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副業(ダブルワーク)の年末調整|確定申告が必要な場合と注意点

公開日:2024/10/28最終更新日:2024/10/28

年末調整は会社に雇用されている従業員の1年間の所得税を正確に計算し、納税額を確定させる仕組みです。


正社員だけでなくパートやアルバイトといった雇用形態の従業員も同様に年末調整を行い、正確な納税額を算出します。さらに本業に加えて副業で一定の収入を得ている人は、年末調整に加えて確定申告が必要になる場合があります。


そこで本記事では副業をしている人が年末調整の対象となる条件や、副業収入に関して確定申告が必要かを判断するためのポイントについて詳しく説明します。


目次

1.副業(ダブルワーク)が増えている社会的背景

副業(ダブルワーク)とは、本業とは別に行う仕事のことを指します。


たとえば会社員が出勤前・退勤後・休日などの空いた時間を利用してアルバイトをしたり、ライターとして記事を書いたりアフィリエイトブログを運営したりイラストを販売するなどの本業以外で報酬を得る活動がこれに該当します。


副業は会社から支給される給与以外に収入を得るための取り組みを指し、株式投資などの投資収益は副業とみなさない場合が一般的です。


2017年に政府の「働き方改革実行計画」では「労働者の健康に配慮しつつ、原則として副業・兼業を認めることを推進する」という方針が打ち出され、副業の許容が推奨されました。これを受けて厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定したため、以前は副業を禁止していた企業でも副業・兼業を認めるケースが増加しています。


例えば、スキマバイトサービス「Timee(タイミー)」を運営している株式会社タイミーが2024年7月東京証券取引所グロース市場へ新規上場しています。Timee(タイミー)は登録ワーカー数900万人を超えており、短時間でのアルバイトや副業の手段として多くの人に利用されています。2024年度の売上高は275億円を見込んでおり、タイミーの急成長は、柔軟な働き方を求める人々のニーズが高まっていることを示しています。


近年会社員の副業が広がっている背景には、このような働き方改革の影響が大きく関わっています。

2.年末調整とは

年末調整とは会社に勤める給与所得者が1月1日から12月31日までに源泉徴収された所得税を正確に計算し、最終的な納税額を確定させる手続きです。


会社員やパート・アルバイトとして勤務している場合、毎月の給与やボーナスから所得税が源泉徴収されます。これはあくまで仮の金額で、最終的な納税額ではありません。


そこで年末調整においてその年に支払われた給与所得や源泉徴収された所得税・控除額などを確認し、源泉徴収分との過不足を調整します。過払いがあれば還付され不足があれば追加徴収されることで、正確な税額が確定します。年末調整では給与に対する所得税だけでなく、生命保険控除や扶養控除などの各種控除も反映されます。


ただし医療費控除・初年度の住宅ローン控除・ワンストップ特例を利用していないふるさと納税の控除については対象外となるため、これらが必要な場合は確定申告も行う必要があります。

3.年末調整の対象者と対象外の人

年末調整の対象は正社員だけに限らず、パートやアルバイトといった雇用形態の方も含まれる場合があります。年末調整を受けるかどうかの違いは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しているかにかかっています。


所得税法に基づき会社は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出した従業員に対して、年末調整を行う義務があります。つまりこの申告書を会社に提出していない人は、年末調整の対象にはなりません。

年末調整の対象となる人

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出した上で次のいずれかに該当する場合、年末調整の対象となります。

  • その年を通じて勤務している人

  • その年の途中で就職し、年末まで勤務している人

  • その年の中途で退職した場合で、以下に該当する人

    1.死亡により退職した人

    2.心身の著しい障害で再就職が見込めない人

    3.12月の給与を受け取った後に退職した人

    4.パートやアルバイトとして働き、その年に受け取る給与総額が103万円以下で退職した人

    5.その年の途中で海外に転勤し、非居住者となった人

1年を通して働いた人だけでなく途中で就職や退職した場合でも、上記の条件に当てはまれば年末調整の対象となります。

年末調整の対象外となる人

年末調整の対象外となる人は以下の通りです。

  • その年の給与所得が2,000万円を超える人

  • 災害被害を受け「災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律」に基づき、その年の源泉所得税や復興特別所得税の徴収猶予または還付を受けた人

  • ダブルワークなどで2ヶ所以上から給与を受けており、他の雇用主で年末調整を行う人

  • その年の途中で退職し、再就職の見込みがある人

  • 日本国内に居住していない人

  • 一定の条件を満たす日雇労働者

  • 年末調整時までに扶養控除申告書を提出していない人

給与所得が2,000万円を超える場合は、年末調整の対象外となります。また再就職する場合は、新しい勤務先で年末調整を行います。

年収103万円以下でも年末調整が必要か?

