすすめですが、確定申告の時期である2〜3月は混み合うため、なるべく早い時期から準備をしておきましょう。
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7.まとめ
システムエンジニアとして働きつつ、副業で新しい収入源を作ることも考えられます。副業の種類は多数あるため、自分が得意とする仕事だけでなく、挑戦してみたい新しい領域の仕事に挑戦してみるのもおすすめです。副業をきっかけに収入が増えれば、本業からシフトすることも検討できるでしょう。フリーランスのシステムエンジニアとして活躍できる可能性もあるため、この機会に副業から本業以外の業務に携わり、将来のキャリアを見直してみてはいかがでしょうか。
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