パートやアルバイトで働いている場合年収が103万円以下であれば、基礎控除と給与所得控除が適用されるため所得税は発生しません。しかし収入状況によっては年収103万円以下でも、月々の給与から所得税が引かれることがあります。


源泉所得税は毎月の給与から差し引かれ、この金額は「源泉所得税額表」に基づいて計算されます。例えば扶養控除等申告書を提出している従業員であれば、社会保険料等を差し引いた当月の給与が8万8,000円未満なら所得税はかかりませんが8万8,000円以上の場合には所得税が課されます。


つまり年間の収入が103万円以下であっても、月収が8万8,000円を超える月があるとその月には源泉徴収が発生します。ただし、1年間の総収入が103万円以下であれば年末調整によって引かれた源泉所得税は全額還付されます。

4.副業(ダブルワーク)でも本業で年末調整をしてもらえるのか?

副業が解禁されたことにより、副業やダブルワークをしている人が増加しています。しかし副業を始めた人の中には、年末調整と副業の関係について詳しく知らない人も少なくありません。


多くの副業を持つ人は本業で年末調整の手続きを済ませていますが、副業から得た収入に関してはどのように対応すればよいのでしょうか。


この章は、副業(ダブルワーク)に関する年末調整の手続きについて解説します。

年末調整は一つの勤務先でしか受けられない

個人事業主やフリーランスとして働く人は1月1日から12月31日までの収入を自ら申告し、そこから算出された納税額を一括または分割で支払います。この手続きが確定申告です。


一方企業に勤務している場合、各従業員の所得税は雇用主である企業が代わりに納めています。しかし毎月の給料から引かれる所得税は概算であり、正確な税額ではありません。そのため正しい税額を納めるために過不足を調整するのが年末調整の手続きであり、最近では社内システムやクラウド上での申請が一般的です。


納付すべき所得税の額は収入だけでなく、生命保険料控除・配偶者控除・扶養家族控除などさまざまな個別の事情に応じて所得控除を考慮して計算されます。源泉徴収ではこれらの控除が反映されていないため年末調整の書類を用いて、毎月の給与から引かれている金額と正確な税額とのズレを修正します。


なお副業と本業の両方で年末調整を受けると所得控除を重複して使用することになりますので、年末調整は勤務先1か所でのみ受けることができます。

複数の勤務先から年末調整書類をもらった場合でも手続きは1か所で行う

複数の職場で年末調整を行うと、各種控除の申請が重複してしまいます。そうすると納税額の計算に誤りが生じる可能性があるため、複数の企業から年末調整の書類を受け取った場合でも手続きは必ず1か所で実施するようにしてください。


一般的には、最も給与が高い本業の勤務先で年末調整を行うのが望ましいです。もし3か所以上から給与を得ている場合でも、収入が最も多い企業を本業として手続きを進めます。


副業の収入に関しては、通常確定申告が必要です。雇われてダブルワークをしているということは2か所以上の企業から給与を受け取っていることを意味します。しかし、年末調整が適用されるのは1か所だけです。本業の収入については年末調整を行い、副業分は確定申告で納税額を確定させます。


また副業において個人事業主として収入を得ている場合もあります。この際は給与を受け取っているわけではないため、通常通り本業で年末調整を行い副業分は確定申告を行う必要があります。

5.年末調整の手続きに必要な書類

企業は通常、12月の給与支払いに合わせて年末調整を行います。このため12月分の給与計算に間に合わせる必要があるため、毎年11月下旬から年末調整の準備を開始します。


勤務先からは「給与所得者の保険料控除申告書」・「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」・「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」が配布されます。必要事項を記入したら、12月の初めにはこれらの書類を会社に提出する必要があります。

給与所得者の保険料控除申告書

年末調整で保険料控除を受ける際に必要となる書類です。生命保険や地震保険に加入している場合はこの用紙に必要事項を記入し、証明書類を添付することで保険料控除を受けることができます。

給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書

年末調整で基礎控除や配偶者(特別)控除、所得金額調整控除を受ける際に必要な書類です。控除を受ける納税者本人のその年の合計所得金額が1,000万円以下であるなどの条件を満たし、配偶者の所得が給与所得のみで所得が48万円を超え133万円以下である場合は、この用紙に必要事項を記入することで配偶者特別控除を受けることができます。


なお2024年分は令和6年分給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書兼所得金額調整控除申告書となっています。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

次年度の給与所得に関して扶養控除や障害者控除を受けるために必要な書類です。扶養家族がいない場合でも、この書類は提出する必要があります。

6.副業(ダブルワーク)で確定申告が必要なケースとは?

ダブルワークをしている人は、一般的に確定申告が求められることが多いです。しかし、特定の条件を満たすと確定申告を行わなくても良い場合もあります。副業の確定申告が必要なケースについて、以下にまとめました。

2つ以上の勤務先から給与を受け取り、1か所でのみ年末調整がされている

複数の職場から給与を受け取っていて1か所で年末調整を行った場合は、必ず確定申告をしなければなりません。年末調整を行っていない勤務先では実際に納めるべき税額と源泉徴収で支払った金額に差が生じているため、確定申告によって正しい税額に修正する必要があります。


ただし年末調整を受けていない給与収入の合計と給与所得および退職所得以外の収入が20万円以下であれば、確定申告は不要です。


また給与収入の合計から所得控除(雑損控除・医療費控除・寄付金控除・基礎控除以外の控除)の合計を引いた額が150万円以下でかつ給与所得や退職所得以外の所得が20万円以下の場合も、確定申告をする必要はありません。

副業の所得が20万円を超えている

個人事業主として副業をしている場合、所得を確定申告する必要があります。ただしその所得が20万円以下であれば確定申告は不要です。


ここで重要なのは、基準となるのは収入ではなく所得であることです。所得は、収入から必要経費を引いた金額で算出されます。例えば副業で100万円の売上があった場合でも経費が80万円以上かかっていれば、所得は20万円以下となり、確定申告は不要となります。


ただし、これは所得税に関する話です。確定申告が不要でも、住民税の申告は必須となるため注意が必要です。詳しくは次の章で説明します。

7.副業(ダブルワーク)の所得が20万円以下でも住民税申告は必要

副業の所得が20万円以下の給与所得者は確定申告を行う必要はありません。しかし副業の所得があるにもかかわらず確定申告をしなかった場合、住民税の申告が必要であることに注意が必要です。


確定申告の内容は税務署から市区町村に送信され、その情報を基に市区町村が住民税を計算します。確定申告を行わないと副業の所得が課税所得に含まれず、住民税の正確な税額を算出できなくなります。そのため住民税の申告を別途行う必要があるのです。


住民税の申告は確定申告と同様に毎年2月16日から3月15日までの期間に、1月1日に住所がある市区町村の役所で行います。住民税の申告に必要な書類は以下の通りです。

  • 市民税・県民税申告書

  • マイナンバーを確認できる書類(マイナンバーカードや通知カードなど)

  • 所得の証明書(源泉徴収票・支払調書・支出した経費がわかる書類など)

  • 各種控除の証明書(生命保険料の控除証明書・医療費控除の明細書など)


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8.副業(ダブルワーク)の年末調整で注意すべきポイント

副業を行っている人は基本的に本業の職場で年末調整を受け、副業の所得については確定申告を行います。ここでは、特に注意が必要な状況について説明します。

本業やメインの職場で年末調整が行われていない

副業には、アルバイトやパートを複数同時に行うケースもあります。この場合どの勤務先でも年末調整を受けていないなら、確定申告を通じて所得税を申告する必要があります。


ただしアルバイトの収入を合計しても年間で103万円以下であれば、確定申告は不要です。給与所得控除が最低55万円あり、これに基礎控除48万円を加えた合計が103万円までの間は納税する所得税が発生しません。


しかし年間収入が103万円以下であっても、月々の給料から源泉徴収で所得税が引かれていることがあります。この場合、確定申告をしなければ税金の還付を受けられません。確定申告は不要ですが、払いすぎた所得税を還付してもらうために申告することをおすすめします。

年末調整を2か所で行ってしまった場合

前述の通り、年末調整を受けることができるのは1か所だけです。しかし2か所に勤務している場合、両方の職場から年末調整の書類を受け取りそれらを両方とも提出してしまうことがあるかもしれません。


複数の職場で年末調整を行うと所得控除が重複して適用されるため、正確な納税額を算出できなくなります。その結果、所得税の確定申告が必要になります。


控除を重複して受けている場合、つまり控除されすぎていると納税が不足している状態になっています。本来納めるべき税金を払っていないことになり、延滞税や無申告課税といったペナルティが科せられる可能性があるため十分注意が必要です。


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9.副業(ダブルワーク)で確定申告を行う方法

普段は会社員として働いているが今年から副業を始めた人の中には、確定申告をしたことがない人も多いかもしれません。副業の形態や所得の種類によって、確定申告の方法は異なります。そこで、副業を行っている人のための確定申告の手続きについてまとめました。

本業と副業で給与を受け取っている場合

本業と副業で給与を受け取っている人は、両方とも給与所得になります。毎年10月から12月頃に勤務先で年末調整の書類が配布されるので、必要事項を記入して提出してください。これで本業の手続きは完了です。


一方副業やダブルワークの勤務先で年末調整の書類を受け取った場合は、その書類を提出せずに自分で確定申告を行います。本業と副業から受け取った源泉徴収票をもとに確定申告を行い、源泉徴収票に記載された給与収入を合算して給与所得として申告してください。

個人事業主として副業を行っている場合

副業やダブルワークについてどこかの企業に雇われているのではなく、個人事業主やフリーランスとして活動していることもあります。この場合本業では年末調整を行い、副業については確定申告を実施してください。


副業の規模に応じてその所得が事業所得として扱われるか、雑所得となるかが決まります。この場合でも本業からの源泉徴収票を用意し、正確な税額を計算する必要があります。

副業(ダブルワーク)で確定申告を行う手順

確定申告は、基本的に1年間の所得を翌年の2月16日から3月15日の間に申告します。ただしその日が土曜日・日曜日・祝日の場合は、翌営業日が提出期限となります。


申告の締切に遅れると延滞税や無申告課税といった罰則が適用されることがあるため、早めに手続きを行うことをお勧めします。

STEP1. 確定申告書類の準備

確定申告はe-Tax・郵送・税務署の窓口の3つの方法で提出可能です。税務署の窓口に提出する方法は初めて確定申告を行う人や、質問をしながら申告書を作成したい方におすすめです。


e-Taxを利用する場合はインターネットを通じて確定申告書を作成し、そのまま提出できます。自宅から税務署や郵便局に行く必要がないため、非常に便利です。


郵送で提出する際は自宅で申告書を作成し、郵送することになります。確定申告書は税務署の窓口で受け取ることもできますが他にも確定申告会場や市区町村の担当窓口・指導相談会場などでも入手可能です。各窓口によって受付時間や整理券の配布が異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。


また国税庁のホームページ「確定申告特集」では必要な申告書を印刷できるほか、付表・計算書・明細書・手引きといった関連書類も掲載されています。

STEP2. 源泉徴収票や領収書の用意

確定申告書を準備したら、他の必要書類も整えましょう。ダブルワークをしていて給与を2か所以上から受け取っている場合は、すべての源泉徴収票を用意する必要があります。また医療費控除を受ける場合は1年間にかかった医療費を記入するために、領収書やレシートを準備しておきましょう。

STEP3. 確定申告書を作成し提出する

必要な書類が揃ったら、いよいよ確定申告書を作成する段階に入ります。


税務署の窓口は原則として平日の8時半から17時まで開いています。ただし確定申告の期間中は休日も営業していたり特別に確定申告会場が設けられていることもありますので、お住まいの地域の税務署を確認してみましょう。


e-Taxの提出期限は3月15日の23時59分ですが、期限ギリギリでもデータ送信が完了すれば期限内として認められます。しかしあまりにも直前に提出しようとすると送信ミスが起こって遅れる可能性があるため、余裕を持って提出することをお勧めします。


郵送で確定申告書を送る場合は、納税地の税務署に宛てて送付します。確定申告書は郵便法において定められた信書に該当しますので、税務署に送る際には「郵便物」(第一種郵便物)または「信書便物」として送付しなければなりません。ゆうパック・ゆうメール・ゆうパケットでは確定申告書を送付できないので注意が必要です。


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10.副業(ダブルワーク)で確定申告を行う際の注意点

ダブルワークを始める前に確定申告を経験したことがない人も多いでしょう。ここでは、確定申告を行う際の注意点をお伝えします。

確定申告が不要でも、申告した方が良い場合もある

上記では、確定申告が必要なケースと不要なケースについて説明しました。しかし確定申告が必須でない場合でも、申告を行うこと自体は問題ありません。


所得税の確定申告が不要な場合でも申告をすることで税金の還付を受けられる場合には、そのままにしておくと過剰に税金を支払うことになります。例えば源泉徴収されているけれども総収入が103万円以下の場合は、還付金を受け取れることがあります。


またその年に医療費が10万円を超えて支出された場合は、確定申告をすることで医療費控除を受けることができます。医療費控除の対象となるのは本人や生計を一にする配偶者・その他の親族のために支払った医療費であり、家族全体で計算します。

会社の副業規定を確認すること

副業を始める前に、会社の就業規定に反していないか確認することが大切です。


勤務先に副業が知られる主な理由の一つは住民税の支払いです。住民税の納付方法には普通徴収と特別徴収の2種類があります。普通徴収は納税者が自治体に直接支払う方法で多くの会社員は特別徴収を利用しており、これは勤務先が毎月の給与から住民税を天引きして自治体に納付する方式です。


副業を行っていると年末調整の他に所得を申告する必要があるため、住民税の額が変更される可能性があります。その結果本業の収入に対して住民税が増加し、勤務先に副業が発覚するかもしれません。


副業を秘密にしたい場合は、確定申告や住民税の申告の際に住民税の納付方法を「自分で納付」に設定してください。これにより給与からの天引きは行われず、自治体から送られる納付書で住民税を支払うことができます。


ただし住民税を普通徴収にできるのは、基本的に副業の収入が雑所得などの給与所得以外の場合です。副業が飲食店でのアルバイトなど給与所得の場合には本業と副業の合算された給与所得に対して住民税が本業の給与から天引きされます。


副業の住民税の徴収方法については市区町村によって異なるため、申告する前に市区町村の役所に確認しておくことをお勧めします。

確定申告を忘れた場合、期限後申告を行う

副業で20万円を超える所得があるにもかかわらず期限内に確定申告を行わなかった場合は、速やかに申告を行うことが重要です。この手続きを期限後申告と呼び、通常の納税額に加えて無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。例えば延滞税の税率は以下の通りです。

  • 納期限の翌日から2か月以内:年率7.3%または延滞税特例基準割合+1%のいずれか低い方

  • 納期限の翌日から2か月を超えた場合:年率14.6%または延滞税特例基準割合+7.3%のいずれか低い方

延滞税特例基準割合とは、平均貸付割合に1%を加えた割合です。平均貸付割合は財務大臣が前年の11月30日までに公表する、その年の前々年の9月から前年の8月までの各月の銀行の新規短期貸出約定平均金利の合計を12で割ったものです。


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11.まとめ

副業やダブルワークを始めると、収入が変動することがあります。そのため新たに手続きを行う必要が出てきて、戸惑うこともあるかもしれません。これから副業を始める場合は、必要な手続きを事前に確認しておくことが重要です。


フリーランスの場合必要経費の領収書や青色申告の申請など、早めに手続きを済ませておくべきものもあります。


自分の働き方に応じて、必要な手続きを整理しておきましょう。

本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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